ひゅー!!! 2023/04/13 20:00

アバレを喰らうモノ【後編】

アバレを喰らうモノ

 3

 風を切る音さえ遠く感じる。自らの脚が産み出した初速に乗って、アバレイエローは一直線に空を駆けた。元より特出していた彼女のスピードは、アバレモードにより更に十倍にまで高められている。これまでの戦いの中で圧倒的な力の差を見せつけられながら、唯一、らんるに残された勝ち筋がスピードだった。
 どんな凶悪な攻撃も、全て躱してしまえば恐れることはない。そして敵の目にも止まらぬ速さで斬撃を浴びせ続ける。アバレモードで強化された力によって、四方八方から止むことのないダガーの嵐をお見舞いすれば、その堅牢な外殻も無傷では済まないはずだ。
 逆境を背にしたことで高まった集中力は、らんるのポテンシャルを極限にまで高めていた。敵はこちらを向いたまま固まっている。このまま身体の軸を右に旋回させて、その顔面にイエローフライングダガーを叩き込む。らんるは一瞬も目を離すことなく、攻撃態勢に移ろうとした。
 そのキラービーストの姿が、消えた。
 視界の全てをコマ送りで捉えていた今のらんるにとって、それは本当に、消失としか言いようのない動きだった。

「えっ?」

 呆けたような声を上げたらんるの傍を、白い影が音もなく駆け回る。らんるはその残像を目で追うことすら出来ない。圧縮された時間の中、無防備にも両腕を広げて滑空するアバレイエローの強化スーツに、無数の光の筋が刻まれていく。
 それは爪痕だった。反応することも敵わない速さで、キラービーストの禍々しい爪がらんるの全身を引き裂いていた。その勢いのままキラービーストが真横を通り抜けるまで、らんるは自分に何が起きたのかも察知できていなかった。
 圧倒的な初速の差。らんるが唯一、敵に勝っていると思っていたスピードすら、キラービーストにとっては蚊の止まるような退屈な攻撃に過ぎない。単にこれまでの戦いでは、素早く動く必要すらなかっただけの事だった。
 らんるの視点では、目の前から突然消えたキラービーストが、次の瞬間には遠く背後にいる。それに気が付いて身体を振り向けたとき、ようやく時間が追い付いた。
 無数に刻まれた光の傷が強く輝くと、そこから噴き出すように激しく火花が噴き上がり、らんるの全身が大爆発を巻き起こした。

「あっ!? あぁあああああぁああああぁ……!!」

 あまりの痛みに仰け反った身体を爆炎が包む。一瞬にして刻み込まれた傷の苦しみは、しかし一瞬では終わらなかった。切り裂かれた全身の傷が一つずつ時間差で開いていく。肩、背中、太もも……。次々と全身から飛び散る火花に翻弄されて、らんるは墜ちることも出来ずに屈辱的なダンスを踊る。

「きゃあっ!? ゃ、あぁッ! いやぁんっ! くぁ……は、あぁんッ!!」

 最も深く斬りつけられた胸から最後にもう一度だけ火花を噴いて、アバレイエローは真っ逆さまに地面へと墜落した。巻き上がった砂煙がゆっくりと晴れ、見るも無残なアバレイエローの姿が顕になっていく。
 ズタズタに切り裂かれたアバレスーツは爆破のダメージで黒く焼け焦げ、痛々しい爪の痕が全身に満遍なく残されている。アバレモードによって展開された白い翼は見る影もなく引きちぎられ、ボロボロに焼け爛れていた。もう飛び立つことは出来ないだろう。 
 得意とするスピードと空中戦でさえ完膚なきまでに叩きのめされた。一縷の望みと共に翼をもがれて地面へ墜とされたアバレイエローに、もはや戦う力は残されていない。辛うじて意識は保っていたが、それも風前の灯だった。

「ぐあぁ……っ! くっ、はぁ……! あ゛……!」

 攻撃は止んだというのに、全身を絶え間なく襲う痛みはまるで引く気配を見せず、らんるの肉体を蝕んでいく。何とか苦痛を和らげようにも、少しでも身体を動かそうとするだけであちこちから火花が散る。その度に鮮烈な激痛が脳を刺し、霞んでいく意識を現実に繋ぎ止める。
 らんるは気を失うことすら許されず、身を守るはずの強化スーツによって嬲りものにされていた。

