夢姫 2024/03/29 19:44

天月詩織、うちのしおりんの事とか

うちのしおりん…詩織は藤崎詩織からとったが…YouTubeで有名な天月という坊屋が出てくる以前…自分が26位の時だから、もう14年以上前に考えたキャラである。





無限の魔力をもつセティルという奴が、自分の世界から禁忌を犯し、地球という星を発見しそこに住む自分たちと似ている人間に興味を持った。
だが、姿かたちは似ているが、魔法文明ではないし色々問題がある。
そこをどうにならないかとシュミレーションという名目で魔石に魔力を送り込み様々な世界を構築しそれを本に変えて仲間たちに見せたりしていた。

本の世界の住人はモブは兎も角、メインキャラは自分の世界の住人を模していたが(寿命がない、魔法がつかえる、新陳代謝がないため汗もかかないし、食事も必要とせず排泄行為もしない)初めて完全に人間を模したのが彼女である。

仲良し3人組みのクールビューティーで、皆の頼られ役鏡の巫女としての力を持っていて、詩織の周りには生半可な亡霊は近づくことができず、
詩織自体は幽霊などに憑依されることがない、学問も料理もでき、なんでもそつなくこなし、完璧に見えるが実は恋愛事には疎い。
詩織が小さいころに事故で両親は他界してしまい、ある程度のお金と、あまり大きくはないが遺してくれた一軒の家、
そして幼馴染のあゆや朱の家族や近所の人たちの助けもあって、頑張ってやって来れた。
詩織も助けてもらってばかりじゃなく、自分のことくらいちゃんと出来る様にならないと、と頑張り、家庭的なことは勿論それ以外のことも一通りできるようになった


初めはこの程度の設定だった。


天月詩織とあゆと朱の茶店みたいなところで

あゆと朱とのちょっとした何かの妖怪?だかなんだかの会話で・・・・

あゆ「かわいい子とか綺麗な子は食べられちゃうみたいなんです~、怖いですぅ」

朱「う~、あゆちーとかはかわいいから食べられちゃうかも!?」

あゆ「えぇ~それはいやですぅ・・・・詩織ちゃんだって嫌ですよね?」

詩織「え?そうね、食べられるのは嫌ね・・・・」

朱「大丈夫!しおりんなら平気だよ!」

といった朱は、詩織に叩かれると思い、少し身構える

詩織「そうね、わたしは別にそこまでかわいくないから、平気かもしれないわね」

あゆ「え?」
朱「・・・・ふぇ?」

少しの間、呆気にとられたように詩織を見つめる二人

詩織「?どうかした?」

朱「えっと、、しおりんは強いから!大丈夫だって、、、」

詩織「そうね、二人が食べられそうになったら助けるわ」

朱「ぁ、ぇっと、ねぇ、しおりん・・・・本気で言ってるの??」

詩織「え?なにを?」

あゆ「あ、あの、詩織ちゃん、自分がかわいくないって、、思ってるんですかぁ??」

詩織「え?そうね、ふふ、ブスっていわれたら流石に怒るけど、、あゆや朱に比べたら、全然だと思うわ」

詩織「それに、ほら、あゆとか朱は告白、とか、されたことあるじゃない?私は無いもの、だから・・・・」


詩織の言葉をちょっとごめんねといって制し、背を向けた後で二人は顔を寄せ合ってボソボソと話す

朱「やばっ、しおりん本気で言ってるよ、これ・・・・」
あゆ「・・・・みたい、ですねぇ・・・・」
朱「あゆちーはどうおもう?」
あゆ「詩織ちゃんがかわいいかどうか、ですかぁ?」
朱「うん」大きく頷きながら朱は言う
あゆ「当たり前ですけど、、敵わないって思うくらい、、綺麗で可愛いですぅ」
朱「・・・・・・・」

