近況5/14 見えなくなってしまったものは
支援者さん向け小説はもう数日お待ちください。
当初は限定小説はせいぜい1万字程度を想定していたんですけど、もうそれくらいの字数は悠々オーバーするのが当たり前みたいになってますねぇ。
だいたいこういうの、放っておくとどんどん肥大化するよね。肥大化するのはヒロインのお胸とクリだけで良いんだけど(妄言
で、まぁ本日、また一つ年を重ねました。もう自分の年齢を思い出すのも億劫だよ。
特にリアルでこれといって何があるというわけでもなく、最近はもっぱらソシャゲでキャラクターの誕生日ボイスを聞く日みたいになりがちでございますね。
とはいえ、それだけというのも何なので、せいぜい美味しいものでも食べてくるとしましょう。
さて、たまには最近読んだ本について軽く雑記など。
マーク・トゥエイン『人間とは何か』
https://www.kadokawa.co.jp/product/321611000013/
なぜか家に積読されてたのを崩してみた。
「人間は外部から刺激を受けて反応するだけの機械にすぎず、環境の影響がすべてで、人間自身が独自に何かを生み出したり考え出したりなんてできないし、あらゆる行為は自分の満足のために行っているので、純粋に他者のための慈善なんて存在しない」
……というテーマをひたすら論証していくという対話形式の作品。
利他なんてあるわけねぇだろ、自己犠牲的に見える行為も全部本人が満足するためにやってんだよ、という話が延々説かれていて、一見イジワルな本に見えるわけですが、私はむしろ「最初にこれくらいブチ上げた方がかえって気楽だよな」って、希望の本だよなーと思いながら読んでました。
ほら、誰かが巨額の寄付をしたり慈善活動したりすると、必ず「偽善だ」って言ってくる人おるやん? で、そういうの見てて、自分で何か他人のための寄付とか善行をする時にも「これって本当に純粋な善意なのかな、自己満足のための偽善じゃないのかな」って悩んだりすることもあるじゃないですか。
でも本当はそんなの全部、余計なことなんよね。
俳優の杉良太郎さんは災害とかが起こると駆けつけてボランティアを精力的にされる方なんですけど、やっぱり「売名行為だ、偽善だ」って言ってくる人はたくさんいるらしくて。それに対してご本人は「もちろん偽善ですよ」って飄々と言って、活動を続けてるんだよね。私、あれ正しいと思うの。
なんの混じりっけもない純度100%の善意しか認めません、なんて言ってたらさ、この世からボランティアや寄付や慈善活動なんて全滅しますよ。そして善意の純度になんて意味はないんだよね。下心があろうと無かろうと、とりあえず行為することがまず一番大事なわけでしょ。
なので、「あらゆる慈善活動は偽善である」って最初に認めちゃって、「だから何?」って言いながら実際の行動を進める方が精神衛生にも良いし、下手に取り繕うより健全だよな、って。
『魔法少女まどか☆マギカ』でさ。美樹さやかは本当に純粋に、恭介のためなんだと思って魔法少女になる契約を交わしたけど、それは無償の愛だったはずなのに、報われないと知った瞬間心折れて魔女になっちゃったわけですよ。一方、愛してるなら利己的になりなって言ってた杏子の方が、逆に純粋な自己犠牲でさやかのために行動できた、っていう展開があったじゃないですか。私、あれ大事だと思うの。
一度、自分のエゴ、自分の利己的な心を認めちゃった方が、かえって善意による行動が完遂出来たりするんだよね。我々は聖人君子じゃないんだからさ、って。
本書は解説書いてる人も人間というものに悲観した本だって書いてたんだけど、私はわりとそういう思想の持主なんで、明るい本だと思いながら読んだりしてました。
というわけで、偽善でいいじゃん。みんなもどしどし偽善をやろうぜ。
用兵思想史入門
https://sakuhinsha.com/history/26054.html
突然、何の脈絡もなく、全然知らない分野の入門書読むの大好き侍。
歩兵に対する騎馬民族の騎兵の優位性とか、歴史をかじってると部分的にいろいろ目にはしますけど、改めて特定分野にフォーカスして歴史をたどっていく感じの本好きなんだよね。
歴史上一度は廃れた歩兵戦術が、新兵器の登場で環境が変わって復活してきたりとか、その辺も単線的な発展じゃないのが面白いですね。
個人的に面白かったのは、以前第一次世界大戦の本読んだ時に、互いににらみ合いをする領地と領地の接する部分、すなわち前線がどんどん横に伸びていって、ついには海にまで到達する横に長い前線が構築されたって話を読んで、「そんなん、延々と間延びしていったらどこかしら手薄になりそうなもんだし、一点でも突破されればそれで終わりじゃないの?」と疑問に思ってたんですけど、その疑問がすっきり解消されたのが良かったです。なるほどね、そこもテクノロジーの発展が可能にしてたんですな。
この時代になると大砲ドッカンドッカンぶっ放しまくるわけで、戦場はデコボコの穴だらけ。仮に敵の前線を突破したとしても、その穴だらけの戦場をえっちらおっちら乗り越えて行くしかないわけですが、一方でこの時代はもう通信と鉄道なども普及していて、「前線突破された」という一報が入れば即座に別部隊が電車に乗って現地に到着、突破された前線をカバーして敵を追い返してしまうと。だから横に間延びしまくった前線でもなかなか突破されなかった、という話だそうです。へぇー。
そんな知識がエロ小説のどこに役立つかって? さぁねw
まぁでも、たぶん役に立たねぇだろうなぁと思いながら集めた知識1000のうち、1つくらいをたまに活用するチャンスが来ると脳汁がどばどば出るんですよw 作家ってのはそういう生き物なのです。
他にも読んだ本あるけど、まぁそれはまた今度。
ではでは。私はこれから自分へのお祝いにご飯食べてくるのだ!