千代田マサキ 2024/09/14 12:52

洞穴の魔物

洞穴の魔物



「モンスターは少ないけど、中々険しい洞窟だね。僕たちだけで来てよかったよ」
「うむ、それにしても、洞窟内でこんな匂いがするのは珍しいな」
 ある日のこと。シュルクとメリアの2人はある依頼を受け、洞窟の奥にあるという希少な鉱石を探していた。
 その中で、不思議な甘い匂いがしてくるのに気づき始める。
「花でも咲いてるのかな?洞窟の中でしか咲かない花もあるっていう話だから」
「うむ…………」
 シュルクの言葉に頷き、メリアもそれ以上は気に留めなかったが、奥へ進むほどに匂いはどんどん濃くなっていき、息苦しささえ覚え始める。
「シュルク、大丈夫か?苦しそうだが……」
「う、うんっ……もうすぐで奥まで着くはずだし、後少しなら我慢できるよ……」
 ハイエンターとの混血であるメリアより、純血のホムスのシュルクの方が影響を強く受けるらしい。ただ単純にむわっとした甘い臭気に息苦しさを感じていたメリアに対し、彼は目に見えて体調を悪そうにしていたが、まもなく目的を達成できるのだから、と強がる彼を強く制することもできず、気遣いながらも奥へと進んでいく。
「うっ、うううっ……!」
「シュルク……!」
 だが、まもなく洞窟の突き当たりに辿り着く、というところでシュルクが体調に異変を来し、フラフラとその場に崩れ落ちてしまう。
「大丈夫か!?」
 額に手を当ててみると熱っぽく、頬も、手足も、全てが熱を持っている。
 熱を持った手足は細かく震えており、これで立っていられなくなったのだろう。
 メリアは彼を洞窟の壁によりかかるように座らせてやり、自身も屈み込んで、彼の顔を覗き込む。
「シュルク、シュルク、大丈夫か!?」
 意識を手放そうとしている彼に呼びかけながら、優しく背中をさすってやり、気付けをするように頬もぺちぺちと優しく叩く。
「うっ、あぁあっ……!はぁ、はぁ、はぁ、はっ、はっ……!」
 だが、どんどん具合は悪くなるばかりで、呼吸は荒く、目は瞳孔が開いて焦点が合っていない。
「シュルク、大丈夫か?聞こえているなら返事をしてくれ!」
「うっ、ううううっ……!」
 メリアの言葉もはっきりと認識できていない様子で、突然のことに彼女もうろたえ、彼を心配し続けることしかできない。
 できれば洞窟から抜け出したいところだったが、さすがに男一人を彼女がおぶって行くこともできず、ただ様子を見続けるばかりだった。
「シュルク……こんなことになるなら、もっと早くに引き返すように強く言うべきだったな……。お前が無理をしすぎてしまう性分だというのはわかっていたはずなのに。本当にすまない。今の私にできるのはこれぐらいだが……」
 メリアは自責の念に駆られながら、優しく彼の背中と頭を交互に擦ってやり、なんとか意識がはっきりしないか、と頬を痛くない程度にぺちぺちとはたき続ける。
「メリ、アっ…………」
 シュルクはおぼろげながらもメリアの声やその様子がわかっており、彼女の優しく気遣ってくれる声や、彼に不調を与えた甘い匂いとは違う、メリアがまとう心地いい香りに脳が痺れるような感覚を覚えていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ……」
 焦点の合わない目は、あちこちを。今やシュルクを介抱するため、普段以上に密着しているメリアの体のあらゆる部分を見回していた。
 アネモネスタイルの衣装によって、体のラインが普段よりも強調されており、彼女が軽く腕を動かすだけで剥き出しの真っ白な美しい腋が男を誘うようにチラチラと見える。
「シュルク、少し動かすぞ。水を飲めばいくらか落ち着くはずだ。今、水筒を……」
 そう言って荷物から水筒を取り出そうとするメリアは、一時的にシュルクに背を向ける。
 すると、輝かんばかりの真っ白な背中が見えてしまい、また振り返れば、柔らかそうな豊乳が彼の視界を覆う。
 膝枕されている彼女の太ももも、下品ではない程度にむっちり、ふんわりとしており、今までも意識していなかった訳ではないが、女性として魅力的なメリアの体のことが気になって仕方なくなってしまっている。
 メリアは介抱に夢中で気付いていないし、シュルクの視覚がほとんど機能していないのだろう、と考えている。
 そんな中で、まるで盗み見るように。しかし実際には大胆にメリアの肢体をたっぷりと見つめていると、シュルクは今までに感じたことのない、暗い情動を感じていることに気付いた。
 うっかりすれば、今にも彼女に襲いかかってしまいそうな、醜い剥き出しの雄の衝動が首をもたげ、どうにも抑え込まないと、最悪のことをしてしまう。その自覚がシュルクにはあった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁっ……!」
「シュルク、苦しいのか?んっ……こんなに熱が……」
「メリ、あっ……!」
 メリアは心配した顔で、彼と額を突き合わせ、その熱を測る。すると、燃えそうに熱いことに思わず狼狽してしまう。
「私がわかるか?大丈夫、少し水を飲んで落ち着いたら、ここを出よう。大丈夫、大丈夫だから……!」
「うっ、あっ、あぁっ……!」

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