あゆの言葉を聞いて、朱は詩織に向き直り、あゆもそれに従って詩織を見る

詩織に振り返ると同時に、あゆが自信を持った声で言う

あゆ「詩織ちゃんは、可愛くてとっても綺麗ですぅ!」

朱もあゆの言葉を追うように同意する

朱「うん、冗談とかからかうとかじゃなくて、あゆちーの言うとおりだよ!」

詩織「・・・・もう、二人してなに言ってるのよ」

詩織「二人とも慰めてくれるのは嬉しいけれど、自分のことだもの、わかってるわよ」

あゆ「・・・・・・・」

あゆは驚いて口元に手を当てて、小さなため息とともに詩織をみつめる

朱の方も心底呆れた様なため息をつきながら、腕を組んで少しおいた後、詩織から目線を逸らして言う

朱「しおりん・・・・それ、絶対にほかの娘とかの前で言わないほうがいいよ」

詩織「え・・・・?」

朱「あのね、ボク達はしおりんが本気で言ってるって、わかるけど、ほかの人には嫌味にしか聞こえないと思う」

あゆ「わたしも、そうおもうですぅ・・・・詩織ちゃん、自分がどれだけ人気があるのかわかってないですよぉ・・・・」

朱「あと、誰にも告白とかされたこと無いって、しおりん言うけど、そんなことないじゃん」

あゆ「ですぅ・・・・わたしも男の子から詩織ちゃんのこと聞かれたりしますし・・・・」

朱「ボクもしおりんのこと話してるの、何度も聞いたことあるよ」

詩織「ふふ、男子たちが私のことを聞くのは、私が委員長だからよ」

詩織「悪ふざけとかしたときに、私に見つからないためにとか」

詩織「何より、男子は私がいると逃げていくじゃない」

詩織「男子っていつまでも子供みたいだけれど、そいうのって大事だと思うし、微笑ましいと思うけど」

朱「そういうんじゃなくて、、~~の花?みたいな、もぉおおお、しおりんってば自分のこと全然わかってないよ!」

あゆ「ですぅ」

詩織「そうかしら?ふふ、二人ともありがとう、なら少しだけ自信を持つようにするわ」

微笑みながら、まったく嫌味っぽくなく言う詩織に、あゆと朱は詩織はこうところは完全に本物の天然なんだなぁ、と思いながらも、朱は更に言う

朱「あ~もう!!しおりんだって告白とかされたことあるじゃん!」

あゆ「そ、そうですよぉ!」

詩織「え・・・?ああ、ふふ、そういえばあったわね、、でも悪ふざけみたいなものだったんじゃないかしら?」

朱「え、、しおりん、あの後とか合ってないの?ボクたちがいたから、あんなこと言ったのかなって思ってた」

詩織「合うも何も、あの場でちゃんといったじゃない、私なんかにそんな事いわないで、もっといい人にちゃんといいなさいって」

あゆ「で、でも、本気だったんじゃないですか?」

朱「そ、そうだよ!!別の人にだってラブレターもらってたじゃん!」

詩織「あったわね、一生懸命書いてくれたみたいだけれど、わたしはそんな気がないし、、直接言ってきた彼と同じような事をいって断ったけど・・・その後二人で、賭けに負けた見たいな事話てるの聞いたから、叱っておいたわ」

詩織「それに、その後は別に誰からもなにもないわよ」

あゆ「・・・・・・・」
朱「・・・・・・・・」

それはそうだろう、詩織に告白した二人の男子は、学校内でも1,2位を争うくらいモテる上に、性格も運動神経も頭もよく、いがみ合うどころか、その二人は親友同士で仲がいいのだ。

後々、賭けがどうのこうのも、男子特有の負け惜しみのようなものだったのだろう・・・・。

その二人がフラれた、ということで完璧に詩織は高嶺の花として認定されてしまった、だから誰もその後で告白をしようなどとは思わなかったのだろう。

詩織「特定の男子との付き合いとかに、興味がないわけじゃないけれど、今はまだそんな気にはなれないしね」

あゆ「ふふ、、わたしもみ~んな、断っちゃってますけど」

朱「うん、ボクも面白そうだけど、あゆちーやしおりんがいれば十分楽しいし!」

あゆ「わたしもですぅ~」

詩織「そうね」

あゆ「でもでも!詩織ちゃんは可愛くて美人ですよぉ!」

朱「あゆちーのいうとおりだよ!」

詩織「はいはい、二人とも、もうわかったからこれ以上からかわないで」

と、いうようなことがあり、詩織は自分の容姿に関していえば、相当な美人だということをまったくといっていいほど自覚していない


詩織が小さいころに事故で両親は他界してしまい、ある程度のお金と、あまり大きくはないが遺してくれた一軒の家、そして幼馴染のあゆや朱の家族や近所の人たちの助けもあって、頑張ってやって来れた。勿論、可哀想な子というような目で見てくるものもいないわけではなかったが…。

詩織も助けてもらってばかりじゃなく、自分のことくらいちゃんと出来る様にならないと、と頑張り、家庭的なことは勿論それ以外のことも一通りできるようになった

出来るようにはなったが、無理がたたったのか大うつ病を発症してしまう。
寛解するまでに、幼児期と小学生時代をほぼ棒に振り、中学2年生あたりでようやくよくなった。
あゆと朱がその間に色々と世話をしてくれ、引きこもってでてこない詩織にノートPCをプレゼントしたりもしている。

大鬱が治る直前、中学の頃にODをして自殺未遂をした経験がある。あゆや朱が心配する中、何日も眠り続けた。
他人の言葉、心配もあゆや朱の詩織ちゃんが大切という言葉・・・そのすべてに傷ついてはいたが…眠っている間に悪夢を見続け、その最後に、本当に自分を傷つけていたのは自分自身であることに気が付く。
そこから、月のものが取れたように 本来の自分 になれた。
他人の言葉が原因、外からの刺激が原因だけれども…自分で自分を傷つける必要なんてないこと。それに気が付くことができたのだ。

詩織のつけている眼鏡は、伊達眼鏡であり、高校生になり夢姫学園の委員長になったときに、委員長なら眼鏡!みたいなことを朱がいって、あゆもそれに賛同しそのすぐ後で二人からもらったものである。
宝物である。PCも古くなっていて使い物にならないが、いまでも保管してある。
詩織事態は貧乏性とまではいかないが、親の遺した保険や財産で暮らしていた為、計画的にお金をつかう癖がついており、服装なども控えめな値段の物である。アルバイト経験などは3人そろってない。というか住んでいる所が田舎なのでほとんどなかったのが大きい。

夢姫学園は田舎町にあるが、学力自体はそれなりというか、かなり高く、一部では有名校である。
定春を理事長としセティルが校長をしている夢姫学園と霧月学園というレオン・霧月・ブラッドレインという男が運営している学園があり、この二つは姉妹校である。
夢姫学園は高等部で、霧月学園は中等部なので、霧月学園を卒業した生徒が夢姫学園に来ることも多い
両学園とも学力だけでなく有望そうな生徒には学費を無料にしたり、学問自体も将来社会的に役に立つようなことを教育するというのもあり、非常に人気及び評価が高い。
夢姫学園の空と緑と土を基調としたブレザータイプ、霧月学園の白を基調とした清楚なセーラー服と制服もまた一部のマニアから人気である。

