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オレギャルの記事 (16)

10話<挿絵付き小説>一年後、オタクのオレ♂は爆乳(ビッチ)ギャル♀になっている

#10
TS症を発症してから、そろそろ一か月。
もう一か月なのか、それともまだ一か月なのか。
いずれにせよオレは今日も平穏無事に週末を迎えた。
今日は放課後、中学の時からのオタク友達である「サブ」「イっちゃん」の二人と、久々に遊ぶ予定だ。
二人とも磐屋堂(いわやどう)男子高等学園の生徒だけど、クラスが違うため最近はめっきり遊ぶ機会もなくなっていた。
といっても、ちょくちょくダスコード(通話アプリ)でもやりとりしているけど。
オレは鞄を部屋に放り投げ、手早く適当な私服に着替えると、母さんに一声かけて出かけることにした。
待ち合わせは一駅先のショッピングモール。
本屋やらアニメショップ、大きめのゲーセンなどもあり、以前からオレたちが遊ぶときは大体そこだった。
と、ついでに買い物をいくつか頼まれる。
るんパ2を買ったため金欠が極まっていたオレは喜んで引き受け、かわりにわずかばかりのお小遣いを奪取成功。これを軍資金とする。
一駅先といってもオレ以外は家から自転車でも行ける距離なので、オレだけ電車に乗り待ち合わせ場所に急いだ。

改札口を出るとすでに二人が待っていて、こちらに気づいた様子だった。
「た、タク こっちこっち」
「おぅふ。遅いですぞ タク氏~!」

ちょっと暗めで、背が高いのに猫背なほうが「サブ」。
太り気味のいかにもオタクっぽい、声の大きいほうが「イっちゃん」。
中一の頃からの友人だ。ちなみにオレ含め全員メガネ装備。
「いや 時間どおりっしょ」
五分しか遅れてないし。オレだけ電車なんだからそのくらいは許してほしいもんだ。

「こーして会うの、久々だけどさ…」
そういうなりサブがオレをじろじろと見てきたので、オレもじろりとにらみ返した。
「なんだよ」
「い、いや、なんつーか…あんま変わってねぇなと思って…」
「そうですなぁー。せっかく美少女と遊びにいけると思ったですのにぃ」
二人にはTS症のことは話している。
入院した時も連絡くれたんだよな。なんだかんだ友達づきあいのいいやつらだ。

「はぁ…そんなわけねー。つか言ったろ、大して変わってないって。強いて言うなら声が昔に戻ったくらい?」
オレの声変わりは再び終わったらしく、なんとなく高めの声で安定している。中学入学時はこんな声だった気もする。
「そうは言っても、な、なぁ」
「ですなぁ」
「お前ら……」
二人はにやにやしながらオレのまわりをくるくる回っていた。
ちょっと髪が伸びたとか、尻がでかくなったんじゃないかとか、好き勝手言っている。
ケツはともかく、髪は確かに伸びたかもな。母さんが伸ばしたら?とか言って散髪代をくれないせいだけど。
つーかオレだからいいが、普通にセクハラだからな。
まぁこいつらとは長い付き合いだ。今更このくらいで空気悪くなったりはしない。

「で、でも……よかったよ元気そうで。つ、つかちょっとおっぱいでてきてね?」
「おぉーたしかに!AAカップくらいですかな!」
「きっしょ。つか見んなし」
二人がメガネをクイクイしながらガン見してくるオレの胸はTシャツを押し上げ、わずかに膨らんでいる。
さすがにだんだん誤魔化せなくなりつつあるが、まだ注意してみなければわからないと思う。たぶん。
何かで抑えたほうがいいのかな。いや男のおっぱいなんて誰も見てないか。

「ちなみに小生はDカップですぞ!」
イっちゃんが胸をはり、上下に揺する。ふくよかなおっぱいと腹が、たぷんたぷんと揺れた。
「………」
「………」

「さて行くか」
「そ、そだな」
オレたちはだらだら駄弁りながら、目当てのアニメショップに向かって歩き始めた。

「ところでタク氏、るんパ2はやりましたかな!?」
「うん。イっちゃんもやったんだ」
「当然ですぞ!いやー小生語りたくてしょうがなかったであります!」
「いいよ。…ネタバレあり?オレはクリアしてるけど」
「もちろんアリアリで!小生の推しは新キャラの…」
オレとイっちゃんが『るんパ』の話で盛り上がる。『るんパ1(原作)』はイっちゃんから借してもらったんだよな。
アニメショップの中に入ってもオレたちは語り続け、しかもイっちゃんの声はデカい。
「お、お前ら、それエロゲだろ。ちょっと声おさえて喋ってくれる?」
サブは少しあきれ気味にそう言った。彼は意外とウブなのだ。

