五月雨時雨 2024/09/20 19:36

銃と言葉は絶頂に向かう裸体の前で構えられる

家具がベッドしか置かれていない殺風景な部屋に、衣服を脱ぎ去る衣擦れの音が鳴っている。屈辱に顔を歪ませ、恥辱に対する悔しさに瞳を震わせながらもあらゆる方向から自分を狙っている銃口に屈して望まぬ脱衣を行わされている青年が立てる音が、床へと衣服が乱雑に重ねられる度に銃を持つ男達を愉しませる音楽として奏でられていく。
その惨めな音楽の演奏を終え、衣服の下に何も隠していないかを調べる為と称して事前に言い渡されていた格好を己の惨めさを自覚しつつ取った青年の裸体に、確認を兼ねた視線が容赦無く浴びせられる。左右の手を開いて頭上に運んだ腕に、怒りを募らせつつもそれを表わすことは叶わない状況に唇を噛んでいる顔に、無防備にさらけ出された乳首と男根に、足をがに股に開いて立つことを強いられたせいで丸出しとなっている尻穴に、侮蔑と嘲笑を混ぜた警戒の視線が嬉々としてぶつけられてく。
その観察を為す術無く受け入れさせられながら、青年が胸の内に反抗の意思を更に激しく滾らせていく。絶対にこの男達を許さないという殺意に似た敵意を、青年が心の中へと湧き上がらせていく。
だが、幾ら怒ってみても命を握られている立場では何も出来はしない。無様に披露させられた裸体を余すところ無く鑑賞されている青年がどんなに抗いへの決意を強固にしても、決して逆らえぬ状況に置かれた青年は敵達を束ねるリーダー格の男が笑みの黒さを深めつつずらした銃口の先にある物体の使用を、敵によって床の上に用意された薬剤を、自らの手で裸体に塗り込まされるしか無いのだ。
この薬剤を裸体に塗ったら何が起きるかは、とっくに知っている。自分の身体に引き起こされる変化の内容も、はっきりと理解している。
しかし、今の青年に選択肢など無い。床に置かれたケースの蓋を反時計回りに動かして開け中に入っているクリーム状の薬剤を敵の指示に従って全身に投与する行動を拒む余地など、青年には残されていない。
故に、青年は嫌だと叫ぶ心を押し込めながら指先で救った非道なクリームを自らに擦り込み出した。敵達が紡ぐ小さな笑いに新たな怒りを抱き、その怒りをもうすぐ始まる地獄への隠しきれぬ恐怖に屈して反抗と共に削り落とされながら、青年は自身の首から下に残忍なクリームをたっぷりと纏わせていく。
左右の乳首はもちろん、男根にもクリームを与えた。可能な限りに無心を保とうと努めていた思考を自身の無様さに掻き乱されながら、青年は敵達に観察されつつ尻穴にもクリームをまぶした。
天井からの照明を受けてみっともなく輝く己の裸体に打ちひしがれながら、青年は役目が終わったクリームの蓋を閉じ再び床の上に置く。そして青年はこれから繰り広げられることとなる愉快なショーへの期待に頬を緩ませている敵達をわずかに残った反抗心を用いて睨み付けながら、両腕に万歳の形を取らせ足を開く姿勢に逆戻りさせる。
そうして青年がまた敵達の思惑に沿った見た目になってから数分、ゆっくりと時間を掛けて皮膚から吸収されたクリームの成分は青年に絶望的な変化を誘発し、敵を悦ばせるだけだと堪えていた発声を間抜けに引き出させた。

「はっ、ひぐぅっ!?」

効果は知っていた。けれど、その威力は覚悟を準備していた青年の予想を遥かに上回っていた。
何とか、敵達の望み通りとならないよう少しでも耐えてやる。その思いを一瞬で跡形も無く砕かれながら、青年は敵の男達が作る銃口の輪の中でクリームが有する発情を促す力に流され恥ずかしい器官達を熱く淫らに火照らせる状態へと導かれてしまった。

「ひ、は、あぁ、あひ」

左右の乳首が、赤く染まりつつ膨らんでいく。男根が勃起し、透明な淫蜜を壊れた蛇口のように滴らせていく。尻穴が収縮を繰り返しながら腸液を滲ませ、クリームに高められた全身から玉のような汗が勢いよく噴き出していく。
男根から溢れた蜜が幹や睾丸を撫でる刺激すら気持ち良い。それどころか尻穴自身が収縮の度に引き寄せる振動も、汗が肌を伝う感触すらも気持ち良い。
もはや銃口が向けられていなかったとしても、逃げられはしない。そんな裸体を滑稽に痙攣させその痙攣が作り出す震えも自身を嬲る悦楽に紐付いた物としていく青年を堪能しながら、自身が所属する犯罪組織を嗅ぎ回っていた青年の陥落を担わされた男達は油断無く銃を構えつつ、全ての痴態がよく見える格好を無自覚に崩し始めた正義の青年にすぐさま指摘を放てるよう、早くも絶頂へと近付いている裸体の前で口に言葉を構えさせていくのだった。

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