**この様な絡みが出来上がり…。


更に、その生涯と最期も多分書くことはないかもしれない外伝に書いた。


詩織=うつ病になった詩織を朱が時雨が贔屓にしている、牧場セイマブライアンがいたところへとつれてくる。

「詩織、ちゃん?・・・なに、してるの?」

「・・・ぁ・・・なんでもない」

「なんでもないって・・・手首から血がでて・・・」

「ぇ・・・?ぁ・・・わたし、何してるんだろう・・・なんでかしら、こうしたら、おちつい、っ!?」

「ばかぁ!!!」

「いつも、いつも、私たちがどんな気持ちでいるのか、わからないの!?」

「だったら、そっとしておいてよ!!こんなところに連れて来られたって!!」

「詩織ちゃんなんて、もう知らない!!・・・っ、それ、渡して」

「・・・・・・」




「・・・いたんだ、しおりん」

「っ・・ぇ・・っ・・・」

「・・・しおりん」



「あゆちー」

「手首、自分で切ってたんです」




「あゆちーだって、ちょっと前までは、間延びしたしゃべりかたしてたのに、いまは、一生懸命、普通に話そうとしてるよね」

「だって、私たちはもう大人なんですよ!」



「だったさ、やめちゃいなよ」

「・・・ぇ?」

「しおりんが元に戻るようにすることも・・・しおりんの友達でいることも」

「ぇ・・・?なんで、そんなこと、言うです、か?」

「しおりん、泣いてたよ」

「あの時と同じ顔してた」

「いいよね、僕たちは・・・あゆちーは家がお金持ちだし、僕もそうだし・・・」

「家族とも仲がいいし・・・。でも、しおりんには 家族 は居ない」

「ねー、あゆちー・・・あの時は僕たち、小学生に上がる前だったよね。しおりんが立ち直るのは、中学校にあがるくらいになってからやっとだったよね」

「あの時だって、すごく時間かかった・・・それでも、しおりんはちゃんと」

「でも!!わたしたちはもう、お仕事とか大学とか、っ・・・もう大人なんだから、あのときとはちが」

「それができないならやめちゃいなよ!!・・・あゆちーがやめても・・・僕はやめないから、心配しなくても大丈夫だよ」

「ぁ・・・そんな、こと・・・」

「・・・えいっ!!」

「はぐっ!!」

「ぇ・・・?なぐっ・・・なにするですかぁ~!!!!」

「しおりんは、もっと痛かったと思うよ」

「・・・・・・」

「このまま、見捨てるの?僕たち、しおりんの家族になってあげるって、あの時言ったよね」

「・・・・・・」

「ここで見捨てるなら・・・そんなの、家族でもなんでもないよ」




「ごめんね、詩織ちゃん・・・つい、カッとなっちゃって・・・」

「しおりんが、また、元気になるまで・・・僕たち、ずっと一緒だからね」

「わたしに、そんな価値なんて・・・」

「詩織ちゃんに 価値 なんて、つける人がいたら、ぶん殴るですぅ~」

「でも、でも・・・誰も私を必要となんて・・・」

「僕にはしおりんが必要だよ」

「なんの役にも立てない、から・・・」

「いままでも、詩織ちゃんは、すっごく役に立ってくれてるですよ~」




「ぉ~、なんか、大きな声が聞こえたと思ってきてみたら・・・美少女3人おそろいで~、おじさんの顔、覚えてる~?」


「わっ!顔が、近い近い!」


「ん?クンクン・・・風呂くらい入れてやれよ。物がいいのにもったいないぜ~?そんなんじゃ、股開かねーと誰も相手してくれなくなっちまうぜ?」

「・・・そう、すれば・・・私を必要としてくれる?」

「ぁ?・・・あらま、こりゃ重症だな」

「物は良いんだから、んなことしなくても平気だよ」

「・・・でも、わたし、彼氏とかできたことない、し・・・誰も、わたしを必要となんてしてくれてない」

「はぁ~?・・・そりゃお前、男のほうに見る目がないだろ・・・ってか、マジで言ってんのか?だとしたら、もうちょっと、回り見たほうがいいと思うけどねー」




「はぁーやれやれ、馬の話を聞きにきたつーのに・・・。それより、マジなのか?あの娘がだれにも相手にされなかったっての」

「そんなことないですよ。詩織ちゃん、告白とかされて、告白してきた人が、学校内でも特に人気のあった二人で・・・でも、その二人共を詩織ちゃんは断ったんです」

「あーそれで、その男を振ったことで逆恨みされたとかか?」

「逆です。男の子の方も恨み言なんていってないですし、周りの人もそうです。でも・・・高嶺の花だって、思われちゃったんです。詩織ちゃん、委員長もしてて、頭もよくて・・・すごく頼られてたんですよ」

