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ドールの記事 (3)

『海軍G―14所属ドール“少尉”(エロなし)』

【前書き】
 すいまっっっせん!
 導入のみで、濡れ場を入れることができませんでした!
 次の更新では必ず差し込みますので……!
 それと、肝心のドールさんの濡れ場までは3話前後、他の女性キャラとの絡みを挟むと思いますので、その点についてもご容赦をば……!

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【お試し無料版】『淫らな歓迎会(多人数ハーレム)』

 ドールからの勧誘――自身もその身を捧げている『七武海』の美丈夫、イングナル・フレイに嫁ぐ代わりに、彼が船長を務める『九蛇海賊団』のマークを、自身が住まうココヤシ村を含めたコノミ諸島一帯の集落に貸し出す。

 そんな取り引きを持ちかけられたベルメールはその日の深夜、海岸へと続く夜道を歩いていた。今夜は満月、ランタンなどの類は必要なかった。

 服装は、散々迷った挙句、昼間着ていたのと同じ物にした。空色の半袖のブラウスに、黒のジーンズ、サンダルという実にシンプルなスタイルで――違う点といえば、煙草を咥えていないことぐらいか。これから向かう先で“起こるかもしれないこと”を考慮すれば、当然の配慮だ。

 “そう”考えれば、少々色気のない恰好とも言えたが――悲しいかな。そもそもの前提として、ベルメールという女性は、“こういう時”の為の「勝負用」の服やら下着を持っていなかった。先立って触れたように、ナミとノジコを引き取って彼女らの「母親」になると決めた時点で、「こうした状況」が訪れるとは思ってもみなかったからだ。まさか、こうも簡単に決心が揺らぐほどの極上の「雄」に巡り会えるなんて、と。

 夜中に出歩くには少々軽装ではあったが、幸い、この辺り一帯の土地は年を通じて比較的温暖な為、そこまで肌寒いとは感じなかった。どころか、むしろ暑いぐらいだった。といってもそれは気候のせいではなく、主にベルメール自身の問題だった。自身の内にある「女」、もとい「雌」としての根源的欲求が絶え間なく恋情という名の熱を発し、今にもベルメールの心を焼き尽くさんとしていた。

 燃え尽きて消し炭になってしまう前に、早くこれを「鎮めて」貰わなければ、とベルメールは思った。脳裏に思い浮かべている「相手」は、言うまでもなくイングナル・フレイその人だ。かの銀髪紅眼の美丈夫の姿を想起するだけで、子宮がキュンッ♡ と甘く疼くのをベルメールは嫌でも自覚した。早く、早く「飲ませろ」と、宿主である自身に訴えかけているようだった。

 結局のところ、30になったばかりのベルメールという女は、フレイへの欲情を抑えることはできなかった――ということだ。

 いや、あるいは、始めから抑える気もなかったのかもしれない。あの時――後ほんの数秒でアーロンに射殺されそうになったところを間一髪救われ、その美しい姿を視界に納めた時から、既にこうなることは決まっていたのかもしれない、とも。

 吊り橋効果、というヤツだろうか? フレイと、彼の仲間――というよりは妻であろう女たちがいると思われる巨大な船。『九蛇海賊団』の船が停まっているまさにその場所へと向かいながら、ベルメールはそのように考察した。

 殆どの生物の遺伝子に刻まれた圧倒的且つ絶対的且つ根源的な本能――『種の保存』。

 アーロンに銃口を突きつけられ、そこから放たれる凶弾を受け入れる代わりにふたりの娘の命を救う、と覚悟を決めたにも関わらず――あの瞬間、ベルメールの肉体はそれに順じた反応を起こした。自身の肉体を構成するすべての細胞が、次のような指令を本人に下したのだ。すなわち、

 貴女(あなた)は、もうすぐ死ぬ。
 だから。
 今すぐにでも優秀な雄の種を孕み、子を残せ――と。

 そして、直後に現れた優秀――などという表現の枠には収まらない、最上の「雄」。

 イングナル・フレイ。

 彼の美しさ、および強さを理解するよりも先に本能で察した上、その彼の手によって落とす筈だった命を拾われたとあれば、もはや救われた側である自分が欲情するのは必然の運びで。

 その上、その心身を委ねれば故郷の今後の安全を保証する、などという“実に都合のよい”提案をされては――最早、ベルメールが取るべき行動はひとつ。

 本音を言えば数時間前、海兵時代の後輩であるドールと、見知らぬ黒い長髪の美女を伴って去っていく彼の背中に縋りついて頬ずりしながら、共に行かせて欲しいと浅ましく懇願したかったベルメールではあったが――流石に自重した。

 迷っていた訳ではない。その時その場にいたふたりの娘であるナミとノジコ、そして自身にとっては兄代わりであるゲンへの配慮だ。

 変なことは考えるな、あんな男の言う事など聞く必要はない、「例の噂」を知らないのか、などとガーガー喚くゲンをまあまあとはぐらかすようにして宥めながら家から追い出し、すっかり冷めてしまった食事――シチューと鴨肉に、オムライス――をふたりの娘に振る舞って、色々あり過ぎた上にお腹も膨れたことで殆どすぐに同じベッドに入って眠ってしまった(と、思われる)ふたりの様子をドアの隙間から窺ったベルメールは、殆どすぐに行動を開始。

 フレイの妙な力によって骨ごと滅茶苦茶にされた左腕はすっかり元通りになってはいたものの、負傷した際についた血や泥はそのままであった為、それを洗い流す意味も込めて念入りにシャワーを浴び、身を清め、前述した服装に身を包んで家を出た時には、既に月明かりだけが夜道を照らしていて――そして、現在。

「来たね――絶対に来ると思ってたよ、ベルメールさん。……我慢して、『参加』せずにここで待ってた甲斐があった」
「『参加』……?」

 見張りだろうか? 規格外のサイズを誇る2匹の大蛇を伴った『九蛇海賊団』の巨船。
 その甲板と、島の地表との間には取り外し可能と思われる階段がかかっており、その一番上に、彼女――ドールは座り込んでいた。先の言葉が真実ならば、自分が来ると確信して待っていたのだろう。まあ、我ながらフレイに欲情しているのは見え見えだろうと思ってはいたので、そこまで意外ではないが――それはともかく。

 例の魅惑的なボディラインが際立つ、薄手の黒いTシャツにぴっちりとした同色のズボンと、やはり同色のブーツ。犬の首輪を思わせるチョーカーが特徴的な黒いショートカットの美女は、そうした衣服の上から、「将官」以上の海兵にのみ許される白いコートを羽織っていて――って。

 数時間前に、久しぶりの再開を果たした時から気になってはいたのだが……。

「ドール……。あなた、今も海兵は続けているの……? それとも、私みたいに辞めた上で、フレイ『様』――じゃなくて、『豊穣の王』の船員に……?」
「ああ、いや、違うよ」

 質問の意図を察したらしいドールは、軽く手を振って見せながら、

「まだ、海兵は続けてる。今の主な仕事は、フレイ様のお目付け役――政府の連中に言わせれば、まあ、監視だね。奴らは、有象無象の海賊たちに対しての抑止力として、『七武海』のフレイ様を重宝していると同時に、恐れてもいる。凄まじい勢いで妻(おんな)と子供――『戦力』を拡充し、同時にその武勇を轟かせていくあの人の力をね。……だからまあ、あの人が遠征する際には、基本的には『世話係』という名目で、海軍から派遣された誰かしらが同伴するんだけど――今回は、それが私って訳。勿論、数時間前に言ったように、海軍を離れたベルメールさんに危険が迫ってるかもって思ったから、っていうのもあるけどね」

 ドールは立ち上がり、正面まで来ていたベルメールの手を取って彼女が甲板に上がるのを助けた。その上でこうも言った。

「もっともそれは、電伝虫から聞こえてくる音声や、書類上に書かれた文字からでしかアタシ“たち”を認識できない政府のお偉方の事情で、こっちには関係ない。この身も心も、8年近く前に捧げた時からずっと――そしてこれからも、フレイ様だけのものさ。必要があれば、いつだって海兵なんか辞めて、あの方の妻として、盾として、剣として、連中とも戦ってやるよ。他の『ギオン』さんや『ヒナ』といった、あの方にすべてを捧げた同僚(おんな)たちと共に、ね」
「あなた以外にも――?」
「――“いる”さ、大勢ね。ベルメールさんもすぐにわかると思うけど、フレイ様の精液には、特別な力がある――女の若さを保ち、どれだけあの人の子を産んでも肉体の形が崩れないようにし、シンプルに身体能力も底上げする『豊穣』の力さ。それによる戦力増強を目的に、政府の奴らは大勢の女の諜報員や海兵をフレイ様に与えていて――というよりは、フレイ様の精液(もの)を、女たちに与えるように仕向けているというべきか……。まあ、なんだっていいけど――いずれにせよ、馬鹿な連中だよ。その結果、確かに差し向けた女たちの身体能力は底上げされて、それはそのまま数々の戦果として形にはなったけど、一方で、そうした女たちの忠誠心を売り払う羽目になったってのにさ。……言うまでもなく、フレイ様その人にね」

 言って、ベルメールを伴って甲板を歩いていたドールは、やがて船室へと続く両開きの扉の前へと辿り着いた。船も巨大なら甲板も相応に広く、その上キャビンも巨大で、まるで教会相当の広さを備えた一軒家をそのまま甲板に乗せたかのようだった。船内のスペースというのは甲板下のそれが基本多くを占める為、それらも含めれば相当な広さだろう。

 そして、そんな巨大な船を駆る海賊団の船長、イングナル・フレイ――かの男はやはり只者ではなく、そんな只者ではない男がこのドアの向こうにいるのかと思ったベルメールは、知らない内にゴクリと唾を飲み込んだ。

 そして、そんな生娘さながらの緊張具合を見せている彼女に対して、ドールはというと、

「じゃあ、早速今からフレイ様に会わせるけど、その前に――」

 不自然なところで言葉を区切ったドールに対し、ベルメールは「?」と小首を傾げた。そして――何故か、そんな彼女の後ろへと視線を投げながら、ドールは更に、

「――“その子たちも”ベルメールさんと同じように、フレイ様に身を捧げるってことでいいのかな? 年端もいかない女の子の『献上』は珍しいけど、ない訳じゃないし……。アタシはてっきり、あのゲンゾウって人が世話を引き継ぐのかと思ってたんだけど」
「えっ……?」

 瞠目したベルメールが思わず、グキッ! と首筋が痛むほどの勢いで振り返ってみれば――“いた”!

