会話シーンのプレスコと口パク合わせ
何度も書いてますけど家庭菜園のアニメのえっちじゃない会話シーンは声を先に収録していただいて口パクを後から合わせるプレスコ方式で作っています。
会話シーンの音声ありverは『あねっくす!』特設のサンプルムービーをご覧ください。
めっちゃ苦労して作ってるといくら主張しても、どうやってるのかはよく分からない方が多いかと思うので、家庭菜園での作業の流れをザックリと記しておきます。
あくまで家庭菜園流の……ということで。
音声ファイルを聞きながらタイミングを書き出す
やってることはすごく原始的というか力業というか単純で、まずAEのタイムラインに1シーン分の音声ファイルを投げ込みます。
そしてオーディオウェーブを表示させて、そのまま台本と対照しながら音声を聞き、セリフの言葉や息継ぎなどの区切りの尺をチマチマと紙に書いていきます。
特に促音と語尾の伸ばし(「ちゃった~?」みたいな)は口パクと音声のタイミングが合うとすごくシンクロ率が高く見えるので、ほぼ全て個別に尺を記述しておきます。
タイムシートを作る
この作業が単純だけどすごく重労働で、シンクロ率を高めようとすればするほど細切れに尺が記述してあり、タイムシートを作るときにメチャクチャ大変な思いをすることになります。
基本的に2コマか3コマ打ちになるはずなのですが、しゃべるスピード、感情などで変化するから変則コマ打ちが多数発生し、上記したように伸ばしとかも色々考慮して1コマごとに打っていくことも多々あるため、死にそうになりながらシートを作ってます。
ただ、声優さんのキャラ演技のクセが把握できる後半戦は「このセリフはこんな感じのシートだろうな」というふうにある程度どういうふうになるのかが理解できてるので、作業が進めば進むほど負担は減っていきます。
それでも重労働には変わりありませんががが……。
シーン単位でプロジェクトファイルを作成
口では説明しづらいのでだいたい(↓)こんな感じだと思ってください。
オレンジの部分がタイムシート作成済みのセルで、これが1カットの区切りだと思ってください。
そのカットがだだだだーっと並んで1シーンを構成します。
つまり、会話シーンの場合は撮影と同時に編集まで1つのプロジェクトファイル内でやってしまってます。
なにせ会話シーンはカット数が多すぎてバラバラに作業すると作ってる方としても訳が分からなくなって効率が悪かったので…(10年くらい前に懲りた)。
えっちシーンは1カットずつプロジェクトファイルを作って1カットずつレンダリングして、編集用の新規プロジェクトファイルにレンダリングしたかっと単位のムービーを入れて編集します。
苦労は画面に出る(と信じる)。
なんかもうアホみたいに思われるかもしれませんが、会話シーンをわざわざ大変なプレスコ形式でやる意味はあると個人的には考えています。
「買って頂いてプレイされる方に会話シーンで没入感を持ってほしい」という思いがありますし、作り手としても気持ちよく音声と口パクがシンクロしてると「ヤッタゼ!」という達成感もあります。
細かいところまで手作業でやればタマシイも入るような気もする(根性論)。
売れる売れないという「結果」として報われるかどうかとは無関係かもしれませんが、買って頂く方への想い、そして作り手としての意地でこのメチャクチャ大変な作業を毎回泣きそうになりながら続けています。
覚悟を決めて1年かけて作るからには、毎作自分たちが制作時点で出来る範囲の最大限の努力をしていると自負しています。
手抜きは一切していませんので、もし手抜きに見えたらそれは家庭菜園の中の人の能力が足りてないかマンパワーの限界だと考えてください。
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余談。
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