<アダルト小説>若様の性長日記!・2
会社の地下駐車場に車を止め、特設エレベーターで最上階に上がる。
外から見たこの会社は、何かこう…でかかった。
高層ビルが建ち並ぶ街中にあって、かなり立派な建物だ。
今日からここで働くと思うと、緊張してきた。
何せオレは親父が何の仕事をしているか、詳しくは知らない。
人材派遣をしているのだと、言われ続けた。
不況の世の中でも、ウチの経済状況は変わらなかったのだから、儲かってはいるのだろう。
ウチの経済レベルはかなり高い。
オレが私立の幼稚園から大学まで行けるぐらいだ。
海外旅行もしょっちゅう行ってたし、ブランド物も家の中にゴロゴロある。
両親には一人息子兼跡継ぎとして、これ以上ないぐらい愛情を注がれた。
もちろん、親父の下で働く社員達にもだ。
オレも期待に応えるべく、勉強にスポーツに人間関係に頑張ってきた。
将来は一つの会社を継ぐんだ。
そこに働く人間、全ての人生を握ることになる。
ハンパな気持ちはいけないと、両親が呆れるぐらい真面目に生きてきた。
それが今、報われる。
これまでの苦労も、大切に思えた。
…今、この瞬間までは。
やがてエレベータの動きが止まった。
「こちらです。若様」
「あっああ」
フロアに出ると、目の前に大きな木の扉がある。
梢さんはゆっくりとノックする。
「社長、若様をお連れしました」
「ああ、入れ」
聞きなれた親父の声だが、今日は何故か緊張させれる。
背筋を伸ばすと、梢さんがドアノブを押し、扉を開けてくれた。
オレは固唾を飲み込み、中に入った。
「失礼します。しゃっ…」
「待ってたよー!」
がしっ!
「ぐわっ!」
畏まって挨拶をしようとしたが、いきなり親父に抱き付かれた!
「うっとおしいわっ! クソ親父!」
なのでつい、いつもの調子で親父を床に叩き付け、背中を踏んでしまった。
「ぐえっ!?」
「…若様、お気持ちはよく分かりますが、ここは会社ですので」
「あっああ、すまない」
梢さんの苦笑を見て、オレは足を外した。
「あいたた…。相変わらず元気だね」
すでに五十を過ぎている親父は、ブランドのスーツに身を包み、外見だけは!立派な会社の社長だった。
見た目も子供の欲目を抜いても、良い方だろう。
実際、親父と街中を歩くと女性が良く振り返る。
…くそっ!
「テメーがしっかりしないからだろう? 少しは社長らしくしやがれ!」
なのでついイライラしてしまう。
「まあまあ。若様、とりあえずソファーにお座りください。今、お茶を持ってまいります」
「ああ、頼む」
オレは返事をして、黒皮張りの一人かけソファーに座った。
親父も背中を押さえながら、オレの向かいのソファーに座る。
これじゃあどっちが大人か分からないな。
「では失礼します」
梢さんは一旦社長室を出て行った。
すると親父はキリッと姿勢を正し、オレを真っ直ぐに見つめた。
「さて、とりあえず入社おめでとう」
「ありがとよ」
「それでウチの会社のことなんだがな」
「ああ」
「その前に、お前に聞いておきたいことがある」
「何だ?」
入社のことについて、大体のことは家で済ませていた。
面接めいたものも、梢さんと済ませている。
だから今更聞かれることなんて、何だろうと少し緊張した。
フォロワー以上限定無料
特に何もありませんが、フォローしてくださると嬉しいです。
無料