 10歳のオレンジ色のショートカットのナミと、肩口まで群青色の髪を伸ばしたノジコのふたり! 血は繋がっていなくとも、確かに自分の愛する娘である女の子ふたりが、確かに自身のすぐ後ろにいて――ベルメールは仰天し、すんでのところで叫び声を上げるのを堪えた。アーロン一味の襲撃を受け、間一髪のところで彼らの蹂躙から逃れて、安心して寝ているに違いない村の人たちを起こしたくはなかった。

 が、それでも相応に大きな声量で、ベルメールは、

「ノジコ! ナミ! アンタら……どうしてここに……!?」

 ここまでの道中でまったくふたりの存在に気づけなかった自分の迂闊さ――というよりは、イングナル・フレイに向けた舞い上がりっぷりを恥じながら、ベルメールはそのように尋ねた。

 当然、ナミとノジコはビクッ! と体を震わせ、怯えたような目でこちらを見上げていたが、それもほんの数秒。すぐに、その目に確かな強い意志を連想させる煌めきを灯して見せると、その上で、

「ベルメールさん――あのフレイっていう男の人と『ケッコン』して、島から出ていくんでしょ? だったら……アタシたちも行く! 一緒についてく!」
「あのギョジンたちが来た時も、ベルメールさんと自分たち、両方の命を助ける為に、私たち、島から出ていこうとして――でも、何だかんだでそうせずに済んで……。それなのに、やっぱりまた離れ離れなんて嫌だよ! お願いだから、私たちも連れていって!」
「連れていって、って言われても……!」

 涙を滲ませ、下唇を噛みながら自身の両脚にしがみついてくるふたりの愛娘を困ったような目で見下ろした後で、ベルメールは、その視線をドアノブに手をかけたままのドールへと向けた。

 正直に白状してしまえば、自分も、彼女たちと別れるのは辛い。それでも、フレイに対する恋情が抑えきれないのと、またアーロン一味のような連中が来た時の為に、ここで自分が身を捧げるのが最善であると判断し、かといってそれに娘たちを巻き込むのはどうなのかと思ったが為に、こうしてひとりで自らの意思決定を伝えにきた訳だが――結局のところ、ドール……というよりは、彼女を含めた女たちを取りまとめている(と思われる)フレイが許してくれなければ、どうしようもない。

 故に、どうすれば……? という思いを視線に乗せた上でドールを見つめてみれば――意外にも、彼女は特に重く受け止めることもなく、どころか、どうということはなさそうに軽く肩をすくめてさえいて、

「まあ……とりあえずは、その子たちと一緒に中に入りなよ。“まだ”フレイ様の精液(もの)を受けてない――あの方の『眷属』になってない身でいつまでも外にいたら体に障るだろうし……。“ちょっと刺激的かもしれないど”、私らの国に移り住む以上は慣れなきゃいけない光景で――どの道、子供であろうと、『後宮豊国(アルフヘイム)』の国民になるっていうことは、“そういうこと”でもあるからね。『しのぶ』様の『能力』を使えば、『マーガレット』や『ウタ』みたいに、すぐに大人の体を手に入れた上でフレイ様の『眷属』になることも可能だし――とにかく、百聞は一見に如かず。サッサと経験しておくことに越したことはないさ」

 ――と、そう言って。
 『海軍本部』の将校にして、イングナル・フレイの女――妻でもあるらしいドールは、思わせぶりな台詞もそこそこに、掴んでいたドアノブを捻り、中へと続くドアを開いて――それとほぼ同時だった。

 ビリビリと空気を震わせる程の「喘ぎ声」が、ベルメールの鼓膜を打ったのは。具体的には、

「あああああぁっ♡ フレイ様っ♡ フレイ様ぁんっ♡ わらわはっ♡ わらわはっ♡ もうっ♡」
「つ、のぉっ♡ 角っ♡ 掴まれながらっ♡ あんっ♡ 後ろからっ♡ ガンガンっ♡ 突かれへぇんっ♡ ああっ♡ やっぱりぼくぅっ♡ これっ♡ 好きっ♡ この体位、好きぃんっ♡」
「おっ♡ おっ♡ おおおおぉうっ♡ フレイっ♡ フレイぃんっ♡ お願ぁいっ♡ 今日もっ♡ おっ♡ ワ・イ・ル・ド♡ な、射精でっ♡ んあぁっ♡ たっぷりっ♡ 種付け♡ してええぇぇぇんあああああぁぁぁっ♡」

 ――ずちゅっ! ぐちゅっ! ずちゅぐちゅぐっちゅんっ! ずちゅぐちゅっ! ぞぶぶぶぞぶりゅっ! ぞぶぐちゅどっちゅんっ! どちゅむぐっ!

「ちっ♡ “父上”えぇっ♡ んあぁっ♡ 今日も相変わらずっ♡ 逞しくてぇっ♡ わ――私はぁっ♡ マーガレットはぁっ♡ もうっ♡」
「おと~うさんっ♡ あっ♡ 今日も――んあぁっ♡ た~っくさん♡ 私の子宮に♡ 種付け♡ えへっ♡ しちゃって♡ 『新時代』♡ あっはぁんっ♡ 作っちゃお♡ お父さんと♡ お父さんの♡ んっ♡ 孕み妻だけで♡ 構成された世界♡ 全員が♡ お父さんを気持ちよくして♡ お父さんの子供を産むことだけを♡ 考えてる世界♡ きっと♡ おっ♡ 今よりもずっと♡ あぁ奥ぅっ♡ 平和な世界に♡ なる筈だよね♡ うううぅぅんっ♡」
「おっ♡ おっ♡ おっ♡ おおおおぉぉうっ♡ フレイ……様ぁんっ♡ 相変わらず♡ 今日もっ♡ おっ♡ 大変♡ 逞しく――あぁんっ♡ “わたす”や、惜しくも今回は留守番の♡ 日和様――そして、その他多くの女たちを統べるのに、相応しき♡ 精力♡ 逞しさ♡ っで、え♡ ……あっ♡ あああああぁぁぁんっ♡」

 ――ごりゅっ! ごりゅぐちゅっ! どちゅぐりゅどちゅぐりゅっ! どちゅどちゅどちゅっ! どちゅずちゅぐっちゅんっ!

「ホロホロホロ……おっ♡ おおおぉうっ♡ 相変わらずっ♡ ガンガンっ♡ あぁっ♡ 遠慮なくぅっ♡ 突きやがってぇっ♡ あぁでもっ♡ やっぱりぃっ♡ これ♡ これぇっ♡ ……んんああぁっ♡ 最……高おおおおぉぉぉうっ♡ またぁっ♡ 遠慮なくっ♡ どんなぬいぐるみよりもっ♡ 可愛い赤ちゃんっ♡ 作って♡ くれえぇっ♡」
「な、何よ♡ こんなに♡ うあっ♡ 盛って♡ 腰振って♡ アンタなんか♡ アンタなんかあぁんっ♡ 死ん、死ん、死ん――死んじゃうっ♡ 気持ちよ過ぎて♡ 死んじゃうからっ♡ もっと♡ 手加減してえええええぇぇぇんあっ♡」
「もうっ♡ シュガーったら♡ 大袈裟♡ なんだか、ら♡ あぁんっ♡ 私たちは、全員♡ 大事な♡ 大事な♡ 肉便器♡ 兼、子産み奴○♡ なんだからっ♡ 豊皇様が♡ 粗末に扱う訳♡ んっ♡ ないで、しょ♡ おおぉぉぉぉほおおおおぅっ♡」

 ――どちゅどちゅどちゅぐっちゅんっ! どちゅぐちゅっ! どちゅりゅむどちゅむっ! どぐちゅちゅっ! ごちゅごちゅごちゅごちゅごっちゅんっ! ごちゅむっ!

