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第一話の記事 (7)

アヤラスタ 2022/12/07 23:14

エンジェル・ノア~三番目の女神~ 第一話 『苦闘!ゾンビ怪獣の脅威!!』

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赤い女神が去り、青い女神が去った地球。今なお様々な脅威に晒されるその星を守る、三番目の女神がいた!エンジェル・ルシアのえなじーから生まれたノアちゃんが活躍する物語の始まりです!

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アヤラスタ 2022/12/07 21:20

魔法少女ミラクル・コトハの物語 第一話 動き出した物語

ボク、竜胆コトハの物語。その終わりはあまりにも唐突だった。

 焼けるような激痛が胸を襲う。

「あぁ・・・う・・・ぅぁ・・・」

 ボクはうつ伏せになって、力なく悶えることしか出来ない。

 ドクドクと胸にうがたれた傷から血が流れていく。

 意識が薄くなっていく。

 ボクの物語が、幕を閉じようとしている・・・

 ・・・ある日なんの前触れもなく、図書館に魔物が現れた。真っ赤な頭巾を被った狼の魔物は恐ろしい咆哮を上げながら、その鋭い爪で何人もの人を切り付けてしまった。

 つい先ほどまで静寂に包まれていた知識の館に悲鳴があがり、恐怖と混乱が空気を満たしていく。

 逃げ惑う人々の中にあって、一際どんくさく逃げ遅れてしまったボクが魔物の爪にかかるのは、考えるまでもなく当然の帰結だった・・・

 ドン!

 脇腹に衝撃を受けて、ボクはゴロリと転がされた。仰向けになったボクの視界の真ん中で、魔物が大きな口を歪ませて嗤っている。

「ねぇお嬢ちゃん、アナタの瞳が苦痛に歪んでいるのはなぁぜ?」

 魔物がボクに語り掛けてくる。

「ぅ・・・ぁ・・・あぁぁ・・・」

 もちろん、ボクは力なく呻くだけで答えることなんて出来るはずもない。

「それはアタシを愉しませるためよねぇ!!!」

 ズム!

 爪で引き裂かれた胸が・・・魔物の大きな足に・・・踏みにじ・・・られて・・・

「っぁああああああああああ!!!!」

 目の前がチカチカするほどの激痛に、消えかけていた意識が一気に現実に・・・逃れられない地獄に引き戻されてしまう。

「ねぇお嬢ちゃん、お嬢ちゃんの苦悶の声がこんなにも甘く響くのはなぁぜ?それはアタシを悦ばせるためよねぇえ!!!」

 グリグリグリグリ・・・踏みにじられて・・・あぁぁ・・・傷口が抉られていく・・・

「あぐぅ・・・うぁ・・・あぁあああああ!!!」

「お嬢ちゃんの身悶える姿が美しいのはなぁぁぜ?それはアタシを昂らせるためよねぇぇぇええ!!!お嬢ちゃんがまだ年端もないその命を、まだ蕾のままのその命を、ここで無残に散らされるのはなぁぁああああああああああああぜぜええええええええええええ???それはアタシをぉおおおおおお・・・」

 その時、

「もうやめてぇ!!!」

 どこに隠れていたのだろうか。女の人が魔物に向かって体当たりをした。その手にはカッターナイフが握られていたけれど、そのあまりにも非力な刃は魔物の硬い皮膚に傷一つつけることはできなかった。

「なによアンタ!!!」

 魔物の太い腕が女の人を振り払う。その華奢なカラダが吹き飛ばされ、背中から壁にたたきつけられ、そのまま倒れ伏してしまった。

「何なのよ!何なのよアンタ!!せっかくアタシが気持ちよくなっていたのに。アタシはね、アンタみたいな年増に用はないの。アタシはね、このお嬢ちゃんみたいな小さな少女にしか興奮できない変態なんだからね。んもう!」

 そう言いながら、魔物が女の人のほうへ歩みを進めていく。きっと止めを刺すつもりなんだ。
 ボクを助けようとしてくれたがために、あの女の人は殺されてしまうんだ・・・

「くっ・・・このぉ!!」

 ボクは力を振り絞って、足元に転がっていた本を魔物のほうへ放り投げた。

 とさ・・・

 本は力なく魔物の足元に落ちた。

「あらなぁに?必死に抵抗しようとしてくれているの?やだなにそれ。そそられるじゃない!」

 魔物がボクの方に振り返り、そして一歩一歩こちらに近づいてくる。

「この・・・この・・・」

 ボクは必死に辺りに散らばっている本を魔物へ投げつける。

「健気ねぇ。もう興奮しちゃうじゃない。ほら、ちゃんと頭を狙ってごらんなさいな。ほら、頭に当たったら、もしかしたらアタシを倒せるかもしれないでしょう?」

 自分の頭を指さしながら挑発する魔物の頭に、ボクの投げた本の角が、

 ガス!

 ヒットした。

 次の瞬間

「痛いじゃないのよぉおおおおおおお!!!!!!」

 ドン!

 衝撃と共にボクのカラダが吹き飛ばされてしまった。

 魔物に蹴り飛ばされたと理解した時には、ボクは書架にたたきつけられて、

 ガラガラガラガラ・・・!!!

 崩れ落ちる書架と本の雪崩に呑み込まれてしまった・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「う・・・あぁぁ・・・」

 ・・・ボクを包んだのは闇。

 本の山に埋もれて、一切の光の届かない闇。

 だけどボクの目は、確かにその本の挿絵がしっかりと見えていた。

 そこには、一人の女の子の姿が描かれていた。蠱惑的でコケティッシュな姿の少女の姿が・・・

 カラダのラインがはっきり分かる白のピッチリレオタード。レオタードの股の部分、その淵は赤いヒラヒラした布で装飾されている。
 胸元には真っ赤なブローチ。両手足は赤くピッチリしたロンググローブにロングブーツ。
桃色の髪をツインテールに結ったその女の子は、

 見れば見るほどボクそっくりだった。

『これは君の物語だよ』

 本にぼうっと文字列が浮かんだ。

『ここで終わるはずだった君の、新しい物語だよ。』

 これが・・・ボク?

 心臓がドキドキした。

 パパが魔物に殺されてからずっとボクは夢想していた。魔法少女になって憎い魔物を成敗していく自分の姿を。
 我ながら〇学生らしい荒唐無稽な妄想で、現実のボクはあまりにも無力で臆病だけど、ずっと心のどこかで夢に見ていた。

 そのボクが心に描いていた姿そっくりのボクの絵が描かれた本。そしてそこに浮かんだ言葉。

 これは死ぬ前に見る夢や幻想の類なのだろうか・・・

『夢や幻想で終わらせるのは君次第さ。』

 また新しい文章が浮かぶ。

『どうする?ここでこのまま可哀そうなコトハちゃんの物語を終わらせる?それとも・・・』

 そんなの聞かれなくても決まっている。ボクは・・・ボクは・・・

『それなら、新しい物語の、新しいページを開こう!!』

 そして本が光を放って・・・パラパラとページがめくれて

 ボクは・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「アンタ・・・何なのよ・・・」

 突如立ち上がった光の柱の中から現れたボクの姿を見て、魔物は大きな口をあんぐりと開けた。

「ボクは魔法少女ミラクル・コトハ!もうこれ以上君の好きにはさせない!!」

 ボクは妄想の中で何回も繰り返したポーズを決めて、そう名乗りを上げた。

「あらまぁ・・・なんてハレンチなのかしら!」

 ボクの姿を見て、魔物はそんなことを言い放った。失礼な。確かにカラダにピッチリとしたレオタードは恥ずかしいけど・・・でも、

「ハレンチなんかじゃない!」

 振りかざしたボクの手に魔法のスティックが現われる。そしてそのまま振り下ろすと、魔法のビームが魔物に向かって放たれた!

 ビームは魔物に直撃し、

『ギィヤァアアアアアアア!!!』

 凄まじい断末魔あげながら魔物が爆発四散する・・・と思っていた。だけど悲しいかな、現実はそう甘くなかった。

「ん?何したのかしら?」

 とキョトンとした顔を浮かべているのから察するに、ボクが放ったビームは魔物に傷一つ与えてないみたいだ。

 なんてこと・・・変身してもボクはまだ無力なのだろうか・・・

「うふふふふふ・・・分かっちゃったわ。お嬢ちゃんがそんなハレンチな格好になったのは、アタシにもっと甚振ってほしいからよねぇええ!!!!」

 そう言って、魔物は体の前で両腕をクロスさせた。

 ぐ・・・ぐぐぐ・・・

 腕の筋肉に力がたまっていく音が聞こえる。腱がググっと縮み、血液が滾っているのが分かる。

 強烈な一撃が来るのが分かった。

 どうしよう・・・まずはこの身を守らなきゃ。

「喰らえぇ!!!!」

 クロスしていた両腕を開くように、左右の腕が振り下ろされる。

 バンッ!

 凄まじい破裂音と共に空気弾のようなものが斬撃を伴って放たれる。

「くっ!」

 ボクはスティックを突き出した。光の壁がボクの目の前に出現する。

 ギャリギャリギャリギャリ!!!!

 光の壁に斬撃が激突して、イヤな金属音が響き渡る。

 次の瞬間、ボクは微かな風を感じる。

 ボクのそば、すぐ隣に音も無く着地した魔物が鋭い爪で脇腹を抉ろうとする。

 ブオン!

 とっさに飛びのいたボクのギリギリ近くで、魔物の腕が空を切る。

 ブォン!ブォン!ブォン!!

 二撃、三撃、四撃・・・次々に魔物の腕が空を切る。ボクは魔物の攻撃を全て躱していく。

 骨の軋む音、空気の変化、筋肉の盛り上がり具合・・・全てを明瞭にとらえることが出来て、相手が何をしようとしているのかがよく分かる。だから面白いくらいに、その攻撃をよけることが出来る!

「は・・・ははははは・・・」

 思わずボクの口から笑い声が漏れ出ていた。

 分かった。分かってきた。戦い方が分かってきた!

「狼退治には、やっぱりこれだね!」

 スティックが瞬時に猟銃へと変化する。

 思った通りだ。大事なのはイメージ。想像力がボクを強くする。

毎日毎日本ばかり読んできたボクにとって、なんておあつらえ向きの力なんだ!!

 バーーーン!!!

 銃口から弾丸が放たれる。

「うごぉ!!!」

 お腹に弾丸を受けた魔物の体が吹き飛んでいく。

 うん。イメージ通りだ。実にいい感じ。

 ガシャーーーンと音がして、魔物がたたきつけられた入口自動ドアが砕け散る。ちょっとやり過ぎたかな。でも魔物と戦うんだから、周りに気を配っていたらとてもじゃないけどやりきれない。

「えい!」

 ボクはスティックを高く突き出した。そこから光のシャワーが辺り一面に降り注ぐ。机も本も、そこにあるものすべてをポヨンポヨンのクッションにして、それから倒れている人達を治療しながら守る光の眉でくるんであげた。

「ふぅ・・・」

 そこまでして、ボクは少し立ち眩みがした。魔法の力も無尽蔵ではないみたいだ。頭を使って戦わなきゃいけないみたい。うぅぅ・・・計算とかは苦手なのに・・・

「やるじゃなぁいやるじゃない・・・アタシお嬢ちゃんを見くびっていたわぁ~~~」

 ガラガラガラガラ・・・ガラスの破片の中から魔物が立ち上がる。

「そんなお嬢ちゃんにクイズ出すわねぇ~~~アタシのお耳がこんなに大きいのはなぁ~~~~ぜだ?それはね、アナタの悲鳴がよく聞こえるようによ。アタシのお目目がこんなに大きいのはなぁ~~~ぜだ?それはね、アナタの苦しむお顔がよく見えるようによ。アタシのお口がこんなに大きいのはなぁ~~~~~ぜだ?それはね、貴様をぶち殺すためさぁああああああ!!!!!!!!」

 そう叫んだ魔物の口から石礫がいくつも噴射されて、猛スピードでこちらに向かって飛んでくる。

 ボクは再び光の壁を作り出す。

 けれど、

 弾丸のような石礫に対して、自分の作り出した壁があまりにも心もとなく思えてしまう。光の壁が粉々に砕かれるイメージが鮮明に湧いてしまった。

「だ・・・だめ・・・」

 必死にそのイメージを打ち払おうとしたけれどダメだった。

 ガシャーーーーーン!!!

 ボクが思い描いたとおりに光の壁が砕かれて・・・いくつもの石が・・・胸に・・・

 ダダダダダダダダダダダダ!!!!

