【バレンタイン百合】チョコやホイップで彼女に食べられちゃう話(♡喘ぎver.)
「ねえ、ヒカリ! 今年のバレンタインは一緒に作らない?」
「手作りかあ。たしかに、たまにはいいかもね!」
毎年のバレンタイン、ヒカリとマイカはお互いに美味しそうなチョコレートを買って交換しあっていた。お店で買う華やかで美味しいチョコレートは毎年の楽しみでもあったが、マイカと二人でキッチンに立つ姿を想像すると、断る選択肢があるはずもなかった。
さっそく二人でスーパーへ出かけ、何を作るかも決めないままにそれっぽい材料をありったけ買い集め、二人で両手いっぱいの袋を持って帰宅した。バレンタインは数日後だから、作るにはまだ早い。しかし、スーパーで買い漁ったテンションのまま、キッチンに置かれた袋いっぱいに詰まった材料を見ていると、どうにもそわそわが止まらない。
「ねぇ、今日は作らないよね?」
ヒカリは、隣で購入した商品を袋から出して冷蔵庫に移しているマイカにむかって聞いた。
「バレンタインまでまだ時間あるしね」
「あー、せっかく材料買ったんだし、早く作りたいよー!」
「さすがに、今日はもう遅いでしょ」
マイカが正面に見える壁掛け時計を目をやる。ヒカリがその視線を追うと、七時はとっくに過ぎていて、もうすぐ八時にさしかかろうという時だった。
「作ったとしても、冷やしたりする時間もあるから今日は食べられないよ」
「つまんない」
「そんなにお菓子食べたいの?」
「食べたいっていうか、作りたくない? この材料買ってきたままのテンションでさ」
ふうん、と気のない答えが返ってくる。マイカの方をちらりと横目で見ると、袋から取り出した板チョコを包装紙の上からパキパキと割っているところだった。
「何してるの?」
マイカは黙ったまま割ったチョコレートの包装紙を破くと、中から一つ、長方形に割れたチョコレートの端を口にくわえ、ヒカリに向かって「ん」とチョコレートを差し出した。
「ま、マイカ⋯⋯?」
「ん」
マイカの唇にくわえられたチョコレートの長さは約一センチほど。これを反対側からかじると、どうなるかなんて分かりきっている。
「⋯⋯」
マイカが、早く、という目でヒカリを見る。マイカにくわえられたチョコレートが少しづつ彼女の熱で溶けだし、唇に広がりだしていた。その様子に思わずどきりとしてしまったヒカリは、観念してマイカの反対側からチョコレートをかじった。
ビターのチョコレートだった。ほろ苦い甘さが、口先から口内へと広がっていく。
鼻先がマイカと触れ合う。キスなんて珍しいことでもないのに、なぜかヒカリはいつも以上に緊張していた。
お互いの視線は絡んだまま、マイカが二人の間にあるチョコレートの橋を噛み割った。それと同時に二人の唇が重なる。ヒカリの口内へマイカの舌が侵入すると、溶けたチョコレートを丁寧に塗り込んでいく。口先だけだった甘みが、口の中いっぱいに広がっていく。
「んっ⋯⋯ん♡」
どんどん深くなるキスと、ヒカリの腰をあやしげに動くマイカの手。ヒカリもマイカの首に腕を回し、夢中で舌を絡めた。
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