 わっっっっっっっっっっ!! と。
 『その光景』を見たベルメール、ナミ、ノジコの全身を叩くは、その視線の先で、“フレイとまったく同じ外見をした男たち”と淫靡に絡み合う、何人もの女の姿。

 大乱交――ひと言で言えばそれだ。

 大聖堂を思わせる程の広さと高さがある縦長の船室(キャビン)。長大な赤い絨毯を中央に敷いたその空間の両脇には、枕を置くほうが壁側になるようにいくつものベッドがずらりと並んでいて、それら全ての上で、ひと組の全裸の男女が淫らに絡み合っていた――盛り合っていた。

 深く、激しく。
 開かれたドアの向こうにいるベルメールたちの存在にも、すぐには気づかぬまま。

「なっ……! なっ……! なっ……!?」

 目に映る状況への理解が追いつかないとでも言うように、パクパクと口を開いては閉じてを繰り返すベルメール。彼女の陰に隠れるようにしてその細い脚にしがみついているナミとノジコもまた、当然のように絶句していた。

 というより、ここまで大きな喘ぎ声と、激し過ぎる交合によってベッドのスプリングがギシギシと悲鳴を上げる音――ドアの向こう側どころか、甲板に上がった時点で聞こえてきてもよさそうなものだが……。それが一切しなかったのは一体?

 いや、もっと言えば、先ほど、「父上」だとか「お父さん」だとか、決して聞き流してはいけない単語が響いてはいなかっただろうか? と、混乱した頭でやや現実逃避気味にそんなことを考えるベルメールではあったが、彼女の前でドアを開いた状態で待つドールはというと、実に平然とした様子で、

「ちょっと、何してるんだい? ベルメールさん――早く入っておくれよ。アタシらは別に構わないけど、ぐっすり寝ているに違いない村の連中を起こしたくはないだろう?」
「えっ……? あっ……。え、ええ……わかっ……たわ……」

 と、言葉の上ではそのように返したものの、やはり、その目に映る光景の凄まじさ及び淫らさと、相変わらずコアラのようにふたりの愛娘が自身の両脚にしがみついたままでいることもあって、思ったほど迅速に歩を進めることはできず――それでも、なんとかかんとかキャビン内への入室を果たしたベルメール、ナミ、ノジコの3人。

 まるで異国の地のど真ん中に何の前触れもなく放置されたかのようにキョロキョロと――真っ赤な顔で――周囲を見渡す彼女たちを見ながらパタンとドアを閉めたドールは、クスクスとした笑みを浮かべながら次のように言った。

「まあ、最初はその反応が普通だけど――何、すぐに慣れるさ。その子たちについては……まあ、今回の『歓迎会』が終わった後に、改めて答えを聞かせてくれればいいよ。あくまでも、今回の『対象』はベルメールさんだけだからね――ホラ、こっちこっち……」

 言いつつ、広大なキャビンの奥へと歩いて行きながら、ベルメールたちを手招きするドール。
 先の言葉通り、周囲の『これ』をごく当たり前の「日常」として受け入れているらしい彼女に慌てた様子はなく――精々が、自分も他の女たちと同じようにフレイと……というよりは、前述したように、何故かフレイと全く同じ外見をしている男たちと交わりたいのを堪えているかのように、頬を朱く染めている程度で。

 自らの足にしがみつくナミとノジコの存在に苦心しつつもズリズリと歩を進めながら、ベルメールは、前を往くドールの背中に向けて、

「ね、ねぇドール。この……周りで……周りにいる男の人たちは……その……」
「ん? あぁ……『分体』だよ」

 特に狼狽えることもなくスラリと応じるドールではあったが、当然、彼女らが住まう国の常識などつゆ知らぬベルメールからすれば、聞きなれない単語に対して戸惑うより他なくて、

「なんですって――?」
「だから、『分体』さ――フレイ様の。あの人は『悪魔の実』の能力で、意識と感覚を共有した『分体』を生成できるんだ。それに、生まれながらの底なしの精力と、同じく『能力』によって尽きることのない体力――これによってあの方は、すべての女……国民たちの『夫』として、『後宮豊国(アルフヘイム)』に君臨しているのさ。……『アマゾン・リリー』っていう旧名で言ったほうがわかりやすいかな? ああ当然、そこにも多数の『分体』を残してきてるよ――色んな事情で今回の遠征に同行できなかった国民(おんな)たちが寂しくないように、ね……♡」
「『夫』として、って……!」
「そのまんまの意味さ」

 ドールは肩をすくめた。

「言ったろ? 『後宮豊国(アルフヘイム)』の国民になるっていうことは、“そういうこと”でもあるからね、って――“そういうこと”っていうのは、つまりは“こういうこと”さ。……唯一の男の国民にして、偉大なる『豊穣の王』、イングナル・フレイ様の妻となり、その血を受け継いだ子を孕むこと――それが、『後宮豊国(アルフヘイム)』の国民になる上での“絶対条件”だからね、って」

 ベルメールは思わず生唾を飲み込んだ。やはり、「あの噂」は本当だったのか、と思った。

 『七武海』という制度の存在さえ知らぬ者も珍しくないこの辺りの海域では、そういった噂が流れてくるのはごく稀ではあったが――それでも、元海兵であることもあって、ベルメールの耳にも時折届くことはあった。

 『七武海』でも最強と名高い『豊穣の王』――『後宮豊国(アルフヘイム)』という国の現役の皇帝でもあるイングナル・フレイが、今回のように自分たちの海賊旗(マーク)を貸し出すことを条件にしたり、『七武海』としての権利を巧みに行使することで世界各地のあらゆる国、あらゆる分野、あらゆる業界の美女および美少女を妻として迎え入れ、国家レベルの酒池肉林(ハーレム)を形成しているという噂。今の自分のように実際にその目で見なければ、とても信じられはしなかったであろう法螺話を。

 しかし、室内に充満するムワリとした熱気と淫臭によって頭をクラクラさせつつも、周囲でフレイ(の分体たち)の『それ』に貫かれている女たち――細かな方向性の違いはあれど、全員が、同性のベルメールでも思わずハッとしてしまう程の美女、美少女ばかりだった――の表情を窺ってみれば、そこには一切、無理矢理望まぬことを強いられているというような悲壮な色は一切なくて。

 それどころか、これ以上に幸せなことはあるまい、と言わんばかりの喜悦の表情ばかりで――今一度、ベルメールはゴクリと生唾を飲み込んだ。一歩一歩足を進めるごとに、下腹部の奥にある子宮のキュンっ♡ キュンっ♡ とした疼きが強くなっていくような気がした。

 ナミとノジコのふたりも、顔を真っ赤にしつつも、目を閉じたり逸らしたりはせず、それどころか、しきりに周囲で行われている淫靡な宴にチラチラとした視線を向けずにはいられない様子で――その時だった。

 ベルメールたちを先導していたドールが、不意に足を止めた。いつの間にか、目当ての場所に辿り着いていたらしい。

 盛大な乱交パーティーが開催されている広大なキャビン。その一番奥にあたるその場所には、壁際に並べられたベッドよりも一段と大きく、一段と質が良さそうなベッドがあった。

 少なくとも20人ぐらいの大人が寝てもまだ余裕がありそうなそのベッドの上では、同じ空間で喘ぎ散らかしている女たちの中でもひと際美しい美姫が3名、それぞれにひとりずつ、同じく3人のフレイによって――どれが本体で、どれが分体なのか? そもそも眼前の3人の中にちゃんと本体がいるのかさえ、ベルメールにはわからなかったが――思い思いの体位で貫かれていて。

 そんな3人のフレイの内のひとり――数時間前に、自分たちと交渉していたフレイとドールを迎えに来た黒い長髪の美女を、ベルメールたちに向き合うように正常位で貫いていたフレイに対して、ドールは、

「フレイ様――お楽しみのところ悪いね。案の定と言うかなんと言うか、やっぱり、明日になるのを待たずにベルメールさんが来ちまったもんだからさ。何故か、子供たちも一緒に……。ちょっと予定よりも早いけど、『歓迎会』を始めちまわないかい?」

 しかし、行為に夢中になっているのかフレイは応えず、代わりに、そんな『彼ら』に貫かれている女たちのほうが、ベルメールたちの存在に先に気づいた。

 先述した黒い長髪の美女に加え、何故か一対の赤い角を頭から生やした、先端にいく程青くなるグラデーションの白い髪が目立つ、ひと際大きな体格の美女に、フワフワとした金髪と青い瞳、真っ赤なルージュが目を引く妖艶な美女の3人で――特徴を述べた順にハンコック、ヤマト、ステューシーという名前だと、ドールがこっそり教えてくれた――フレイのひとりに正常位で貫かれている最中の、やや虚ろなハンコックの瞳に自分たちの姿が映るのを、ベルメールは確かに見た。

 と同時に、仰向けで貫かれ、ブルンッ♡ ブルンッ♡ と豊かが過ぎる双乳を乱舞させているハンコックの瞳に、ほんのわずかに理性の光が灯った。そして、

「あっ♡ あっ♡ あっ♡ あっ♡ あああぁぁぁっ♡ ふ、フレイ♡ 様あああああぁぁっ♡ おっ♡ おぉうっ♡ お待ち♡ お待ちをっ♡ ほぉっ♡ 例の女が♡ あっ♡ 例の女が♡ ドールに案内されて♡ んいぃっ♡ やって来ておりますっ♡ のでっ♡ あぁっ♡ どうっ♡ どうかっ♡ 一旦♡ ご容赦を♡ おおおおおぉぉぉぉうあああああぁぁぁっ♡」

 しかし――ドールが言葉をかけたことから、恐らくは本体だと思われる――ハンコックを正常位で貫いているフレイは、その動きを止めなかった。チラリと視線をこちらに向けたことから、流石に自分たちの来訪には気づいているらしかったが、どうやら、今の彼には、その対応以上に切実な問題があるらしく――それを裏付けるかのように、フレイは、

「~~~~っ! スマン、ハンコック……! 他の皆も……! 今、ここで中断するのは、ちょっと……! 一気にラストスパートをかけるから……! このまま、最後まで……!」

 有言実行――ずばずばずばずぼぶっちゅんっ! どぐちゅちゅどぐりゅちゅっ! どちゅどちゅどちゅどちゅどっちゅんっ! どどずちゅっ! どぐりゅちゅどちゅちゅっ! ずどどどどぐちゅっ! どぐちゅりゅどっっっっっちゅんっ!!