「なるほどな・・・でも、あーなっちまうんだよな・・・」

「経験があるみたいな、言い方ですね」

「ま、長く生きてるとな」

「詩織ちゃんが言ってる、相手にされてないとか、誰からも必要とされてないとか、根も葉もないことなんです。本当は全部その逆なのに・・・」

「そうなんだよな。けどよ、そう・・・思い込んじまうんだよな」

「ぁあ、そうです・・・言い忘れる前にいっておくです。詩織ちゃんは、私の、私たちの大事な 家族 です。 だから、次にあんな事いったら・・・ぶん殴りますよ?」

「あ?あんな、こと?」

「股を開かないと相手にされない」

「ぁ?・・・あぁ~あれは、言葉の綾だよ・・・あそこで食って掛かって、くるとかなら、そこまででもなかったんだが・・・ありゃ時間かかるぜ?」

「覚悟の上です」

「・・・幸せな奴だな、正直、羨ましいぜ」

「それ以上の幸せを、私たちは詩織ちゃんから、もらってますから・・・それと、もし、なにか辛いこととかあったら、話くらいは聞いてあげますよ」

「ちょっと前なら、その言葉に甘えていたかもな・・・だけど、まぁ、いまは、なんつーか・・・間に合ってるつーか・・・でもまぁ、ありがたく受け取っておくぜ」


若干飛び飛びだが、大学卒業あたりの3人の設定を付け加え…**



市議会議員から衆議院議員へとなった 天月詩織氏 暗殺、凶弾に倒れる。

このまま政界に立ち続ければ、いつかは女性初の日本首相になれるとも言われていた、天月詩織議員が演説中に銃で撃たれ死亡した。

犯人はその場で取り押さえられ、その後の事情聴取で殺人の動機は、やくざと癒着しているのにもかかわらず、過度に弱者の味方をする姿勢が気に入らなかった、などと供述しているとのことです。

天月詩織議員暗殺の犯人、寺島昇が刑務所内で死亡。

天月詩織議員殺害の犯人である、寺島昇受刑者が刑務所内で死亡するという事件が起きました。

天月詩織議員の関係者からの手紙を読んだ直後に自殺したものとして、警察では調べが進められております。


うちのじいさんが市議会議員だったのもあり、安倍さんが暗殺される数年前にこの設定をいれ…。



殺害された天月詩織氏所有の天月牧場で生まれた クルセイド G1オークス勝利。

天月詩織氏が所有していた牧場をその後も維持し続けた 新地あゆ、浅間朱氏 二人の軌跡と故天月詩織氏との関係を今夜ノーカットで放送。

「その筋の人と仲がよかったて言われてますけど、その通りなんです。けど・・・詩織ちゃんの事を知ってる人や知ろうとしてる人なら、きっと気づいてるはずです」

「そーそー、しおりんが殺されて、ボクたちより怒ったのって、時津組とかやくざの人たちなんだけど、、なんでかって言うと、しおりんは、ただやくざとかを責めているだけじゃ駄目だって、気がついてたから」

「うん、だから、そういう人たちから、話を聞いて、それで、ああいうことしてたの。あの人たちも、本当は・・・。みなさんは考えたことがありますか?もし、そうなるしかない、そんな状況だったらって・・・」


やくざは必要悪であり、この世がどんなに理想的になろうとも、それに適応できない人たちが必ず出てくる。
そういった者の受け皿となる場所が必要であり、反社会的な者の集まる場所が必要なのだ。
そのような組織がないと、ゴキブリが野に放たれるが如くであり、治安維持という名目ではなるべく一か所に巣をつくり集まってもらった方が楽なのだ。

「こういった意見にも賛同はしていたというのは?」

「事実です。勿論そこまで乱暴なことは詩織ちゃんはいってないですけれど、その意見自体は間違ってはいないだろうし
なぜ暴力団のようなマフィア的な組織が存在し、警察組織も根絶を掲げているのにも関わらず、無くならないのか?などの理由の一つととらえていたと思います」

寺島昇受刑者に自殺を決意させた手紙を書いたのは、あゆ氏だった!?

「・・・そうです。きっと、あの手紙を読んで、自分で・・・わたしも考えました、わたしが殺しちゃったのかなって・・・。でも、やっぱり、許せなかったんです。けど、本当に許せないのは、詩織ちゃんを死なせたことじゃなくて・・・。なにが、あの世に詫びに行くですか・・・そんなこと望んでたわけじゃないです。自分が殺した人は、本当は自分を一番理解してくれた人かもしれない、それを知って、あの人は死んだんです」

「くそずるいよね」
「本当に、くそずるいです!」

弱者の存在理由について

「誰でも弱者になりうるというのが理由の一つですし、詩織ちゃんも精神的な障害を抱えていたんです。ただ、そういった意見に関しては詩織ちゃんも、うまく言えないけれど、そうしたいから、といってました」

「私も同じで、困っていたりした人がいたら、助けようとするじゃないですか?それと同じで…ただそれが、目の前の人を助けることと、理想で全ての人を助けようとするのは違うというのはわかりますし、助けるには色々なものが必要になってきますからそういった意見がでるのもわかります。けれど…もしそれが無くなったとしたら、どうします?どうなると思いますか?」

「僕も別に独りで何でもできる人間じゃないし、助け合いは大事!」

事故などでは致し方ないと思うが、初めからカタワだったり、精神障害をもっている人は優生思想的にも遺伝子的にも必要がないのではないか?