「あぐっ・・・うぁ・・・あぁあああああああああ!!!!!」

 なすすべもなく小さな胸に石を受けて・・・ボクは立ち尽くしたまま仰け反って悶えてしまう。

「うくぁっ・・・あぁぁ・・・うあぁああ・・・あぁあああああ!!!」

 無数の石の弾丸を滅茶苦茶に撃ち込まれる。その一撃一撃を、明確に感じてしまう。耐えがたい苦痛を一つ一つ、ボクの胸は丁寧に味わってしまう。

 秒間に何発も打たれる石礫・・・無数の激痛が・・・あぁぁ・・・胸から止まることなく送られてくる。
 
「うぁあ・・・ああぁ・・・んあぁあああああ・・・」

『あ、伝え忘れてたけど、神経が冴えわたる代償に、痛みや苦しみ、性感も全部数十倍になってしまうから気を付けてね。』

 ボクの頭に、そう書かれた本のイメージが浮かんできた。ボクを魔法少女へと導いた本だ。

 そんな・・・気を付けてって言われても・・・

 ・・・気の遠くなるほどの石礫の掃射が終わって、

「うぁ・・・あぁぁああ・・・」

 ガクン・・・倒れそうになったボクの胸に、

 ザクッ!・・・魔物の爪が突き刺さった。

「あがっ・・・っぁあ・・・あぁあああああ・・・」

「うふふふふふふふ・・・まだおねんねには早いわよぉ~~~」

 ズクン・・・ズクン・・・

 ボクの胸に突き刺さった爪が脈を打って・・・あぁぁあ・・・血が・・・吸われていく・・・

「う・・・うぁ・・・あぁぁ・・・ぁ・・・ぁぁ・・・」

 戦うことが・・・あぁぁ・・・こんなに苦しいなんて・・・

 ダメ・・・ダメだ!こんなことで弱音を吐いていたら。

 ボクはボクが望む魔法少女になったんじゃないか・・・力と勇気を振り絞って・・・魔物を・・・

 倒さなきゃ・・・いけない・・・

のに・・・

 ズボ・・・乱暴に爪が引き抜かれ、ボクは魔物の腕に倒れてしまう。

「んぁぁああ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

もう、自力で立つことすら出来ない。

「ほぉら、その可愛いお顔をちゃんと見せて頂戴♪」

 頭を掴まれたボクは、無理矢理顔をあげさせられてしまう。

「あぐっ・・・ぁ・・・ぃぁ・・・」

 魔物の大きな目がボクを見つめる。そのどこまでも暗い瞳に見つめられると・・・あぁぁ・・・とてもこの魔物には敵わないように思えてしまった。

 あ・・・あぁぁ・・・ダメ・・・負けるイメージをしてしまったら・・・カラダから力が・・・抜けていく・・・うぁぁ・・・せっかく・・・変身したのに・・・魔物に負けてしまうなんて・・・

「いいわぁ~~~敗北のヒロインの表情はたまらないわねぇ~~~そのお顔を、もっとよく見せて頂戴。」

 そう言った魔物の口が大きく開いた。その口の奥に深い闇が広がっている。

 その闇の中から何かがズリズリと這いずってくる。

「あ・・・あぁぁ・・・あぁぁ・・・」

 ボクはその異様な光景から目が離せなくなってしまった。

 闇の中から、真っ赤な二つの目が現われて、そしてそれがドンドン大きくなって・・・そして・・・

 狼の口から少女が・・・真っ赤な頭巾を被った女の子の上半身がヌルリと飛び出てきた。

「うふふふふふふ・・・恐怖しているのね・・・可愛いお顔。アタシね、今まさにこの瞬間、正義のヒロインが、完全に狩られる側になるこの瞬間が大好物なの~~~!!!」

 ボクの顔を小さな手でペタペタと触りながら少女の魔物がそう口にする。

「ぼ・・・ボクはまだ・・・負けてな・・・い・・・」
 
 心が敗北に染まりそうになるのを、必死に振り払おうとする。

「まぁ嬉しい。それならまだまだ愉しめそうね。」

 少女の魔物が微笑んだ。そして、

 ブォン!

 狼の魔物がボクを高く放り投げて・・・そこにめがけて赤い頭巾の少女の魔物が発射された。

「アタシの頭巾が赤いのはなぁ~~~~~ぜだ!?」

 少女の手には大きな鋏が握られていて、そして

 ザク!ザクザクザク!!!

 空中で・・・ボクを何度も何度も切り刻んで・・・

「うぁ・・・あぁぁ・・・あぁああああああ!!!!」

 ボクは何も抵抗することもできずに、一方的にズタズタに切り裂かれていく。

「それはね、獲物の返り血をた~~~~~っぷり浴びたからだよぉおおお!!!」

 ブスリ!!

 鋏が・・・胸の真ん中に深く突き刺さった。

「あがっ・・・っぁあああ・・・」

 そのままボクは・・・背中から地面に・・・

 叩きつけられる・・・なんて生易しい事では済まなかった。

 着地点に狼が両手を上げて・・・爪を高く掲げて・・・

 ボクの背中はその爪に貫かれて・・・

 ドシュ!!!

「うぐあぁあああああああああああああああ!!!!」

 胸を鋏・・・背中を爪に刺し貫かれて・・・あ・・・あぁぁ・・・さらに・・・

 ドン!

 鋏の柄の上に、少女が着地して、

 ずむ・・・上下の刃がさらに・・・ボクに深く沈み込む。

「あぐっ・・・ぐぁ・・・あがっ・・・あぁああああああ!!!!」

 カラン・・・

 何かが床に落ちる音がした。

 それは力を失ったボクの手から、スティックが零れ落ちた音だった。

 それは無慈悲なまでに冷たい、敗北の音だった。

「ねぇねぇ狼さん、どうしてこの子はワザワザ責められるために変身したの?」

 少女が鋏の柄をユッサユッサと揺らす。

「それはね、この子はハレンチなコスプレして虐められたい変態だからだよ。」

 狼が、背中に突き刺さった爪をグリグリと動かす。

「う“ぁ“・・・あぅぁああ・・・」

「どうしてこの子は、敵う筈もないのに立ちはだかったの?」

「それはね、正義のヒロインの自分を貶めて欲しかったからだよ。」

 爪と鋏・・・そして言葉がボクを責めなじる・・・

「どうしてこの子は、されるがままにやられっぱなしなの?」

「それはね、敗北のマゾヒロインだからだよ。」

 言葉がボクを・・・貶める・・・

 あ・・・あぁぁ・・・ボクは・・・敗北のマゾヒロインなの?

 そんな・・・あ・・・あぁぁ・・・負けるために・・・ボクは・・・

 ちがう・・・ボクは・・・

 ボクは・・・

「どうしてこの子は、こんなにされてもまだ死ぬこともできずに惨めに苦しみ続けているの?」

「それはね・・・」

 狼の言葉を遮って、ボクは叫んだ。

「それは君たち魔物を倒すためだぁあああああああああ!!!!!」

 瞬間、辺りが光に包まれた。

 イメージしたのは浄化の光・・・禍々しい魔物と、それが創り出したモノを打ち消す聖なる輝き。

「「うぎゃぁあああああああああああ!!!」」

 少女と狼・・・二体の魔物の断末魔があがる。

 全てが光の中に消えて・・・そして・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「あぐぅ・・・うぁ・・・あぁぁ・・・ぅぅ・・・」

 膝立ちになったまま、ボクは苦しみ悶えていた。

 あまりにも強烈な力を使った反動で、ボクの全身は焼けるような痛みに襲われていた。

「う・・・あ・・・あぁぁ・・・も・・・もう・・・残って・・・ない・・・の・・・に・・・」

「うふふふふふふふふふふ」

「うふふふふふふふふふふ」

 魔物達が・・・笑っている・・・ボクはもう・・・戦えないのに・・・

 魔物達は体を失って生首だけになっている。それでも宙を漂いながら・・・あぁぁあ・・・じっくり値踏みするように・・・欲望に滾った視線を・・・ボクに・・・

「ねぇねぇ狼さん、この子の小さなおっぱいが、二つもついているのはなぁ~~~~ぜ?」

「それはね、アタシと赤ずきんちゃん、二人に一緒に虐められる為さ~~~~!!!」

 心臓がドクンと高鳴る。

 あ・・・あぁぁ・・・また胸を・・・そんな・・・胸ばっかり・・・あぁぁ・・・どうして・・・

「うふふふふふふ・・・お嬢ちゃん・・・死にゆく魔物の最期の責めを・・・」

「すべての欲望をぶつけるとっておきの胸責めを味わって頂戴ね~~~」

 魔物達の生首が・・・あぁぁあ・・・ボクの胸に嚙みついて・・・

「あぐ・・・ぁぁああああああああ!!!」

 ザクザクザク!!!

 鋭い牙が・・・薄い胸に突き刺さる。

「っぅ・・・ぅぁ・・・あぁあああああ・・・」

ジュルジュルジュル・・・

 血を・・・体液を・・・啜られる・・・

「んぁ・・・ぅぅ・・・ぁぁああん・・・あぁあああああ・・・」

 ボクはお尻をついて、そして

「ぃぁぁああああああ・・・」

 上半身を仰け反らせて悶え喘いだ。

 あ・・・あぁぁ・・・魔物に胸を・・・胸を責められて・・・ボクはされるがままに・・・あぁぁ・・・

『どうして君は、魔物に胸を責められながら感じているんだい?』

 ボクの頭の中で本が問いかけてくる。

 感じるって・・・あぁぁ・・・エッチな気分になることでしょう?・・・そんな・・・ボクは・・・感じてなんか・・・

『それならどうして君は、そんなに艶めかしい声を上げているんだい?』

 そんな声・・・あげてなんか・・・

 ちゅくちゅく・・・

 魔物達の舌が・・・ボクの乳首を・・・

「あぁああん・・・」

『ほら、今もこうして喘いでいるじゃないか。』

 ち・・・違う・・・今のは・・・

『魔物を倒す力を得ながら、魔物に責められて感じるヒロインには罰が必要だね。』

 本の言葉と共に、

 ズキン!!

 心臓に・・・激しい痛みが・・・

「あぐぅ・・・ぁぁあああ・・・うあぁああああああ!!!」

『君の心臓には魔法の茨が巻き付いている。この茨はね、君が感じれば感じるほど、心臓をきつく締め上げていくんだよ。』

 そ・・・そんな・・・

「んっぁあああ・・・うぁあああ・・・あぁあああああああ!!!」

『大丈夫。死ぬことなんかないから。』

 クチュ・・・ジュルジュル・・・

 乳首を責めるほどにボクが激しく反応するのが面白いのか・・・魔物達は・・・集中的に・・・そこを・・・

「んはぁあっ・・・んゃぁあ・・・あぁあああっ・・・はぁああん・・・」

 ただでさえ・・・何十倍も敏感になっているのに・・・しつこくされて・・・

「はぐぅ・・・んぁ・・・あぁぁああああああ・・・」

 ボクは・・・あぁぁ・・・魔物がこと切れるまでずっと・・・延々と続く胸責めに・・・あぁぁん・・・身をくねらせ悶え続けた。

『コトハ・・・魔法少女ミラクル・コトハ・・・これは君の物語だ。君が望んで、君が始めた物語だ。』

 こうしてボクの物語は幕を開けた。

 恥辱と苦しみに満ちた幕開けだけれど、

 それでも・・・この物語を絶対にハッピーエンドに導いてみせるから・・・

 う・・・あぁああ・・・ボクは

 ボクは・・・負け・・・な・・・い・・・

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アヤラスタ 2022/12/07 20:08

ジャスティアン・ゼロ~始まりの青い鳥~ 第1話 『翼の折れた少女戦士』

それは勝利というにはほど遠い光景だった。

 傷つき倒れ、悶え苦しみ続ける少女戦士達。

 私たちは好き放題蹂躙された。必死に抵抗したけれど、ほとんど一方的に嬲られてしまった。
 散々弄んで飽きたのか、奴らは突然私たちに興味を失ったかのように、どこか別の空間へと去って行った。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・隊長・・・これで終わったんですよね・・・私たち・・・守り切ったんですよね?」

 副隊長が、凌○され尽くした豊かな胸を押さえながら私にそう尋ねた。

 私たちの目的は、勝利条件はセントラルの市民を奴らの蛮行から守ること。それは果たされた。

 けれど、

「いいえ。違うわ。」

 私は言った。

「奴らは・・・『バベルの民』は、また別の世界を蹂躪するでしょう。文明が破壊され、人々は蹂躙され、幾つもの絆が引き裂かれるでしょう。」

「でも・・・私たちは・・・自分の世界を守るのが精一杯で・・・そんな別の時空の世界の事なんて・・・」

「だからアナタ達は、この世界をお願い。」

 副隊長は私の言葉を聞いて、すごく悲しそうな表情をした。大丈夫。アナタの言いたいことは全部分かってる。あまりにも辛い選択ですもの。でもね、私は行くしかないの。

「例え異次元だろうがなんだろうが、そこに助けを求める人がいる限り私は何処にも駆けつけるの。だって私は愛の守護者。美少女戦士ジャスティアンなのだから!」

 副隊長はポーズをとった私を見て、すごく微妙な表情をした。大丈夫。アナタの言いたいことは全部分かってる。私はとっくに成人しているもの。そうよね。分る。分るわ。でもね、私は永遠の少女なの。少女なんだもん。

「だから、行くね。きっと今生の別れだと思う。だから、振り向かない。さようなら。ありがとう。あとはよろしくね。」

 そう言って私は、バベルの民を追って異次元空間に飛び込んだ・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 私の名前はリザ。それがフルネーム。この世界でいうところの苗字は無いわ。『バベルの民』を自称する怪人達を追いかけて、この世界にやって来たの。怪人達は強く恐ろしく、そして何より残忍。人を甚振り苦しめる為だけに進化した生命体。私は少女戦士・ジャスティアンに変身して、その怪人と日夜戦っているの。

 黒い水着みたいなインナーに(この世界ではスクール水着と呼ばれているらしいわね)胸を守る青いプロテクター。青いグローブにブーツ。胸元にはハート形のエナジーオーヴが付いているわ。顔の上半分はバイザーみたいなマスクを装備。マスクの左右、耳の上あたりに白鳥の羽のアクセサリーが付いているの。

 鳥をモチーフにした青い戦士。それが私。

 無敵で可愛いジャスティアンは、今日も華麗に怪人をやっつけるわ!