 ……と、明らかに、それまで以上の肉突きを見舞わせるフレイ“たち”。

 ……そう、フレイ“たち”だ。現在、ベルメールたちの眼前でハンコックをハメ散らかし、獣のような嬌声を上げさせている、本体(と思われる)のフレイだけではない。

 全員だ。現在、ベルメールたちが佇んでいるキャビン内の各所で女を喘がせている何十人ものイングナル・フレイの分体が、本体の動きに呼応するかのように、それまでとは比べ物にならない程の激しさでもって各々が相手している女をガン突きし始めて――それに対する女たちの反応は顕著だった。

 ハンコックだけではない。その両隣で同じように激しいピストンを見舞わされ始めたステューシーとヤマト。そして、まだ名を聞いていない周囲の絶世の美女、美少女たちが、ハンコックに続く形でより激しい雌の声を響かせ始めて、

「ひああああああぁぁぁっ♡ そんな……フレイっ♡ フレイいいいぃぃぃんっ♡ いきなり♡ 激しっ♡ おっ♡ 過ぎてえええええええぇぇっ♡」
「あっ♡ あっ♡ あっ♡ ――んもうっ♡ お馬鹿、さん♡ 我慢できない♡ のね――んんあっ♡ ふふっ――おっ♡ いいわっ♡ 新しい家族たちにっ♡ ふうぅんっ♡ たっぷり♡ 見せつけちゃいましょっ♡ 私たち――『後宮豊国(アルフヘイム)』に住まう、国民♡ あなたの妻としての♡ 最低限のお手本を♡ おおおおおぉぉぉぉぉんっ♡」
「父上っ♡ 父上っ♡ 父上えええええぇぇっ♡」
「お父さんっ♡ お父さんっ♡ お父さあああああぁぁんっ♡」
「イクぅっ♡ もう絶対にイクぅっ♡ とっくに♡ 卵子もっ♡ 排卵済みでぇっ♡ んあぁっ♡ また♡ 可愛い赤ちゃんっ♡ 出来ちまうぅぅっ♡」
「出してぇっ♡ 『ユキユキ』の力で♡ 程よくひんやりとした私のオマンコ♡ 子宮にぃっ♡ 妹と♡ 一緒にぃっ♡ グツグツに煮込まれた♡ 子種っ♡ あっ♡ ザーメンを♡ おおおおぉぉぉうっ♡」
「たっぷりぃっ♡ ぶちまけてぇっ♡ お姉ちゃんと同時に♡ 妊娠♡ させて――え♡ えええええぇぇぇぇぇんあっ♡」
「…………っ!」

 これ以上はないという程に、更に顔を真っ赤にさせたベルメールは、思わず内股になり――直後に、大いに驚いた。

 内股のつけ根辺りに感じる、この湿った感触……! いや、これだけ淫らな性臭立ち込める現場に放り込まれた以上、当然と言えば当然――いつの間にか溢れに溢れた愛液が、パクパクと物欲しそうに開閉している陰裂から滴り落ちている!?

 まるで、最高のご馳走を前に涎を垂らす子供のように――! しかもベルメールは、それを何とか止めようという気にさえなれなかった。まるで何かに取り憑かれたかのように、周囲の肉を打つ激しい水音を聞きながら、眼前のハンコック、ヤマト、ステューシーの3人の痴態を注視するのに精一杯で――両脚にしがみついたままのナミとノジコもそうに違いないということが、目を向けずともわかった。そして――

「…………っ! みん……な……! 出るぞ! もうすぐ出るぞっ! とびっきりのが……沢山っ! 滅茶苦茶に出るぞっ!」

 今や、種付けプレスと言われる体勢でハンコックを組み敷いているフレイが、共有しているらしい分体たちの心情を代弁するかのようにそのように叫んで――錯覚ではない、ベルメールは、確かに見たのだ。

 女たち全員の下腹部にある、ドールのそれと同じハート形の紋様。それが妖しく赤紫色の光を発したかと思うと、各々(おのおの)の双眸に、それとそっくりなハートマークが浮かび上がって――ギュウウウウウウゥゥっ♡ と。

 本来は聞こえる筈のない、迎え入れた肉棒を膣壁がキツく締め上げる音。

 それを、ベルメールはハッキリと聞いて、そんな彼女の股から、ひと際大量の愛液が溢れて落ちて、その足元にホカホカとした湯気を立てる液溜まりを形成し――直後だった。相変わらずフレイ“たち”からのガン突きを受けている女たちの喉奥から、まったく同じ嬌声が迸ったのは、

「「「「「「「「出して出して♡ 私たちの子宮(なか)に♡ たっぷり出してええええええええええぇぇぇぇぇっ♡」」」」」」」」

 ――瞬間。





 ――どっっっっびゅううううううううううぅぅぅぅぅっ! どびゅびゅびゅびゅどびゅびゅっ! どびゅどびゅどびゅっ! どびゅるるるるるるるっ! どびゅるりっ! どぷぷぷどっぷんっ! どぶりゅるるっ! どぎゅるううううううぅぅぅっ!





「「「「「「「「ああああああああああああぁぁぁぁんっ♡ 出ったあああああああああああぁぁぁぁぁんっ♡」」」」」」」」

 これもまた、本来はベルメールたちには聞こえない筈の、埒外の射精音。

 鈴口から飛び出し、たちまちの内に子宮を満たしているに違いないそれらの奔流の音が、相変わらず愛液を垂れ流しっ放しのベルメールの鼓膜を確かに震わせていて。

 事実、眼前のハンコック、ヤマト、ステューシーの腹はたちまちの内に妊婦さながらのそれにまで膨れ上がり――薄々そうだろうとは思っていたが、やはり分体でも射精は可能らしい――それでも尚収まり切らなかった精液の一部が、極太のフレイのデカマラと、それを今なおギュウギュウと締め付け続ける彼女らの膣肉との間で生まれた強烈な圧力によって弾け飛び、そのいくつかがベルメールの顔に付着。

 途端に「あっ♡」と自分でも気づかぬ内に立派な雌を声を上げた彼女は、そのまま膝から崩れ落ちて――反射的に手を離したらしいナミとノジコのふたりが、「「べ、ベルメールさん……!?」」と心配そうな声を上げた。

 にも関わらずベルメールは、それに応えることができなかった――というより、それどころではなかった。

 今なおドクドクドクっ♡ と子種汁を注ぎ続けているかの超雄――イングナル・フレイ。

 ハンコックと深いキスを交わしながらその豊満な体に覆い被さり、時折ビクビクと震える『豊穣の王』の「雄姿」を視界に納め、記憶に留める作業に集中していた為だ。

 数時間前、間一髪のところでアーロンの魔の手から命を救われたその時から胸中に芽生えていた恋心は、今や支えきれないほどの恋情の果実を実らせ、そして――実に3分近い射精を行ったフレイ“たち”の剛棒が、殆ど同時に女たちの陰裂からジュッポンっ♡ という淫らな音と共に引き抜かれた。

 途端に、「栓」を抜かれたことでボビュアアアァっ♡ と飛び出す白濁の子種汁。再びその内のいくつかがベルメールの顔を含めた体のあちこちを白く斑に染めて――最早、恥も外聞もなかった。

 両脇で娘たちが心配そうに自身を見ているという状況にも関わらず、頬を真っ赤に上気させたベルメールは、目にハートマークを浮かばせつつ、パンツの内側に差し込んだ右手でもって、自身の陰裂をグチュグチュグチュっ♡ と慰めていて――しかし、全然足りなかった。

 もっと、もっと別の「モノ」が欲しい。もっと、太くて逞しい「モノ」を。

 具体的には――たった今、ハンコックの陰裂から引き抜かれ、ベルメールの視界にその姿の全てを晒したイングナル・フレイの、「雌殺し」とも言うべき見事過ぎる一品を――!

