先名ゆい 2023/12/08 19:00

【R18小説】1話_宇宙人から【平等】を強○されたいじめられっ子の俺は。

これから毎週金曜日の連載小説になります。
初回は全体公開や、無料フォロワーにも部分的に公開しますが、2話以降はCi-enでは有料フォロワー限定公開で進めていこうと思います!
タグは「#強○平等」となります。

小説概要

タイトル

宇宙人から【平等】を強○されたいじめられっ子の俺は。

あらすじ

俺は着替え中のクラスの同級生である、石井 瑠香、井上 月菜の裸を見てしまったことで、いじめのターゲットにされてしまった。
毎日悲惨な生活を送っていたところ、ある日突然宇宙人、バランサリアンが来てこういった。

『【平等】という概念には好意的です』
『私は皆さんの【平等】を手助けするためにやって来ました。この不平等、それを強○的に取り除いていきます』
『これはエクィリクスと言います。人々の【平等】を数値化するもの、そして、行動や思考を強○させるものです』
『それでは、皆さまの【平等】が叶いますように』
そうしてバランサリアンは消え、

「ーーーーー月菜、ここでおしっこを漏らせ」

俺の時代が始まった。

こんな方におすすめ!

洗脳・催○・常識改変が好きな方には気に入っていただけるとではないかと思っています!
ぜひぜひ楽しんでいただけるとうれしいです。

物語の序章(ここから本編)

「ほら……黙って俺のちんこしゃぶってろよ。写真撮るくらいだし、本当はしたかったんだろ?」

必死に首を横に振っているが俺にはそんなの関係ない。
あぁ、最高の気分だ。俺の事を散々いじめてきた井上 瑠香(いしい るか)を見下しながら、無理やりフェラさせてる。美しい黒髪にはすでに俺の精液がこびりついている。
瑠香の頭の上には122935と言う数値が表示されていた。現在進行形で減り続けてはいるが、まだまだ0まで先は長い。

「なぁ……ちゃんと奥までくわえろよ?」

瑠香は涙を流しながら、俺を見上げてきた。

「もう……許してよ。これ……本当に美味しくないの……」
「そうしてくれって頼んだのはお前だろ?その上精液飲ませてくれって頼んできたのもおまえだし」
「それは……精液はあんたがそうさせたから……っ!」
「ま、いいや、とりあえず0まで頑張ってくれ」

俺はそんな瑠香の頭を掴み、激しく動かした。
苦しそうにしながらも、必死に耐える姿がたまらない。
瑠香の口の中が熱くなり、俺も限界が近い事を感じた。

「せいぜいもっと不幸になってくれないとバランスが取れないだろ?【平等】にならないと」

俺の言葉に瑠香は絶望の表情を浮かべる。俺の事をいじめてきたときはあんなに溌剌としていたのに、今となっては見る影もない。

――――あぁ……本当にいい気味だ。

俺は瑠香の口の中に射精した。瑠香は体を痙攣させ、そのまま床に倒れこむ。

「ちゃんと全部飲めよ」

俺は笑いながら、瑠香に命令したが、もう言わなくても俺の精液中毒にしている瑠香はそうするだろう。時々吐きそうになりながら、それでも必死に飲み込んでいる姿は実に滑稽だった。

あぁ、数値が118935まで減ってしまった。

「おぇぇ……ゲホッ……」

瑠香が嗚咽している姿に、俺の加虐心が刺激される。もっともっと苦しめてやりたい。
俺は瑠香の髪を掴むと、無理やり顔を上げさせた。涙と涎でグチャグチャになった顔が、俺を見上げる。
俺は再び勃起したチンコを、瑠香の鼻先に擦り付けた。
精液の匂いに顔をしかめながらも、瑠香は顔をそらそうとしない。いや、俺の命令で反らすことすらは出来ないんだ。