《無様だなアバレイエロー。トドメを刺してやれ》

「あぁっ! ん、ぁ! く、ぁあ……! ゃあんっ!」
 
 火花を飛び散らせながら地面をビクビクと跳ね回るアバレイエローの醜態に、アバレキラーは壊れた玩具を見るような冷めた視線を送り、キラービーストにそう命じた。
 処刑の宣言を受けても、アバレイエローはただ悶えるばかりだ。ついに意識も尽きかけ、次第に痙攣が弱まっていく標的に向けて、キラービーストが音もなく人差し指を向ける。
 その先端から発せられた赤い閃光が、力なく開かれたらんるの股間に命中した。

「はぐッ!? あっあぁあああああああぁああ!?」

 乾いた破裂音が連続で鳴り響き、股の間から美しい火花が噴き出した。味わったことのない痛みと衝撃に、溶けかけていた意識がまた明瞭となる。思い切り背を仰け反らせてらんるは絶叫した。
 ダイノガッツが尽きかけたアバレスーツに、その直撃に耐えるだけの防御性能は残されていなかった。強化繊維が焼け焦げる嫌な臭い。破壊エネルギーの集中攻撃を受けた箇所はインナーごと食い破られ、らんるの女として最も大切な部分を覗かせていた。
 それでも最低限の役目を果たしたと言えるのか、顕になった秘所には傷の一つも付いていない。
 まだ痛みの処理が追いつかず顔を反らせてうめき声を上げるらんるへ、キラービーストは餌を前にした獰猛な獣のように一直線に歩み寄って行く。

《ふん、品のない野郎だ。しょせんは獣か》

 キラービーストがこれから行うであろう暴虐を察し、アバレキラーは呆れたような声でそう吐き捨てた。
 アバレンジャーが自分たちを救いに来ると信じているであろう爆竜たちの眼前に、三色の亡骸を突きつける。その瞬間に満ちる怨嗟と絶望こそがこのゲームのフィニッシュと考えていたアバレキラーにとって、敗れた女戦士の行く末は興味を唆られるものではなかった。
 だが敢えて止める理由もない。良い働きをした下僕に、褒美をやることも必要だろう。

《まあ良いさ、他の奴らが現れるまで好きに遊んどけ。壊された仲間の姿を見せつけてやるのもまた一興か》

 主の許しに耳を傾けるだけの思慮があったのかも分からないが、キラービーストはその言葉のままに行動した。尻もちをついた姿勢のまま必死で後ずさるアバレイエローに悠然と追いつくと、そのマスクを大きな手で掴み、上体を持ち上げる。

「ぅあ……くっ、なに、を……」

 なす術もなく身体を引き上げられ、丁度顔の高さがキラービーストの股の前に来たとき、らんるは思わず目を剥いた。そこには悍ましく隆起した獣の陰茎が、濃厚な臭いを放ちながら反り立っていた。その強烈な画だけで、これから何が起きようとしているのかを、まだ経験もないらんるにハッキリと突きつけた。

「ぁ、あぁ…… いやっ! 離しなさい……!!」
 
 震える声を上げながら、らんるは頭を掴むキラービーストの手を何とか振り払おうと精一杯に身をよじった。しかし全力の状態で立ち向かってまるで手も足も出ずに叩きのめされた相手に、満身創痍で抵抗など出来るはずもない。
 キラービーストが無造作に振るった膝がらんるの鳩尾を再び貫いた。

「ぅぐはっ!?」

 鋭い衝撃に息が詰まる。それと同時にキラービーストがマスクを掴んでいた手を離すと、らんるは膝をついたままガクリと倒れ、四つん這いの姿勢になった。耐え難い鈍痛に額から汗を噴いて顔を歪めるらんるの背後へ回ったキラービーストは、扇情的に突き出されたその尻を鷲掴みにする。

「んっ……! ぁ、だめ……」

 光沢スーツ越しに柔らかい肌へと食い込んだ爪の感触に、らんるがビクリと肩を震わせた。この次に行われるであろう行為が、戦慄となって背筋を駆ける。だがそれを予感し抵抗の言葉を紡いだ時にはもう、破壊されたアバレスーツから覗く薄桃色の割れ目へ、キラービーストの怒張した肉棒が突き込まれていた。


