千代田マサキ 2024/06/30 12:33

翼をもがれた果て

翼をもがれた果て



「そんな、ルリアが……!?」
 とある街に停泊していたジータ一行だったが、買い出しに出かけていた仲間の一人が、瀕死の重体で命からがら戻ってきて、ルリアが街の盗賊連中に拉致されたという情報をもたらした。
 すぐに仲間の治療にあたる一方、団総出で盗賊の拠点を探し出し、彼女の救出を目指すことになった。
「ルリア、待ってて……!」
 広大な街を手分けして情報を集めつつ、彼女の無事を祈る中、偶然ジータは粗暴そうな男たちによって、馬車へと連れ込まれる意識のないルリアを目撃した。
 男たちは、彼女の存在を知ってか知らずか、慌てて馬車を走らせて逃げ出す。
 何か情報が入れば仲間と共有する、そう自身で指示していたジータだったが、仲間との合流を待っていては馬車の行き先を見失ってしまうと判断し、単独で追跡することになった。
 馬車を大通りで乗り捨て、入り組んだ路地裏の中へと、ルリアを担いだ男たちは逃げ込んでいく。
 ジータはその追跡を続けたが、さすがにどこの住居が盗賊のアジトなのかまでは突き止められない。が、直感でその場所を見破り、その扉を蹴破って、乗り込んでいった。
「ちっ、追ってきたか……!」
「だが、相手は女一人だ!やっちまえ!」
 2階建てで地下もあるアジト内には、10人近くの盗賊たちがおり、ジータを返り討ちにしてやる、とばかりに襲いかかってくる。
 だが、数は多くとも、既にいくつもの修羅場をくぐり抜けてきた彼女にとって、ただの盗賊など障害物にすらなりはしない。
「なっ、こいつ……!?」
「悪いけど――手加減を考えてあげるつもりはないから」
 四方八方から襲い来る刃を、ジータは目視することもなく剣で鮮やかに受け流し、返す刃で容赦なく切り捨て、怯んだ者を蹴飛ばし、叩き潰していく。
「く、くそっ、やべぇっ……!」
 少女一人、簡単にルリアと同じように囚えられる。そう思っていた盗賊たちだったが、あまりの強さにうろたえる盗賊たち。
 それでもジータは奢ることなく。しかし、確実に一人ずつ潰しにかかっていたが、男の声が響いた。
「おい、大人しくしやがれ!この女がどうなってもいいのか!?」
「つっ……!?」
 部屋の奥からやってきた一人の盗賊が、ルリアの首にナイフを突き付け、ジータに向けて叫ぶ。
「剣を捨てろ。ちょっとでも下手な真似をしてみろ。こいつをぶっ殺すぞ!」
「なっ…………」
 もしもここで男が油断して近づいてくるようなら、相手が動く前に男を倒してしまう自信がジータにはあった。
 だが、男は用心深く距離を取っており、人質のルリアは目と口を布で塞がれ、意識を奪われているのかぐったりとしたまま、男にもたれかかっている。
 完全に敵の手中に堕ちたルリアの姿を目の当たりにし、ジータの顔は引き攣り、動きが止まる。
 剣を捨てればルリアを助けられないが、かといってこのままでは本当にルリアを傷つけられかねない。
 ルリアを助け出すことばかり考え、人質に取られる可能性を考えなかった己の迂闊さを後悔するが、今更遅かった。急いで来たため、仲間にも連絡できておらず、その助けも期待できない。
 それでも必死に打開策を考えるジータだったが、盗賊はそんな時間など与えてくれなかった。
「おい、早くしろ!本当にこの娘を刺し殺すぞ!」
「くぅっ……!」
 盗賊は急かすように、ぐっ、とルリアの首ではなく、頬に浅くナイフを食い込ませる。じわぁ、と鮮血が浮かび、ナイフが赤く濡れる。
 実際にルリアが傷付けられてしまった以上、もはやジータに選択の余地はなかった。
「……わかったわ。剣は捨てる」
 そして、仕方なく剣を床へと放った。
「へへっ、賢明な判断だな。俺も無抵抗の娘を傷付けたかねぇ」
 そう言ってルリアを人質にしている男はナイフを彼女から離す。が、手には握ったままであり、尚も用心してジータには近づかない。実際、もしもやれるならば、足で剣を蹴り上げて持ち直し、男を刺せる程度の位置に剣を放っていたのだ。偶然かもしれないが、粗野な見た目に反して計算高い男と言えるだろう。
 この時点で既に盗賊たちはその半数以上がジータの手によって倒されており、無惨な死体があちこちに転がっている。
 仲間を惨殺された盗賊たちは、憎悪と復讐心を胸に、無抵抗となったジータを取り囲んでくる。
「少しでも妙な真似をすれば小娘の命はないからな?」
「……わかっているわ」
 男たちはゆっくりと近づき、ジータが放った剣も完全に奪い取る。素手でも正規の訓練を受けていない盗賊程度、一対一なら倒し切る自信はあったジータだが、流石に多勢に無勢。人質もいる以上、抵抗はできない。
「へへっ、それにしてもいい体してんなぁ?こんなに可愛いってのに、躊躇なく剣を振り回しやがってよ」
 下劣な笑みを浮かべた男が一人、憎しみ半分、性欲半分といった調子で、棒立ちのジータの全身を舐め回すように見つめ、いやらしく笑う。
 そして、そのまま彼女の背後に回ると。
「んっ……!?」
「おっ、ほほっ、いいねぇ。乳やわらけー!それに……すんすん、すんすんっ!へへっ、死体をこんなに作っておきながら、女の髪ってのはいい匂いがすんなぁ?」
「うっ、ううっ……!」
 気色悪さに、今にも男の顔に肘鉄でも入れてやりたい。だが、人質を取る男はナイフをちらつかせながらニヤニヤと笑う。
 更に男は増長し、片手で胸を揉みながら、腰や腹回りにまで手を伸ばした。

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