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若様の性長日記!3の記事 (7)

月宮魅艶 2019/12/02 10:16

若様の性長日記!・3(7)

由香里さんののんびりとした癒しの雰囲気が良かった。

「由香里とあたしは高校からの付き合いでしてね。まあ親友と言うものです」

「うふふ。梢ちゃんとは就職先まで同じになるなんて、思わなかったわぁ。きっとご縁があるのねぇ」

「腐れ縁ってとこじゃない? …っとと、すみません若様。玄関先にいつまでもいたら、お邪魔になりますよね」

そう言って梢さんは由香里さんの腕を引っ張り、玄関の扉の前からどいてくれた。

「あっああ、うん」

「それじゃあご勉強、頑張ってくださいね」

「若様、失礼しましたぁ」

そうして二人は去って行ったが、オレはしばらく玄関の前から動けなかった。

多分…一目惚れだったんだろう。

けれどその後、由香里さんはウチに来ることはなく、オレも自然と忘れていった。

―が、何故五年の時を経て、こんな再会をしてしまったんだろう?

…いや、そもそもこの会社の内容を知った時に、思い出すべきだった。

梢さんのことを同僚と言っていた由香里さん。

ならば自動的に、『性』に関する仕事をしていると言うことになるんだ。

………オレのバカ。

オレは改めて自分の頭の回転の悪さを呪った。

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月宮魅艶 2019/12/01 12:03

若様の性長日記!・3(6)

アレはまだ、オレが高校二年の時だった。

家の玄関の前で、梢さんと知らない女性がいるのを、学校帰りのオレは発見した。

「梢さん、こんにちは。親父に用ですか?」

「あら、若様。お帰りなさいませ。ええ、社長が会社に書類をお忘れになったので、お届けに参りました」

「そうだったんだ。ところでそちらの方は…」

「ああ、ご紹介しますね。あたしの同僚で、由香里と言います。彼女も社長の元で働いているんですよ」

「こんにちは~」

紹介された由香里さんは、梢さんとは対照的な女性だった。

艶やかな長い黒髪は腰まで伸びていて、前髪は真ん中で分けているので、小さな顔がはっきりと見れた。

見た目は二十代半ばという感じだが、愛嬌があり、柔らやかな雰囲気からちょっと幼く感じられた。

けれどその…体つきは梢さんとタメがはれるほどだ。

大きな胸に大きなお尻、細身ではないけれど、それでも抱き心地のよさそうな肉体だ。

近くにいると、彼女から漂う甘い匂いにちょっと目が眩む。

「はじめまして、若様。由香里、と申します」

「あっ、はじめまして」

大きな黒い瞳で見つめられ、ドキドキしてしまった。

…思えば由香里さんに、ほのかな恋心を抱いていたのだろう。

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月宮魅艶 2019/11/30 08:09

若様の性長日記!・3(5)

オレは気を引き締め直し、扉をノックした。

「失礼します。桔梗さんからこちらに伺うように言われたんですが…」

扉を開けると、そこはマッサージの専門学校の教室のようだった。

前にテレビで見たことがある。

広く清潔な白い部屋に、細長いベッドがいくつも並んでいる。

そしてベッドの傍らには、椅子が一つずつセットで置いてあった。

やっぱり『性』のことに関しているとは言え、その知識や技術は一流のプロと引けを取らないと言われるだけはある。

引き締まった空気が、背筋を自然と正してくれる。

「はぁーい、伺っています」

右手の扉から現れた女性を見て、オレは眼を丸くした。

「ゆ…かり、さん?」

「あらぁ、若様ぁ。お久しぶりねぇ」

この甘ったるくも柔らかな声。

その声に相応しく、彼女はとても柔らかな雰囲気を持つ女性だ。

「何で…えっ? あっ、梢さんの親友ってそういう意味か…」

「凄いわねぇ、若様。瞬時に悟ってしまうなんて」

由香里さんは両手を胸の上で組み、嬉しそうに微笑む。

…が、オレは頭から足元まで、血が急激に下がっていった。

ふらつく体を壁に預け、オレは思い出した。

―彼女とはじめて会った時のことを。

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月宮魅艶 2019/11/29 22:56

若様の性長日記!・3(4)

20階に到着すると休憩用のフロアがあり、その奥に白い扉があった。

扉にはプレートがあり、【マッサージ部門】とあった。

「結構分かりやすいよな、ウチのビル」

フロアごとに部門が分かれていて、案内マップはないものの、一度教えられれば迷わずに来れるのは良い。

…別に方向音痴というわけではないが、流石に会社の社長の息子が、自社ビルで迷っている姿をさらすのはどうかと思う。

まあ幹部達はオレの顔を知っていて、毎日誰かとは顔を合わせる。

そしたら向こうから話かけてくれるので、困ったことがあれば彼等がすぐに対処してくれる。

…と言うのも、ダメだよな。

完璧に自立するまで、少し甘え癖を直した方が良いのかもしれない。

そもそも梢さんの影響もある。

彼女は親父の秘書ではあるものの、オレが高校を卒業するまでは彼女がずっと傍にいてくれた。

忙しい親父の代わりを務めてくれていたんだろう。

なのでオレは彼女を恋愛対象には見られない。

下手な男より、よっぽど男らしいからだ。

「まっ、頼りにはなるけどな」

けれど流石にこの歳で学生の時と同じことを繰り返しているようでは、進歩がないと言える。

「もうちょっとしっかりしよう」

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月宮魅艶 2019/11/28 18:14

若様の性長日記!・3(3)

桔梗さんの管理している部署は、『性』のことに関してのカウンセラーとマッサージ師を束ねている。

ちなみに梢さんは客にウチの社員を派遣する部署を担当している。

なので今までは梢さんの部署で学ぶことが多かったのだが、そろそろ別の勉強もしといた方が良いだろうとはオレも思っていた。

「カウンセリングとマッサージ、どっちの方?」

「梢が何時戻ってくるか分かりませんので、短時間の方のマッサージをお願いします」

「分かった。どこに行けば良い?」

「このビルの20階に行き、由香里
ゆかり
という女性に会ってください。彼女は女性マッサージ師ですが、腕は立つ方ですから」

「あいよ。梢さんから何か連絡があったら、言ってくれ」

「かしこまりました」

恭しく礼をする桔梗さんに背を向け、オレはエレベータに向かった。

ケータイを取り出して見るも、梢さんからの連絡は入っていなかった。

社長の一人息子であり、現在は部下で教え子のオレに連絡を寄越さないのだから、よっぽど現地は大変なんだろう。

少し寂しい思いもあるけれど、コレもまた、社会勉強の一つだ。

気持ちを切り替え、オレはエレベータに乗り込んだ。

…この後の恐怖も知らずに。

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