一通り店をまわり終えると、外はすっかり暗くなっていた。
「そ、そんじゃ、そろっと解散っつーことで。タクは電車?」
「うん。つかちょっとお使い頼まれてるからどのみち」
「そりでは、小生たちはこのへんで。さらばですぞー!」
「おぅ。またなー」
特に引き延ばすこともなく、オレたちはあっさりと別れた。
いつもどおりといえばいつもどおりなんだけど、なんだかちょっと嬉しかった。
最近、身の回りがどんどん変わっていってるような感じがして、というか実際
変わっていって、どうにも落ち着かなかったんだよな。
…久々に、心から笑った感じする。変わらない関係って大事だよな。


「あ、あのさイっちゃん……」
「なんですかな、サブどの……」
「た、タク……なんか、ちょっとエロかった…よな……?」
「そ、そうですな…。そこはかとないエロさというか、無防備無知系エロというか、不覚にも小生ドキドキしっぱなしでしたぞ。何かいい匂いすらしていたような…ついいつもより口数も増えてしまいましたな」
「そ、それはいつもどおりだけど……」
タクオミが去っていくのをサブとイっちゃんはこっそり見送っていた。

買い物を終え、両手に買い物袋を提げたまま電車を待つ。重い。
うへぇ…やたら混んでるな。帰宅ラッシュってやつ?普段電車乗らないからな…。
ってもたった一駅だし、まぁガマンするか。
うんざりしながら満員の電車に乗り、ぎゅうぎゅうに押し込められる。
(むぎ…く、くるしい。でも一駅…一駅ガマンするだけ……)
両手がふさがっているため、人混みに身をまかせたままそう自分に言い聞かせていると、オレは異変に気付いた。

(………あれ?これ、もしかして、触られてる?)

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9話<挿絵付き小説>一年後、オタクのオレ♂は爆乳(ビッチ)ギャル♀になっている

♯9
病院を出た後、書店でマンガを物色し、夕方ごろに帰宅。親から色々聞かれたものの、特に何かあったわけではないので適当に流した。
夕飯を食べて、るんパ2の攻略を再開する前にちょっとだけ眠るつもりが、見事に爆睡。
気づけば週が明けて月曜日。
さすがに学校を休んでまでやるわけにはいかない。
とはいえやりたい。ちょっとだけでも進めておくか?などと考えてPCデスクに視線を移すと何やら見慣れぬ袋が目に入った。
「そういや…なんか貰ってたな」
昨日、小野中先生から帰り際に薬を渡されていたのだ。眠かったのでデスクに放り投げてそのままだったが、
なんでも漸転換型TS症の症状を安定させるものらしい。
進行を止めたりするものではなく、ホルモンがどーのこーのでとにかくいきなり倒れたりするのを防ぐそうだ。
よく覚えていない。なにせ眠かったし。
まぁ頻繁に倒れるのも嫌だし、飲んで損はないだろうと一錠飲み込んで、結局ゲームはやらずに登校した。

薬の効果もあってか、何事もなく一日終了。
授業中もるんパ2のことを考えていたので全然集中できなかったけど。

ダッシュで帰宅し、意気揚々と攻略を再開した。
深夜までかかったが順調に攻略を進め、残すところ最後の1キャラ。
前作には登場しなかった新キャラだ。
新キャラは3人いたのだが、このキャラを最後まで残したのは気乗りしない理由があったからだ。