「な、ぁ……ッ‼ ぐあ、あああぁああぁあぁ……⁉」

 処女を喪ったショックを感じる間もなく、らんるの口からは濁った悲鳴が溢れ出した。焼けた棒を突きこまれるような激痛。これまで散々に痛めつけられた肉体を持ってして、それでも鮮烈に感じられる痛みが、脊椎を渡って脳髄を抉る。キラービーストの太く、硬く隆起した獣の槍が、まだ人のそれを味わったことさえないらんるの秘所を無理やりに圧し広げていく。
 理性の感じられない荒い息遣いを撒き散らしながら、キラービーストはその本能のままに激しく腰を揺さぶる。その度にらんるの脳へと激烈な痛みが運ばれ、マスクの奥で可憐な顔がぐしゃぐしゃに歪んだ。

「ああぁッ‼ うあ゛ッ‼ やっ、やめ……ぐああぁ‼」

 必死に拒絶を紡ごうとする唇は、キラービーストが腰を振るだけでこじ開けられて苦悶を奏でた。
 怪物に犯されている。
 その事実が、らんるの精神を絶望で凍らせていく。更にそれを粉々に打ち砕くように、キラービーストは欲望という鎚でらんるの膣を何度も何度も打ち付けた。
 正義の戦士としての使命に少しずつ、着実に、ヒビが入っていく。その隙間に無理やり流し込むように、キラービーストは大量の精液をらんるの中へと注ぎ込んだ。

「くぁ! あ、ぁあ…… あぁああぁぁあぁ……!!」

 痛みだけの世界の中に熱が混ざる。ただ熱い液体が自分の中に注がれていくのを感じながら、らんるは震えるような長い悲鳴を上げた。
 規格外の量の精液は肉棒が突きこまれたままの性器の中には収まりきらず、ぴっちりと閉じた陰唇をこじ開けて溢れ出す。トロトロと流れた白濁液が肌の最も敏感な部分をくすぐって、苦痛に焼かれた脳に、正反対の刺激が伝わった。

「ん……ッ ふ、ぅあ……ぁ……」

 間断ない激痛の中に、ノイズのように挟まれた異質な感触が、らんるの肩をゾクゾクと震わせた。その兆しなど関係なく、キラービーストは己の欲望を満たすために蹂躙を続けた。
 一度の射精では微塵も到底衰えることを知らない獣の精力は、二人の身体を繋いだまま、らんるの胸の膨らみへとその両手を移した。身体にフィットしたアバレスーツによって主張されていた二つの柔らかな膨らみが、キラービーストの大きく無骨な手によって無残に押し潰される。

「うぐぁッ⁉ ゃ、あ…… ぅあ゛ッ‼」

 破壊し尽くされた強化スーツの上から乳房を鷲掴みにされ、二重の痛みにらんるの身体が跳ねる。禍々しく伸びた爪がスーツの内部に潜り込み、肉体が前後に揺すられる度に、敏感な神経回路を引っ掻いた。
 大量に注がれた精液は潤滑油となり、未開だった膣内を擦りあげられる痛みを微かながら和らげつつあった。その抽送は徐々に滑らかさを増していき、やがて淫靡な水音を立て始める。
 痛みに混ざっていたノイズの方が次第に増していくのを、らんるは戸惑いと共に感じていた。

(ぅ、うそ…… 何、これ……!? なんで…… こんなっ……!)

 キラービーストの陰茎は硬さを失うどころか、さらに一回り強度を増す。それに伴ってストロークもより大きくなり、奥深くまでらんるを突いた。

「ぁ、ぐぅ……! くっ……ん、んんぅ……!!」

 ただ痛みに絶叫していた悲鳴が、押し殺したような声に変わる。唇の端から漏れる息と声の間に、甘く艶めいたものが混ざり始めていた。

《ハッ、なんだよその声。そんな獣にヤられて感じてんのか?》

「なっ!? ふざけ…… ぁ、あぁあん!?」

 降り掛かってきたアバレキラーの嘲笑に、咄嗟に反論しようとした瞬間に、獣の槍がこれまでで最も深い部分を突き上げた。一瞬の無防備をついて叩き込まれた一撃に、言葉の途中で声が裏返る。
 自分の喉から溢れた信じられない甘い響きに、らんるは思わず目を見開いた。
 しかしその羞恥は、更なる衝撃によって上書きされる。
 らんるの胸の双璧を掴んでいた二つの掌が不気味に赤く光ると、目も眩むような雷光が放たれた。