 なんて理想通りには・・・いかなくて・・・

「うぅぅぅ・・・あぁぁぁああああ・・・んあぁあああああああああ!!!!!」

 バベルの民はそれぞれ全く違った姿を持つ。今私が戦っているのは鋭い爪と角と牙の野獣の様な姿の怪人。

 あぁぁぁ・・・牙が私の首元に突き刺さって・・・鋭い爪が両肩に突き刺さって・・・持ち上げられた私に・・・私の胸に・・・怪人の胴に生えている二本の角が・・・プロテクターを突き破って・・・深く・・・深く突き刺さって・・・

「いあぁぁ・・・うあぁぁぁ・・・」

 牙は・・・私の血を貪り吸っている。爪からは・・・猛毒が注がれて・・・私のカラダを内側から犯し責めるの・・・

 そして角から・・・胸から・・・んあぁぁぁ・・・エナジーが・・・吸われてしまって・・・

「う・・・く・・・あぁぁぁ・・・」

 私のエナジーを吸えば吸うほど、怪人は力を増し、毒は濃く、血とエナジーを吸う力は強くなっていく・・・

 それに対して私は・・・どんどん抵抗する力を奪われて・・・いあぁぁぁ・・・ただ・・・苦しみ喘ぐことしか出来なくなってしまって・・・

 ズリュズリュズリュ・・・

「うあぁぁああああああ・・・」

 胸元のエナジーオーヴが・・・あぁぁぁ・・・点滅し始めて・・・もう・・・私は・・・

 その時、

どかっ!!

鈍い音がして、

「ぐぉぁおおおおおおおおおお!!!!」

 怪人が突然苦しみだした。急に爪・牙・角から解放された私は、その場に尻もちを付いてしまう。

「リザさん!大丈夫ですか?」

 怪人の後ろから顔を出したのは、大きなハンマーをもったシラサギ君・・・この世界での大切な仲間の一人。プヨプヨ太っていて優しくていつも一生懸命で、とても可愛い人なの。

「シラサギ君、何してるの!?危ないじゃない!!」

「戦いをモニターで見ていて気付きました。コイツの弱点は背中のこの角なんです!!」

 シラサギ君がハンマーを怪人の角に向けて振り下ろそうとする。

 だけど怪人は甘くない。大きな肉体を素早く回転させ、背後にいる彼を裏拳で打ち払おうとする・・・

―――危ない!!!―――

 私の声をかき消したのは、

「ぐぁあああああああああああ!!!」

再び上がった怪人の悲鳴だった。

苦しそうにうずくまっている怪人の背中の角にボウガンの矢が刺さっている。その矢はバリバリバリと電気を放ち、怪人を苦しめている。

「おい、シラサギ!一人で突っ走るんじゃねえって、いつも言ってるだろう!」

 ボウガンを手に持った男が、怪人の直ぐ近くでへたり込んでいるシラサギ君に向かって怒鳴る。

「ちょっと、シラサギ君にそこまで怒鳴らなくてもいいじゃない!」

「はぁ?お前がそうやって甘やかすから、シラサギが危ない目にあうんじゃねぇか!」

 そう怒鳴るのは、アオシギ君。シラサギ君と同じで私の大切な仲間。口うるさくて意地悪で、正直言ってホント嫌な奴。まぁ、私やシラサギ君の事を心配してくれているのは分かっているんだけど・・・

「リザさん!先輩!喧嘩している場合じゃないです!」

「ぐぅぅぅ・・・ぐぉおおおおおお!!!!」

 怪人は自分の手で電気の矢を引き抜いて、ギロリと私たちを見渡した。

「あとは大丈夫。私に任せて!」

「そんな・・・リザさんエナジーがもう・・・」

「大丈夫・・・エナジーなら二人に十分貰ったわ!」

そんなの強がりに過ぎなかった。エナジーと血を散々吸われて、意識を保つのもやっとの状態。さらにそのボロボロのカラダを猛毒が駆け巡っている。

それでも、私はやらなくちゃいけない。やれるかどうかなんて関係ないの!

「はぁあああああああああああああああああ!!!!!」

 私はカラダ中の力をありったけ右脚に込めた。

 後の事なんて今は考えない。この一撃を決めるだけ!

「たぁあああああ!!!」

 全てをかけたハイキックを怪人の頭に向けて放った。

 お願い・・・これで決まって!!!

バキィ!!!!

 私の全てを乗せたキックが怪人の頭部にヒットする。

 ゴキィ!!

 脚が・・・衝撃に耐えられなくなって折れちゃったみたい・・・

「うがぁっ・・・うぐ・・・このぉおおおお!!!!」

 私は歯を食いしばって折れた脚を振りぬいた!

 ズドーーーン!!!

 吹き飛びながら、怪人は灰のように粉々になっていった。

「くふぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・勝った・・・のよ・・・ね・・・」

 私の意識はそこで途絶えて、目の前が真っ暗になっ・・・て・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「起きたか。」

 目を覚ましたら医務室のベッドの上だった。ここは『バベルの民』を研究し、その襲来に備え、私の戦いをサポートしてくれる研究所。私はこの世界で、ここの人たちと一緒に研究を手伝っている。

「何日寝ていたの?」

 私はベッドサイドにいたアオシギ君に声をかけた。

「そんな事気にする必要はない。お前はゆっくり休んでいろ。」

「何よその言い方、私が寝てる間にアイツらが来たら・・・あっぅ・・・」

 ベッドから起き上がろうとしたけれど、全身を襲う痛みにそれすら叶わなかった。

「う・・・うぅぅ・・・」

「リザ・・・お前はもう戦うな。」

「はぁ?馬鹿なこと言わないでよ!」

「自分でも気づいているだろ?戦う度にボロボロになって、それが癒える間もなくまた戦って・・・この世界に来て何度そうして無理をしてきた?お前の事だ。この世界に来る前も、きっと無茶に無茶を重ねて来たんだろう・・・分かってるだろう、このまま戦い続けたら、近いうちにお前は・・・」

「しょうがないじゃない!私が戦わないと、世界が奴らに滅茶苦茶に・・・」

「世界なんてどうでもいい!!」

 私はアオシギ君の口から出た言葉に、しばらく茫然としてしまった。

 世界なんてどうでもいい?・・・この人は、何を言っているの?

「俺は・・・俺は・・・世界なんかより・・・リザ・・・お前が・・・」

 その時、施設内にアラームが響いた。

『警報!警報!○○地区に怪人出現。』

「聞こえるでしょう。行かないと・・・あぐぅぅうう・・・」

 激痛にこらえて身を起こした私は、ベッドの上でジャスティアンに変身した

「待てリザ!」

 その声を無視してベッドの横の窓を開けた。春の風がバタバタとカーテンを揺らす。

「アオシギ君にはどうでもいい世界でも、私にとっては大切な世界なの!」

 私はそう言って、病室の窓から飛び出した。

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

 休日の昼下がり、大型ショッピングモールの駐車場で怪獣が暴れていた。

 助けを求める人達の悲鳴が巻き起こっている。

―――大丈夫。私が怪人をやっつけてあげるから!!―――

 私は華麗に降り立ち、

「正義の美少女戦士・ジャスティアンただいま参上よ!」

 そう言ってポーズを決めた。

 逃げ惑う人たちはあまり私を見ていないみたい。でもまぁいいわ。早くここから皆逃げてくれた方が、戦いやすいってものよ。

「げっげっげっげ・・・お前がジャスティアンかぁ~~~俺様の責めでひぃひぃ言わせてやるぜ~~~」

 巨大イボガエルみたいな怪人が大きな舌で舌なめずりした。

「その前にすぐにアンタをやっつけてやるわよ!」

 私は、カエル怪人のお腹を蹴り上げる。

 ブヨン・・・

 お腹に蹴りが弾かれてしまう。

「げっげっげっげ・・・俺様に打撃は聞かないぜ。全部跳ね返してやる!」

「くっ・・・」

 跳ね返された脚がズキズキする。

 変身したらカラダのダメージは多少ましになる。そうでなくても変身中はエナジーでカラダの傷を瞬時に癒していく。

 そのハズなのに・・・

 今までの戦いで受けたダメージの蓄積が大きすぎて・・・それに、先の戦いで吸われ放題になってしまったエナジーがまだ回復してないみたいで・・・傷が治らない。全身を痛みが襲う。ボロボロのカラダで、立っているだけでも苦しい・・・

 怪人は私の隙を見逃さない。

「ど~~~~~ん!!!!」

 カエルの裂けた口から、弾丸が発射された。

 それは決してそんなに速くない・・・避ける事なんて楽勝

な・・・ハズなのに・・・

「うぐぅう・・・」

 避けきれずにガードした腕に、弾丸を喰らってしまう。

 べしゃ!

 弾丸は脂のように弾け、ガードした腕のプロテクターをドロドロにしてしまった。

 ううう・・・脂を吸った腕が・・・重い・・・

「げっげっげっげ・・・俺様の脂玉はどうだ?どんな硬い装甲にも染み込んで、お前の綺麗な肌に侵食して汚していくぜ~~~」

 はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・一発喰らっただけなのに・・・怪人の言った通り、両腕が侵食されていくのを感じる。

「うくっ・・・うぅぅ・・・」

 私を前にして、カエル怪人はタップリ時間をとって喉を大きく膨らませた。

 きっと特大の脂玉を私にお見舞いするつもりなのね・・・

 舐められたものね・・・

 私は、その隙をついてカエルの間合いに飛び込み、足払いで転ばせようとした・・・

 けれど、脚が想像以上に動いてくれない。私の武器のスピードが、脚が、完全に殺されてしまっている。

「ど~~~~~ん!!!!」

 巨大な脂玉が私に向けて発射された。

 間合いを詰めようとした私は、前傾姿勢でその脂玉を胸に受けてしまう。

「あぁぁああああああ・・・うぁぁぁあああ・・・」

 脂玉を受けた衝撃で私は吹き飛ばされ、背中からアスファルトの地面に叩きつけられてしまう。

「かはっ・・・あぁぁぁああ・・・」

 私の命はスピード・・・スピードに特化した分、防御力は弱くなってしまっているの・・・

 だから・・・今みたいにスピードを殺されてしまうと私は

 私は

 翼をもがれた鳥と同じで・・・

「あぁぁぁああああ・・・」

 無力な私は、ただされるがままに苦しみ悶えることしか出来ない。

 プロテクターに染み込んだ脂が、インナーを侵食して、そして私の胸を汚していく。

「んあぁぁぁ・・・あぁ・・・あぁあああああ・・・」

 胸は・・・あぁぁ・・・私の小さな胸は・・・怪人達に散々甚振られてきた胸は・・・あぁぁぁ・・・私の・・・最大の弱点なの・・・

 その胸に今・・・怪人の汚い脂が染み込んでいく・・・穢されていく・・・犯されていく・・・

「うあぁぁぁああああ・・・」

「げっげっげっげっげ・・・」

 カエル怪人が身悶える私を見下ろす。イヤらしい視線を私のカラダにジロジロと這わせて・・・あぁぁぁ・・・私をどう責め嬲ろうか・・・そんな事を考えているのね・・・

 ドスン。カエル怪人が私のお腹に腰を下ろした。

「あぐぅ!」

「さぁて、じっくりネップリ楽しもうか。」

 怪人の大きな手が私の胸に伸びる。

「や・・・やだ・・・触らないで・・・あぁぁっ・・・」

 怪人が胸のプロテクターを掴んで、

 バリ・・・バリバリバリ・・・

 音を立てて握り潰していく。

「あぁぁああ・・・やめて・・・くっ・・・」

 私は必死に脚をバタバタさせて抵抗しようとするけれど・・・

「げっげっげ・・・抵抗する『ふり』が上手だなぁ。」

「そんな・・・ふりなんかじゃ・・・んあぁああっ・・・」

「ほらほらほら・・・プロテクターが壊れて可愛い胸が無防備になっちゃうぞ~~~」

「やめ・・・やめて・・・いあぁぁぁああああ・・・」

 バキバキ・・・バキン!!!