「うーん…ギャルか……」


《兎根(とね) ルルカ》。いわゆる褐色ギャルだ。
ウェーブのかかった金髪で、濃い目のメイクに派手な恰好をしており、爆乳。
制服を着崩しに着崩し、胸も尻も常時ほぼ丸出し。
あだ名はギャル兎根。主人公のことをオタクくんと呼びからかう、いかにもギャルという感じのキャラクター。
かわいいはかわいいのだが、ギャルにトラウマのあるオレとしてはそれだけでちょっと…という感じ。
しかもこのキャラにはそれ以上の問題があった。
なんと、ビッチなのである!
他のルートでもたびたび登場するわけだが、主人公以外とのエッチシーンばかり。
乱交援交なんでもありの学内でも有数のヤリマ〇なのだ。
ギャルゲーとしてそれはどうなんだ?いや、エロゲーか。
ともかく『るんパ』は魔法学園を舞台とした王道純愛系のゲームであり、魔法の源は愛という設定になっている。
大抵はシナリオのラストで主人公とヒロインがラブラブすることで『真なる魔法(ルーン)』を発動し、なんやかんやあってハッピーエンドなのだ。
そこが気に入ってるところでもあるし、ギャル兎根のキャラはテーマに反するノイズのように感じられた。
なによりオレの好みじゃない。黒髪清楚妹キャラであるありさたんとは似ても似つかないしな。

「もう少しでギャラリーもコンプだし…一応やるか」

消化試合でも行うつもりで、オレはルートを選んだ。

「ほほぅ…これは…ほほぅ…なるほど…」
カチカチカチカチ。

「ふぅ~ん……へぇ………むむむ………」
カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ。

「くっ…はぁ…はぁ…はぁ…」
カチ。カチ。カチ。
しこしこしこしこしこしこしこしこ。

「…………ふぅ~~~~~~~~………」
数時間後、オレは大きく息を吐き出し、げっそりとした顔で朝陽を拝んでいた。
カーテンを開けて部屋に差し込む鮮やかなオレンジ色が、徹夜明けの瞳にまぶしい。
だが、悪くない。
今はこの世の全てに感謝し、過去の自分を恥じたい気分だ。
抜いた。抜きまくった。精魂尽き果てた。部屋にはティッシュが散乱し、精液の匂いがこびりついている。

あとで知ったことだが、実はこのキャラ他のキャラをすべてクリアしないと攻略できなかったらしい。
いわば裏ヒロイン、いやもうひとりの主人公と言っていい。
シナリオボリュームも、エッチシーンもおそらく全キャラで最も力が入っているんじゃないだろうか。
エンディングに感動して号泣したあと、回想シーンでいっぱい出た。

シナリオについて詳しく語るのは控えておこう。ネタバレになるからな。
ただひとつ言いたいことは、二次元と現実はちがう。二次元最高ということ。
リアルギャルが嫌いだからといって、二次元ギャルを嫌いになる理由はないんだ。
褐色爆乳ギャルビッチは正義。目が覚めたよ。ギャルアンドピース。
別にありさたんから推しを変えるつもりはないが、どちらが抜けたかと言われればルルカに軍配が上がるだろう。
なんやかんやありつつ最終的には主人公とラブラブになったしな。
一番好きなキャラはありさたん、一番エロいキャラはルルカ。そういうこと。
全てのシナリオをクリアしたのでネットでるんパ2の評判を漁ったりしてみたが、やはりルルカ人気がダントツ。
既にファンアートも描かれており、マッハで保存した。
さらにはその流れでルルカに限らず褐色ギャルエロ絵も検索検索。止まらない、止まらない。
なんというか、新たな価値観を知った感じだ。脳が、脳が刺激されている。
気づけば新規フォルダには数百枚のイラストが保存されていた。
フォルダの充実っぷりに満足していたこの時のオレは、そのイラストのほとんどが《犯されているギャル》であることには気づいていなかった。

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8話<挿絵付き小説>一年後、オタクのオレ♂は爆乳(ビッチ)ギャル♀になっている

♯8
結局、昨日は昼過ぎになってようやく『RUNE RUNE PARTY2』が届き、そのまま徹夜でプレイした。
初見プレイということもあって、ヌきどころを見極めているうちにありさたんルートを終えてしまった。

別に悪くはなかった。悪くはなかったんだけど…うん。
なぜだか、思ったより興奮できなかった。ありさたんがちょっと成長してたからか…?いやそれはむしろよかった。…うーむ。
新ヒロインもまだ残ってるし、そちらは帰ってから攻略する予定だ。
残念ながら、今日は他に予定がある。
徹夜明けでぼんやりしたまま、オレは駅前に向かって歩いていた。

