データセットの作り方その2:置換の基本
前回は、シナリオファクトリーのデータパックを作るために必要なファイルセットの作成を行いました。あとは、シナリオの素となる文章を書いていくだけの作業となります。
文章を生成するための素となるテキストデータには、シナリオテキスト/データセット(.json)/置換ファイル(.rpl) の3種類があります。
シナリオテキスト
普通のテキスト文章です。普通の文章以外に、文章にいろいろな加工ができるシナリオスクリプトを記述することができます。
データセット(.json)
文章を一定のルールに従って並べ替えて配置するためのテキストの集合です。この形式で作成されたデータは[簡易作成]機能を使うことで、簡単に文章生成することができます。
置換ファイル(.rpl)
文章内の文字を別の文字に置き換えるためのリストです。
データパック作成は、これらの3つのファイルを作っていく作業になります。
※必ずしも3つを同時に揃える必要はありません。データパックの内容や意図するところに応じて、いずれか1つという場合もあると思います。
シナリオテキストで置換
まずは最も基本的な文字列置換から始めてみましょう。シナリオファクトリーを起動し、シナリオスクリプトに以下の文字をコピペして[シナリオ作成]してみてください。
*replace=$主人公:俺
$主人公
↓次のようなテキストが出力されます。
俺
最初の行の[*replace=$主人公:俺]は、続く文章[$主人公]があったら[俺]に書き換えるというシナリオコマンドです。※シナリオに対して何かするコマンドなのでシナリオコマンドと呼んでいます。
置き換えたい文字列が複数の場合、カンマで区切ることで続けて指定ができます。しかし、置き換えたい文字が増えてくると記述するのも大変です。
そこで文字列を沢山置き換えたいという場合に、別ファイルにまとめてしまうのが置換ファイル(.rpl)です。
[置換_共通.rpl]ファイルが見つかると思いますので、それをダブルクリックするか、テキストエディタで開いてみてください。
このように、置換前と置換後の文字をまとめて指定することができるのが置換ファイルです。
置換する文字は自由に設定できますが、置換前文字列には必ず頭に[$]を付けるようにします。この置換ファイルでは[$c1]を[男]、[$c2]を[女]と変換することがお分かりいただけると思います。
ちなみにMoonCatは、[$c1~]を主人公、[$c2~]はヒロインと指定するようにしています。こうやってある程度、自分なりに規則を設けておくと、他のデータセットを使う場合に便利です。
一例を見てみましょう。下記の文字をスクリプトエディタにコピペして、[シナリオ作成]してみてください。
*replace=置換_共通
主人公:$c1
ヒロイン:$c2
*replace=DM\置換_ベル
主人公:$c1
ヒロイン:$c2
*replace=DM\置換_ヘスティア
主人公:$c1
ヒロイン:$c2
↓下記のような文章が出力されると思います。
主人公:男
ヒロイン:女
主人公:俺
ヒロイン:ベル
主人公:俺
ヒロイン:ヘスティア
このように、置換ファイルごとに別の主人公とヒロインを設定しておけば、置換ファイルの指定を換えるだけで、主人公とヒロインを入れ替えたりすることができるわけです。
前回配布したデータパックには、他のキャラクターの置換ファイルもありますので、色々と換えてお試しください。
置換ファイルについては以上です。次回は、シナリオファクトリーの様々な置換機能について紹介したいと思います。