 あぁぁぁ・・・プロテクターが砕けて・・・

 ポタリ・・・

 インナーに包まれただけの無防備な胸に、怪人のよだれが滴り落ちた。

「んはぁっ・・・ぃぅ・・・」

「げっげっげっげ・・・乳首が起っているのが丸わかりだぞ~~~」

「いやぁぁ・・・あぁぁ・・・見ないで・・・見ないで・・・んぅぅ・・・」

 顔が耳まで真っ赤になっているのが自分でも分かる。まだ触られたわけじゃないのに、これから襲い来る責めを想像するだけで、

「んあぁぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・くぁぁ・・・」

 熱い吐息が漏れてしまう。

 ぽた・・・

 ぽたぽた・・・

 怪人のよだれが胸に垂れ落ちてくる。

 それだけで私は、

「あんっ・・・んあぁぁ・・・」

 声を出して、カラダをピクンピクンと震わせてしまう。

「げっげっげっげ・・・今からお前の胸に、想像もできないほどの責め苦を与えてやる。」

 怪人がそう言って・・・あぁぁ・・・私の胸の上にナニカを吐き出した。

 それはヌルヌルしていて・・・ビクンビクンと蠢いて・・・

「っぁ・・・あぁぁぁ・・・こ・・・これは・・・」

 胸の上に吐き出されたのは・・・粘液のゼリーで包まれた無数のカエルの卵。

「お前の胸の中で、卵を孵してやる。」

私の胸の中で卵を・・・?

 怪人の言葉の意味が、私は分からなかった。

 そしてその答えは、すぐに悍ましい現実となって私に降りかかった。

 ヌプ・・・ヌプヌプ・・・

 まるで池の中に沈んでいくように、私の胸の中に・・・カエルの卵が入り込んでくる。

「な・・・なにこれ・・・あぁぁぁ・・・何が起って・・・んあぁぁああああ・・・」

 内臓も骨も筋肉もすべて無視して、ズブズブと沈んでいくカエルの卵。それが・・・あぁぁ・・・激しく胎動して・・・私の胸を内側から責め立てる。

「んくぅ・・・ぁああああ・・・や・・・んやぁぁ・・・な・・・なんなの・・・あぁぁ・・・こんなのしらない・・・こんなのありえない・・・あぁああああああ・・・」

「げっげっげっげ・・・バベルの民の呪力の賜物さ。その反応を見るに、なかなか楽しんでくれているみたいだな。」

「やだ・・・こんなの・・・あぁぁぁ・・・こ・・・こんなのたえられ・・・んあぁぁあああ・・・」

 あぁぁぁ・・・卵が孵って・・・オタマジャクシが・・・私の胸の中を泳いで・・・ゃ・・・あぁぁ・・・

「あぁぁああ・・・胸が・・・胸がこわれ・・・や・・・んあぁ・・・」

 数えきれないオタマジャクシが・・・私の胸の中を泳いで・・・あぁぁ・・・うあぁぁ・・・私のエナジーを食べながら・・・ビチビチ跳ねて暴れ回って・・・

「あふぅ・・・んふぁ・・・んやぁ・・・あぁあああああ・・・」

 あん・・・あぁぁぁ・・・やぁぁ・・・乳首が・・・内側から啄まれる・・・むき出しの乳腺を・・・無数のオタマジャクに責められる・・・

「やん・・・やぁ・・・やぁあああああん・・・」

「げっげっげっげ・・・何一人で気持ちよくなってんだよ。」

「き・・・きもちよくなんか・・・あぁぁあああ・・・」

 私の力は聖なる力・・・その力を行使する代償に・・・女性としての悦びを禁じられてしまった。
 私にとっては性の悦びは苦しみでしかない・・・そうじゃなくても・・・こんな責め・・・激しすぎて・・・快楽を超えて○問でしかな・・・い・・・の・・・に・・・

「俺様もお前で気持ちよくさせてもらおうか。」

 怪人はそう言って、私のカラダを抱き上げた。

「あぅぅ・・・んや・・・」

「全身を使ってご奉仕しなぁ!!」

 ぬる・・・ぬるぬるぬる・・・

 怪人にきつく抱きしめられた私は・・・あぁぁぁ・・・怪人の体に擦り付けられていく・・・

 にゅる・・・にゅるにゅる・・・

「んやぁぁああ・・・はぅぅ・・・んくはぁ・・・」

 粘液に塗れた怪人に、ヌルヌルと上下にこすり付けられて・・・私のカラダは・・・怪人を悦ばせる為だけの性具になり下がってしまう・・・

「いやぁぁ・・・ふあぁん・・・くあぁぁぁあん・・・」

 胸の中をオタマジャクシに責められながら、私は粘液に犯されていく。スクール水着のインナーがベトベトのドロドロになって、肌にピッタリと張り付いてしまう。

「あぁぁぁ・・・んふぅ・・・やめ・・・やめ・・・あぁあああ・・・」

「うぉぉぉおおおお・・・」

 怪人が雄叫びをあげ、肉体を激しく震わせた。

そして全身から濃い粘液がドロドロと分泌される。

あぁぁぁ・・・・私のカラダを使って絶頂したのかしら・・・

 性具に成り下がった私は、全身で怪人の絶頂を受け止めることしか出来ない。

「や・・・あ・・・あぁぁぁあ・・・」

 屈辱と恥辱に打ちのめされる私は、

 ドロドロドロ・・・

 大量に分泌された粘液にどっぷりと塗れてしまって、

 あぁぁぁ・・・なんてイヤな臭い・・・こんなのに・・・全身を犯されて・・・私は・・・あぁぁあああああ!!!

 ずりゅ・・・ぬりゅ・・・ずぶずぶ・・・

 絶頂して全身から粘液を激しく分泌した怪人の体に、私はまた強く押し付けられ、上下にこすり付けられるように動かされる。

「はぅぅ・・・そんな・・・また・・・も・・・もう・・・んぁああああ・・・」

 悶え喘いで仰け反った首筋を、

 べろん・・・

 怪人の大きな舌が舐めあげる

「あぁぁあああん・・・」

 舌は何度も何度も首筋を舐りながら、臭い唾液をタップリと私の首筋になすりつけていく。

「んあ・・・んぅぅ・・・あぁああああああん・・・」

 ピンと立った乳首が、ブヨブヨとした怪人の肉体にこすり付けられ、粘液に塗れながらグリグリと押しつぶされる。
責められれば責められるほどに乳首は硬くそそり立って・・・生意気に自己主張する乳首は、お仕置きだと言わんばかりにさらに強くこすり付けられ、グリグリと上下左右に玩弄されてしまう。

「ひあぁ・・・んあ・・・や・・・んあぁぁああ・・・」

 ああぁぁ・・・私は・・・正義の戦士なのに・・・こんな・・・あぁぁぁ・・・怪人を気持ち良くするためにカラダを使われて・・・玩具にされるなんて・・・

「はぅぅん・・・ひぅ・・・んぁぁ・・・やぁああああああ・・・」

 あぁぁ・・・全身を電気が流れるような衝撃が・・・

 や・・・やだ・・・いやぁぁ・・・私は・・・カエルの粘液に塗れながら・・・カラダを玩具にされて・・・そして・・・

・・・絶頂を迎えてしまった。

「げっげっげ・・・俺様を気持ちよくさせる為のお前が絶頂してどうする・・・正義のヒロインのふりした淫売め!!」

 怪人の言葉が私を責め立てる。

 そして・・・興奮した怪人は、ますます私を強く責め立てて・・・

 ぬりゅ・・・ずりゅ・・・ぐちゅぐちゅ・・・

「はぁああああああん・・・」

 あぁぁぁ・・・

 たすけて・・・

 だれか・・・

 あぁぁぁ・・・

「あ・・・アオシギ君・・・」

 無意識に私が呟いたその時・・・

「リザさん!!!」

 誰かが私を呼んで・・・そして・・・

 ブロロロロロロロロロロロロ!!!!!!

 猛スピードで車が怪人に向かって突っ込んで来た!

 ドゴ――――ン!!!

 車は私ごと怪人を薙ぎ払って、

 ギャリギャリギャリギャリ!!!!!!

 凄まじい音を立てながら急ブレーキで止まった。

「あぁぁ・・・うぅぅぅ・・・」

 地面に打ちつけられた私は、カラダがバラバラになりそうな衝撃に呻いてた。

 ボンネットがパカッと開き、エアバックが膨らんだ車から、

「リザさん、助けに来ました!」

 頭から血をダラダラ流したシラサギ君が、満面の笑みを浮かべて車から出てきた。

「ぐ・・・ぐぅぅううう・・・」

 怪人がシラサギ君を睨みながら、立ち上がろうとしている。

 このままではシラサギ君が・・・

 でも・・・私には・・・あぁぁぁ・・・

「おい、少女戦士・ジャスティアン。なに寝転がってんだ。」

 意地悪な声と共に、私は上半身を抱き上げられた。

「あ・・・アオシギ君?」

 アオシギ君は、私の手に銃を握らせた。

「冷凍光線銃だ。全く、何も準備せずに飛び出すからこうなるんだ。」

「お説教なら後で聞くわ・・・ありがとう・・・これでアイツを撃てばいいのね・・・」

 私は銃を構える。だけど脂が侵食した腕は力が入ってくれなくて、ブルブル震えてしまう。

「お前は何もわかっちゃいねぇ。」

 震える私の腕の上から、力強い腕がしっかりと重ねられた。

「お前にとってこの世界が大切なら、俺も全力で守ってやる。だからリザ!お前はもう一人で戦うな!!」

 その言葉で、私の中にエナジーが・・・ううん・・・もっと暖かくて優しくて、そして何よりも強い力が沸き上がって来るのを感じたの。

「ぐぉおおおお!!!貴様ぁあああ!!!!」

 怪人がシラサギ君に襲い掛かろうとした。その時、

「くらえええええええ!!!!!!!」

 私とアオシギ君が放った銃が・・・冷凍光線が怪人に襲い掛かった!!

「うぎゃぁああああああああああああああああ!!!!」

 パキパキパキパキ・・・

 カエル怪人が凍り付いていく。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・これで・・・終わりね・・・」

 私は凍り付いた怪人にフラフラと歩み寄って、そして

「たぁああああああ!!!」

 怪人を蹴り砕いた。

 パキャァアアアアアアン・・・

 夕日を反射しながら、砕けた氷がキラキラと舞って・・・そして・・・

「は・・・はははは・・・ざっと・・・こんなもんよ・・・」

 私はぺたりと尻もちを付いて、苦しい勝利の余韻を味わっていた・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「はぅ・・・んあぁぁ・・・あぁあぁぁあああ・・・」

 少女戦士・ジャスティアンに変身した私は、胸の中を無数のオタマジャクシに責められる感覚に苦しんでしまう。

 研究所の一室、沢山のモニターが私を見ている。

「リザ・・・このオタマジャクシは、お前がジャスティアンに変身した時に半実体化し、胸を責めたてるみたいだ。」

 広いガラス窓の向こうにいるアオシギ君の冷徹な声が、スピーカーを通じて聞こえてくる。

「くふぅう・・・んぁぁ・・・そ・・・そうみたいね・・・」

「これが一時的なモノなのか、永続的に続くモノなのか、何も分からない・・・ただ一つ分かっているのは、今の我々にはどうにも手の出しようがないという事だ。」

 その声は一つ一つ冷静に残酷な現実を私に着きつける。

「だが、必ずこの現象を何とかしてみる。お前をこの苦しみから解放して見せる。だからリザ・・・」

「うん・・・分かってる。アナタも一緒に戦ってくれるんだもんね。アオシギ君。」

 私は精一杯の笑顔を作って、ガラス窓の向こうの彼に向けて親指を立てた。

 かけがえのない、私の仲間に。

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アヤラスタ 2022/12/07 00:44

真約・黒のマリア 第一話 『闇に堕ちていく少女』

パンドラの箱が砕かれた日・・・99の悪魔が放たれた悪夢の始まりの日、私の前で100体目の悪魔がほほ笑んだ。

「どうしたのですかお嬢さん。そんなに泣きそうな顔をして。それではまるで世界が終わったかのようではないですか。」

 シルクハットに燕尾服。でっぷり太った腹に糸のように細く長い足の悪魔が、私のカラダをネットリと見つめる。まるで舐めるような視線に、私は思わず手で胸をかばうような姿勢をとった。

「自己紹介がまだでしたね。我が名はメフィストフェレス。もしお嬢さんがお望みとあらば、たった今放たれた悪魔を封じる為の力を与えることも出来ますが、いかがしますか?」

 メフィストフェレス?どうみてもハンプティ・ダンプティじゃないの・・・私はそう思ったけれど、特に何も言わなかった。

「もちろん、力を与えるだけの、代償は支払っていただきますが。」

 ニヤニヤ嗤うメフィストに

「力?代償?どういうこと?」

「力とは、まず一つ、貴女本来が持つ生命力・・・我々悪魔はマナと呼んでいますが、そのマナを無尽蔵に沸き上がるようにして差し上げます。マナは悪魔と戦う為の基本的な力・・・ですが気を付けて下さい。膨大なマナは悪魔にとっても好物なのです。悪魔を追い詰めるつもりが、悪魔に追い詰められるという事も十分あり得ますからね。」