漸転換(ぜんてんかん)型TS症と診断されてから、定期的に病院で検査を受けるハメになっていたのだが、
いつもの病院では基本的な検査のみで、専門的な事がわかる人がいない。
そのため病院からの紹介で、TS症に詳しいお医者さんに会う予定があったのだ。
まぁさっき母親に言われるまで忘れてたが。
本来、両親と一緒に行くべきなのだろうが、これからずっと付き添ってもらうわけにもいかないし、先方の了承を得てひとりで会う事にした。まぁ、両親とはいえあまり体を見られたくないというのが本音だけど。
たどり着いたのは駅前ビルの中にある産婦人科クリニックだった。今日は日曜なので通常は休診だけど、特別に開けておいてくれているらしい。

(話は聞いてるけど…本当なのかな…)
オレは周囲の目を気にしながら、ロビーへと入っていった。
TS症は珍しい症状で、専門医などいない。今日会う予定のお医者さんは、つまるところ元TS症患者らしいのだ。
それもオレと同じ漸転換(ぜんてんかん)型TS症で、数年前に女性として戸籍を得たらしい。
それが本当だとしても、つまり今は普通に女性なわけで…。
「あのー…すみませーん」
ロビーに入りおずおずと声をかけると、すぐに返事が返ってきた。
「お、いらっしゃい。曲輪 タクオミくん…?若いね。私は小野中 美鈴(おのなか みすず)といいます。よろしくね」
「は はい…よろしくお願いします…」
「はいよろしく。一応、TS症の担当ということになるのかな。ま、安心して。女性の体に関してはプロだよ、ちゃんと」
出てきたのは、背の高いおしとやかそうな美人だった。175㎝くらいはありそうだ。ちなみにオレの身長は…どうでもいいか。
黒髪をうしろでひとつにゆるくまとめていて、左目の泣きボクロが印象的だ。
他に特徴としては…胸がとんでもなくデカい。
「とりあえず入っちゃって」
「…はい」
小野中さんが歩くたびにとんでもなく揺れるおっぱいに導かれ、奥にある診察室に案内された。
病院から送られてきたのであろう資料や診断結果等がデスクの上にまとめられている。
オレと小野中さんは向かい合うかたちで、診察室の椅子に座った。

「結論から言うと、曲輪くんの女体化は順調に進んでいます」
「はぁ…」
「このペースだと一年もしないうちに完全に女の子になれるだろうね」
「………はぁ」
「表面的な変化はまだ少ないけれど、内では着実に変化が起きています。まだ未熟ですが女性器が形成されつつあり、骨格にも変化が見られます。」
「…………………」
「おや、嬉しくない?」
「いえ、特には………」
「このまま順調ならJKになれるんだよ。羨ましいなぁ。私は大学卒業後に発症したからねぇ」
嬉しがるようなものなのか?小野中さんはあっけらかんとしているが、オレはどうにも疑念を払しょくできないままだった。

「あの…小野中…先生は、本当に元男なんですか…?」
「お、疑ってるなぁ?」
「そりゃ、まぁ…」
「証明するっていっても難しいけど…ほら、これが昔の私…いや、ぼくの写真」
小野中先生はデスクの引き出しを開け、何枚かの写真を取り出した。免許証と、集合写真のようだった。
「ほらこれ。これがぼく」
こう言われることを想定して、あらかじめ用意していたのだろう。
そこには、なんというか、普通の青年の姿があった。メガネをかけていて、小太り。はっきりいって、まったく面影がない。
しかも名字も下の名前も違う。これを鵜呑みにするのは、ちょっと難しいと思えた。
「あはは、まぁそうだよね。見た目は完全に違うし、名前の方は…結婚を機に変えたんだよ。小野中は相手の姓だね」
そう言って小野中先生は左手の薬指にはめた指輪を見せた。
「結婚…してるんですか?…どっちと?」
小野中先生はけらけらと笑いながら答えた。
「ぼくは女性だよ?相手は男性に決まってるじゃないか。いや今の時代、そんなことないか。失言失言。
んでもぼくの場合は男。大学時代の親友でね。子どもだって産んだし。二人も」
「………」
別に嘘をつく理由もないし、本当なのかもしれないけど、やっぱりにわかに信じがたい。
「まー信用してって言うしかないんだけど…そーだ!」
小野中先生は身を乗り出し、オレにぐいっと顔を寄せた。…いい匂いがする。あと胸がでかい。
「おっぱい…触ってみる?さっきから見てたもんねぇ。曲輪くん、童貞?」
「え”っ…!?」
「ホンモノだよ?それとも・・・こっちの方がいい?元男同士なんだし、気にしなくていいよ」
診察室に備えられていたベッドのようなものに腰掛けると、小野中先生はチラッと挑発的にスカートをめくってみせた。
「女の子になるまえに、童貞捨てておく?」