(デッカぁ……♡ デカ過ぎぃ♡ でしょおっ……♡)

 薄々、察していたことではあるが――“本当にデカい”。

 ベルメールは、3度目となる生唾の嚥下を行った。宿主のへそに届く程の長さおよび反り具合に、子供の拳ほどはありそうな亀頭。その鈴口からはいまだにトプトプ♡ と白濁の子種汁が溢れていて――これによって、途方もない精臭が周囲にまき散らされ、ベルメールの子宮が今一度キュウゥンッ♡ と激しく疼いた。恐らくは星の数ほどの女を喰らってきたことで赤黒く淫水焼けした竿に、同じ色の玉袋に包まれた、タマゴ大のずっしりとしたふたつの陰嚢――それらで構成される男性器は、正しく数多(あまた)の雌を従え、孕ませ、産ませるに相応しいソレで。

 だからこそ――ベルメールは。

「はぁっ……ふぅっ……。すまん……待たせたな、ベルメール……。ドール……」

 と、言いながら「「「あっ……♡ あっ……♡ あぁっ……♡」」」と、完全にイキ潰れたらしいハンコックたちを残してベッドから降り、こちらの正面まで移動してきた全裸のフレイの「ソレ」を――自身の顔からほんの数十センチと離れていない場所にある「ソレ」を、

「既になんとなく察してるけど、それでも一応、君自身の口から、昼間の返事を――おぉっ!?」

 ――パクリっ♡ と。
 なんの事前予告もなく。
 一切の迷いもなく。
 自らの口に――含んだ。

 「返事」など。

 そんなものを聞かせる必要は――皆無だった。己の行動によって、ベルメールはそれを示した。
 すなわち、

「んっ♡ んっ♡ んっ♡ んっ♡ うううううううぅぅぅんっ♡ うむっ♡」

 一切の躊躇いなく開始された、デカマラを咥えたベルメールの頭部による前後運動。

 後頭部に垂らしたひと房の赤い髪が、まるで馬の尻尾のように左右へと振られる程のそれが唐突に開始され――思わず、短い呻き声を発するフレイに、突然過ぎる母親の行いに瞠目するナミとノジコ。

 そして、そんなかつての「先輩」の姿を、「それでいい」とばかりに満足そうに見つめるドール。

 ナミとノジコは一旦保留としても――ふたりの「母親」になると誓った時に捨てたと思っていた自身の「雌(おんな)」の部分。それが今や、完全に花開いていて。

 そんな彼女、ベルメールが、『後宮豊国(アルフヘイム)』の正式な国民――すなわち、フレイの新たな孕み妻となる為の、あまりにも淫らが過ぎる『歓迎会』は、こうして幕を開けるのだった。

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【お試し無料版】『ココヤシ村の母娘(エロなし)』

 世は『大海賊時代』。

 『海賊王』と呼ばれる伝説の男、『ゴールド・ロジャー』が死に際に言い放った次の言葉は、多くの者たちを青い海へと駆り立てた。

 ――おれの財宝か? 欲しけりゃくれてやるぜ……。
 ――探してみろ……! この世のすべてをそこに置いてきた……!

 以前から存在した海賊と、それを取り締まる側である『海軍』、および政府役人たちの対立はより激しいものとなり――それから14年後。

 海軍と政府のどちらも相応の手段、政策を取ってはきたが、先の『海賊王』のひと言によって焚きつけられた無法者たちの進出を完全に抑えることは叶わず――だから。

 だから――“こんなこと”は別に珍しくはないのだと、「彼女」はそう思った。

 名は『ベルメール』。薄紅色の髪を額で左右に分け、その中心から馬の尻尾のように後頭部へ垂らしたひと房以外の頭髪は、殆ど坊主と言ってもいい程に刈り上げた独特のヘアースタイルと、口に咥えた1本の煙草。そして――抜群のスタイルが特徴的な美女。

 『東の海(イーストブルー)』と呼ばれる海にある『コノミ諸島』。そこに存在する『ココヤシ村』で暮らす30歳になったばかりのそんな彼女の額には、現在、眼前で凶悪な笑みを浮かべた大柄な男が構えるマスケット銃の銃口が突きつけられていて。

 にも関わらず、大量の血を流し、妙な方向に折れ曲がった左腕をもう片方の腕で押さえながら立つ彼女は、抵抗も――逃げる素振りも、一切見せなかった。そうすれば、自分が愛するふたりの娘の命が保証されると知っていたからだ。

 ――この子たちに、手は出さないのよね……!?
 ――勿論だ。テメェが大人しく死ねばな。

 ……そう。
 今の時代では、本当に珍しくないのだ。
 何の変哲もない平穏な日常が、突如やって来た海賊たちによって粉々にされてしまう、ということは。
 そして今回は、その災禍が自分たちの身に降りかかった、というだけのこと。

 『魚人』という、文字通り人と魚、両方の特徴を併せ持つ人種のみで構成された海賊団――『アーロン一味』。

 その船長であるノコギリザメの魚人、群青色の肌と、ギザギザに尖った長い鼻が異様さを際立たせている250センチ近い巨躯を誇る男――『アーロン』が、多数の部下と共にベルメールの家を訪ねたのが数分前。

 元『海軍』所属の兵士で、多少腕に覚えがあるベルメールはこれを制圧しようとしたが、『偉大なる航路(グランドライン)』と呼ばれる過酷な海域で名を馳せたアーロンが相手となると、彼女の実力ではあまりにも心許なく――アッサリと返り討ちに遭い、左腕を損傷。肉が裂け、そこから大量の血が滴る程にまで踏み潰され――当然のようにその内側にある骨も折れ、砕けることとなり。

 ――大人1“匹”10万ベリー、ガキ1“匹”5万ベリー。今回は奇襲につき、払えねぇ奴“のみ”殺すことにする……!

 ……それが、奴らの要求だった――が、悲しいかな。
 10年近く前にとある戦場で拾ったふたりの娘、今年で12歳の『ノジコ』と、10歳の『ナミ』のふたり。

 彼女らの為に海兵を辞め、故郷であるこの村でミカン畑を経営することにしたベルメールの懐は、決して温かいとは言えず――へそくりを足しても10万と少し。先のアーロンの言葉に照らし合わせれば20万となる徴収額には、届かない。

 それすなわち――「払えねぇ奴“のみ”殺すことにする」――ベルメールか、ノジコとナミのふたり。そのどちらかが命を失うことを意味していて。

 しかし、不幸中の幸いと言うべきか。

 先述したように、娘たちはどちらも拾い子。つまり、娘たちが姿を見せず、尚且つこちらがその存在を黙ってさえいれば、結婚や出産の記録が記された村の名簿を参考に徴収額を決めているらしいアーロンたちに、誰も命を奪われずに済む――のだが、しかし。

 ――その10万ベリーは……娘たちの分。
 ――私の分は……足りないわ。

 ベルメールにはそれが、“できなかった”。
 家族がいないなんて、“言えなかった”。
 これまで豊かな暮らしをさせてあげられなかった分、口先だけでも親になりたい――そう、思ってしまったから。

 馬鹿なことをしている、という自覚はあった。隠れていたらしい娘たちは飛び出し、自分に泣きながら抱き着いてきた。そんな彼女らに対し、痛む左腕を無理矢理動かした上で抱き締めたベルメールは、ほんの数秒でそれをほどくと、「……こいつらが、テメェの娘だな?」と冷徹な表情で確認するアーロンの前ですっくと立ち上がり――そして、現在。

「誰か……誰か、助けてえぇっ!!」
「貴様ぁ――があぁっ!?」
「っ! ゲンさんっ……!」
「クソ……! ベルメールを助けろっ!」
「武器を持て! 奴らを追い出すんだっ!!」
「……ったく、下等な猿どもが……。お前ら、程々に痛みつけてやれ――ただし、殺すなよ? 大事な収入源だ……」

 大声で助けを乞う愛娘(ナミ)。隠し持っていた銃を乱射するものの、アーロンの配下のひとりによって簡単に切り捨てられる、「ゲン」と呼ばれた、自分にとっては兄代わりのような男性――『ゲンゾウ』。自分の為に救援に駆け付けた村人たち。彼らの対処の為に面倒そうに部下たちに指示を出すアーロンと、結果、なす術もなく制圧されていく人々……。

 自分がふたりの娘の存在を黙っていれば、こうはならなかった。わかっている。悪いのは自分だ。それでもやはり、ベルメールはふたりの「母親」でいたくて――故に。
 この程度のことで――眉間に風穴を空けられるぐらいで「親」であることを証明できるなら……安いものでしょう? と。
 そう思ってしまったから――だから。

「テメェが最初の見せしめだ……。クソしょうもねぇ、その『愛』とやらの為に――サッサと死ね」
「……ノジコ! ナミ!」

 文字通りの意味で眼前に突きつけられた、絶対的で無慈悲なまでの『死』。
 でありながら、ベルメールの心には一抹の不安も恐怖もなく、不思議と穏やかで。
 視線はあくまでも、こちらの額に銃口を突きつけるアーロンの顔へと向けながら。
 あとほんの数秒もない人生最期の時の中で、彼女はただ一言。





「……大好き♡」





 直後――ドォンっ!! と。
 一切の躊躇いなく撃ち放たれた凶弾。それは狙い違わずベルメールの眉間を撃ち抜き、これによって、後頭部より鮮血をまき散らしながら、彼女の体は、糸が切れた人形のように力なく仰向けに倒れる――“ことはなかった”。

 ベルメールは目を見開いた。いつの間にか自分とアーロンの間に立っていたひとりの青年――銀髪紅眼の美丈夫が、銃を構えていたアーロンの右腕を捻り上げていた。結果、撃ち放たれた弾丸は自分の眉間ではなく、上空の空気を裂くだけで終わった。

 息を飲む程に美しい青年だった。黒で統一したTシャツとジーンズというシンプルな服装に包まれた肉体は細身だが引き締まっており、その筋肉を纏う肌は、女である自分が嫉妬する程に磨いた真珠よろしく白く透き通っていて――首から上の造形も見事のひと言だった。

 いや、逆だ――言葉も出なかった。目鼻立ちが整っているというのは勿論のこと、目で見るだけでサラサラとした手触りが容易に想像できる、肩口まで伸ばした銀髪に、額にも垂らしたそれの間から覗く双眸は寒気を覚える程に深い真紅で、ベルメールは思わず、自分のような貧乏人には決して手が届かないルビーの宝石を連想した。

 もっと言ってしまえば、この青年の存在自体が、ひとつの宝石のようで――いや、それ以上だ、とベルメールは思った。青年が立っている所を中心に見えない神聖な何かが周囲に広がり、不安と恐怖によって支配されかけていた状況を浄化しているようだった。

