人魚姫 その3
王子と少し話があるから、外に出なさい。王様に言われて、王女様と人魚姫は庭に出ました。
庭は奇麗に手入れされて花が咲いていました。そこは毎日のように王子様と散歩している庭です。王女様を止めようとして慌てた人魚姫は、庭の入り口の階段で倒れてしまいました。
王女様は、それに気づくと人魚姫を抱き起こそうとしました。
いやっ、さわらないで!私に優しくしないで!私から王子様を奪い取りに来たくせに!!人魚姫は心の中で叫びました。
でも王女様には、うあうあという音しか聞こえません。それに、本当に心から人魚姫を心配しているようでした。
それからも王子は、娘をこれまでのように暮らせるように気遣いました。王女も肉親に接するように、娘に優しくしました。ただこれまでと違うのは、王子といつも一緒にいるのは、拾われた娘でなく、優しい王女なのでした。
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