「いや…あ…あの…っ」
どう見ても、男になんか見えない。
こんなことなら昨日るんパ2でちゃんとヌいておくんだった。オレは小野中先生を見て、完全に勃起してしまった。
しかし先生はそんなことまったく気にならない様子で、デスクに置いてあった資料を手に取った。
「冗談冗談。でも、イイ体っしょ。自慢したくて。これが漸転換(ぜんてんかん)型TS症のひとつの利点でもあるんだよ」
「……?」
「TS症の体の変化には、《自分の理想のイメージが反映される》っていったら、どうする?」
「…理想のイメージ…ですか?」
「そう。筋トレとかで理想の筋肉をイメージすると効果が高まるって聞いたことない?それと同じさ。人は元々少なからず、イメージした自分になれる力があるんだよ」
「………」
オレは筋トレなんかしたことなかったので、ピンとこなかった。
「まぁ、そういうのがあるの。突発型TS症は急激に変化が起きるから、イメージが曖昧で、自分の無意識…内面っていうかな。そういうのが無理やり反映されちゃうんだ。だからなんでこんな姿にってことが起きる」
先生は症例の資料を見せてくれた。プライバシーに配慮してボカされてはいたが、
美少女のような姿になっているケースもあれば、残念なケースもあるようだ。具体的にはほぼおっさん、みたいな。
「………これは……ちょっと勘弁願いたいですね」
「それに対して漸転換型TS症はゆっくりとした変化だから、強くイメージを持っていれば、少しずつ変化を修正できる。
結果的に自分の理想にかなり近い姿になれるんだ。ぼくみたいにね」
先生は自慢げにおっぱいを揺らしている。
「その…おっぱいが、先生の理想だったんですか?」
オレは軽い気持ちで言ったのだが、先生は押し黙ると、急に真剣な顔つきになった。

「…ぼかぁね、お母さんがいなかったんだな」

先生がしんみりと語りだした。なんとなく茶化す雰囲気でもなかったので、黙って聞くことにする。
「産後の肥立ちが悪くってね。だからぼくは世の中のお母さんと、こどものために産婦人科医を目指したんだ。まだ男だった時の話。それがなんの因果かこうなって…今ではぼくも立派にお母さんをやっている。
この姿は、ぼくの理想のお母さん像なんだね」
「………」
先生はどこか遠くを見るような、しかしとてもやさしい目でそう言った。
とても嘘をついているようには見えなかった。
女の人だと思ってちょっとどぎまぎしていたが、というか今でもしているが、この人は信用していい。そう思えた。

「色々と困ることもあるだろうけど…なりたい自分になれる、そう前向きにとらえてもいいんじゃないかってね」
「…なりたい自分になれる……」

「わかんないことがあったら、…いやわかんないことだらけか。何でも相談して。少しはぼくの経験が役に立つと思う」

その後少し身体検査などを受けて、クリニックを後にした。帰り道、オレは先生に言われたことを考えていた。
自分の理想像が反映される…か。
オレの理想…といえば、やっぱり「ありさたん」だろうか。
もしありさたんになれたら、ありさたんの体を好き放題やりたい放題…とはいえ。
いやでも…なぁ。どっちかというとありさたんのお兄ちゃんになりたいのであって、
ありさたん自身になりたいかと言われると…。

こんなことを真剣に考えるなんて、少し前ならバカにしていただろう。
ここにいたってようやく現実感が湧いてきたのかもしれない。
どうやら本当に、オレは女の子になってしまうらしい。それも一年以内に。
答えの出ないまま、帰宅。
とりあえず、ひと眠りしたら『るんパ2』の続きをやることにしよう。

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7話<挿絵付き小説>一年後、オタクのオレ♂は爆乳(ビッチ)ギャル♀になっている