「それが力の代償なの?」

「まぁまぁ結論を急ぎすぎるのは良くないですなぁ、お嬢さん。まだ力の話が終わっていません。いや、ここからが重要なのです。それを望むのなら、ですが、貴女に“箱”としての力を与えましょう。」

「箱としての力?」

「砕け散ったパンドラの箱の代わりに、貴女のカラダに悪魔を封じ込めることが出来るようにします。また、封じ込めた悪魔の力の一部を使う事も出来るようになるのです。夢のようではないですか?」

 この身に悪魔を封じる・・・その悪夢のような提案に私は怖気がふるう思いがした。

「そして・・・代償の話ですが・・・」

 それからメフィストフェレスがした“代償”の話は、とても恐ろしいモノだった。

 心臓がバクバクする。喉がカラカラになって上手く声が出せない。屠殺される前の家畜はこんな気分なのかしら・・・ううん・・・彼らは“死ねる”だけ随分と恵まれている。

「どうしますか?お嬢さん。代償を支払う代わりに力を得るか。それとも悪魔の事は忘れて平穏な日々を送るか。さぁ、どちらを選択しますか?」

 その質問に意味は無かった。だって答えは決まっているもの。

 だから私は・・・

「ハンプ・・・メフィストフェレスといったかしら?・・・お願い・・・私に・・・力を頂戴。」

 私の言葉に悪魔が高笑いして・・・

 エクソシスト・マリア・・・私、黒薔薇マリアの物語は、こうして動き始めた。

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

 悪魔は人の心の弱いところに付け込み、言葉巧みに誘惑して魂を奪う。嫉妬や怒り、劣情に罪悪感・・・私は今まで悪魔の誘惑に負けて魂を受け渡してしまった人達を見て来た。特に彼らが悪いとも弱いとも思わない。それが普通なのだ。

 だけど、私がとある高校で出会った少年は違った。馬上ケンジという名前の彼は、何日も何か月も、悪魔のささやきに自分の意志の力だけで抵抗していた。

 彼は酷いいじめを受けていた。私はそれを見ているしかなかった。私が目立ってしまえば、私の存在に気付かれたのなら、悪魔はどんな行動をとるか分からない。私から逃げてくれればいい方で、最悪この学校全員を人質にされるかもしれない。

 だから、私は見ているしかなかった。私は、醜い人間だった。

 ある日の放課後、彼は一人、ゴミ箱の中に捨てられた教科書を拾い上げ茫然と立ち尽くしていた。

 私は何か声をかけなくちゃ・・・そう思ったけれど、今更どんな声をかければいいのか分からなくて、ただただ夕日を受けて浮かび上がる哀しいシルエットを見つめることしか出来なかった。

「はは・・・はははははは・・・」

 彼は笑っていた。とてもじゃないけど聞いていられない、哀しい笑い声だった。

「どうして笑っているの?」

 私の質問に、

「どうしてって・・・どうせ君もボクの事笑いに来たんだろ?虐められてヘラヘラして、何も出来ない弱いボクの事をさ・・・」

 彼はそう答えた。

 その時、私は彼の傍に悪魔の姿を見つけた。正確に言えば姿を見たわけでは無く、その存在を感じた。

 私はエクソシスト。悪魔を打ち払い、この身に封じ込めることだけが私の存在意義。薄っぺらい慰めの言葉で彼に優しい人と思われることが、私の役目ではない。

 だから私はこう言ったの。

「二つ勘違いしているようだけど、一つ、私はアナタにまるで興味が無いの。ごめんなさいね。」

 私はこの悪魔を払ったら学校から立ち去る。それだけの存在。だから冷たい人だと思われて、嫌われた方がいい。

「二つ目は・・・アナタは決して弱くなんかないわ。少なくとも、私はアナタ以上に強い人を知らない。」

 悪魔を払っても彼の受難は続く。でも、私にそれを望む権利は無いのだけど、せめて自分自身の強さに気づいて欲しかった。自分自身の強さに気づいて、そして笑って日々を過ごして欲しかった。

 その幸せな日々を送るころには、私の事なんて忘れているでしょうけど。

 私は胸ポケットから小瓶を取り出し、聖水を振りまいた。

『ギヤァアアアアアアアアアアアア!!!!!』

 悍ましい声が響き渡る。聖水は姿を消していた悪魔の体を焼き、その醜い姿を白日の下にさらす。

「貴様ぁ・・・熱いじゃねぇかぁ!!!何しやがるんだよぉ!!!!」

 悪魔が私に真っすぐ敵意をむき出しにして叫ぶ。ライオンの頭にコオモリの羽、手足には鋭い爪、体中に蛇の様なウロコ・・・恐ろしい姿、恐ろしい声、私は出来る事なら泣き叫んで逃げ回っていたでしょう。

 怖い・・・怖い・・・怖い怖い怖い怖い・・・

 でも私はエクソシスト。怖いからと言って、逃げるわけにはいかないの。

「女ぁああああ!!!!引き裂いてやるぅううう!!!!!!!」

 悪魔が私に飛び掛かってくる。私は冷静を装い、スカートのポケットから聖水の瓶を取り出して床に傾ける。コポコポコポと零れ落ちる聖水に私のマナを流し込んで、聖水はしなやかな鞭になる。

 パシィイイ!!!

 その水の鞭で悪魔を打つ!

「ギヤァアアアアアアアアアア!!!!!」

 悪魔が叫び声をあげ、姿を消した。

 教室に嘘のような静寂が訪れる。

「え?・・・今のなに?」

 茫然とする彼のそばに私は歩み寄って、

「まだ終わってないわ。これを手放さないで。」

 そう言って銀のロザリオを渡した。彼が悪魔から逃れられるように願いを込めて。そして、私が伝えたかった言葉を込めて。

「これを握ったまま、声を出さないで、振り向かないで、ゆっくり歩いて教室から出ていきなさい。そうすればアナタは助かるから。」

 私の言葉に、彼はまだ何が何だか分かっていない様子だった。そうよね。無理もないわ。まるで悪夢のようにしか思えないものね。ただただ怖くて怖くて、泣き叫んだり走り去ったりしたいわよね。

 でも、彼、馬上ケンジは、

「黒薔薇さんは・・・」

 私を気遣う言葉を紡ごうとした。

その唇が、『大丈夫なの?』そう動く前に、人差し指で彼の唇を塞いだ。

 私は、もしかしたら大丈夫じゃないかも知れない・・・そんな事は、優しい彼に言えるハズも無かった。

「ギィイイイイイイイイイイイイイイイイイイイ・・・」

 恐ろしい声が響いた。その声は教室全体から響いているようだった。

「行って。早く!」

 私の言葉に、彼は一歩一歩廊下へと歩みを進め始めた。

 その事に安堵する間を悪魔は与えてくれない。

 ブゥウン・・・教室中の椅子や机が宙に浮かぶ。

 そして

 私に向かってすごい勢いで飛んできて・・・

 ドドドドドドドドドドドドド!!!!

 私のカラダに激しく打ちつけられる。

 ゴっ・・・

 ガードした腕が、嫌な音を立てる。左腕の骨が折れたみたい。

「くっ・・・」

 痛みに声が出てしまう・・・だめ・・・声を出したら・・・優しい彼が振り向いてしまうから・・・だから・・・私は・・・平気なふりをしないと・・・

「女ぁ!!!アイツをどこへやったぁ!!!」

 悪魔の叫ぶ声がする。馬鹿ね。黙っていたら、どこにいるのか分からないままだったのに。

「さぁね、私の知ったことではないわ。」

 そう言って私は聖水の鞭を振り下ろした。

 ビュン!!

 鞭は空気を引き裂いて、そして

「ギヤァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 鞭打たれた悪魔の悲鳴があがる。姿を消していた悪魔が姿を現した。その目は怒りで燃えている。

 そして、大きく息を吸い込んだ悪魔は、

 ブォオォォォォ・・・

 口から激しい炎を噴き出した。

 灼熱の炎。それにも関わらず木製の床も、カーテンも、辺りに散らばる椅子も机も燃え上がることがない。私には分かった。これはまやかしの炎。実際に私が炎で焼かれているわけではない。

 分かってはいたのだけど、そのあまりにもの熱さに

「うっ・・・っ・・・」

 声が出てしまう。

「アイツを今すぐ呼び戻せ!さもなくば死よりも苦しい目にあわせるぞ!!」

 悪魔が馬鹿なことを言う。彼は・・・馬上ケンジは・・・私とは違って・・・お日様に祝福された人生を送る人なの・・・私なんかが苦しみから逃れるために、邪魔をしていい人ではないの。

だから私は、こう言ってやったの。

「ふっ・・・やれるものなら、やってみれば?」

 ブォン・・・

 悪魔の手の上に、炎の槍が形作られる。

 そしてそれは、

 ザク!!!

 次の瞬間、私の左太ももに突き刺さっていた。

 ドジュウウ・・・

 脚が・・・中から焼かれていく・・・

「んくっ・・・ぅぁ・・・」

 堪えようとしても声が出てしまう。その声が、彼に聞こえないように祈るしか私にはできなかった。

「炎の槍でカラダを中から焼かれる苦しみはどうだ?ん?地獄の苦しみだろう?悪魔に逆らうからこうなるんだ!」

 そう言って悪魔は、私の右肩に炎の槍を投げつけた。

 ドジュウウ・・・

 肩が焼ける痛みに、私は聖水の瓶を落としてしまう。

 カランカラン・・・

 聖水の鞭はただの水となり、灼熱の業火に晒されてすぐに蒸発してしまった。

「ぅくぅ・・・っっっ・・・」

 肉を内側から焼かれる苦しみに声が漏れ出てしまう・・・あぁぁ・・・それに・・・武器が失われてしまった・・・

「ゲッゲッゲッゲ・・・次はどこを刺してやろうか・・・頭か?・・・腹か?・・・それとも、その小さい胸か?」

 悪魔がそう言って、私のカラダをいやらしい目で舐めるように見つめる。私は唇を噛んで、何をされても声を上げないように必死に構える。

 私に出来ることは、それだけだから・・・

 だけど・・・

 ザク!!!!!!!

 槍が・・・私の・・・左胸に刺さって・・・

「あぁああああああああああああああああああ!!!!」

 私は声を上げてしまった・・・

 胸は・・・あぁぁ・・・私の小さな胸は・・・まるで魂レベルで調教され続けたみたいに・・・どうしようもない弱点で・・・なぜか悪魔たちも、そこを重点的に責めてきて・・・そんな弱点を貫かれて・・・私は・・・もう・・・

 
「あぐぅ・・・ぁぁああああ・・・うあぁぁああああああああああ・・・」

 堪えきれず声をあげてしまった・・・でも、それとほとんど同じくして、彼の気配が教室から出たのを感じた。

 良かった・・・ケンジ君は・・・悪魔の手から逃れられたんだ・・・あとは、私が・・・

「ゲッゲッゲッゲ・・・死ぬことも出来ずに焼かれ続ける気分はどうだ?ん?」

 悪魔が嗤う。下らない・・・私ごときの苦しみなんて、それがいったいなんだというの?

「くっ・・・苦しいだけなら・・・耐えれば・・・いい・・・だけよ・・・」

 私の言葉に、

「おぉ・・・いいねぇ・・・その覚悟に免じて、その熱く火照ったカラダを冷ましてやるぜ!!!」

 悪魔は嬉しそうに嗤った。

次の瞬間・・・

 灼熱で炙られていた私のカラダに激痛が走った。いや、これは痛いじゃなくて、冷たいんだ。激痛を伴うくらいに冷やされて・・・私は・・・凍り付いていく・・・

「はぅっ・・・んぁああああああああ・・・」

 身を貫いていた炎の槍が凍り付き、私を内側から凍結していく・・・

「あがっ・・・くぅ・・・ぁぁぁあああ・・・」

 パキ・・・パキパキパキパキ・・・

 少しづつ少しづつ私のカラダが凍り付いていく。きっと・・・少しでも永く私を苦しめる為に・・・ジワジワと凍結させて・・・甚振っているのね・・・

「あ・・・あぁぁ・・・ぅ・・・ぁぁぁ・・・」

 私は・・・もう・・・苦悶の声を上げることしか出来ない・・・

「う・・・ぁぁ・・・ぁ・・・」

 だんだんと・・・声を出すことすらままならなくなっていって・・・

「ぅ・・・んぁ・・・ぅ・・・ぁ・・・ぁぁ・・・」

 パキパキパキ・・・パキ・・・

 私のカラダは・・・ついに全て凍り付いてしまって・・・あぁぁ・・・呼吸も出来ない状態で・・・私は死ぬことはおろか、意識を失うことすら出来ずに・・・全身を襲う、刺すような痛みに曝され続ける・・・

 うぁぁ・・・

 あぁぁあ・・・

パキン!