「差別的な事に聞こえますけれど、間違ってないと思います。馬の世界ではそういったものは淘汰されてしまいますからね…優生思想や血脈などの思想を体現した場所だろうなと私も思うときがあります。ですけれど、それはサラブレッドである馬の話で、明確に速く走ればいいと言う目的があるからできることなんです。そういった一つの物事についてだけいえば、優生思想も間違いではないんです。でも、人にそれを当てはめることはできますか?何が正しいのか…今現状それが正しくても、変わってしまう事がある、それに対応するために多様性を認めていかなければならない…詩織ちゃんが求めた世界も、いつかは間違いだとされてしまうときがくるかもしれないです…一昔前はそうでしたから」

「僕たちって存在する価値があるの?みたいなのはよく聞くよね。しおりんも同じ事いってたことあるし…理由とか価値とかつけたがるけど…気にしすぎないほうが良いんじゃないかな?生きづらくなっちゃうだけな気がするし…けど、弱ってるときとか気分が沈んでるときはそんな考えもしちゃうよね。そんなときは…考えない事!考えないようにする、逃げてるだけだっていう人もいるけれど、僕がそんな気持ちの時にしおりんも言ってたんだ、考えすぎないのって…で、しおりんがそんなときは僕が同じこと言ってた。
出来るかできないかはわからないけれど、嫌な考えが浮かぶ時って何考えても嫌になるようなことばかりだからね…そういうときは考えない初心者を目指そう!」

助けると言うのは確かに聞こえはいいし、できるならそうしたいけれど、自分たちにもそんな余裕はない
他にも、お金がないなら子供産むな、誰かを育てられるほど自分に能力があると思っているのか?そもそもこれだけ人間は増え続けているのになぜ産む意味があるのか?所詮産む側のエゴに過ぎないのでは?

などの意見も届いてますね。

「そうですね…おっしゃる通りだと思いますし、その意見もわかります。助けようとして手を取ったけれど、結局無理で…途中で手を離された人も痛いですし、離した人も心が痛いはずです…そうならないように、助けるべき時はよく考えたほうが良い…わかります。子供に関しては…命には限りがある物だからこそ、伝えたい事を伝えてゆくためただと考えています。それが親のエゴで子供には選択肢がないと言われると、その通りだからこそ宝物の様に育ててほしいと思います。
助ける事と育てる事…どちらもまた、自分たちに余裕があってこそだと…頭ではわかっていても、体が動いてしまう事ってあると思います。そのどちらも正しくて…だからこそ難しい問題で、答えの出ない問題だからこそ考えて行かなければならないことなのでしょうね」

「僕も虐○とか見るとなんで産んだの?って思うときがあるし、子供作らないの?って周りから言われちゃう問題もあるし、助けるなら最後まで助けなよって思うときもあるけれど…そんな簡単に割り切れたらいいよね」

ここで、別の質問が届きました…あ、いえ、質問の答えに対する質問というか…

「見せてください」

あ、いや…かなり個人的な感情もかかれているので質問部分だけをかいつまんでお伝えします

生産性がない人間にも生きている価値はあるのか?…あ、朱さん、いや、これは…見ない方が…。

「…お前らのように家庭環境も良くて、金にも周りにも能力にも恵まれている、そんな奴らが底辺のことなんてわかるはずがない、お前たちはみんな偽善者だ、そうやって弱者を救うとかいっておきながらビジネスにしてそのうちにどちらかを切り捨てるんだ死ねって書かれてるね。しおりんの事も殺されて当然だって」


「尻軽、顔だけ、苦労知らず、弱者を客寄せパンダに…詩織ちゃんは、そんな人じゃないです。あなたに見えている詩織ちゃんは寺島さんに見えていた詩織ちゃんと似てますね…。
もう一言言わせてくださいね。

なにもしらねーくせにわかったようなことほざかないでくれます?

…あなたの質問に答えますね。生産性がない人、社会の歯車にもなれなかった人は、あなたの言う足を引っ張り、税金を使い生きているだけの邪魔な存在だという乱暴な思想を否定するつもりはありません。
ただ、私たちがそうしたいだけです。片方を助けたら別の片方に負担がかかるのはわかっています。だけど、だけど…誰かを助けたい、誰かの為にって、そんな考え方って綺麗じゃないですか…
私たちは、あなたの言う生きる価値がない、そんな人でも生きられる社会をつくりたいんです。勿論理想論なのもわかっています。
その為の税金や枠組みとか、あなたのように考える人たちのこととか、どうするんだってことも沢山…沢山あります…それでも誰かを助けたいって」

「それに、あなたも弱者ですよね?本当は助けてほしいんじゃないですか?…それなら、来てください。ご飯とケーキとお茶くらいしかだせないですけど、話くらいは聞いてあげますよ」

「しおりん殺したあいつも、本当はそうだったみたいだしね~…あゆちーのケーキ美味しいよ。牧場で馬の世話してみたり、あと山の中でキャンプ出来る所もあるから、スマホとかきんだいへーきとか忘れて自然の中で考えてみたら?」

番組スタッフの一人も…

「・・・実は、わたし・・・詩織さんが議員をしているときに、失業してまして・・・。食べるものにも困りホームレスに・・・そのときに、詩織さんが、炊き出しをしていて・・・何度もそこで飲食を・・・後から詩織さんが私財を投げ打ってやっていたのだと・・・っ、できれば、本人に・・お、ぉ礼をしたかっ、た!」

「あのなかには、こわーいおにーさんたちも混ざってたんだよ!」

「でしたねぇ~・・・その後、やくざをやめて、人のためになるようなことをしだした人も、いましたね」



「フラグメンツブルーと~、そうですね~、インタールードですね」

ここで天月議員の話に戻りますが、天月議員の事を知りたいという言葉も多く来ております。

「詩織ちゃんの事は、天月牧場のブログでも書いてありますけれど、そうですねぇ~」

「しおりんは、一言で言っても最高だったよ。可愛いし綺麗だし…頭もいいし」

「ですねぇ~、それだけじゃなくて、学生の頃から高嶺の花みなたいにいわれちゃってましたけれど、詩織ちゃん自分の事とか、恋愛の事とかはあまり得意じゃないでしたねぇ~」