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真夜中、もぞもぞと布団の中を動く気配に目を覚ます。
一瞬ぎょっとするも、その正体はすぐに知れた。
『お兄ちゃん…』
『…ありさ?どうしたんだ?』
眠い目をこすりながら布団をめくると、ありさが恥ずかしそうに顔を出した。
そのこと自体はさして珍しいことでもない。
最近はなくなっていたが、以前はこうしてよくベッドにもぐりこんできたものだ。
だが、今夜は様子がおかしい。パジャマごしに伝わる柔らかさと高い体温。早鐘 
    を打つ鼓動。熱い吐息。
ありさは布団をおしのけ、ボクの股間の上に馬乗りになった。
『っ…!あ ありさ…!?』
ありさは、全裸だった。いや、正確にはちいさな胸のふくらみだけを絆創膏で隠 
    し、ボクの知らない、誘うような表情でこう言った。
『ありさ…なんかヘンなの。お兄ちゃんのこと考えてると、お胸がギュッってな 
    って…』	
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「はぁ…はぁ…ありさたん…!」
カチカチカチ。カチカチカチカチ。
オレはシーンを飛ばし飛ばし見ながら、左手でチ〇コをコスりあげる。
お目当てのシーンはもう少し先だ。
もうちょっと…もうちょっと先……ここだ!
ありさたんが主人公の手をとり、自分の胸に押し付ける。
オレはオートモードにして、右手で自分の胸に触れた。画面内のありさたんがそうするように、ゆっくりと撫ぜる。
「おぉ……」
ありさたんのちっぱいの柔らかい感触がオレの手にも伝わってきた。ありさたんに触れるなんて、なんだかちょっと感動だ。
机の上にセットした鏡に目を向けると、形のいい胸がオレの動きに合わせて形を変えていく。
…でもちょっとありさたんよりデカいな。まぁ、いいか。
ともかく、動かないCGより感触のあるリアルなおっぱいのほうが興奮する。
これは、ありさたんのちっぱいなんだ…!と自分に言い聞かせよう。
ちらちらと画面でありさたんのセリフと顔を確認しながら、オレは鏡に集中しはじめた。

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『お兄ちゃん…お胸がむずむずして…せつないよぉ…いや、やめちゃだめっ…』

『さきっちょ…もっとして…ほしいの…ありさのおっぱい、ヘンになっちゃったのかなぁ?』

『きもちいいの…お兄ちゃん、もっとぉ』
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「オレも…きもちいいよ ありさたんっ…!」
オレは激しくチ〇コをシゴきながらも、”ありさたんの”おっぱいの感触に夢中になっていた。
成長途上の双丘は中に芯があるように感じられ、その頂上には控えめは乳首が絆創膏を押し上げて、その形を主張していた。
その上からコリコリと撫ぜるたび、せつないような、痺れるような快感がじんわりと広がっていく。

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『お兄ちゃんもきもちいいの…?』

『いいよ、もっとおまたごしごしするから…お兄ちゃんも…ありさのおっぱい、きもちよくして…』

『ありさ、知ってるよ。おちんちんがきもちいいと、白いのがいっぱい出るんだよね』

『出して、お兄ちゃん。ありさできもちよくなって。』
>>>>>>>

「はぁ…はぁ…もう…限界だ…!イくよっ…ありさたんっ…!」
久々の射精感が限界に達する。オレはティッシュをつかもうと腰を上げるが、
その手前にあった鏡に再び目が釘付けになる。
(なんだこれ…えっろ…ありさたんの…いや、オレの…?)
汗ばみ、赤らんだ肌。絆創膏ごしのぷっくりと膨らんだ乳首。
奇妙な胸の高鳴りを感じた。気づいてしまったのだ。
(もしかしてオレは今…ありさたんと同じものを感じていたのでは……!?)
通常、エロゲでは主人公に感情移入する。主人公の感覚を想像する。
だが、オレは今、明らかにありさたんに感情移入していた。ありさたんが感じているものを、感じていた。
画面の中で、ありさたんがちっぱいを舐られかわいらしい喘ぎ声をあげている。
それを再現するように、オレも乳首をつまみあげ、快感を絞り出す。

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『きもちいいっ…きもちいいよぉ、お兄ちゃん』

『おっぱいすごいの、おまたも、ジンジンして…あっああっ』
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(この感覚は…ヤバい…クセになったら…ヤバい…っ)
そう思いながらも、手は止まらない。まるで、ありさたんと一体になったかのような恍惚感。憑りつかれたようにチ〇ポと乳首を摩擦する。
何度も、何度も、快感の波が襲いかかる。頭が真っ白になり、バチバチと灼けていく。