 突然私は氷の牢獄から解放された。凍り付いていた肺に、新鮮な空気が流れ込んでくる。

「かはっ・・・はぁ・・・はぁ・・・ぅぁぁ・・・」

 氷から解放されたと言っても、カラダが自由になったわけでは無かった。胸から下、そして両肩から腕はまだ凍ったまま・・・これじゃぁ動けない・・・

「ゲッゲッゲッゲ・・・女ぁ・・・女ぁ・・・貴様はその小さな胸が弱いようだなぁ~~~。」

 悪魔の声に私はドキリとする・・・バレたくなかったのに・・・胸が弱いことが知られてしまった・・・あぁぁ・・・私の胸を嬲る為に・・・わざと氷を砕いたのね・・・

「な・・・なにを馬鹿なことを言っているの・・・」

 私は必死に冷静を装おうとした。でも、悪魔はそんな私の胸の内など見抜いていたのだろう。

「そうかそうか違うのかぁ~~~・・・それなら、胸を徹底的に責められても別に平気というワケだなァ~~~。」

  ヴヴヴヴヴヴヴヴ・・・突然耳障りな羽音が教室に響いた。あぁぁ・・・悪魔が召喚した悍ましい蟲の大群が・・・

「くっ・・・」

私は思わず目を背けてしまった。悍ましい蟲の姿から・・・中年男性のような顔を持つその蟲は、蠅の様な羽を持ち、胴体の形は昆虫と同じだけど・・・その胴体は肌色でブヨブヨとした肉感を持っていて、そして・・・あぁぁ・・・胴体部分から醜い性器が生えていて・・・私を犯し辱めようとする悪意に、そそり立っている・・・

「おいおい目を反らすんじゃねぇよ。今からお前はこいつらに胸を可愛がってもらうっていうのによぉ~~~。」

 悪魔の言葉に、私は睨みつけて、

「ふっ・・・好きにしなさい。」

 と言い放った。それがせめてもの抵抗だった。

 ヴヴヴヴヴヴ・・・

 蟲達が、一斉に私の胸に殺到していく。

「んくっ・・・くぁぁ・・・」

 セーラー越しに胸を嬲られて・・・あぁぁぁ・・・まるで沢山の指に責められているみたい。

「はぁ・・・はぁ・・・ぅぁ・・・くぅ・・・んぁ・・・」

 必死に耐えようとしたけど、声が出るのが抑えられない・・・カラダがどうしても、ピクンピクンと震えてしまう・・・

「ゲッゲッゲッゲ・・・随分と可愛い反応するじゃねぇか。」

 悪魔が言葉で私を責める。

「はぁ・・・はぁ・・・んくぅ・・・だから・・・馬鹿なことをいわ・・・んぁぁぁ・・・」

 ドクン・・・突然胸が熱くなって、私は大きく反応してしまった。あぁぁ・・・私の胸が・・・ベットリとした白い精液に汚されている。

「んぁぁぁ・・・な・・・なんなのこれ・・・」

 あぁぁぁ・・・蟲たちが・・・ズリズリと私の胸に性器をこすり付けて・・・そして次々と精液を放って・・・私を汚していく・・・

「あぁぁぁ・・・ひぁ・・・いあぁぁ・・・やめ・・・あぁぁぁあああああ・・・」

 私の胸が、どんどん白く汚されていく。精液をたっぷり吸い込んだセーラー服はベットリと胸にへばりついて・・・あぁぁ・・・いきり立った乳首の形が浮かびあがらせてしまう・・・乳首に蟲達が集って・・・性器を擦り付けて・・・精液を・・・塗り込んで・・・

 乳首が・・・犯されていく・・・

「いぅ・・・こんな・・・あぁぁああああああ・・・」

「ゲッゲッゲッゲ・・・屈辱だろう・・・苦しいだろう・・・もしその魂を差し出すというのならば、今すぐに楽にしてやるぞ?それとも、悍ましい蟲に胸を犯されるのをじっくりと愉しみたいのかな?」

「くふぅぅ・・・こ・・・これしきの責めで・・・私は・・・私は・・・あぁぁああああああっ!!!」

 いつの間にか服の中に蟲が潜り込んできて・・・直に胸を犯されてしまう。性器を直接こすり付けられて・・・
 
どぴゅっ・・・

 服の上からでも・・・耐えられなかったのに・・・直接胸に精を放たれて・・・

「あぁぁぁぁああああ・・・ぃぁ・・・あぁぁぁあああああああああ・・・」

 あぁぁぁ・・・もう胸がドロドロにされて・・・私はもう何も考えることも出来ずに、ただただ悦虐に苦しみながら悶え喘ぐことしか出来ない・・・

「ひぅうう・・・んぁああああ・・・あぁぁあああああ・・・・」

 服の内から外から乳首に精を放たれて・・・あぁぁ・・・それを塗り込まれてしまう。蟲たちは私の乳首の感触を愉しみながら・・・また性器をムクムクと硬くして、精を放つ。
 
胸への集団輪○が止まらない・・・あぁぁ・・・激しい乳辱に・・・私は・・・私は・・・

「あぁぁあああ・・・んぁぁっ・・・ひぁああああ・・・」

 バリィン!!!

 突然私を拘束してた氷が全て砕けた。それと同時に、胸に集っていた蟲たちが全てプチプチと音をたてて潰れて、ぬちゃぁとネバつく体液が私の胸に染み込んでくる。

 あぁぁ・・・精液でドロドロにされた胸が、体液でさらに汚し犯されていく・・・

「あぁぁああああああ・・・」

 崩れ落ちる私は、悪魔に首を掴まれ、高く持ち上げられた。

「うぁ・・・あぁぁぁああああ・・・」

「本当はあのガキの魂をいただこうと思ってたがよぉ・・・女ぁ・・・貴様で遊ぶことにするぜぇ!!!」

 悪魔はそう言った後、

 ザシュ!!

 鋭い爪で私の胸を引き裂いた。

「っ・・・ぅぅ・・・」

「貴様は俺が、永遠に苦しめてやるぅうううう!!!!」

 そう叫んだ悪魔の瞳に、私は無防備になった悪魔の魂を見た。

 この瞬間を待っていたの!

 ギンッ!!!
 
 私はこの身に封じられている悪魔の力を解放した。見るものを石に変えてしまうメドゥーサの力を。

 パキ・・・パキパキ・・・

 悪魔の体が石化していく。

「うぉ!・・・なんだこれは・・・・女ぁぁ!!!!俺様に何をしやがったぁぁ!!!!!!!???」

 断末魔をあげて悪魔が完全に石の像に変化した。

 パリィイイン!!

 ガラスが割れるような音がして、夕日に照らされていた教室が一気に夜の教室へと変わった。悪魔が滅んだことで、止まっていた時間が一気に動き出した。

 ピシッ・・・ピシピシ・・・バリン!!!

音を立てて悪魔の石像が砕け散る。石像の中から、どす黒い小さな光球が現れる。

私はその光球を手に取り、

「んぅぅ・・・」

 胸にそれを押し付けるようにして、カラダの中に取り込んだ。

「くあぁぁああああああああああああ・・・」

 途端に悪魔の欲望に私の魂が責められる。何度も何度も何度も何度も私を爪で切り裂きたいという欲望に、私の魂はズタズタにされていく。

 私は膝から崩れ落ちる。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 ポタリポタリ・・・大きな汗が私の頬を伝い落ちる。

「んくっ・・・はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 悪魔の魂が落ち着いたあと、私はポツリと呟いた。

「・・・あと・・・90・・・」

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

 私を襲う責め苦は、まだ終わってはいない。

 ううん・・・私の苦しみは、ここから始まるの。

「はぅぅう・・・んぁぁぁ・・・くぅうううう・・・」

 深夜、自室に私の喘ぎ声が響き渡る。ベッドの上で汗だくになりながら、私は悶えている。シーツを強く掴んで、カラダをのけ反らせて、私は苦しみ喘いでいる。

 私は、この身に封じた悪魔たちに責められている・・・あぁぁ・・・9体の悪魔が・・・私のカラダを好き放題に嬲っている・・・

「はう・・・ひぅ・・・くぁぁああああ・・・」

 毎晩毎晩、悪魔は私を責め立てる。楽になるには、悪魔に身と魂を委ねてしまうこと・・・そうすれば、私は彼らに全てを乗っ取られて、もう何も感じずにいられる。

 だけど、そんなこと・・・そんなこと・・・私は・・・

「お嬢さん、今宵も随分と美味しそうですな。」

 気が付けば、ベッドサイドにメフィストフェレスが立っていた。苦しみ悶える私をニヤニャと見下ろしている。

「あぁぁぁ・・・」

 メフィストが私のカラダを抱き上げる。私はされるがままに、メフィストの腕の中でくったりとしている。

「それではお嬢さん、いただきますよ。」

 メフィストはそう言うと、私の胸元に牙を突き立てる。

「っぁぁああああ・・・」

 冷たい牙が突き刺さる痛みに私は身を震わせる。

 そして、

 チュウチュウチュウ・・・

 メフィストは私の血を啜り始めた。

「あぁぁぁ・・・うぁぁぁ・・・んぁぁぁあああああ・・・」

 私が苦しめば苦しむほど、血は甘くなるという。

身に封じ込めた悪魔に苦しめられて、甘くなった血を毎晩貪り吸われる。

 これが、私が力を得る代わりに払った代償。

「んくぅ・・・んぁぁあああ・・・あぁぁぁああああ・・・」

 血を吸われるというのは、本来ならば壮絶な快楽を伴うらしい・・・あぁぁ・・・私のカラダもビクンビクンと震えながら・・・もう何度も高みへと昇りつめている。

 だけど・・・あぁぁ・・・メフィストは私が快楽へ逃れることを赦してくれない。血をより甘くするために、私は性感に苦しみを覚えてしまうという呪いをかけられている。

「うぁぁぁ・・・あぁぁぁ・・・」

 悪魔を封じる度に、私の苦しみは増していく。悪魔はまだあと90体もいる・・・それは、さらに深い地獄が私を待っているという事を示している。

 メフィストの冷たい手が、私の胸を弄る。

「んくぅ・・・ぁぁぁああああああ・・・」

 濃く深い夜に囚われた私は、悪魔にこの身を捧げながら、淫らな熱い吐息を吐き続ける・・・

 

一つ悪魔を払う度に、私は闇に堕ちていく。

 それでも、私は・・・

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アヤラスタ 2022/12/05 22:55

少女戦士ジャスティアン 第一話 『敗北』

ドゴォおお!!!

 岩怪人さんの強烈なパンチが私のお腹に突き刺さりました。

 「かはっ・・・あぁぁあ・・・」

 プロテクターで守られていないむき出しのお腹が・・・あぁぁ・・・潰されてしまいそうです。

 私は倒れてしまいそうになるのを必死でこらえます。

夕方の廃工場。割れた窓から差し込む西日が逆光になっていますが、怪人さんが私を見下ろしてニヤニヤしているのが分かります。

 うぅぅ・・・でも、私は負けるわけにはいきません。私は改造ニンゲン“ジャスティアン”。小さくても、正義の戦士なのですから・・・

 ・・・・・・・・・

 私は悪の組織に悪い改造人間にされそうになっていたところを、奇跡的に助け出されました。普段は普通の女子〇学生としてお友達と一緒に学校に通いながら、一度ことが起これば、ジャスティアンに変身して悪の怪人さんと戦っているのです。
 
変身した私の姿ですが、赤くて三角の、まるで猫耳のようなアクセサリーが頭に二つ付いています。アクセサリーと言いましたが、これは普通の人では聞こえないような小さな音や遠くの音、または超音波?でしたっけ、高すぎて人には聞こえない音も聞こえるようにしてくれる優れものなのです。顔の上半分、目元を隠すように赤いマスクを付けています。このマスクを付けると、遠くまでよく見えるようになるんですよ。
手には赤い手袋。肩から手の甲を守るように真っ赤なプロテクターが付いています。このプロテクターは先端から猫のような爪が出るようになっていて、これで怪人さんを引っ掻いちゃいます。脚には真っ赤なブーツと、スネを守る赤いプロテクターが付いています。ブーツのおかげですごく高く飛べちゃいますし、高いところから着地しても平気ですし、何より、猫のように足音を消して静かに移動することが出来ます。
ここまで説明したら分かってくれたと思います。そう、私は猫をモチーフにした改造ニンゲンなのです!
お胸は真っ赤なプロテクターに守られています。胸元にはハート形のエナジーコアがついていて、このコアが戦う元気の素を作り出してくれるのです。ただ・・・このお胸のプロテクターなんですが・・・私のお胸にぴったり沿うように少し膨らんでいて・・・その・・・すごく恥ずかしいです・・・
それにお腹のところが丸出しでおヘソが丸見えになっちゃっています。腋も丸出しですし・・・それに下が、その、昔の人が体育の時間につけていたブルマ・・・赤いブルマなんです・・・
どうしてこんなに恥ずかしい姿なのでしょうか・・・
髪は勿論、肩までしか伸ばしていませんよ。校則ですからね。

これで私の事を分かってくれたと思います。これが怪獣さんと戦う私、ジャスティアンの姿です。

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・

「ぐへへへへへへへ・・・もっと苦しめてやる!」

 岩怪人さんが大きくゴツゴツした岩の手で、私のカラダを掴もうとします。ですが、そうはさせません!