 そしてベルメールは、そんな青年から目を離せなかった――息をするのさえ忘れかける程だった。心臓の音がうるさく、身体を流れる熱い血潮が実感できた。頭頂部から足のつま先にまでビリビリと走る「何か」。これは――この感覚は一体? と。

 そう思うと同時に、青年が動いた。

 アーロンの銃を持った腕を捻り上げたまま、もう片方の手の平を、先ほど踏み潰されたばかりのベルメールの左腕に向けたかと思うと、そこから煌びやかな黄金のオーラのようなものが飛び出し、それが先述した損傷部を覆ったのだ。

 それにベルメールが驚くのも束の間、なんと、怪我が治っていた――皮膚に付着した土や血液などの汚れはそのままだが、裂けていた肉や折れていた骨も元に戻り、つい先ほどまで全身に迸っていた激痛も、今となってはまったく感じない。

 これは一体……? ベルメールは信じられない気持ちだった。自身にしがみついていたナミとノジコもポカンとしていた。

「遅れてすまん。……すぐに終わらせるから、少し待っててくれ」

 青年が言った。その涼やかな言葉を鼓膜で受けると同時に、ベルメールは、自身の顔がカァッ、と赤くなるのを確かに感じた。

 一方、アーロンのほうはと言うと――きっと凄まじい力が込められているのだろう。「ぐあぁっ!?」と彼の喉奥から苦悶の声が迸り、周囲で村人たちを制圧していた彼の部下たちが「なんだ!?」「アーロンさん!?」と驚愕の声を上げたが――それも、ほんの束の間。

 突如彼らは、何の前触れもなく顔を青くし、泡を吹きながらその場で倒れた。でありながら、自分が愛する娘たちを含め、村人たちの中で同じような状態になっている者はひとりとしていなくて――これは一体? 当然のように混乱するベルメール。一体、この青年は何者なのか? と。

 しかしながら、その疑問を口に出すことはなかった。その必要がなくなったからだ。自分よりもずっと強く同じことを思ったに違いないアーロンが、同じことを言ってくれた。すなわち、

「こ……の……! 誰だ……テメェはぁ……!?」

 恐らくは激痛と怒りによって血走ったアーロンがそのように問えば――いまだ彼の腕を捻り上げたままの青年は、次のように答えた。先ほどと同様、涼やかな印象を覚える声色だった。

「王下『七武海』――イングナル・フレイ」
「「……っ!?」」

 アーロンとベルメールの両方が同時に目を見開いた。『七武海』という単語には、それだけのインパクトがあった。何故? 何故“こんな所”に『七武海』が――? と。

 そんなベルメールの混乱にも構わずに、彼――イングナル・フレイは、続けて、

「……『ノコギリのアーロン』……」

 気のせいか――肩の辺りから、バリバリと赤黒い稲光のようなものを迸らせながら、

「『シャーリー』と『ジンベエ』――愛する妻と、友人の頼みにより……お前の『野望』を、ここで食い止めさせて貰う」

 凶悪な魚人を前にしても一切の恐れを感じさせない、凛とした声音で呟かれた言葉を、アーロンと同じぐらい近くで聞いていたベルメールは――ブルルッ……♡ と。

 ナミとノジコを育てるに当たって、既にその本懐を遂げさせることを諦めていた、女にとっての最重要器官――下腹部の奥にある子宮が。
 眼前の雄との出会いに歓喜するかのように震えたのを、その身で確かに感じていて。
 そして――。


  ◆          ◆


 結論から言うと、ベルメールを射殺しようとしたアーロンを筆頭とした『アーロン一味』は、全員がなす術もなく打倒された。

 イングナル・フレイという、ただひとりの青年によって。

 特に、際立って描写するべきことがない程に一方的且つ、あっという間に。

 当時20代の半ばだったと思われる彼が『七武海』――海賊でありながら、その『強さ』と『知名度』故に、ある程度の略奪行為を許可された『政府公認』の海賊たち――として、『世界政府』に登用されてから9年余り。

 その点を考慮すれば『青年』という表現は正確性に欠けるかもしれないが、見た目の若々しさは完全にそれで――現在。

 遅れてやってきた海軍に、魚人たちの身柄と、彼らが乗ってきた船に積んであった財宝類の一部を渡した上で、その移送を見届けてから更に数十分後。

 ベルメールは、自身の家の居間で、机を挟んで座って件の『七武海』の美丈夫――フレイと対面していた。

 1対1ではなく、他の人間もいて――まず、先の出来事でベルメールが死なずに済んだことによるある種の反動か、まるでコアラのように自身の体を抱き締めて離さないまま、何やら赤い顔でフレイの顔をチラチラと見やっているナミとノジコのふたりと、隣の席に座って対面にいる「ふたり」を見つめるゲンゾウ(前を開いた上着から覗く、包帯が巻かれた上半身が痛々しかった)。

 そして、フレイの隣にも、彼がアーロンの腕を捻り上げた際にはその姿が見えなかった人間がひとり。

 非常にフレイとの距離感が近く、殆ど肩が触れ合う程の距離に椅子を寄せて座っており、その目には、これほど光栄な役目はあるまい、と信じて疑っていないとわかる程のフレイに対する崇拝、親愛の念が見受けられて――非常に肉感的で魅力的な肢体を持つ女性だった。自分もそれなりにスタイルはいい方だという自負はあるが、「この子」には劣るかもしれない、とベルベールがわずかな敗北感を覚えてしまう程の。

 「この子」――そう、何の偶然か、フレイの隣に座っている彼女は、ベルメールの知り合いだった。波打った黒のショートヘア―に、勝ち気な瞳。赤いルージュで彩られた、艶っぽくも厚ぼったい唇と、両の上腕に彫られた薄紫色の花柄の刺青が嫌でも目を引いて――ファッションのほうは、トゲつきのチョーカーと、先述した魅惑のボディの曲線を際立たせている、適正よりもやや小さめの黒いTシャツおよび同色のズボンとブーツというもの。

 小さめなTシャツであるが故に、その下から下腹部が露出していて――そこに、嫌でも淫靡な印象を抱かずにはいられない、ハートマークを基調とした赤紫色の紋様があった。まるで、フレイの女であることを証明しているかのようだった(というよりは、まあ、事実そうなのだろう、とベルメールは確信していた)。

 そして何よりも、現在は彼女が座っている椅子の背もたれにかけられている白いコート――対面に座っているベルメールからでは視認できないが、その背中部分に『正義』の2文字が刺繍されていることを、先立って彼女は確認していた――が特徴的な美女は、短い期間ではあったが、ベルメールがまだ海兵だった頃に面倒を見ていた後輩で、名は――

「――『ドール』。……まさかまた、アンタに会えるとはね……」
「とっくに海兵を辞めた上で、この辺りに帰郷してるっていうのは風の噂で聞いてたからね。万が一があったらどうしようと思って、今回の遠征に同行した訳だけど……。まあとにかく、間に合ってよかったよ……ベルメールさん」

 彼女――ドールはそう言うと、

「他の仲間――私と同じように、フレイ『様』に身も心も捧げた女たちが、ザっと諸島周辺の『声』を確認したけど、さっきの魚人たちの残党はなし。住民たちが巻き上げられたお金も既に返却済みで、連中の船に積んであった財宝類も、『ハンコック』様と『ステューシー』様主導の下、目下荷下ろし中……。だからまあ、とりあえずは心配しなくていいよ。脅威は去った。……何もかも、“この人”のお陰でね♡」

 言葉と同時に、フレイの右腕を両腕で抱き、その豊かにも程がある巨乳の間にムニュウっ♡ と挟み込んだ上で、彼の右頬に唇をつけるドール。

 その表情には、説明されずとも、全面的な同意の下で既にフレイに心身を捧げていると確信できる程の、発情した「雌」の顔が浮かんでいて――途端に疑いようもない程の激しい嫉妬の炎が、ベルメールの胸中で燃え上がった。

 当然堪えはしたが、すぐ目の前のテーブルの上に置かれた飲みかけのコーヒーのマグを、かつての後輩に投げつけたい衝動に駆られた――と同時に、またもや下腹部の奥にある子宮が強烈なコンガを踊り始めた。

 それはさながら負けるな、お前もサッサと続け、と情けない宿主を鼓舞しているようにも感じられて――仕方なくベルメールは、そのマグの中のコーヒーに映った自分の顔を見つめることで妥協した。

 ……が、敗北感に塗れた「行き遅れ」の女の顔が見つめ返していただけで、むしろ逆効果だった。いや、30歳になったばかりであることを考慮すれば、流石に「行き遅れ」というのは早計が過ぎるかもしれないが、しかし……。

 一方でベルメールは、非常に驚いてもいた。何となれば、自分が知る限りドールという女海兵は、決して今の彼女のように、男に対して甘々に媚びるような性格の持ち主ではなかったからだ。

 それとは真逆の、非常に男勝りな性格で――もっともそれについては、自分も人のことは言えないのだが、とベルメールは自認した。とはいえ、男の比率が大多数を占める海軍において女の身でやっていくにはそうでなければならない、というのが彼女の認識であった為、特に直さなければと思ったこともないのだが。

 しかし、その男勝りの権化とも言える後輩も、今や自分の眼前で銀髪紅眼の男の片腕に自分のそれを絡ませ、豊かな胸にかき抱き、トロトロに甘えた表情でその白い頬に唇を押しつけていて――羨ましい。最早隠しようもなくそう思ったベルメールは下唇を噛んだ。

