月宮魅艶 2019/06/04 09:12

<アダルト小説>若様の性長日記!・2

会社の地下駐車場に車を止め、特設エレベーターで最上階に上がる。

外から見たこの会社は、何かこう…でかかった。

高層ビルが建ち並ぶ街中にあって、かなり立派な建物だ。

今日からここで働くと思うと、緊張してきた。

何せオレは親父が何の仕事をしているか、詳しくは知らない。

人材派遣をしているのだと、言われ続けた。

不況の世の中でも、ウチの経済状況は変わらなかったのだから、儲かってはいるのだろう。

ウチの経済レベルはかなり高い。

オレが私立の幼稚園から大学まで行けるぐらいだ。

海外旅行もしょっちゅう行ってたし、ブランド物も家の中にゴロゴロある。

両親には一人息子兼跡継ぎとして、これ以上ないぐらい愛情を注がれた。

もちろん、親父の下で働く社員達にもだ。

オレも期待に応えるべく、勉強にスポーツに人間関係に頑張ってきた。

将来は一つの会社を継ぐんだ。

そこに働く人間、全ての人生を握ることになる。

ハンパな気持ちはいけないと、両親が呆れるぐらい真面目に生きてきた。

それが今、報われる。

これまでの苦労も、大切に思えた。

…今、この瞬間までは。

やがてエレベータの動きが止まった。

「こちらです。若様」

「あっああ」

フロアに出ると、目の前に大きな木の扉がある。

梢さんはゆっくりとノックする。

「社長、若様をお連れしました」

「ああ、入れ」

聞きなれた親父の声だが、今日は何故か緊張させれる。

背筋を伸ばすと、梢さんがドアノブを押し、扉を開けてくれた。

オレは固唾を飲み込み、中に入った。

「失礼します。しゃっ…」

「待ってたよー!」

がしっ!

「ぐわっ!」

畏まって挨拶をしようとしたが、いきなり親父に抱き付かれた!

「うっとおしいわっ! クソ親父!」

なのでつい、いつもの調子で親父を床に叩き付け、背中を踏んでしまった。

「ぐえっ!?」

「…若様、お気持ちはよく分かりますが、ここは会社ですので」

「あっああ、すまない」

梢さんの苦笑を見て、オレは足を外した。

「あいたた…。相変わらず元気だね」

すでに五十を過ぎている親父は、ブランドのスーツに身を包み、外見だけは!立派な会社の社長だった。

見た目も子供の欲目を抜いても、良い方だろう。

実際、親父と街中を歩くと女性が良く振り返る。

…くそっ!

「テメーがしっかりしないからだろう? 少しは社長らしくしやがれ!」

なのでついイライラしてしまう。

「まあまあ。若様、とりあえずソファーにお座りください。今、お茶を持ってまいります」

「ああ、頼む」

オレは返事をして、黒皮張りの一人かけソファーに座った。

親父も背中を押さえながら、オレの向かいのソファーに座る。

これじゃあどっちが大人か分からないな。

「では失礼します」

梢さんは一旦社長室を出て行った。

すると親父はキリッと姿勢を正し、オレを真っ直ぐに見つめた。

「さて、とりあえず入社おめでとう」

「ありがとよ」

「それでウチの会社のことなんだがな」

「ああ」

「その前に、お前に聞いておきたいことがある」

「何だ?」

入社のことについて、大体のことは家で済ませていた。

面接めいたものも、梢さんと済ませている。

だから今更聞かれることなんて、何だろうと少し緊張した。

フォロワー以上限定無料

特に何もありませんが、フォローしてくださると嬉しいです。

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

月別アーカイブ

記事を検索