「……っくく」

そんな様子を見て、思わず笑ってしまった。
これからどうやってコイツを虐めてやろう? そう考えているだけでゾクゾクとした快感が全身に走る。

「全く、バランサリアン様様だぜ」

俺は瑠香に聞こえるように呟いた。

***

「ほーら!下衆!早く新作フラペ買ってきなさいよ!」
「あー!あたしクリームトッピングでおねがい」

昼休みに2人から声をかけられる。遠巻きに見ているクラスメイトは関わらないように目を背けているようだった。

下衆、と言うのがこのクラス、いや、学校中の俺のあだ名だった。この学校の生徒は誰も福田 祐希 (ふくだ ゆうき)という俺の本名では呼ばない。

最近は下級生も俺の事を陰で下衆先輩と呼んでいるようだし、先生たちも裏ではどういっているかわかったものではない。

きっかけは俺が瑠香と瑠香の友達である井上 月菜 (いのうえ つきな)の裸を見てしまった事から始まった。

俺も見たくて見たわけじゃない。たまたま部活帰りに忘れ物に気付いて教室に戻ったら2人が着替えている最中だったというだけだ。

2人は「キャー」と騒ぐこともなく、俺の姿をジロジロと見て2人で相談したかと思うと、すぐに俺を教室に引き入れた。
そのまま訳も分からず目を白黒させていると、ズボンを下ろされ、

―――ピロン

そこで初めて瑠香は「キャー」と言った。

まんまと動画に取られ、気づいた時にはすべてが終わっていた。
石井 瑠香はその自慢の黒髪をなびかせ、学校中を歩けば全員の視線を集めるような生徒会長。
井上 月菜は金髪でいかにもギャル系の女子ではあるが、その誰とでも仲良くなれる男勝りで快活な性格によるファンも多いと聞く。
2人ともタイプは違うものの、なぜかずっと仲が良く行内でも美人ペアとして有名だった。

そして、その日から俺がこの2人を裸にして辱めているという噂が広まった。
実際に動画を見せることは無かっただろうが、それでも少なくとも表面上は学園中から信頼を得ている生徒会長だ。
俺が誤解だと言っても誰も信じてくれないし、こうして俺が白昼堂々と2人からいじめを受けていても誰も文句を言ってこない。

先生たちもこの件に対して変に関わって大事にしたくないのか、誰も何も言ってくることは無かった。

「今からかよ……」
「はぁ!?口答えするの!?」

俺がため息まじりに言うと、瑠香が甲高い声で怒鳴ってきた。どうせ俺には拒否権なんて無いくせに。

「じゃあ……買ってきますよ」

はぁ、とため息ながら渋々席から立ち上がりながらそう言うと、俺の態度が癇に障ったのか瑠香が俺の前に立ちはだかる。

「ふぅん……?生意気ねぇ。もう誰がご主人様なのか忘れちゃったのかしら?」

しまった、と思った時にはもう遅かった。

「はぁ……フラペはもういいわ。ほら、また躾けてあげるから一緒に来なさい?」
「あー!またやるの!?うっわ瑠香も結構変態だよねぇ」
「とか言って、月菜も好きなくせに」
「えへ……バレた?」

2人の会話を聞きながら、俺は憂鬱になりながら席を立った。
連れていかれたのはこの時間人が来ない生物準備室。月菜が生物同好会なので自由に入れるとのことで、俺はあの日からこの部屋には都合5回目の呼び出しだった。

いじめられた回数が5回ではない。この部屋に呼ばれたのが5回なだけであって、これまで散々、本当に学校のいたるところで徐々にエスカレートしながらいじめは行われた。2番目に屈辱的だったのが、放課後誰もいない下駄箱でそのままおしっこを漏らせと言われ実行したこと。あれから俺は下駄箱を通る度に胸がつぶされた様になる。そして1番目に屈辱的だったのがこれから行われることだ。