 自分も……! 自分だって――と、そう思ったところで、

「おれというよりは――シャーリーとジンベエのお陰だけどな」

 口内に舌を捻じ込もうと更に顔を寄せてきたドールをやんわりと押し留めながら、フレイが言った。その涼やかな印象を持つ声を聞いた途端、ベルメールの心臓がまたもやバクンッ! と跳ねた。

「さっきのアーロンっていう魚人……。アイツがここに来るきっかけを作ったジンベエっていう、おれと同じ『七武海』の魚人と、アーロンの妹で――半分だけだけど――おれの妻のひとりでもあるシャーリー……。そのふたりから頼まれてな……。あいつ――アーロンは、人間に対する憎しみが強過ぎて暴走する可能性があるから、もしそうなってたら場合によっては頼む、って。……案の定、ジンベエが主に活動している『偉大なる航路(グランドライン)』は避けて、ここで活動しようとしてたアイツの動きを、おれの女たちが補足したのが数週間前。……ドールも言ってたけど、本当に間に合ってよかった。仲間たちの制止の声を振り切って、ひとりで突貫した甲斐があったよ。……あまりにも悲痛な叫びの『声』が聞こえたんでな」

 相変わらずベルメールにしがみつきながら、赤い顔でチラチラと視線を送っているナミとノジコをチラリと見やりつつ、フレイが言った。

 それに対して、やはり相変わらず彼の右腕を巨乳の間に挟み込みながら、ハアハアと湿った吐息を漏らしていたドールは、その一方で困ったように眉根を寄せつつも「本当に、肝を冷やしたよ」と言って、更に、

「勿論、一度は脱落して監獄に放り込まれた負け犬――負け魚を相手に、フレイ様が遅れを取ることなんて万が一にもあり得ないと確信してはいたけど、もう少し慎重に行動してくれないと……。アンタの代わりなんて、この世にはいないんだからさ……♡」
「ドール、お前の代わりもこの世にはいない」

 間髪入れずにフレイが言った。

「お前だけじゃない――シャーリーも、ハンコックも、それ以外の女たちも……。少なくともおれにとっては、誰ひとりとして代えの利かない、大事な仲間……妻たちだ。だから……まあ、そんなお前たちの為にも、そう簡単にくたばったりはしないよ。安心してくれ」
「~~~~っ♡ まったく、アンタって男は……♡」

 言って、感極まったような表情を浮かべた後で、再びその肉厚な唇をかの美丈夫の頬に押しつけるドール。

 真面目な話し合いの場の筈なのに、その女顔負けのきめ細やかな白い肌にふたつ目のキスマークをつけることもお構いなしで――それを見たベルメールの内臓が、またもや嫉妬によって捻じれ、短時間で2度目となる「大人の世界」を見せつけられたナミとノジコが、「わぁっ……!」と、感嘆とも羨望ともつかぬ音を口から漏らした。

 残ったゲンゾウはと言うと、被っていた帽子のツバの位置を整えながら軽く咳払いをすることで一旦全員の注目を集めると、次のように語り始めた。

「『豊拳』イングナル・フレイ……殿。私は、この子たちの保護者のような存在で『ゲンゾウ』という者だが――まずは、村の者たちを代表して礼を言わせて貰う。あなたが来てくれなかったら、間違いなくベルメールは殺されていた。それを防いでくれたことには、本当に感謝してもしきれない」

 言って、ゲンゾウは小さく頭を下げると――続けて、

「……が、その上で、ハッキリと聞いておかなければならない。そうして恩を売った我々に、一体何を望む?」
「……随分、含みがある言い方じゃないか」

 不快感を示すように眉をひそめながら、ドールが言った。「今、アンタが言ったように、この人が来てくれなかったら、ベルメールさんはドタマをぶち抜かれて死んでたんだ――その事実を、もう少し考慮してくれてもいいんじゃないのかい?」と。

 それを受けたゲンゾウは、「……スマン」と素直に謝罪の言葉を述べると、

「……だが、それでもやはり聞いておかねばならない。九死に一生を得たとはいえ……いや、だからこそ、今の村人たちの胸中には、安心以上に、不安な気持ちが渦巻いている。……さっきの魚人たちは、命を取らない代わりに定期的な徴収を要求……命令していた。そして――政府公認とはいえ――そこから我々を救った貴方たちもまた、『海賊』には違いない」

 そう話すゲンゾウの口調がわずかに震えていることに、ベルメールは今になって気づいた。アーロンを一蹴する程の実力者を前に、彼が彼なりに勇気を振り絞って言葉を紡いでいるらしいことが、ベルメールにはわかった。

 にも関わらず、自分の胸の内に(そして恐らくは、ナミとノジコも)そういった恐怖の感情が一切湧いてこないのは――どころか、それとは真逆とも言える感情、もとい恋情が湧き上がってくるのは、ひとえに自分たちが「女」であるが故か。

「だからこそ……聞いておかねばならない。一体、我々に何を望む? 先に断っておくが、この諸島に存在する集落は、どこも裕福とは――」
「いえ、特に何も要求するつもりはありません」

 フレイが即答した。瞠目するゲンゾウに対して、彼は続けて、

「今、荷下ろしを指揮しているハンコックとステューシーは最後まで渋ってましたけど――アーロン一味に『けじめ』をつけるにあたって、最初からあなたたちに見返りを求めないのは、初めから決めていました」
「それは……ありがたい、が……。何故……」
「ある意味、身内の問題なんですよ。だから、むしろ巻き込まれた側であるあなた方に何かを要求するのはどうなのか? という話で、つまり……」

 どことなく気まずそうな面持ちを浮かべつつ、指先で頬をポリポリとかきながら、フレイが言った。

「さっきも言いましたけど、あのアーロンって魚人……。おれの妻のひとりの妹なんです。シャーリーって言う名前の人魚で、今は18人目になる――“アイツとの間では”、ですが――おれの子を身籠っている最中だから、今回は同行できなかったんですが……。そいつからも頼まれました。最近『七武海』に加入した『ジンベエ』と袂(たもと)を分かった兄を止めて欲しい、と。必ず、どこか遠い所で人間を支配し始めるから、とも」

 「18人目になる」、「おれの子を」――という、あまりにもぶっ飛んだ内容の言葉を受けたことで目を見開くベルメール、ナミ、ノジコ、ゲンゾウの4人ではあったが、そんな彼、彼女らには構わず、フレイは続けて、

「それを受けて自分は、シャーリーの『予知』と、妻たち……国民の人魚族を中心とした情報網を駆使することで、アーロンたちの動きをいち早く察知し――まあ、その甲斐もあったって訳です。……ただ、左腕はすまなかったな。もう少し早く駆けつけていれば――まだ、痛むか?」

 台詞の途中からベルメールの顔に視線を移しながら、フレイがそのように言った。それに対して彼女は、

「あ……いや、大丈夫」

 と、返した。気のせいか、いつもよりもずっと声を出すのが難しかった。

「アンタが出した、あの黄金のオーラみたいなヤツのお陰で、すっかり元通りさ――『悪魔の実』の能力(ちから)、なのよね?」

 『悪魔の実』――「4つの海」という名称で分類されるこの辺りの海域では極めて珍しく、おとぎ話の類とさえ言われる埒外の果実。食した者に固有の『異能』を授けるのと引き換えに、生涯カナヅチであることを宿命づけさせると言われている常識外の代物。

 それを食した『能力者』なのではないかと、ベルメールはフレイに尋ねていて――それを受けたフレイは、特に誤魔化すこともなく「ああ」と首肯すると、

「『ヒトヒトの実』幻獣種、モデル『ユングヴィ』――って、まあ、名前を聞いてもピンとこないよな? とりあえずは、『生命力』を自在に操る能力と思ってくれて問題ない。それの応用で、さっきみたいに外傷を治すこともできる。……ウイルス性の病気とかになるとちょっと厳しいし、勿論、死んだ人間を甦らせたりは流石に無理だが――」
「――それはそれとして」

 横道にそれかけた話の軌道を修正するかのように、ドールが言葉を割り込ませた。力強い口調ではあったが、いまだフレイの右腕をかき抱き、それを自らの豊かな双乳に挟み込んだままだったので、威圧感のようなものは殆ど感じられなかった。

「とにかく、今回の件に関して、この村に何かを要求することはないよ。……今回の件に関しては、ね」

 思わずベルメールは眉をひそめた。明らかに何か含みがある言い方だった。同じ印象を抱いたに違いないゲンゾウは、帽子のツバの奥で光る鋭い眼差しを改めてドールに向けると、「……何が言いたい?」と静かな口調で尋ねた。

 そして、それを受けたドールはというと、質問したゲンゾウではなく、何故かこちらのほうに視線を向けてきて――戸惑うベルメールに対して、彼女のかつての後輩は次のように言った。

「単刀直入に言うよ、ベルメールさん。……アンタ、あたしと同じように、フレイ様に嫁ぐ気はないかい? そうすりゃ、この人が船長を務める『九蛇海賊団』のマークによって、もう2度と、あんな馬鹿な連中がこの村――いや、この諸島一帯の集落に、ちょっかいをかけてこないようにすることができるんだけど?」
「えっ……!?」