 超脚力で跳びあがり、顎にアッパーカットをお見舞いします。

 ガインっ!!

 岩怪人さんの顎は、勿論硬いのですが、プロテクターで守られている私の拳は大丈夫です。
 顎を撃たれた怪人さんは、脳震盪をおこしたのでしょう、フラフラとよろめきながら後退りしています。

 今がチャンスです!

 ダッシュで間合いを詰め、その勢いを利用して必殺のパンチを放ちます!!

 「たぁあああああああ!!!!!」

 次の瞬間、怪人さんが嗤いました。

 しまった・・・罠です!でも・・・気がついたときにはもう遅くて・・・

 私の拳は怪人さんの体にめり込みますが、手ごたえが一切ありません。それもそのハズ・・・怪人さんの体が、細かい岩礫になって砕けたのだから・・・そして、それは一斉に私に向かって・・・

 「きゃぁああああああああ・・・」

 私は思わず顔をガードしました。容赦なく石礫は私の全身に降り注ぎます。無防備なお腹に、太ももに、ブルマでしか守られていない・・・その・・・お股に・・・プロテクターで守られているお胸に・・・

 「あぐぅ・・・ぁぁああ・・・あああああああ!!!!」

 変身中は回復力がアップしていて、ちっとやそっとじゃケガはしませんし、ケガをしてもすぐに治っちゃいます。でも、痛みや苦しみは変身前と変わらず感じてしまうのです・・・むしろ、気絶したり出来ない分・・・苦しみは増してしまうのです・・・

 私を虐めた石礫は・・・今度は後ろから飛んできて・・・あぁぁ・・・私の・・・お尻を集中的に・・・

 「っぁあああ・・・」

 私を・・・辱める為に・・・お尻を虐めてるのだわ・・・あぁぁ・・・悔しい・・・

 「はぁ・・・はぁ・・・こんな攻撃・・・へっちゃらです!」

 私は精一杯強がって言います。でも怪人さんの石礫はそんなことお構いなしに襲いかかって来ます。今度は、竜巻のように渦を巻きながら、全方向から私を・・・

 「うぁぁああああああああ・・・」


 私は・・・石礫の渦に甚振られ続け・・・成すすべなく・・・

 「あぁあああああああ・・・」

 カラダ中を痛めつけられながら、倒れることも出来ずに悶え続けました・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・

 「あぁぁ・・・うぁぁああ・・・」

 石礫の嵐が止み、私はその場にへたり込んでしまいました。

 「はぁ・・・はぁ・・・うぁぁ・・・」

 「ぐへへへへへ・・・分かったぞ・・・お前の弱点が・・・」

 怪人さんの声が聞こえます。石礫は私の頭上でグルグルと渦を巻いています。

 「わ・・・私の・・・弱点?」

 「ぐへへへへ・・・何も考えずにひたすら攻撃していたと、思っているのか?・・・お前を責めながら、そのカラダを探っていたのだ。どこが弱いか・・・どこを責めれば、よりいい声で鳴いてくれるかをな。」

 「い・・・いやらしい言い方しないでください!」

私の言葉を聞いているのかいないのか、石礫はまとまり始めて、大きな二つの塊になりました。そしてそれは二つの大きな手を作り上げます。
その手は私のカラダを掴んで、無理矢理立ち上がらせます。それは私の腕ごと強く掴んでいるので、力づくでは振りほどけそうにありません。
そして・・・最悪なことに・・・ゴツゴツした大きな指が、あぁぁ・・・私のお胸にあてがわれます。

 「ぅ・・・なんですかこの指は・・・女の子の胸を触るなんて、恥ずかしいと思わないのですか?」

 私は必死に何でもない風を装いますが、不安で心臓がバクバクしています。プロテクターで守られたお胸は・・・あぁ・・・私の弱点なのです。お胸を触られるだけで、耐え難いほどの恥ずかしさがこみ上げてきます。お股がジンジンして顔が赤くなるほどの、恥ずかしさが私を責めるのです。それだけではありません。プロテクターに守られていますが・・・守られていても、お胸を責められると、背筋を電気が走るような、後頭部がジンジンするような、たまらない苦しさが込みあがってくるのです。
 指をあてがわれているだけで、これから受けるだろう責め苦を想像してしまって、息が荒くなります。まだ何もされてないのに

 「はぁ・・・はぁ・・・ンくぁ・・・」

 声が・・・出てしまいます・・・

 怪人さんは、指を触れるか触れないかギリギリの所で指をワサワサと動かします。まるでお胸を・・・その・・・乳首を・・・擦り嬲るように。それだけなのに

 「んぁ・・・ふぅ・・・ンんん・・・」

 私の口から声が漏れてしまいます。恥ずかしいのに。こんな声、出したくないのに・・・

 「ぐへへへへへ・・・ほうらほうら・・どうしたどうした・・・こんなもので負けてしまうのか?ん?」

 「そんな・・・ひぅ・・・わ・・・私は・・・正義の・・・正義のヒロインです・・・こんなことで・・・負ける・・・わけには・・・ンぁ・・・」

 お顔が真っ赤になっているのが自分でも分かります。私は、自分自身で『正義のヒロイン』と名乗って鼓舞しないと、このまま負けてしまいそうなほど、追い詰められています・・・

 「そうかそうか・・・お前は正義のヒロインだったな。すまない。だったら、徹底的に握り潰してしまわないとなぁ!!!」

 怪人さんはそう言って、私のカラダを・・・お胸を握り潰そうとしてきました。

 ギリギリギリギリ・・・・

「はぅ・・・ぁぁあああ・・・・かはっ・・・あぁあああ・・・」

 凄まじい圧力に、プロテクターが粘度のようにグネグネ変形してしまいます。砕かれないようにしなやかな素材で作られているのが、完全に仇となってしまっています。
あぁぁ・・私はお胸が潰される苦しみに、ただただ喘ぐことしかできません。

 「ぐへへへへへ・・・ほうらほうら、もっと苦しめぇ!!」

 怪人さんはさらに・・・私のお胸を潰しながら指をグリグリさせます。それが・・・私の・・・ち・・・乳首を・・・プロテクター越し刺激してしまって・・・

 「ぁあ・・・ぃぁ・・・んくぅ・・・」

 このままじゃ私・・・あぁぁ・・・

 「どうした?正義のヒロインだろ?怪人に玩具にされてアンアン喘いで、なんの抵抗もしないのかよ。」

 「あ・・・アンアン喘いでなんか・・・あんっ!!」

 怪人さんの言う通りです・・・私は・・・玩具にされて・・・恥ずかしい声を出してしまって・・・

 「正義のヒロインぶって、本当はいたぶられたくてワザと負けてるんじゃないのか?」

 「そ・・・そんなこと・・・んぁあああ・・・」

 あぁぁ・・・怪人さんの酷い言葉に、私のお耳は真っ赤になって、ゾクゾクと恥ずかしさが沸き上がって来ます。

 あぁぁぁ・・・違うのに・・・私は・・・今も必死に・・・戦っているのに・・・

 ここから脱出するには、かなりのエナジーが必要なのです。一度に大量のエナジーを爆発させなければいけません。その分のエナジーを貯めるのには、どうしても時間がかかってしまうのです・・・

 「ほうらほうら。どうしたどうした?ぐへへへへへへ・・・」

 怪人さんは私を苦しめるのを楽しんでいます。悔しいですが・・・私はエナジーがたまるまでの時間・・・されるがままになるしかありません。

 「あぁあああああ・・・」

 「ぐへへへへへへへ・・・もっといい声で鳴いてみろ!どうだ!どうだ!!!」

 「んぁ・・・いぁ・・・あぁぁああ・・・

 ・・・・・・・・・

・・・・・・

 ・・・やめて・・・あぅ・・・いぁぁ・・・」

 「ぐへへへへへへ・・・そろそろ邪魔なプロテクターは壊して、直接胸を嬲ってやろう!!!」

 お胸を直接ですって?・・・想像しただけで・・・あぁぁ・・・どうにかなってしまいそう・・・

 でも大丈夫・・・プロテクターは・・・ちっとやそっとじゃぁ・・・

 バキンっ!

 イヤな音と共に、プロテクターにヒビが入ってしまいました。

あぁぁ・・・そんな・・・だめ・・・だめです・・・

 「だめ・・・あぁぁああ・・・」

 ピシピシ・・・ピシピシ・・・少しづつ少しづつ、ヒビが大きくなっています。私の反応を愉しむために、わざとゆっくり破壊しているのです。

 でも、怪人さんは、時間をかけすぎました。

 「たぁああああ!!!」

私は溜めたエナジーを爆発させました。周囲に衝撃が走ります。これで怪人さんは無事じゃすまない・・・ハズだったのですが・・・

全て読まれていたのでしょうか・・・怪人さんはすんでのところで石礫に分裂し、私から遠くはなれてしまったのです。

 「うぅうう・・・そんな・・・」

 起死回生の一発を避けられてしまいました・・・私は立っていることも出来ずに片膝をついてしまいます。エナジーを急に使いすぎて、カラダ中がギシギシと悲鳴をあげています。虐められ続けたお胸がジンジンして、まだ苦しいです。

 「うくっ・・・あぁぁあ・・・」

 少し身じろぎしただけで、押しつぶされて変形したプロテクターにお胸が擦られて、変な声が出てしまいます。

 「ぐへへへへへへへ・・・もう限界かな?それじゃぁ、ゆっくりじっくり壊してあげるからねえぇ~~~!!!」

 岩礫がまた私に向かって飛んできます。

 あぁぁ・・・また私は・・・弄ばれてしまう・・・今度はもう・・・反撃する力も・・・

 だめ。諦めては・・・

 無数の石礫の中の一つに、怪人さんのコアがあるのです。私は石礫に甚振られている時も、コアを探して破壊しようとしていました。ただ、それがうまくいかなかったのです。

 でも、次はうまくいかなかったではすみません。絶対に攻撃を成功させなければいけないのです。

 チャンスは一回きり。これを逃したらもう・・・きっと私は・・・

 私はよろよろと立ち上がり、右手のプロテクターから爪を伸ばしました。石礫は高速で私に向かって・・・

 あぁぁ・・・私のカラダは無数の石礫に打たれていきます。

 「あぁあああああ・・・」

 散々いたぶられてボロボロのカラダに、容赦なく石礫が降り注いできます。

 「うぁぁ・・・あぁああああああ・・・」

 石礫はまるで一つ一つが意思をもったかのように自由に動き回り、好き放題に私をいためつけていきます。

 「ぐへへへへへ・・・これじゃぁ負けちゃうねぇ~~~。」

 怪人さんの声が聞こえます。次の瞬間、飛んでくる石の中で、赤く光を放つのを一個見つけました。

 これがコアです。

 「たぁあああ!!!」

 私は怪人さんのコアを爪で突き刺そうとします。

 だけど・・・

 「うぐぁあああ」
 
 私の右腕に、石礫が上から下から降り注いで・・・あぁぁ・・・コアに向かって手を伸ばすことが出来ません。

 「ハイ残念♪」

 怪人さんの勝ち誇った声が聞こえます。次の瞬間、私のお胸に衝撃が・・・

 「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・思った通りです・・・」

 怪人さんのコアは、私の左手に握られています。

 「な・・・なんで・・・」

 怪人さんの戸惑った声がコアから聞こえます。もう石礫は飛んできません。コアを握られている怪人さんは、その力を使えないのです。

 「あなたは・・・私のお胸に対する執着が過ぎます・・・から・・・きっとコアはここを攻撃すると・・・そう読んでいました。」

 「なるほど・・・そうかいそうかい・・・でもな・・・ぐへへへへ・・・お前は俺なんかに時間を使いすぎた・・・もうそろそろ限界じゃないの~~~?」

 怪人さんの言葉に、私はゾッとしました。

 「な・・・まさか・・・そんな・・・」

 「ぐへへへへへ・・・それじゃぁ、俺はそろそろお暇させてもらおうかねぇ~~~。」

 私の手の中で、コアが砕けて砂のようになりました。

  私の脳裏に嫌な予感がよぎります。

 私がジャスティアンとして戦えるのには、時間制限があるのです。変身して一時間。それを過ぎてしまうと・・・

「はぁ・・・はぁ・・・時間・・・限界・・・そんな・・・まさか・・・」

 「そのまさかだよ。ベロ―――ん。」

 耳元で急にそう言われて、それから頬をベロンと舐められます。

 「んぁ・・・なにするんですか!!」

 声のした方に私は、左手の爪で切りかかりました。緑色の怪人さんが飛びのきます。

 「危ない危ない。そんなにカッカしなくてもいいじゃないかよ~~~。」

 「新手の怪人さんですか・・・今日は随分と豪華なことですね。」

 私は努めて冷静を装いながら、怪人さんを観察しました。

 多く飛び出したお目目がギョロギョロいています。長い舌にウロコだらけの体。先ほど急に現れたように見えたことからも察するに、どうやらカメレオンの怪人さんのようです。

 「ギギギギ・・・岩男との戦いに五十分・・・ちょっと時間かけすぎたんじゃァないの~~~。」

 「はぁ・・・はぁ・・・時間?何のことですか?」

 私は精一杯余裕ぶります。

 「ギギギギギ・・・強がっちゃって・・・君の活動制限時間は一時間・・・それを超えると君は・・・ギギギギ・・・ボク知ってるんだから。」

 活動時間の事が知られると、私の戦いは今よりも遥かに苦しいモノになってしまいます。だから絶対に知られないように必死に隠していました。それなのに・・・

 「それがどうしたんですか・・・十分以内であなたを倒せばいいだけの事です。」

 「ギギギギ・・・強がっちゃって。エナジーも残り少ないんでしょ?時間とか関係なく楽勝で倒せそうなんだけど。」

 カメレオン怪人さんは、私を挑発して怒らせたいようです。でも冷静さを失ってはダメです。岩怪人さんとの戦いで受けた傷はどんどん治っていきます。ヒビ割れて形が歪んだお胸のプロテクターも、元の形に戻りました。カラダは大丈夫。私は戦えます!
カメレオン怪人さんは、きっと姿を消すのが得意なのでしょう。
 でも、そこに隙があります。姿を消している間はきっと、油断しているはずです。勝機はそこです!

