不可思議 2023/09/24 15:32

映画を見てきました

いい作品を書くためにはいいインプットが必要。ということで映画を見てきました。
岡田麿里さん監督・脚本の「アリスとテレスのまぼろし工場」
岡田麿里さんといえば「とらドラ!」「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」「空の青さを知るものよ」など、思春期の不器用なまでの感情のぶつかり合いとせめぎあい、希望、不安、悩み、後悔……なんてものを描かせたら許容量を超えた成分を提供してくれる方ですが、さて今回は……。

濃縮還元400%モリモリマシマシマリーシナリオでした。

もう、マリー。とにかくマリー。すごくマリー。岡田麿里。
ネタバレに配慮しながらお話しするとどうしてもふわふわとしたものになってしまうのですが、思春期ゆえの自我の暴走、自分自身が何者なのかすらわからない閉塞感、終わりの見えない暗いトンネル、それでも希望を、光を夢見てしまう甘さとその対極にある諦めない気持ち。どんなに大切な相手にだって絶対に譲ることが出来ない自分だけの宝物/エゴ。

クセはものすごくあります。生々しいから気持ち悪いし、どろどろとしています。
そういったものを受け付けない人も沢山いると思います。
でも、思春期ってこういうものだよね、人ってこういうものだよね、空気を読んで「いい子」になるより「俺は俺だ!」と我を通して叫ぶ瞬間の方が人は輝くものなのかもね、という、不思議なすっきりさ加減のある映画でもあります。
人間の感情の奔流、ぶつかり合う自我と自我、ハリネズミみたいになりながら、それでも他人を求めずにはいられない人間の弱さ……なんて感覚が好きな方には絶対に刺さる映画だと思いますので、是非鑑賞して頂きたいと思いました。

ただ、1つだけ思ったことは……。
こういう「内面世界」の描写が巧みな方に「世界の理不尽」みたいなものを書かせちゃうと、多分行きすぎた方向に物語が暴れちゃうんだろうなあ……。

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