緒又しゆう 2023/07/05 12:00

【催◯わ~るど】あるマン婚の風景(前編)

 いつも出してあるローテーブルは畳んで壁に立て掛け、二人がけのソファとテレビの間はガランとしている。もう数年経つ、見慣れた夫婦の家のリビング。そこには四人の人物がいた。私から見て右側、部屋の入口に近いところでは、一人用のスツールに夫が腰掛けて私を見ている。私から見て左側の部屋の隅には、スーツ姿の上品な女性が微笑みながら私を見ていた。そして正面には……緊張した面持ちで、スーツに身を包んだ若い男性が立っている。男性の体は強張り、肩は軽く上がっていて、両手は体の横にピッタリとくっついていた。

「そんなに緊張しないでよ、ナオ。ここに来たのは初めてじゃないでしょ?」
「ま、まあ、そうっすけど……へへ」

 可愛い……♡
 はにかむナオの表情にうっとりとする一方、私は伏せがちに夫の方を見た。夫は私を見て、穏やかに微笑んでいる。いや、微笑んでくれている、というべきだろう。久々に出した、黒い冠婚葬祭用スーツ。その膝の上では、両手を強く握り込んでいるのだから。

「おふたりとも、よろしいでしょうか?」

 左奥の女性が笑顔のまま声をかけた。私が頷くと、女性は手にしたバインダーを開くと、私達のすぐ前に立ち、彼と、私の顔を交互に見た後、私を見て合図をした。
 私はうなずき返すと、目の前の彼の顔を一度見て、その場で少しずつしゃがんでいく。彼の股間の前に顔が来ると、もう大きくなっているのがわかった。スーツのスリットが膨らんで苦しそう。ジャケットを左右によけて、ベルト下のファスナーを開く。それだけでするすると、下に履いたピンクのボクサーパンツが滑り出てくる。柔らかな布地を下ろせば、やっと、出た……♡

「ふぅー……」
「大楠さん?」
「あ、すんません。苦しくって……アハハ」
「まあ、ご立派だこと♪」

 下に向かってだらりと垂れた肉は、わたしの前でむくり、むくりと大きくその角度をあげていき、先端は早くもヌラヌラと光っている♡ エナジードリンクの缶よりも太く、長い……♡ カリが大きく張って、血管も太く、中央で一度太くなって根本はまた細い中太り形状……♡

「さあ、七香さんも」
「は、はい……♡」

 私はまた合図をされると、両足を左右に開いて腰を前へとあげる。つま先立ちのまま股間を見せつけるようにすれば、この日のために毛を剃って、入念にパイパンにしたオマンコを、左右に大きく開いて見せた……♡
 夫の視線が、私の一番恥ずかしいところに、差さる……♡

「さあ、準備が整いました。それでは、これより。数少ない最高の相性をお祝いして、新郎・大楠直紀様と、柳七香様、改め、新マン・七香様との、マン婚式を開催いたします。さ、優弥様?」
「は、はい……」

 夫は小さく笑うと、握りしめた手を開いて、その場で一人、拍手をした。弱く、小刻みなその音を聞きながら、私はここ半年前のことを思い出していた。






 夫婦の常時は寝室でするものだろうか。それは人によるだろう。お風呂でスる人もいれば、玄関先で情熱的にヤってしまう人もいる。私達の場合は、リビングだった。

「なッ、七香、七香……なっちゃんッ♡♡♡」

 私の上で覆いかぶさりながら、発情期の犬みたいに、ヘコヘコと腰を振る夫がいる。もう何度も見た光景。愛らしい私のワンちゃんだ。学生時代のあだ名を言ってしまうのも、いつもの通り。私は彼のモノを入れられたまま、彼の頭に抱きつくと耳元でささやく。

「好き、大好き、出して……いっぱい、出して♡」
「あっ、あぁぁ、ぁッ、あ゛ぁぁ゛♡♡♡♡」

 両足を伸ばし、全体重をかけて腰のあたりを押し付けて、優弥は果てた。私の中に、温かいものが出される感覚が伝わってくる。それを一滴だって逃さないようにと、腰の後ろで足を絡めて、私は強く抱きしめる。数秒後、彼の絶頂が終わる。優弥はだるい体がもたれかかるのを抑えて、私の背中に手を回し、ぬぷりと小さくなったモノを抜いた。

「はぁ……はぁ、ごめん……また、僕ばっか……」
「いいのよ。セックスでイく必要なんてないんだから。大丈夫」
「……いつもごめん。舐めていい?」
「ん、お願い♡」

 私は絡めていた足を左右に開き、彼のザーメンが零れ落ちそうなオマンコを晒した。優弥は体を下にずらし、まるで出ていく子種を必死に戻すように、私のオマンコを舐めたり、舌を挿して動かしたり、クリを弾いたりしてくる。

「ん、ンッ、ぁ……んぁ♡」

 クリを撫で、縁を舐め、吸い付き、動かし、それらを巧みに使い分けてくる。彼の口の動きで私の快感は高まっていき、やがて……。

「んっ、ぃ…………っく……♡♡♡」

 私はソファの端に頭を押し付けて絶頂を迎えた。
 これが私達のセックス。私達の、愛のある、清く正しい夫婦の営み。優弥は私をイかせられないことを気にしているようだったが、彼には悪いけれど、私はそんなことは大きな問題ではないのだ。
 女性にとってのセックスというのはイくかどうかというのは大切な問題じゃない。大切なのは、お互いの愛を確認できるかどうかだから。だから、優弥は気にする一方で、私は彼が私の中で果てることに、この上ない満足感があった。絶頂を迎えたいなら、こうして舐めてもらえばいい。口の周りを私の愛液で濡らした優弥が、体をずらして私に覆いかぶさってくる。私は彼の背中に手を回し、互いに甘く唇を重ねる。




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