館の主イザベラ EP3.
(そろそろいいだろう…)
男たちから離れるイザベラ。すると男たちはよろよろと床に仰向けに倒れた
二人の男の目は虚ろだった
何か呪文を唱えたイザベラ、そして
「では話せ。包み隠さず、全てをな…」
男たちを見下ろし"凄腕の剣士"についての質問をするイザベラ
その剣士の身長は?目的は?剣の腕前は?誰か主人に仕えていたのか?などなど…
イザベラの質問に
男たちは虚ろな目で
時々つっかえながらも素直に答えていく―…
…イザベラが男たちの相手をする前
部屋の隅で服を脱ぐ時に気づかれぬよう
小さな「香」を焚いて置いていた
(それはイザベラが自らの手で作成した魔術道具である)
香の匂いは少しずつ部屋に充満し、気づかずそれを吸い込み続けていく男たち
そして十分に吸い込み変化が見えたあと
とある呪文を唱えれば…
"質問されれば素直に全て答える人形"の完成だ
これがイザベラの"やり方"であった…
「なるほど…よし…わかった…」
必要な情報を聞き出し終わったイザベラは立ち上がった
凄腕の剣士とやらの正体は
やはり"赤い目の剣士"だ…
予想していたよりは多くの有意義な情報が得られた…
それから男たちには目もくれず服を着るイザベラ
(数時間もすれば香の効果は切れ男たちは目を覚ますだろう)
…
そしてイザベラは部屋を出て馬に乗り
町を後にした
"赤い目の剣士"は力をつけている…仲間を、勢力を拡大させている…
今の私では…私だけでは奴を追い詰めることは難しい
認めたくはないが…今は戻って対策を考えることが一番だろう
イザベラは「館」へ戻ることにした…