ひぽひぽ堂 2024/03/15 23:04

女神ヴァルフレシア EP5.

そこは神々が住む天界の中心都市、の
はずれにある一帯の
小さな民家の中…

その民家の中には…そこかしこに本が積み上げられていた
しかし居間に当たる部分はある程度片付けられており
窓際に置かれた小さなテーブルを挟んで
美しい女神ヴァルフレシアと
眼鏡をかけた小柄で可愛らしい女性…半人半神のジェルディナ
は共にお茶を飲んでいた

「は~ぁ…今思えば、本当に惜しかったわ…」
「手荒な真似をしてでも、確保しておけばよかった、かも…」
紅茶を一口飲み、カップを置いてからヴァルフレシアは呟いた
「ふんじばってでも…!」
そして今居る場所、空間に目を向ける―
ある程度片付けられているのは確かだ
足の踏み場は多い、という意味でなら
「相変わらずね、貴女」
ジェルディナはヴァルフレシアにとって旧知の仲
というより元仲間であり、共に天界の神々と地下世界の魔神たちが激突するのを防ぐのに尽力した者だ
その働きが認められ、ジェルディナも「半神半人」となることができた
もっとも彼女がしていることと言えば
このようにひたすら書を読み漁っての「知の追求」なのだが…
「この様子だと…まだ男の一人も居ないようね…」と
”いつもの”セリフを口にするヴァルフレシア
そのセリフが聞こえたのか、聞こえていなかったのか
ジェルディナはお茶を一口飲み目の前に置かれていたお皿の上の菓子に指を伸ばす
「ふんじばって確保して、如何様にするおつもりで?」
菓子を口の中に入れゆっくり租借し、そして飲み込む
そしてまたカップのお茶を一口飲む
「お茶の相手にはなりませんでしょう?貴女様の"力"が目当てなのですから」
「…あと私には男など必要ありませんっ!」
カップを置くジェルディナ
「…あーらそんなの、いくらでも手はあるわぁ」

…まぁ確かに、この人にできないことはないもんなぁ、とジェルディナは思った

一瞬の沈黙が流れる―

「は~ぁ、でも…よかったわぁ、あの男…」
「久しぶりに、楽しめた…」
と窓のほうを向いてアンニョイな表情のヴァルフレシア
「ねえ…聞きたい?」
「結構ですっ!」
即ぴしゃりと一蹴するジェルディナ
だがヴァルフレシアは窓の外の景色を眺め、素知らぬ顔で続けた
「ちょっと挑発したら、ふふっ…すぐに激しく攻めてきたの…彼」
「結構ですと言ったのですがっ!!!」
だがヴァルフレシアの話は止まらなかった…

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