「ほら、早く脱ぎなさい」
「だーせ、だーせ」

瑠香がそう言うと、月菜もケラケラ笑いながら俺の事を煽ってくる。
俺は諦めてズボンとパンツを脱ぎ捨てると、下半身丸出しで椅子に座った。
そんな俺を見て月菜が笑う。

「ほんっと、キモいよね。下衆って」
「ま、あたしたちの裸見てるんだしとーぜんだよね?」

そう言って瑠香が足を組んで俺の前に座る。
初回に呼び出された時は抵抗した。それはもう絶対にしないと2人の静止を振り払って生物準備室から逃げ出した。

そしたら翌日話したことも無い男子生徒からいきなり殴られた。

何やら瑠香や月菜に気に入られたい男子たちだそうで、俺が瑠香に暴力を振るったことになっていた。

それで察した。この学園に居る間は、絶対に瑠香には逆らえないんだって。

転校も頭をよぎったが親になって言えばいい?
それにもし転校先の学校に瑠香の友達、知り合いでもいたら最悪だ。「私たちを辱めてそれで退学になった」なんて噂話になってしまったら転校先でも地獄の様な毎日が待っているだろう。
何度も何度も悩んだ結果、しばらくすれば飽きてくれることを願いながらこの屈辱的な状況を飲み込まざるを得ないと納得させた。

「で?さっきの態度は何?」
「自分がどうしてお仕置きされるのか分かってるの?」

瑠香が足を組みなおし、月菜がスマホをこちらに向けてくる。当然俺の姿をスマホにおさめるためだ。

「はい……申し訳ありませんでした」

もう何度言ったかわからない謝罪の言葉を口にする。

「はぁ?聞こえないんだけど!?」
「申し訳ありませんでした……ご主人様……」

月菜が楽しそうにケラケラ笑う。瑠香のため息が聞こえてきた。

「っていうか……ぷっ……ウケる。こんな状況でも下衆くんってこーふんしてんの?」

指摘されるまでもなく、俺のちんこは勃起している。
なぁ、笑えるだろ?こんな状況でも学園きっての美女2人がパンツ見せながら座ってると勃起するらしいぜ?

「ほら、こないだみたいにやりなさいよ」
「はぁ……。瑠香も結構変態だよねー。こんなやつのオナニーなんて見て何が楽しいんだか」
「違うってば、やめてよ。ただのストレス解消。ほら、こいつすっごい情けない顔するんだよ?」
「ま、あたしは今日はフラペ買って来てくれたら満足かな。ちょっとグッピーちゃんたちに餌やってくるねー」
「あー、はいはい。月菜だって散々トイレでおしっこ漏らさせたくせに。ま、いっか。ほら、早くやんなさいよ、下衆。ちゃーんとこうしてパンツ見せてあげてるでしょ?」

瑠香はそう言って足を組み直す。その仕草は俺を興奮させるには十分だった。

―――あぁ……なんでこんな事に……

俺は嫌々ながら、自分のちんこを扱き始めた。

最初は軽く触って、それから段々と力を強くしていく。情けない、情けないと分かっていても、性欲多感な高校生には美女のパンツは刺激は強すぎた。
はぁ……はぁ……という自分の息が徐々に荒くなっていくのがわかる。

「あはっ、本当、必死でバッカみたい」

女子に命令されてオナニーをすると言う行為がここまで上下関係を決定的にするとは思っていなかった。本当に俺は高校を卒業しても、この先一生瑠香と月菜に支配されて生きていく、そんな気さえしてくる。

「うっ……」

情けない事にすぐに俺は射精した。すぐに部屋中が瑠香の笑い声が響いて、俺の心をどんどんとすり減らしていく。

「うわ……早すぎでしょ……」

月菜がケラケラ笑いながら俺を見てくる。いや、途中からもう俺の事なんて見ずにスマホを弄っていた。

「じゃ、私は授業戻るから、ちゃんときれいにしなさいよね?月菜ー?餌やり終わったー?」
「終わったー!」

そう言っては2人は俺に一瞥もくれず生物準備室から出て行った。
悲しくは無いはずなのに、結審したはずなのに、視界が歪んでいく。
俺はただただ、床に落ちた白濁液を綺麗に掃除した。