「んあぁあああぁ⁉ あッ⁉ ぐあぁあああああ……‼」

 心臓に近い位置へ無理やりに電撃を叩き込まれ、らんるの身体がショックでビクビクと痙攣する。全身の筋肉が硬直して背を思い切り仰け反らせながら、悲痛な絶叫が地下空間に響きわたった。
 電撃によってギュッと収縮した膣が、キラービーストの肉棒を思い切り締め上げる。身体が灼き切られるような痛みの中、その感触はハッキリとらんるに伝わっていた。
 雷光がやむと同時に全身から白煙が立ち上る。そこに溶けゆくかのように霞んでいく意識を、らんるの尻を叩く強烈なスパンキングが現実へ引き戻す。

「んぁあっ、も……や……ッ やめ、ぁあ……っ」

 苦悶の声に哀願が混じる。いつ解放されるとも知れない地獄の渦に、ついにダイノガッツが底を尽きかけていた。それを象徴するかのようにアバレスーツが崩壊を始め、キラービーストの腰の動きに合わせて、あちこちから火花が飛び散る。
 しかしキラービーストはそんなことにお構い無く、むしろ弱々しくなっていく反応を最後の一滴まで搾り取ろうとするように、再び電撃を流し込んだ。

「ぁ、はがッ!? いぁ、あッ!! ぁぐ、あァ!!」

 全く容赦のない追撃に、今度は肉体の痙攣と共に断続的な悲鳴が上がる。
 二度の電撃に痛めつけられた心臓がむちゃくちゃに鼓動して、その音が頭蓋の中で反響する。血液が逆流するような感覚。

(いや…… このままじゃ、こ、殺されちゃう……)

 生々しい死の焦燥とは裏腹に、電撃によって独りでに収縮する膣壁がキラービーストの肉棒を締め上げる。その要求に応えるように、先程よりも更に濃厚な二発目の精液が勢いよく発射された。子宮口を超えてその先にまで注がれていく。
 その白濁液の中に無数に詰まった一つ一つの種子が、まるで意志を持ったスライムのように暴れ回り、らんるの中を掻き回した。

「あっ、あぁ! あはぁああぁぁああ!!」

 あまりの刺激に、四つん這いになっていた腕がピンと伸びて背中が仰け反る。傷口が開いて血が噴きだすように火花が飛び、らんるは遂に絶頂にまで押し上げられてしまった。大きな瞳から涙が溢れる。

(そ、そんな…… わたし…… イかされて……)

 繰り返される痛みと快楽の波状攻撃。生々しい死への恐怖に脅かされた脳が防衛本能を働かせ、止めどなく与えられる苦痛を、せめて快楽へと切り替えようとしていた。
 絶頂の余韻で背を反らせたまま震えるらんるの身体を、キラービーストがおもむろに持ち上げた。
 乳房を掴んでいる両腕を引き寄せるようにして、挿入したままその肉体を羽交い締めにする。
 体格の差によってらんるの足先は地面を離れ、自らの体重によって陰茎が更に深くねじ込まれる。

「いや……ぁ……! ぁんっ! や……もう、やめてぇ……っ!」

 まるで終わりの見えない責苦が、遂にアバレイエローとしての矜持をへし折った。
 戦闘では全く歯が立たず完膚なきまでに叩きのめされ、満足に動かすことも出来ない身体を徹底的に犯され、挙句に嬌声を上げてしまっている。
 戦士としてこれ以上ない屈辱を刻み込まれながら、下腹部から湧き上がってくる快感を止めることができない。いつの間にかアバレスーツを押し上げるほど勃起していた乳首が、身体が揺さぶられる度に滑らかな生地と擦れあい、蕩けるような甘い刺激をらんるに与える。

