ひぽひぽ堂 2024/04/01 07:28

新婚でお嬢様 志保 EP5. 前編

初めての夜から10日ほど経ち…

ある日街中をデートする二人
少し休憩しようとカフェを探すと…ちょうど「メイドカフェ」の看板が目に入る
「メイドカフェ…」と男
「いいですね、行きましょう♡」と志保
「い、いいんですか?」
「私、メイドカフェ行ったことないんです」
と言って志保を看板の案内を見ている
「色んな所へ行きましょう」
「二人で、一度も行ったことがない場所とか、楽しそう場所とか」


一般的な学校の教室くらいの広さの店内
白やピンク色の内装の店内を
フリフリひらひらのメイド服を着たメイドさんが歩きまわり…
というのを想像していた二人であったが
現実は違った
店内の内装は若者向けではあるが
白や茶色、ベージュ色などの落ち着いた色でまとめられている
店員の着ているメイド服も白と黒で統一され無駄な装飾やフリルは少なかった
肌の露出がほとんどない、シックでロングスカートのメイド服だ
「可愛いですね、メイドさん」
「そ、そうですね…可愛いですね…」
席に座り注文の品を待つ向かい合う二人
「…貴女が着れば、もっと可愛いですよ…」と思わず言ってしまいそうなのを
すんでのところで男はこらえた

そして男の視線が店内のある一か所で止まる
店内の隅、ガラスケース内に入ったメイド服…
手書き文字の大きなPOPも一緒に添えられている
「当店デザインのメイド服一式 定価×××××円♡」 
「のところ只今大サービス価格! 50パーセントOFF!」
…メイド服も売っているのか…
男がお会計時にそれを購入したのは、言うまでもない


その夜、志保は男の部屋に居た
(やっぱり…)
男に頼み込まれ、志保は例のメイド服を着ていた
それを見た男の反応は予想以上のものだった
「そ、そんなジロジロ… 見ないで下さい…」
「ご、ごめんなさい…」
「で、でも…とても綺麗です… 素敵です…」
「こんなメイドさんがいたら…毎日通っちゃいますよ!ほんとに可愛いですっ!!」
「…そ、そうですか…?」

そんな熱烈な賛辞を誰かからもらうのは、いつぶりだろう
そして自然と「鏡」を探しそこに映った自分を見る
(これが、私…)
あの可愛らしい、昼間にカフェで見たメイド服
それを着た自分が鏡に映っている
(…)
なんだか別人に、違う自分になれたような気がした)
(私も、あんな風に可愛くなれるんだ…)
("いらっしゃいませ、ご主人様♡")
(あのメイドさんみたいに、朗らかに笑ってウェイトレスをしている自分の姿を一瞬想像する)
(あんな真似…私には…)
(いや…できるかも、しれない…)

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