教室に戻ると何やらおかしい。普段は賑やかな教室が静まり返っていた。

「すみません……ちょっと腹の調子が悪くて……へ…っ!?」

教室の先生が立っているはずの所には真っ白なよくわからない存在が鎮座していた。

『ようやく戻ってきましたね、福田 祐希さん』
「うえっ……!?」

無機質なその声に俺は変な声が出る。脳内に響いてくるようなその声の主はどうやらその真っ白な存在からの様だった。
なんで俺の名前を?それよりなんだこれ?どういうことだ?頭の中に疑問が次々と湧いてくるが、「早く座れ!」と先生に促され、慌てて席に座る。

クラスメイトは皆、この得体の知れない存在に話しかけられた俺をちらちらと見ていたが、それよりも存在感を放っている存在がこのクラスにはある。

『私はバランサリアン、あなたたちが理解しやすい表現をすると宇宙人です』

その白い存在、バランサリアンは続けてこう言った。

『私の目的はこの星に住む人間の調和を手助けすることにあります』

その言葉でクラスがざわめく。俺は理解が追い付かなくて、ただ口をぽかんと開けているだけだった。

『まず……。私の今回の私からの支援が終わるまで、皆さんには通常通り出席してくださいね。いいですか?』

そう問いかけられて、クラス全員が反射的に「はい」と返事をした。いや、口が勝手に動いて、させられたと言った方が正しい表現かもしれない。

『よろしい。さて、皆さんは【平等】についてどう思うでしょうか』

どう思うと言われても……まぁ、良い事なんじゃないか?おおむねそう思う。

『私は皆さんの心を読むことができますが、それでは皆さん同士の相互理解にはつながりません。【平等】であることが少しでも良いと思う人は手を挙げてください。正直に』

回りをうかがいながらではあるが、脳内に直接話しかけてくるこの稀有な存在の言葉を無視するわけにもいかず、はじめはパラパラと、しばらくすると先生を含めクラスの全員が手を挙げていた。

『ありがとうございます。私もこの【平等】という概念には好意的です』

いったいなんなんだ……?全然意味が分からない。こいつは誰で、なんでここでこうして話して、いや、話しているのか?何をしに来たんだ?宇宙人って言ったが本当に……?
椅子について少し話を聞けば落ち着くかとも思ったが、全くそんなことはなく、むしろ混乱が増すばかりだった。

『――――ところで』

バランサリアンの声、と言って良いのか分からないが、声が一段階低くなったような気がした。

『このがクラス、いえ、学校ぐるみで【平等】とは大きく逸脱した行為が行われていることを私は知っています』

その言葉でクラスが凍りつく。俺も思わず顔を上げ、バランサリアンの方を見た。

『皆さんは【平等】であることを望んでいるのでしょう?だったらどうして〇×△……、失礼、うまく翻訳できなかったようです』

少しの間があって、再びこの宇宙人は言葉を紡ぎ始める。

『皆さん、この学校の皆さんと言う意味ですが、皆さんはクラスの福田 祐希さんに対して、石井 瑠香さん、井上 月菜さんがいじめ行為をしていたことを黙認していますね』

クラスの中に冷たい空気が流れた。誰も何も反応しない。どうして知っているんだ、とか、言ったやつは誰だ、とか、そもそもあれはいじめなのか?とか、なんでこいつがこんなことを言っているのか?などみんな顔を見合わせているようだった。