「あぁあぁんッ…… やっ……だめぇ! うはぁあぁああぁ…… ぁ、はぁ……っ」

 半開きになった唇からは涎と共に、吐息のような長い喘ぎ声が漏れる。
 らんるの中を掻き回す肉棒はますます硬さと大きさを増し、いやらしい水音を立てながら子宮口を何度も叩きつけた。肉棒と膣壁の隙間を埋めるように絡みつく液体には、二度に渡って放たれた大量の白濁液だけでなく、らんる自身から滲み出た愛液も混ざっている。
 そこに更なる精液を追加しようと、キラービーストの腰を振るスピードが激しさを増した。

「くあっ!? あっ! あっ! あぁ! あっあっああぁあん!」

 陰茎についた幾つもの“返し”がゾリゾリと膣壁を削る。剛直な槍によって最も敏感な部分を同時に嬲り尽くされ、理性が蒸発していく。

「あぁ! だめっ! だめっ! こんなのっ、イく! イくっ! またイく! あぁっ! イく! イく、イく、イくううぅ!!」

 脇を閉めてギュッと折り畳んだ腕を胸の前で振りながら、らんるは一心不乱に淫らな言葉を叫んでいた。絶え間なく送り込まれる暴力的な快楽。それ以外のことなど全てがぐちゃぐちゃにすり潰されていく。
 未曾有の悪を前に、アバレイエローが完全に屈服した瞬間だった。
 完膚なきまでの敗北を魂に刻み込むように、キラービーストが三度目の射精をらんるの中へと放った。

「あぁあああああぁああああぁああ〜!!」

 焼けるように熱い精液が膣の中を満たすようにこれでもかと注がれる。数十秒に渡る射精。顔を仰け反らせたまま腰をピクッ、ピクンッ、と揺らして、らんるはその敗辱を余すことなく味わった。
 深く引き裂かれた胸のシンボルマークから、最後にもう一度だけ火花が散った。敗北を象徴するかのように。らんるの両腕がだらりと落ちる。
 悍ましい欲望をひとまず吐き出したキラービーストがらんるの乳房から手を離すと、支えを失った彼女の肢体がゆっくり前傾していく。
 射精を終えて尚そそり立つキラービーストの槍は、隙間なく注がれた精液によってらんるの膣にみっちりと吸い付いていた。らんるの身体が前のめりに倒れていくにつれ、ズブブブ、と醜い音を立てながら引き抜かれていく。

「んお゛っ…… お、おぉ…… く、ぉ…… ぉ、おおぉ……」

 絶頂の余韻で未だに痙攣する蜜壺を擦り上げられ、喉が淫らに震える。
 長い地獄からようやく解放されたらんるの身体は、受け身を取ることも出来ずにそのまま地面へと打ち付けられた。弛緩しきった全身はうつ伏せのまま弱々しく痙攣する。もう自分の意志では指の一本も動かすことができない。
 その傍らに立つキラービーストが、トドメと言わんばかりにらんるの背中を思い切り踏み付けた。

「ああ゛!? んあ゛ぁああああッ!!」

 鋭い悲鳴と共に、上体がエビ反りになって跳ね上がる。内臓を圧し潰すような威力に、大量に注がれていた精液が泡を吹くような音を立てて膣から溢れ出した。
 マスクの奥で見開かれた両目がぐるっと回り、瞳が瞼に隠れる。らんるは硬直したまま数秒、うわ言のような喘ぎ声を漏らしていたが、そのままゆっくり、ゆっくりと地面へと沈んだ。ゴトリ、とマスクが硬い土に触れた時、既に意識は果てていた。

「ん、くぁ…… あ、ぅ…… ゃんっ……」

 無様に開かれた股の間に精液を広げたまま、司令機関を失った手足は疎らに痙攣した。気を失っても苦しみからは逃れられず、悪夢の中で未だ責め立てられるように、吐息混じりの喘ぎ声が漏れる。無残にも全てを喰らい尽くされた女戦士の残骸だった。
 こうして、仲間を救うため敵地へ駆けつけたアバレイエローは、圧倒的な暴力の前に完膚なきまでの敗北を喫した。
 だが役目を終えた訳ではない。他のメンバーがここへ駆けつけた時、怒りや絶望を与えるための道具としての使い道がまだ残されている。
 仲間の前で更なる屈辱を味わう未来に怯える余地すらない、ただ黒く塗り潰された世界の中で、らんるは尽きることのない苦悶に嬲られるのだった。

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