ProjectRepadars 2022/09/27 22:13

群馬のファミコンショップと美少女ゲーム事情

ご注意

本記事は、30年以上昔の記憶を頼りに記述しているモノです。そのため、実際の史実や店名とは大きく異なる場合が有りますので、予め、ご承知ください。
もうちょっと加筆したverは、後日サイトに掲載予定です。

□群馬のファミコンショップ

今でこそ、メロンブックスにアニメイトに万代書店と、群馬県内には美少女ゲームが溢れ返っているが、元々はファミコンショップが至る所に点在したゲームキッズのための町だった。

もちろん、今でもそれは続いてはいるけれど、あの頃のような活気は薄れてしまっている。そんな、少し昔のファミコンショップ事情と、群馬県の美少女ゲームとの関係を振り返ってみようかと思う。

ビックカメラが作られ、ヤマダ電機が作られ、電化製品の最先端を向かえていた一昔前の群馬県。
現在でも、高崎駅の東口ではヤマダ電機本社が店を構え、その先にはビックカメラが。更に西にはヤマダ電機OUTLETが新設されている。

店頭にはブラウン管のテレビを始めとする家電が立ち並び、特にビックカメラは子供に大人気だったゲーム機をメインに扱って人気を博した。
西口を見てみればダイエーのゲームコーナーに、駅ビルのホウヅキヤ、スズラン百貨店と何台ものテレビを並べた新作のファミコンゲームの映像は子供たちの心を捕らえ、一緒に訪れた親たちは財布のひもをいかに開かないようにするかを必死で考えた。

郊外を向かえば、ハローマックギャムズといった玩具店が立ち並び、いせや電機の看板が明るく輝いていた。
そんな中、高価なファミコンソフトを買えない子供たちが集まったのが、中古のソフトを中心に扱う「ファミコンショップ」という新たな中古販売店。

もちろん、新品も扱っては居たけれど、買って遊び飽きたら売れるという循環を続ければ新作の欲しかったゲームも手に入る。

ファミコンショップ桃太郎・カメレオンクラブ・ファミコンランド・わんぱくこぞう・ファミコンショップ宝島・ドキドキ冒険島

といったチェーン店を始め、中には

「ファミコンメイト」「ジライヤ」「ソフコム」

といった、小規模な個人店も並んだ。

けれど、ソフトの数が増えてくると遊びたくてもお金がない子供や、そもそもゲーム機を買ってもらえない子も出てくる。
そんな悩みを解決するために出来たのが、タイマー式のコインテレビ
平均20分間100円(ファミコンメイトは15分100円もしたV)という値段で好きなゲームをプレイする事が出来るその新しい商売は、県内各所で広まっていき、それまで高崎のパソコンレンタルルームだった「マウス」は30分100円という超低価格で営業を開始すると、子供同士の口コミだけで連日大盛況となった。

しかし、ゲーム機のハードが増えていき、プレステやセガサターンの世代になっていくと、ファミコンショップは少子化の影響で店を畳むようになり、方針転換を強いられた。

□ 美少女ゲーム時代の到来


そんな中、老舗のヤマダ電機とコジマ電気は、パソコンゲームのブームに乗り、成人向けの美少女ゲームをメインにこっそり取り扱うコーナーを設置。
特にヤマダ電機は、今では高崎のアウトレット館の事業所となっている場所に、パソコン館。通称エロゲ館をオープンさせ、2階全てを美少女ゲームに捧げた。
そして、美少女たちの立て看板をワンフロアに置き、ポイント還元をアピールして売りまくった。


(閉店直前の宝島、新店オープン時にはタダで手伝ってくれと言われて全力で拒否した)

元々パソコンに特化していた「パソコンランド21」は、完全に美少女ゲームのためのお店のような状態となり、特典や予約に溢れかえり、昔からのパソコンパーツを求めに来た客が、非常に入りにくい店内となった。
一応、普通のゲームも店先に置いていた個人店の「ソフコム」は、ほぼレンタル店にしか見えない店作りから、美少女ゲームを一週間以内に売ったら70%買取(お正月は80%~90%)という、何ともコメントがしにくいお店となった。

そして、時代の流れに沿うように、かつてのファミコンショップは大人向けコーナーが広がり、一般作はおまけの店舗構成に仕上がった。

具体的に、どの程度美少女ゲームに転んだのかと言えば、

 ファミコンショップ桃太郎
 カメレオンクラブ
 ファミコンランド
 ファミコンショップ宝島

辺りは、2000年初頭までにほぼ店の半分がエロゲーで溢れ返り、あんなにコンシュマで溢れていたファミコンランドにはランスの看板が並んだ。
高崎にあった「わんぱくこぞう」は最後まで抵抗していたが、最終的には美少女ゲームを取り扱っていた記憶がある。

いわば、セガサターンのR指定が売れまくったのに味を占めて、原作のゲームも売ったら売れまくった性の循環を辿ってしまったであろう事が予想されるが、一番の要因はヤマダ電機様がエロゲ館を開設し、ガッポリ時代に乗った事のような気もする。

その後は規制の事情も有り、未成年者に対する配慮や入り口の厳戒さを求められる店舗つくりを強いられる様になると、ファミコンショップは美少女ゲームを取り扱わないようになり、やがては店を閉じていった。

今では店舗自体も激減し、純粋なコンシュマー店舗も目にするのも稀となってきたが、ファミコンから美少女ゲームへと流れていき、店を閉じていった姿を見続けてきた者としては、残された看板やあの店で買ったソフトを見ていると、何だか切なくなっていく。


まあ、時系列的にも「はっちゃけあやよさん」を現役では取り扱ってくれたファミコンショップは、確か(ソフコムと21しか)無かったのだけど、レトロブームのこんな時代だからこそ、新たに入ってきた万代書店のようなビジネス展開を群馬で行うのも有りなのかもしれない。

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