 「口だけは達者ですね。いいから早くかかってきてください。それとも、私みたいな小さな女の子に負けるのが怖いのですか?」

 「ギギギギギ・・・口だけかどうか・・・今に分からせてやる!」

 そう言ってカメレオン怪人さんは姿を消しました。

 「な・・・消えた・・・どこ?・・・どこなの?」

 私はそう言って、辺りをキョロキョロ見渡します。

 もちろん、それはお芝居です。

 ペタ・・・ペタ・・・

 微かではありますが、足音がハッキリと聞こえます。私の猫耳レーダーは、どんな物音も逃しはしないのです。

 「くっ・・・姿が見えない・・・一体どうすれば・・・」

 焦るふりをする私の背後に、どんどん近づいて来ます。

 あと10歩・・・5歩・・・3歩・・・

 「そこです!!」

 振り向きざまに、爪で切りつけようと

 しましたが・・・

 腕が・・・動かない・・・腕が・・・振り上げた右腕が、何かに・・・絡めとられて・・・

 「おっほっほっほ・・・新手は一人だけじゃなくってよ。」

 現れたのは、下半身が蜘蛛で、上半身が女の人の怪人さん・・・

 「ぐっ・・・そんな・・・卑怯です・・・」

 私の右腕は、蜘蛛怪人さんの糸に絡めとられてしまっています。早く何とかしないと・・・

 「レロ―――ん。」

 カメレオン怪人さんの舌に、私は首筋を舐めあげられました。

 「あぁぁああ・・・」

 「ギギギギギ・・・さっきは秒で倒せそうって言ったけど、やっぱやめる~~~。時間をた~~~っぷりかけて、虐めてやるからさ。せいぜいいい声で鳴きなよ。」

 耳元でカメレオン怪人が囁きます。

 「くっ・・・もっと離れて下さい。・・・あんっ!」

 左腕も糸に絡めとられて、そして、無理矢理バンザイの姿勢を取らされます。むき出しになった腋を、ペロリと・・・また舐められてしまいます・・・

 「あんっ・・・や・・・そんなところ・・・なめないで・・・下さい・・・あぁあああ」

 「ギギギギギ・・・や~~~だよ。」

 カメレオン怪人さんは、ジュルジュルジュルと、わざと汚い音を立てて・・・私の・・・腋に・・・むしゃぶりつきます。

 「んぁぁあああ・・・やめ・・・やめて・・・あぁぁあああ・・・」

 私は恥ずかしさが込みあがって来て、カラダを突っ張らせて苦しみます。

 「二人だけで楽しんじゃァいやですわ。私もまぜてくださいまし。」

 蜘蛛怪人さんまで近づいてきて・・・私の反対側の腋を・・・あぁぁあ・・・カメレオン怪人さんとは違って・・・じっとりねっとり舐められて・・・

 「あはぁあん・・・あぁぁああああ・・・」

 だめ・・・もうすぐ時間が来ちゃうのに・・・

 でも・・・私は・・・何も出来なくて・・・

 それから二体の怪人さんに・・・むき出しになっているお臍や・・・腿を舐められて・・・
 あぁぁ・・・お尻を撫でまわされて・・・イヤなのに・・・お尻を撫でまわされる度に、お尻がどうしてもクネクネ動いてしまいます。

 「あらぁ?お尻がそんなに気持ちいいかしら?最近の〇学生はエッチなのねぇ。」

 「あく・・・あぁぁ・・・そ・・・そんなこと・・・あぁぁ・・・〇学生を・・・侮辱しないで・・・下さい・・・」

 「そう。それじゃぁ、あなたが変態なのねぇ。」

 「はぅ・・・んぁ・・・わ・・・私は・・・そんな・・・変態なんかじゃ・・・」

 「それならどうして、こんなに嫌らしくクネクネお尻を振っているのかしらぁ?」

 「それは・・・あぁぁ・・・うぁ・・・」

 背後から蜘蛛怪人さんが、言葉で私を追い詰めていきます。言葉で責められるほどに、私はどうしようもなく惨めな気持ちになってしまって、それがゾクゾクした恥ずかしさで私を苦しめるのです・・・

 「ひゃぁん・・・そ・・・そんなところ・・・触らないで・・・ぁぁあああ・・・」

 後ろから蜘蛛怪人さんにお尻を触られながら・・・前からカメレオン怪人さんに、ブルマ越しに・・・恥ずかしいところを・・・責められて・・・

 誰にも触られたことが無いのに・・・こんな・・・怪人さんなんかに・・・

「はうっ・・・っぁ・・・あぁぁあああ・・・」

カメレオン怪人さんの指が動く度に、ジンジンとした感覚が背筋を駆け上がってきて私を苦しめます・・・

「ギギギギ・・・なんだかブルマがしっとりしてきたけど・・・これはなぁにかな?ん?」

「し・・・知らない・・・そんなの・・・あぁあ・・・やめ・・・あぁぁあああ・・・お股が・・・お股が・・・ヌルヌルしちゃう・・・あぁぁああ・・・」

 弄られるほどに・・・虐められるほどに・・・私のカラダに電流が走ったみたいになって・・・ビクンビクンってなってしまって・・・いやらしい声が出て・・・恥ずかしくて・・・あぁぁ・・・苦しくて・・・

 れろーーん・・・

 カメレオン怪人さんが、私の恥ずかしいところを・・・指で弄りながら・・・首筋を長い舌で何度も何度も嘗め回してきます。

 「あはぁん・・・あぁぁああああ・・・」

 頤をあげて悶える私の首筋が、何度も何度も舌で辱められていきます。

 「いやらしい声をお出しになって・・・あなたは正義のヒロインじゃなくって?」

 「そうです・・・私は・・・あぁぁああ・・・正義の・・・あぁああああ・・・正義の・・・ヒ・・ヒロイン・・・あぁぁああ・・・」

 正義のヒロイン・・・自分で口にした時・・・ゾクゾクした感覚が沸き上がって来て私を苦しめました。
 正義のヒロインなのに・・・怪人さんに虐められて・・・こんな・・・恥ずかしい声を出して・・・いやらしくカラダをくねらせて・・・

 あぁぁ・・・私は・・・私は・・・あぁぁああ・・・

 正義のヒロインなのに・・・こんなにも・・・貶められて・・・

 「んぁあああ・・・」

 背後からお胸を触られて・・・私は反応してしまいました・・・後ろには・・・蜘蛛怪人さんしかいないハズ・・・蜘蛛怪人さんは、私のお尻を虐めているのに・・・まるで手が、四本あるみたいに・・・あぁぁ・・・四本どころじゃない・・・後ろから伸びた手が、私の耳を弄って、口の中を弄って・・・あぁぁあああ・・・

 私は知らず知らずのうちに背中を仰け反らせて、胸を突き出す形になっていました。蜘蛛怪人は、プロテクター越しに、私の・・・その・・・乳首のところを、カリカリとひっかくような動きをします。
 プロテクター越しなので、実際に触られてはいないのですけど・・・その・・・

 「はぁ・・・はぁ・・・んぁ・・・いぁ・・・」

 「胸を直接弄られたくてたまらないのですわよねぇ。焦らなくても、時が来たら、めいっぱい虐めて差し上げますわ。」

 そんな・・・あぁぁ・・・お胸を直接弄られたいなんて・・・思っても無いのに・・・蜘蛛怪人さんの指を・・・ち・・・乳首のところをカリカリするように動く指を見るだけで・・・想像してしまって・・・それだけで・・・ジンジンとした苦しみが・・・お胸を襲って・・・

 「はぁ・・・はぁ・・・んぁ・・・やぁ・・・やめて・・・ぁぁ・・・ひうん!」

 ヌルん・・・冷たい手が、私の・・・お尻に・・・直接触れました。

 「せめてお尻は直接可愛がってあげますからね。」

 ブルマの中に手を入れられて、お尻を撫でまわされます。

 「あぁぁああ・・・んぁ・・・あぁぁあああ・・・」

 あぁぁ・・・私はどうしようもなくトロトロにされながら苦しみ悶えています。

『ピピピピ・・・活動制限時間まであと10秒』

 私の中のシステムが警報を発しました。

 『8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・』

 あぁぁ・・・私は・・・私は・・・

 『活動制限時間を超えました。これより、«スレイブモード»に移行します。』

 私のカラダが・・・桃色の光に包まれて・・・それから・・・

 私は改造ニンゲン“ジャスティアン”は、悪の組織に改造されそうになったところを助け出された正義のヒロイン・・・

 ・・・だけど、悪の組織の悪意は、私を逃がしはしなかったのです。私のカラダの中に刻み込まれていたのです。

 活動制限時間一時間を超えると、私のカラダは«スレイブモード»になってしまて・・・

 「おっほっほっほ・・・ついにこの時間が来ましたわね・・・さぁ、た~~~っぷり楽しみますわよ。」

 私のカラダは怪人さんたちの思うまま・・・望むままになってしまって、生きたお人形として、この身を差し出すしか出来なくなるのです・・・

 「それじゃぁ、さっそく・・・プロテクターを貫通して、直接お胸を虐めて差し上げますわ!」

 あぁぁ・・・まるで液体になったかのように、プロテクターは蜘蛛怪人さんの手を吸い込んで・・・そして・・・その手が・・・直接私のお胸に・・・

 「はぅ!・・・あぁあああ・・・や・・・んぁ・・・あぁぁあああああ・・・」

 私のお胸は・・・岩怪人さんが言っていたように・・・私の最大の弱点なの・・・だから、プロテクターで守られていたのに・・・

 今まで、守られていたのにあんなに苦しかったのに・・・直接虐められるなんて・・・

 「やめ・・・あぁぁ・・・やだ・・・ふぁ・・・あぁぁあああ・・・」

 お胸が爆発してしまいそうなほど、苦しいのに・・・蜘蛛怪人さんの手は、容赦なく私の膨らみかけのお胸を・・・無茶苦茶に虐めて・・・

 「はひ・・・ふぁ・・・はぁ・・・ひぁ・・・んぁ・・・いぁ・・・」

 足がガクガクして立っていられないのに、両腕をバンザイの形で吊るしあげられているので、倒れることも出来ないのです・・・

 「ギギギギ・・・ボクにも片っぽ分けてよ。」

 「あら失礼。では右の胸をどうぞ。」

 やめて・・・そんな・・・人のお胸を・・・モノみたいに・・・

 ジュルジュルジュルジュル・・・

 あぁぁ・・・右のお胸をしゃぶられて・・・

 「はぁぁん・・・ぁぁああああ・・・だめ・・・あぁああああああ!!!」

 その時、私の全身を電流に様なモノが駆け巡りました。それから力が入らなくなって、まるで溶けてしまったようになって・・・

 「あらぁ?イったのね?可愛いわぁ・・・で・も、これくらいで許して差し上げなくてよ?」

 「はぁ・・・はぁ・・・イったって・・・なに・・・はぁああああああん・・・あぁぁあ・・・もう・・・やめ・・・あぁん・・・いやぁああ・・・」

 もう苦しくて苦しくてたまらないのに、怪人さんたちは赦してくれません。

 私のお胸を・・・手と口で・・・より激しく虐めて・・・私を苦しめるのです・・・

 あぁぁ・・・«スレイブモード»になってしまった私は怪人さんたちの玩具。寄って集って虐められてカラダをいやらしくクネクネさせながら、アンアン喘ぐ、エッチな玩具・・・

 こうして私の地獄は、始まったのです・・・

 続く

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