「うちのクラスでいじめだなんて……そんなこと、あるわけないじゃないですか!」

先生が慌てて否定する。

「そうよ、私たちそんなことやっていないわ。ねぇ、月菜?」
「そうそう、あたしたち福田くんと遊んでただけだし」

2人も息を合わせて、本当に何もしていないかの様に振舞っている。知らない人がここだけ見ると、そう見えるだろう。

『なるほど。私の翻訳機ではうまく翻訳できていないようですね』

そう言うとバランサリアンから何か円盤状のモノが飛び出して来て宙に浮いている。

『これはエクィリクスと言います。人々の【平等】を数値化するもの、そして、行動や思考を強○させるものです』

そう言うと、エクィリクスが光り出し教室が光で埋め尽くされる。思わず目をつぶった。
光が収まってからゆっくりと目を開くと、さっきとはクラスの様子が一変していた。
全員の頭の上に数字が浮かんでいる。その数字は人によって異なり、多くの人は2000~10000程度。時々もう少し数が大きい人もいる。

『今皆さんに浮かんでいた数字は【平等】を数値化したものです。得、つまり、うれしい事、楽しい事、身勝手なことをすればするほどプラスの値が、損、つまり、つらい事、嫌なこと、苦しい事をすればするほどマイナスの数値が大きくなります』

月菜に目配せをすると125421と、そして瑠香に目配せをすると、224516と言う数値が表示されていた。

『みなさんは【平等】になる必要があります。このクラスでは御覧の通り、【平等】とはかけ離れた状態にあることがわかると思います』

バランサリアンが白い体の一部をふるうと鏡の様なものが、個人個人の前に現れる。俺の数値を確認すると-523362と表示されていた。

『私は皆さんの【平等】を手助けするためにやって来ました。この不平等、それを強○的に取り除いていきます』

「ちょ、ちょっとどういうことですか?」

クラスの中でぶっちぎりのトップのポイントを保持している瑠香が声を上げる。

『はい、ですから、皆さんが全員プラスマイナス0になっていただきましょう。当面この学校で一番の不利益を被っていた福田 祐希さんの命令を聞いて、皆さんにも損をしていただく必要があります』
「は……はぁ!?」
「ちょっ!ちょっと待ってよ!」

瑠香が立ち上がった。周りにいた女子、そして男子も次々に立ち上がり突拍子もない事を言い出したバランサリアンに不満をぶつける。先生は代表をしてかバランサリアンに詰め寄っていく。

『何か?』
「ふ、ふざけないでください!生徒に命令だなんて……!そんなことをしたら……!」

先生が抗議の声を上げるが、それを無視してバランサリアンは話を続ける。

『ふざけてはおりません。私はこの地球に来て【平等】という概念に感銘を受けたのです。ただ、思った以上に皆さんが良いと思っている【平等】が浸透していないと気づきました。そのため特にいびつだったこのクラスの不平等から是正していこうと思っております』

「命令?福田くんに何を言われても、私にはそれを行う義務はありません」

そう毅然と瑠香は言った。成績優秀の生徒会長の姿だった。

俺自身、瑠香に「福田くん」と言われるのが新鮮だと思われる程度にいじめを受けていた自覚はある。そしてその時の瑠香の笑顔や愉悦も。その結果の瑠香の頭上に輝く224516という数字なのだろう。

バランサリアンと名乗った宇宙人はため息の様なものを吐いた。バランサリアンは明らかに声色、と言うか雰囲気を変えて俺のほうに向きなおり声をかけてくる。どうやら俺にとっては好意的な存在なようだった。

『このエクィリクスは行動や思考を強○させることができます。まずは福田祐希さん、石井瑠香さんに謝罪を要求してみてください』

いきなりそんなことを言われても、と思う。
でも、もし、この宇宙人の言うように命令出来たら?これまでずっと俺がされていた様に、瑠香に命令ができたら……?