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『イくの?お兄ちゃん…!ありさも…ありさも…あっあぁああっ…』

『イく!ありさも…イく…っイくぅっ…んんんんんんっっっ』
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「ぅあっ…!っ…ぐうううう!」
びゅくんっ!びゅるっ!びゅるるるるっ!!びゅくんっ!
ティッシュを用意する間もなく、オレは鏡に向かって腰を突き出していた。

>>>>>>>
『いっぱいでたね、お兄ちゃん』
>>>>>>>

「はぁ…はぁ…はぁ…汗だくだ…」
久々の射精だったからか、なんかすごいでた…。
鏡に大量の精液が塗りたくるようにぶっかけられている。
おっと、ティッシュティッシュっと…。
いやはや、ありさたんでヌいたつもりが、自分をオカズにしたみたいになってしまったな。
…だが、まぁいい。今日は調子がいい。
射精した後の倦怠感よりも、高揚とした気持ちが勝っていた。
やはり、ありさたんはいい…。
何か間違っている気もするが、射精したことで
オレはここ最近失いかけていた男としての自覚を取り戻した気分になった。
さて、るんパ熱も高まったところで、2に備えるとするか。
オレは乳首に貼った絆創膏をはがして捨てると、鏡をしまって、るんパ2のホームページを見直すことにした。
今の自分から目をそらすように。

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6話<挿絵付き小説>一年後、オタクのオレ♂は爆乳(ビッチ)ギャル♀になっている

♯6
土曜日。保健室での一件から一夜明け、オレは朝からやる気に満ち溢れていた。
久々の休日。となれば、ヤる事はひとつ。このところご無沙汰だった、息子とのスキンシップだ。
朝勃起の調子も良い。この土日は忙しくなりそうだぜ。

と、その前にひとつ、確認しておかなければいけないことがあった。
オレは姿見の前に立ち、Tシャツを脱ぐ。
「………おおぅ」


相変わらず掠れたままの声で、オレは思わずため息をもらした。
ふくらんでいる。
かろうじて摘まめるくらいの、ほんのわずかなふくらみではあるが、
そこには明らかに以前と異なる自己主張をする胸と乳首があった。
一晩寝たら萎んでいるかと期待もしたが、どうやらそんなことはなかったようだ。
オレはどちらかといえば貧乳派だし、これくらいのおっぱいが好きではあるが、自分のはさすがにちょっとな…。
コリコリとしこりがある感じで、柔らかくもないし、触ってて何も嬉しくない。
まだ少し張ってる感じがして、擦れるのがイヤだったので応急措置として乳首に絆創膏を貼る。
Tシャツを着ると、乳首を抑えた分それほど目立つ感じはしない。
上に何か羽織ればわからないだろう。
…とりあえずこれでいいか。日常生活に支障はなさそうだ。
無いとは思うが、もしこれ以上大きくなるようなら、何か対策を考えないとな。
サラシとか巻いたらいいんだろうか。

それにしても何か、体全体が丸みを帯びてきたというか、太ってきてないか?
それに反比例するように、オレの息子は一回りほど小さくなったように感じられる。…気のせいか。
ちゃんと勃起しているしな。気のせい気のせい。

さて気をとりなおして、今日は久々にオナニーするぞとPCを立ち上げ、
いつも巡回しているエロイラスト系サイトなどでオカズを探していると、
オレはここ最近のごたごたですっかり忘れていた、極めて重要なことを思い出してしまった。