「だよねぇ~、自分が余り可愛くないとか言ってたし!自分の事だからよくわかるとか言ってたけどさぁ、自分がどれだけすごいのかわかってなすぎだよ!」

「そんなところも、詩織ちゃんの魅力ですねぇ~、あと、信じてもらえないかもですけれど、学生の頃のお化けのはなしとかもあって~」

「美鈴っち!…あ、美鈴っちは僕たちの大事な親友の一人で」

その番組は、涙と笑いが一つになる、そんな終わり方だった。



「ちょいと、まった!聞きたいことがあるんだが、いいかい?」

「あの二頭以外に、もう一頭いいのがいるんじゃねーかぃ?」

「・・・そのこは、、たぶん、走らないです」

「へぇ~、そうかい?あれだけの血統だぜ?」

「レースではない、別の場所できっと、花が咲くと思います」

フラグメンツブルーはその後、桜花賞とオークスを勝ち、三冠は取れなかったものの、エリザベス女王杯を制した。

「霧島大和騎手は前日のレースで落馬、騎手は変わりましたが、さて、どうでしょう、同郷のフラグメンツブルーに続けるか、楽しみですね」

「ええ、そうですね。大和騎手もひどい落馬だったのにもかかわらず、暫く安静にしていれば、とのことですし、不幸中の幸いでしたね」

インタールードは、日本ダービーを勝ち、天月牧場はオークスとダービー同時制覇となった。

そして残った一頭・・・アマツキとハルカゼの血をひいたアマカゼは・・・あゆのいうとおり、レースでは振るわなかったものの、その血筋から顕彰馬を何頭も送り出す大種牡馬となった。


尚、この天月牧場の快挙達成の最中、天月詩織議員と交流があり、通称 鉄の女 と呼ばれていた劉白蘭議員が日本初の女性首相となる。帰化こそしているが、元は中国人であったため、若い頃は数々の誹謗中傷に晒されていた。
そんな折に、天月議員と知り合い、意気投合。お互いに福祉に力を入れ、差別や偏見、社会的弱者の救済などで結託、双璧 と呼ばれていた。

「私たちにも余裕なんてない。誰かを助けることによって、自分もいつかは…恩送り、恩返し、情けは人の為ならず、巡り巡って自らの為になる。それを実行しているだけよ」

「政治家なんてやるべきじゃない。どんなに良い事をしても認められて褒められることは殆どない。あなたに会うまではそう考え始めていた」

「懸け橋になる…その為には地盤を固める必要があった。大きな目標の為に、まずは小さなことを…口で言うのは簡単…正直諦めかけていた。けど、あなたと一緒なら…できそう」

天月議員が凶弾に倒れた際にも冷静に対応、その後も、後を引き継ぐ形で政治社会に貢献した。

「腹部に二発、胸に一発…そして顔に…わかるでしょ?」

「顔がね、砕けているの…砕けているのよ…お願いだから見ないであげて」

「報道の自由…撃たれた時の映像はすでに流れている?…そう、なら好きにすればいい。
 彼女や彼女を支持していた人たちからどう思われるか、その覚悟があるならね」

…彼女のプライベートなどは明かされていないが、首相になったその夜、自宅に置いてある天月議員の写真の前で 「あなたがいればもう少し楽ができたのに…」と一言だけ呟き、一献の酒を傾けていたという情報が嘘か誠か流れたが、この件に関して、劉議員の反応は「首相となった彼女の…詩織の補佐役に徹し支え合う事が公私ともの夢だった」と答えている。
日本初の女性首相が中国人である事に反発が起きるだろうと言う反対派の懸念は今の所杞憂でおわりそうである。…何より劉議員は天月議員の正統な後継者であり盟友である。今までの実績も確かなものがある。彼女は鉄の女…実力で黙らせるタイプだ、不幸にも倒れた盟友との誓いを20年以上が立った今でも護り歩み続けている。日本のマーガレット・サッチャーともいわれる劉白蘭首相の今後の展開に私の期待は高まるばかりである。

「詩織がいたら楽ができたわ。…私だけじゃなくこの国そのものがね」

天月議員が撃たれた時、光輝く円状のものが護ろうとした…その 鏡 の様な物は銃弾に当たると粉々に割れて、彼女の鮮血と共に飛び散った。今でもその時の動画を見ることができる…あれは何の光だったのだろうか?

「あの娘は…この国の守護神に認められていたの…誰も信じることはないでしょうけれどね」

「美鈴…今忙しい?…そう、あなたと出会ったのは詩織がいなくなってからだけれど…感謝しているわ あなたのコネというと言い方が悪いけれど、コネクションには助けられてきた。詩織が目指した世界 …どこまで近づけるかわからないけれど…。え?あぁ…そうね。あなたは、そうね。感覚でそうして 今でも人を救っているわ。けれど、人には感覚ではなくて、理論的に言葉で伝えることができないと 納得しない人もいるのよ。…そうね、自分の心のままに…何が正しいと思うのか、詩織は詩織、私は 私、わかっているけれど…あのこの存在は…そうね、ありがとう…。
 積もる話もあるし…私が相談したいだけなんだけれど…今度時間が出来たら、あなたの所に行っても いい?…あゆと朱も?…そう、いいわ…正直あの二人は苦手だけれど…同じ、詩織の…ごめん…あの こに縛られすぎよね…え?ご飯…?そう、そうよね…鯛のお茶漬け、あれが美味しかったわ」