「えっ……あ、あの……。石井……さん、いや、る……瑠香、俺に謝罪しろ」
「はぁ!?なに名前呼び捨てにしてんのよ!……って、ちょっと何よこれ……!?」

瑠香は戸惑いながらも立ち上がり俺の近くに歩いてくる。そして……。

「いじめて……すみませんでした」

あっけなく頭を下げた。あの瑠香が俺に対して頭を下げた。俺の命令に従って頭を下げた。
その姿にクラス中がざわつく。頭を下げたままの瑠香の数値が224516から224506に減っていた。
『このように行動を強○し、損を感じると数値が増減します。自分よりもポイントを持っている人に命令することは出来ません』
「くっ……」

瑠香が悔しそうに唇を嚙む。慌てて瑠香は自分の席に戻り、自分の数値を確認する。

「……今ので……これしか数値が減ってないの……?」
『皆さんが命令を聞きたくない、というのはわかります。ですがこれは【平等】になるために必要なステップなのです』
「こんなの……報告して……警察に……!」
『いえ、それは不可能です。その数値はこのクラスの人たちにしか見えないですし、【エクィリクス】を起因とした事象に関しては外部の人は検知自体ができません』

クラスの全員の顔が曇っていく。こんな超常的な現象が起き、そしてこのクラスで一番と言うかほぼ唯一マイナスの数値を持っているのは俺だ。こんな偶然一つでこのクラスの支配者になったことをようやく俺自身自覚してきたようだ。

「なぁ、バランサリアン……さん?その命令ってなんでもできるん……ですか?」
『えぇ。基本的に何でも行動や思考を強○させることが可能です。そしてその命令の内容に応じて数値が増減していきます』
「じゃあ……例えば、ここでおしっこを漏らせって言う命令でも……?」
「ひっ!?」

顔をひきつらせた月菜と目が合う。あぁ、きっとさっきの生物準備室での俺もあんな顔をしていたんだろう。

『えぇ、当然可能ですよ』
「――――っざっけんなてめぇ!!」

ドカンッ!と言う鈍い音が教室に響く。立ち上がった男子生徒にいきなり殴られた。突然の事に避けることも堪えることも出来ず、派手に机を倒しながら倒れる。

「お、おい!やめろよ!」

慌ててクラスのみんなが止めに入る。俺も起き上がろうとするが、初めての衝撃にうまく立ち上がることができなかった。

「てめぇ……っ!井上さんにそんなことさせてみやがれ……!ぜってぇ許さねぇ!!」

あいつは……あぁ、そうか。こいつ月菜の事が好きなんだっけ。昼休みにそんな話をしていたのを耳にしたことが何度もある。

「……そんなことしていいのかよ……?」

殴られたほほを抑えながら、あくまで勝ち誇ったまま問いかける。というか間違いなくこの状況で俺を殴るなんてどうかしている。

「はぁ!?何がだよ!?」
「数値見て見ろよ」

慌てて数値を確認しているようだった。俺の視界が確かなら数値が4000ほど増えている。

「ちょ、ちょっと待てよ!?さっき謝罪で10しか減ってなかっただろ!?増えすぎじゃねーか!?」
『この国では『暴力』は犯罪とされています。それに基づいて数値が決定されています』

なるほど。という事は……。

「クラスの全員。これ以降俺に暴力をふるうのは禁止な?」

俺はそうクラスの全員に対して命令をした。その瞬間彼らの頭上から20数値が減った。
予想通りだ。暴力を振るわないというごくごく当たり前のことを命令しても大して数値が減ることは無いようだ。いじめは犯罪行為だから数値が高い。黙認していたやつらもそれなりに得と認識されていたんだろう。

『それでは、命令です。皆さまの【平等】を叶えてくださいね』

そうしてバランサリアンは消え、俺の時代が始まった。

フォロワー以上限定無料

無料フォロワー公開分(2,609文字)

無料

【 喫茶店プラン 】プラン以上限定 支援額:100円

喫茶店プラン以上公開分(10,055文字)

プランに加入すると、この限定特典に加え、今月の限定特典も閲覧できます 有料プラン退会後、
閲覧できなくなる特典が
あります

バックナンバー購入で閲覧したい方はこちら
バックナンバーとは?

月額:100円

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索