乙SUNらんど 2018/10/17 00:36

櫻~終演~

シリーズとしての櫻が今月紫籐章を以て終わりを迎えました。
約一年。
私にとっても、役者さんにとっても、一作目から追いかけてくださった皆様にとっても長いような短いような一年だったのではないでしょうか。

櫻役の榊原智美さん。
この方に演じて欲しくて、私は櫻を音声化することにしました。
書いたのはもう十五年ほども前。櫻の下には鬼が住まうという私が大好きな伝承がモデルとなったこのお話はそもそも男性向け18禁小説でした。それを、彼女に演じて欲しいがために削って削って泣きながらエロを削って、ぎりぎりのところを、本当に艶やかに愛らしく儚くもたおやかに演じてくださいました。本当にありがとう。
櫻は、確かにあなたの中にありました。

ナレーションという大役と毎回の音声編集を担当してくださった佐藤慧君。
ナレーションは、背景を伝え、情景を伝え、心情を伝えるとても大事な役どころです。決して表には出ず、それでいてしっかりと伝えなければならないこの大事な役どころを、本当に立派に勤め上げてくださいました。あなたがどんなにすばらしい仕事をしたか、リスナーさんの評価が物語っています。また、スタジオ収録ではないため編集もかなり苦労されたのではないかと思います。毎回毎回大変な苦労をして音声を渡してくださったこと、本当に感謝しています。

歴代死体……もとい、櫻の相手役の皆様。
前田規人さん、福田結巳さん、武田直人さん、夏目桂輔さん、安藤仁さん、なべゆうたさん。
皆様がそれぞれに魅力的な殿方を演じてくださったことで、櫻という女性が時代とともにどのように変化したかがよくわかります。いろんな殿方がいました。櫻がそれぞれのどこに惹かれたのか、抱きしめたかったのか。
いまわの際、断末魔のその時まで、櫻が腕の中に掻き抱いた男たち。
本当にありがとうございます。

そして、脇を固めてくださった皆様。
神楽坂素子さん、望月信行さん、谷川麻衣香さん、七音俚紅さん、黒崎葵さん、伊達真憲さん、内藤誉久さん、原口ともみさん、須田のりえさん、宮崎綸さん、松元明日香さん、金子圭佑さん。
物語の登場キャラに誰一人として無駄なキャラはいません。皆様のおかげで、それぞれのキャラがそれぞれの意義をまっとうして物語を飾りました。
少ないセリフでも全力を投じてくださったその姿があったからこそ、世界は成ったのです。ありがとうございました。

そして最後に、ワイスプロダクションマネージャー小岩井学様。
このお話を最初にしたのはちょうど一年前でしたか。福岡の居酒屋でのことでした。「やりたいんです」という私の熱意を真正面から受け止めて実現のために共に動いてくださるその姿勢は一年経った今でも変わりません。あの頃お話したことが、今ようやく実を結ぼうとしている案件もあります。本当に、感謝してもしきれません。
ご多忙な中、収録、細かなやり取りなどどれほどお手を煩わせたかわかりませんが、本当におかげさまを持ちまして櫻は完成いたしました。
ありがとうございます。
本当にありがとうございます。

聞いてくださった皆様。
皆様の感想が私たちを支えてくださいました。
いつも本当にありがとうございます。
勇気づけられ、自信を持った役者さんも多かったことだろうと思います。
その一言が、櫻という作品を外側から支えてくださいました。

いろんな方のおかげでできたこの作品は、これで終わりを迎えます。
ですが、できれば、また何らかの形でお目にかかれたら……そんな夢を見てはいけないでしょうか?
櫻の木の下で見る、泡沫のような夢……。
そんな夢を抱きつつお礼の言葉と代えさせていただきます。

皆様、本当にありがとうございました。

来月、櫻役の榊原智美さんとシリーズに何度も登場してくれた神楽坂素子さんの対談音声を会員様限定で公開する予定です。
どうぞお楽しみに!

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