「今日、RUNE RUNE PARTY 2(るんるんぱーてぃー2)の発売日じゃねぇか!? 」
RUNE RUNE PARTY、通称「ルンパ」は、
魔法学園を舞台にカワイイ女の子とのラブと夢と冒険とロマンに溢れた、いわゆるギャルゲー、ではなくエロゲーである。
いやなに、はじめにやったRUNE RUNE PARTYはギャルゲーだったんだ。
いわゆるコンシューマー版というやつで、その原作エロゲー版を友人から借り、それ以降すっかりハマってしまったのだ。
一人部屋をもらった直後で、しかもはじめてのエロゲー、さらに元々好きだったゲームキャラのエロエロな部分を楽しめるとなれば、そりゃハマる。毎日徹夜で攻略し、徹夜でシコっていた。
マンガ版も全巻持ってるし、アニメ版は全話録画済みだ。
特にお気に入りのキャラは黒髪ツインテ妹ロリキャラ「天神坂ありさ」。プライズだけどフィギュアだって持ってる。
普段は兄を慕う清楚な「ありさたん」が、主人公である兄との禁断の感情に戸惑い、そして兄の気を引こうと次第に大胆になっていく。その姿で何度ヌいたことか。
思い出すだけでチ●コが元気になってしまう。
そんなお世話になった作品の続編ともなれば、このオレが買わないワケがない。
当然初回限定版一択。実店舗では年齢確認などの関係で買うことができないので、通販で予約していたはずだ。
ゲームの限定版は高い。学生が手を出す値段じゃない。
ウチの学校…磐屋堂学園では、色々な制約はあるものの、バイトは許可されている。
だが勤労意欲ゼロのオレは、毎月のお小遣いだけでなんとかやりくりしていた。
正直、お小遣い的にはかなり厳しかった。買いたいオタグッズやマンガやラノベは他にも山ほどあるし、推しのVLiverにスパチャだってしたいし、ソシャゲのガチャだって回したい。
お小遣いを前借りし、お年玉の残りもすべてつぎこんで、もはや一文無しに近い状態となったが、それでも、それでもこれだけは譲れなかったんだ。

配達の状況をオンラインで確認すると、今日の昼ごろ届くようだ。
どうする?それまで待つか…?しかしこの滾りをガマンするのは少々しんどいぞ…。
…そうだな。それがいい、そうしよう!
ここは続編の予習もかねて、前作ルンパ1でヌくとしよう!今すぐに!ストーリー的には正統な続編だしな。
今日のチ●コの調子の良さなら、今ヌいても昼ごろには回復しているだろう。
だが、最初から遊んでいる時間はさすがにない。ソフトを起動し、回想モードをクリック。もちろんコンプ済みだ。
選ぶ回想シーンは推しキャラ「ありさたん」。他のキャラも当然魅力的だしヌけるのだが、やはりここは自分の一番を使うべきだろう。
たかがオナニー、されどオナニー。自分の気分にそぐわないエロ絵で射精してしまうと、なぜだか損した気持ちになってしまうものだ。
特に今回は久々の一発。大事にしたい。せっかくなら最高の、至高のシーンでヌきたい…。
どれだ…どのありさたんにするべきなんだ…。
焦りからかマウスを握る右手も、息子を握る左手も汗ばんでくる。
ちなみにオレは右ききだが、オナニーの時は左手を使うことが多い。
これもエロゲーでヌいているうちに自然とそうなったのだ。マウスを左手で扱うのは、なんかめんどくさいしな。
そんなことはどうでもいい。今はエロシーンだ。
直球のえっちシーンもいいが、恥ずかしがりながらオナニーしてるシーンもいい。
くそっ、いいシーンが多すぎる…!選べるわけがない…!

だがその時、オレの脳裏に天啓が舞い降りた。
(ん…まてよ……?これは………!)

それは、中盤くらいにあるシーンだった。主人公の気をひくため夜○いをかけたありさたんは、慌てる主人公を無視してベッドの上でパジャマを脱ぎ捨て、全裸に絆創膏という出で立ちで、主人公にせまる。
恥ずかしさからそのちっぱいを絆創膏で隠しおり、しかしスジの方は丸見え。
胸を隠すことを意識するあまり、アソコが無防備となり、それがものすごく可愛くてエロい。
お股より乳首を見られる方が恥ずかしいという、年頃のロリ特有の微妙な羞恥心を巧妙に利用したシーンだ。
結局このシーンでエッチまではいかないのだが、
主人公も胸を隠し恥ずかしがる妹を、はじめて女の子として意識してしまう。
コンシューマー版ではパジャマを着たままだが、乳首絆創膏は拝むことができる。
そう、絆創膏だ。

あまり使用していない小さめのスタンドミラーを机の奥から引っ張り出し、オレの顔が見えないように配置する。
そして、Tシャツを脱ぎ、上半身のみを映す。
そこには画面の中と同じ、絆創膏で乳首を隠した、控えめなおっぱいがあった。
自分の胸だと思うと何も嬉しくないが、これがありさたんのちっぱいだと思い込めば、”使える”のでは…?
ごくり、とつばを飲み込み、オレはシーンを再生した。

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