 ベルメールは瞠目した。こんなに「都合がいいこと」があるのか? と思った。
 いや、それよりも――

「嫁ぐ……って……。それにドール、あたしと同じように、ってことは……」
「ああ、そうさ――当然のように、アタシもこの人の妻のひとりだよ」

 言って、ドールは再びフレイの頬にチュッ♡ と唇をつけると、

「元上司が、とある事情で政府に反旗を翻したことを受けて色々と腐ってた私に♡ この人が、海兵として海の平和を守る以上の生きがいを与えてくれたのさ♡ もう出会って8年ぐらいにはなるかな……♡ つい数時間前にも、子宮(はら)がタプタプになるまでタップリ注いで貰った上に、子供ももう10人以上いる……♡ この際だからハッキリと断言しちまうけど、この人の子を産めない女ってのは、その人生の大半……いや、すべてを無駄にしてると言っても過言じゃないね♡ 実際♡」
「じゅ、10人って……!?」

 その幼さ故に、たった今放たれた言葉の意味がすぐには理解できなかったらしいナミとノジコはキョトンとした表情を浮かべていたが、ベルメールは瞠目した。

 隣のゲンゾウなどは「何を馬鹿な」と吐き捨てていたが、何故かベルメールには、ドールが言っていることが真実であると確信できた。やはり、フレイ――『豊穣の王』に関する「あの噂」は真実なのかと、そう思った。

 無論、それだけの子を孕み、産み落としつつも、いまだ眼前にあるような見事過ぎるスタイルをドールが維持できていることにも驚きだが――それ以上に、やはり、嫉妬の感情のほうが強かった。

 ズルい、後輩の癖に――ドールばかりズルい、と。子供染みた思いを湧き上がらせるベルメールは、更に、

 私だって。
 私だって、可能ならその人との子供を――と。
 悔しそうに下唇を噛みながら、ベルメールがそんなことを考えたところで、

「それでは結局、さっきの魚人たちと同じではないか――金の代わりに、ベルメールを要求しているだけだろう!」
「おい、おい、勘弁しておくれよ」

 思わずといった様子でフレイの頬への口づけを中断したドールは、トロトロと発情した相貌を一転させ、ウンザリしたような表情を浮かべると、

「おんな都落ちした雑魚雄と、この人を一緒にしないでくれ――少なくとも、アタシたちは何も強○しちゃいないし、断ったところで何か制裁を加えるつもりもない。ただ、さっきも言ったように私は、女である以上はフレイ様に心身を捧げて、その血を継いだ子供をより多く産み落とすことが当然だと思ってるし、昔、アタシを世話してくれたベルメールさんにも是非、その幸せを味わって貰いたいとも思ってる。……言ったろ? 『それ』ができない女は、人生のすべてを無駄にしてる、って――ベルメールさんにはそうなって欲しくないんだ、アタシは」

 言いつつドールは、フレイの腕に絡めていないほうの手で、露出させた下腹部にあるハート形の紋様を愛おし気に撫でた。もはや何度目かもわからない嫉妬の炎が、ベルメールの胸中を焼き焦がした。

「それに、ベルメールさんひとりで“アタシら”……『九蛇海賊団』のマークを貸すってのは、相当破格な条件さ。『新世界』辺りじゃ、有名な海賊団のマークによって平和を保つっていうのは割りとありふれたことだけど――それにしたって、たったひとりの女と引き換えにっていう前例はあんまりない。まあ、『白ひげ』とかならタダ同然で貸すことも珍しくはないらしいけど――とにかく、ベルメールさんの『女』……というよりは、『母親』としての能力に、相当期待した結果の提案さ。実際に、ふたりの子供を立派に育ててる訳だしね」

 そこで一旦台詞を途切らせ、今も尚ベルメールの体にしがみついたままのナミとノジコに優し気な視線をチラリと向けた後で、ドールは、

「――『魚人島』だって、『白ひげ』の縄張りであるにも関わらず、相当数の人魚の女と引き換えに、フレイ様のマークを併せて借り受けてる。まあアレは、本人たちの方から勝手に押しかけて来たっていうのもあるらしいけど……。とにかく、ここで重要なのは、『譲歩』してるのはアタシたちのほうだってこと。……タダでマークを貸すのは流石に無理だよ? 『皇后』……大幹部のハンコック様やステューシー様が許す訳ないし、いずれにせよ、他の同盟国――まだそんなに数は多くないけど――に示しがつかない。ひとりだけでこの辺り一帯を傘下に“してあげる”っていうのは、本当に破格の条件さ。どの道、フレイ様の妻になることが――この人に身も心も捧げた上で子供を産むことが、この人が皇帝を務める『後宮豊国(アルフヘイム)』の一員になる為の『絶対条件』だからね。それに……」

 言って。
 再度、そこで言葉を途切らせたドールは、未だフレイの片腕を胸の間にかき抱きつつも、その眼差しを真剣なものに変えた上でベルメールの顔を見つめ――その上で、こう言った。

「……それに、いくらこの辺りが比較的平和な海域だからと言って、また、さっきみたいな連中が来ないって言いきれるかい? 平和ってことは、目立った対抗勢力がいないってことで、裏を返せば、さっきみたいに『支配』を目論む連中にとってはいい標的になる。……また、そんな奴らが来た時に、今回みたいに都合のいい助けの手が入ると思うかい? 別に、迎え入れたベルメールさんを酷い目に遭わせるって訳じゃないし――むしろ、その逆だし――どういった『選択』が最善なのかは、考えるまでもないと思うけど?」

 長い説明を終え、言うべきことは全て言ったとばかりに、フレイの頬への口づけを再開するドール。
 チュッ♡ チュッ♡ というリップ音が閑静な室内に木霊し――それを受けつつも、しばらく黙っていたフレイは、ギリギリと歯ぎしりするゲンゾウに向けて、次のように言った。

「念を押しておきますが、これは決して強○じゃありません」

 優し気な声色だった。ベルメールの子宮が、またしてもキュウンッ♡ と疼いた。

 自分の体にしがみつくナミとノジコの腕の力も、心なしか強くなったような気がした。思わず視線を下ろしてみれば、ふたり共、先ほど以上に顔が真っ赤っかだった。

 まさかこの子たちも……? と、ベルメールがある可能性に思い至ったところで――フレイは更に、

「仮にこれを断っても、報復の類は絶対にしないと、改めてここに誓いましょう。海賊からの誓いなんて信用ならないでしょうが――こればかりは、信用して下さいとしか言いようがありませんし、何の見返りもなしにこの辺りを『縄張り』にすることはできない、っていうのも残念ながら本当なんです。おれとしてはそれでも全然構わないんですが……。おれの頼りになる両翼……ハンコックとステューシーの意見をないがしろにする訳にもいかないので……」

 ――と。
 ゲンゾウに視線を向けたフレイがそこまで語ったところで――噂をすれば、というヤツだろうか――コンコン、と玄関のドアがノックされ、その向こう側から、次のような声が聞こえた。

『……フレイ様? “あなた様の”ハンコックです――例の魚人たちの船にあった財宝類の積み替えと、村民たちへの分配が終わったので、そのご報告をと……。そちらのほうはどうですか?』
「ああ、今ちょうど、言うべきことはひと通り言ったところだ――すぐにそっちに行く」

 言って、席を立つフレイと、当然のようにそれに続くドール。
 ふたりは、ツカツカとドアのほうへと歩いていき――ドアノブに手をかけたところで一旦その動きを止めたフレイは、次に、顔だけをベルメールのほうへと向けると、

「今すぐに決断できるようなことでないことはわかってる。今日のところは、おれたちも海岸に船を停めて夜を越すつもりだから、一度ゆっくりと落ち着いて考えて答えを出してくれ。明日発つ前に、改めて答えを聞くことにするから、それまでに。……んじゃ、まあ、そういうことで」
「また明日ね、ベルメールさん。……いい返事を、期待してるよ。こっちとしても、あれから色々と経験を積んで立派になったアタシの姿を、アンタに見て欲しいからさ」

 ドアを開けたフレイが、ドールと共に屋外へと歩み出た。

 それが再び閉まる前に「あっ……」と、思わず名残惜しそうに手を伸ばしていたベルメールは、しかと見た。

 フレイが外に出るや否や、ドールが腕を絡ませているのとは反対のほうから、長い艶のある黒髪を太陽の光に反射させた絶世の美女が、待ってましたとばかりにトロトロに甘えた表情でフレイに身を寄せ、ドールと同じように腕を絡ませた上で、「「フフッ……♡」」――と。

 ドールとほぼ同時に、何かを自慢するような、優越感に満ちた視線をチラリ、とこちらのほうに向けてきて。
 それによって大いに衝撃を受けたベルメールは目を見開き、フレイに向けて手を伸ばしたまま、凍りついたように体を硬直させ――「べ、ベルメールさん……?」「ベルメール……?」と心配そうに声をかけてくるナミとゲンゾウにもロクに応答しないまま、ギリリ……! と。

 自分でも驚く程に強い力で奥歯を噛み締めていて――その原動力となっているのは嫉妬と羨望。
 そして何よりも――女としての疼き。雌としての本能。

 後にして思えば、つい先ほどフレイが言ったように、明日、彼らが島を発つその時まで待つまでもなく――この時、既にベルメールの「覚悟」は決まっていたのだ。

 自分の故郷でもあるこの村と、その近隣の集落のこれからの安全とか、「そんなこと」とは一切関係なく。

 『豊穣の王』が囲っている妻(おんな)の一員となり、ひとりでも多く彼の子を孕み、産み落とすという――この世に生まれた女としての、「当然の覚悟」が。

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