あゆと朱…あの二人は割り切れている…美鈴も割り切っているが、あの二人とは違う…。
詩織が故人であるという認識…私も勿論しているし、美鈴もそうだ…だけれど、あの二人とは違う…これは嫉妬に近い感情だ…私はいまだにあのこの陰にその存在に、その思想に、その生き方に…縛られている…今でこそひかえているけれど酒を浴びるように呑みだしたのも…ほんと、鉄の女が聞いてあきれるわね。



「詩織ちゃんのせいにしないでもらえます?全部白蘭さんがやってきたことですよ。詩織ちゃんじゃないです。詩織ちゃんは死にました。死んだんです。もういないんですよ…もういない、いない…白蘭さんがやってきたことは…詩織ちゃんがしたことじゃないです。全部、あなたの功績です。詩織ちゃんがあなたを走らせたことは間違いないです…けどもう、詩織ちゃんを…休ませてあげてください。
白蘭さんの中では…詩織ちゃんは生きているんですね、けどそれは死者として生きているわけじゃない本当にそこにいるように白蘭さんは感じている」

「そうそう、しおりん…疲れちゃうよ。でも僕は、ううん。僕もわかるよ…しおりんに縛られるっていう気持ちが…しおりん、すごいもんね…自然に出来ちゃうんだ。言葉で説明しなくても、会えばわかっちゃう」

「詩織は詩織…あなたは、あなた…詩織の想いはあなたの中で芽吹いている…いまも、生きている。それは大事、でも、詩織は、あなたを生かすことはする…けどもし理想の為にあなたが犠牲にならないといけないのなら、その理想を違う形にしようとする…詩織は、そういう人…それでもだめなら…詩織は一人の犠牲で全てが丸く収まるのなら、全てを犠牲にして滅びる方を選ぶ…これは自分が犠牲になれない場合…自己犠牲の部分だけを見れば、あなたは詩織と同じ…私も、白蘭と同じ…でも、詩織は…そういうのを嫌がる」

「…あなたたちに何がわかるの?…政治はそんな綺麗事では済まされない…詩織は、あのこの理想を叶えるには、いえ、私が目指している夢を叶えるには、けど、それを他者に求めることは出来ないわ…だから」

「やめてください…白蘭さんは詩織ちゃんじゃないんです。詩織ちゃんは…詩織ちゃんなら…」

「私は!!…私は、あのこの、詩織の生き方に憧れたのよ。一度はあきらめた理想を、形こそ違うけれどあのこを追う事で叶えられた…だからっ!!」

「やっぱり、しおりんはすごいよね…すごすぎる人って、それだけで誰かに影響しちゃうんだ」

「詩織の存在は、大きかった。とても、言葉にできないほどに…私なりに考えて…あのこが望んだ世界にするには、考えて、考えたわ…そうしてたどり着いた…けれどまだ、あの子が描いた理想には遠いのよ…上に行けば行くほどに、見えてくるわ…けれどそれがなに?日本のトップになったからといって、何かを変えることはそう簡単にはできないわ…まだ、全然足りないのよ」

「白蘭さんのすごい所は、そこですね。ただ詩織ちゃんを摸造するんじゃなくて、自分なりに解釈して自分なりに進んでいく所、すごいと思います…もう、白蘭さんは首相です。この国の一番の人になりました…これからこんな風に会う事もできなくなるでしょう…けれどあなたは一人の人間です。矢面に立たされて…白蘭さん一人がそんな思いを背負う必要はないです」

「…詩織はそれを嫌がる。自分がそうなることで済むならそうする…けど私がそうしたら怒った…。そんな矛盾をもったのが詩織…私は、そんな詩織が好き」

「…見えるのよ…詩織の…砕けた顔で笑っている姿が…見えるのよ…今でもあの子は、私の隣に、そこ にいるのよ…」

「白蘭さんにはみえるのですか?…私には詩織ちゃんは見えません…」

「僕にも見えないよ…ただ、近くにいてくれるているのを感じるときはあるけど」

「…詩織は…もういない。白蘭の想いが詩織の形になってそこにいるように見えるているだけ…けど、あなたにとってはそこにいる…。私の生き方も、詩織を何度も怒らせて泣かせた。
ねぇ…白蘭…詩織は本当に…笑ってる?」

その日、私は詩織が見えると言う話をした…撃たれて砕けてしまった顔で、それでも、微笑んでくれている…

けれど、気が付いた…あれは、微笑んでいるのではなく 美鈴の言う通り…泣いていたんだと…。

私がここに来るまでの間、詩織はずっと私を見てくれていた…私がどれほどの事をして、どれほど日本にその国民に尽くそうとしたか…全てを、知ってくれていた…。

喜んでくれているとそう信じていた…けど…あなたは、泣いていたのね…。

ごめんなさい…私はあなたの期待に応えられなかった…

泣き崩れる私の前で 

「ありがとう もう無理はしないでね…。
 私の本当の理想は…ただ、周りの人が幸せでいてくれればいい、それだけよ
 白蘭…あなたも勿論そこに含まれているの、それを忘れないで」

光に包まれて…綺麗な顔でそう言って微笑んでくれた…わたしは、その顔が見たかった…一緒に…生きたかった…ずっと、一緒にいたかった。

その日から、詩織の姿は見えなくなった…。


日本の首相の暗殺依頼…世界では女のトップはままいるが、この国では初めてらしい。
…理由なんて事細かには知る必要はない。依頼に従い、それを完遂するだけだ…。

演説中…インパクトを狙え、大衆は愚かだからそれだけで…か。まぁどうでも…

気づかれた?…いや、わかるはずがない、これから撃たれることになるなんて、わかるはずがない…
なのに、それまで気丈な顔で演説をしていたその顔は…スコープ越しに、俺の方を見た表情は…
撃てなかった…鉄の女…?あれは…あの顔は…ただ一人の女じゃないか…。

