近況12/20 花に嵐のたとえもあるぞ

 今年のクリスマスも出勤日になりました。陵魚です(どんより

 といってもまぁ、もはやソシャゲのイベントくらいでしか季節感を感じなくなりつつあったりもしますがね。せめて鶏肉焼くくらいの気力も湧かねぇぜ。


 さて、現在はFGO二次創作エル・アマルナの続きを執筆しております。
 いつも大体月末ギリギリに投稿しておりますが、さすがにエロ小説を大晦日の年越しギリギリに出されて正月に読むかというと、まぁしないよね、というところもあり、できるだけ前倒しで投稿できるように頑張れるだけ頑張ろうかなと思ってます。
 ダメそうだったら次回更新は三が日が明けた辺りにしようかと。
 ……どうなんだろ。逆に正月休みは暇になるから更新あった方が嬉しいという読者さんもいますかね? ちょっと迷いどころ。

 まぁ早く仕上げるに越したことはないので、せいぜい頑張ります。



 さて。
 先月に投稿したFGO二次創作エル・アマルナの第4節について、ちょっとした余話など。
 花をモチーフにした展開というのは構想時点から真っ先に決まったことだったわけですが。その時点で、以前読んだとある本が強力なイメージソースの一つになっていました。

 澁澤龍彦という、幻想文学とエッセイの執筆で有名な作家さんがおられます。
 名前でGoogle画像検索すると、なぜかドクロを膝上に抱えて座っているという謎写真がヒットすると思いますw
 この作家さんの代表作の一つに『高丘親王航海記』というのがありましてね。
 いろいろ奇想天外で掴みどころのない不思議な物語を描く小説なんですけれども。
 この中に、ゆえあって男装をしている少女が旅をする一行の一人として出て来ます。
 普段はかっこうと同じように男の従者として振る舞ってるんですけど旅の途中でものすごく良い香りのする花に遭遇して、その子が我を忘れたようにふらふらと花に寄って行って、両手いっぱいの花の芳香の中に夢中で鼻をうずめて恍惚とする、みたいなシーンがあるんですよね。
 そのシーンの印象がものすごく強くて。
 場面としては本当に、花の香りを嗅いでるだけなんですけど、読んでる私は強烈に「なんてエッチぃんだ……」って思って。場面としても本当に短いのに、この本の中でも特に忘れられないシーンになったのでした。

 なんていうかね。あからさまな濡れ場だけが「エロい」わけじゃないんだな、というのを一番思い知らせてくれたシーンだったんですよ。
 もちろん、局部が露出して、喘ぎ声出して、っていうストレートなエロは一番ダイレクトにあるわけですけどね。でもそれだけじゃない、露出も露骨な描写もないにも関わらず、猛烈にエロく感じるっていうことがあるんだ、と。

 その場面について言えば、そもそも男装の少女である秋丸というその子が、普段は身なりと同じように男の子の従者として抑制した行動をずっとしてた、というのとギャップもあるわけですよね。自分の欲望に簡単に身を任せるような子じゃなかったのが、花の香りでそういう抑制が吹っ飛んで夢中になってしまってる、っていう「物語の文脈が生み出すエロさ」なんだよね。
 まぁだから、たとえばお堅い風紀委員長みたいな子がトロトロになってエッチなこと求めてしまうシーンのエロス、みたいな感じですよw
 それを、露骨な官能小説の文体じゃなく、澁澤の幻想文学の文体で書いてるっていうのもね、逆に良いんだよね。ドギツい露骨な言葉を選んでればエロくなるとは限らないと思うの。
 作品づくりってそこが面白くてさ。スイカに塩をかけることで、かえって甘く感じる、みたいなマジックがあるんだよね。あえてエロくない言葉を選んだ方がエロい、みたいなの。食べる人に甘さを感じさせたいからって、毎回砂糖を大量にぶっかけてたら飽きちゃうし、味もしつこくなっちゃうからね。

 まぁ私は直球のエロ小説を書いているので、露骨なエロ描写をメインにしているわけですが、でもそこに、そういう文芸的なエロさの出し方をプラスで載せられたら、もっとエロくなるんじゃないか、みたいなことは考えるんですよな。
 先日のゲ謎感想の中でも書いたけど、直接的なエロに、プラスアルファの趣向を載せていくことで違った味を出していく、というのが出来たら、できることがすごく増える。そういうプラスアルファを狙っていきたいなと。

 今回のシーンは、なので誰にも分からない、作者1人にしか通じない澁澤龍彦オマージュだったのですw
 まあでも、そんな感じで、私が思う最強のエロをこれからも追求していきたいと思います。
 今年ものこりわずかとなりましたが、皆様におかれましては来年もどうぞよしなに。

 そんなところで。


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