喜んでんのか?泣いてんのか?なんなんだよ、その顔は…一体何を背負い込んでるんだよ?
要人の暗殺もごまんとしてきた…だがこんな顔する奴は初めてだ。
あぁ…さっさと逃げりゃよかったのに、俺は動けないでいた…馬鹿みたいだ。
そうしておらぁパクられた。


「仕事上、色んな奴を見てきた。だからかな、スコープ越しにでもなんとなくわかっちまうのさ…あぁ、こいつはクズだなとか、こいつは殺されるような奴なのか?とか…指輪が新しいな、結婚したばかりかまるで映画だなとか、馬鹿みたいな笑顔だ、これから死ぬのにな、とか色々な」

「あなたみたいな繊細な人がどうして殺し屋なんかに?」

「…これしかできなかったからだ…物心ついた時から周りは戦場だった…学校にもいってねーしよ。
 俺からも聞かせてくれよ。あんた、なんであんな顔したんだ?あれはまるで、撃ってくれていってる ように見えたぜ…それと誰だか知らねぇが、やっと同じになれるってそう思ってなかったか?」

「…あなたは、超能力者か占い師にでもなったほうがいいんじゃないかしら?」

「おお、考えもしなかったぜ。そりゃいいや…死刑になってくたばらなければ、考えてみるかな」

「…ついで、というか、これが本懐でもあるんだが…そうなったら、一杯付き合ってくれるか?」

「えぇ…そうね。考えておくわ」

「へへ…ありがとうよ、嘘でも嬉しいぜ、イクノディクタスちゃん」


「…彼の刑は…やっぱり死刑?」

「そうですね。間違いなくそうなるでしょう。彼が殺した人物は多すぎる…既に世界中から彼の処遇についての話が来てますよ」

「…そう」

「口封じの為に刑務所内での暗殺も考えられるので、厳重に厳戒態勢を引くことになりそうです」


あぁ、そうだ。私はこんな人が、こんなことをせずとも生きられる世界を作りたいんだ。
詩織…あなたは、今でも私の隣で微笑んでくれているかしら…?
それとも、今でもまだ、撃たれるかもしれないときにまで、あなたと同じになれると思った私を見て泣いている?…詩織、これがあなたが私に与えた影響なの…けれど、私は私…理想と現実の狭間で足掻いて、足掻いて…足掻きって見せるわ。




「霧島大和騎手は前日のレースで落馬、騎手は変わりましたが、さて、どうでしょう、同郷のフラグメンツブルーに続けるか、楽しみですね」

「ええ、そうですね。大和騎手もひどい落馬だったのにもかかわらず、暫く安静にしていれば、とのことですし、不幸中の幸いでしたね」


今年もカミカゼ!これで10年連続リーディングサイアー達成。

カミカゼの父 ハルカゼ 7度目のブルードメアサイアーリーディングに。

日本初の凱旋門賞馬 ハルカゼ 22歳で死去。


「詩織さんは・・・初恋の人だったんですよ」

「新しく牧場をやるというので、募集をしていて・・・今考えれば、経験のある人を雇えばって、思うんですけどね。ほとんど何も知らない僕を、牧場で雇ってくれて、あゆさんと朱さん達とも一緒になって、色々勉強して・・・」


霧島大和騎手、引退を表明。悲願の日本ダービー勝利は叶わずとも、競馬界に大きな軌跡を残す。

「今年もこの男だ!!菊花賞制覇の代行人!!!霧島大和騎手!これで4年連続の勝利です!」


「ぼくは、騎手人生で遂にダービーを制することはできませんでした。ですが、悔いはないです」


「菊花賞を4年連続で勝たせてもらって、その後も3度勝ちました・・・7度も同G1を制した騎手なんて・・・夢美さんへの良い贈り物になったと思っています」


その後、霧島大和騎手は調教師の道ではなく・・・騎手を育てる道へと進んだ。

カミカゼ主戦 霧島大和元騎手 競馬学校校長となる。

「アヴェイユさん・・・。あの時の記者会見では夢美さんへ贈り物と言いましたけれど・・・本当は、ぼくが贈り物をもらっていたんだと思っています」

「ダービーでインタールードに乗るはずだったのに、前のレースで手ひどい落馬をしましたからね。死んでいてもおかしくはなかった・・・きっと、夢美さんが護ってくれたんです」

「夢美?詩織の間違いじゃない?・・・立ち直る為の時間にはなったんじゃないかな」

「そう、かもしれませんね。・・・じゃあ、両方の、です」

「ふふ、欲張りだね」



「それに・・・アヴェイユさん。僕は、立ち直る事ができなかったんですよ」

「・・・やっぱり、そう?」

「ダービーの日が近くなると、思い出してしまって・・・」

「本当に 愛 してたんだね」


「・・・いえ、最初で最後の恋です」


「お互いに・・・意地っ張りで頑固だね」

「そうですね。きっと似ているんです。詩織さんはその生涯を恵まれない人に捧げました。・・・僕は馬に乗る人の為に生涯を捧げようと思っています」


だいぶ前に書いたアヴェイユ・ファストリア嬢

このシルフィリア・ファインシルツと同じくとってもお気に入りのキャラです。
本編のヒロイン二大巨塔かな。が…本編よりも、セティルの作る物語と言う名の世界線でなんか色々されたりしたりする事が多いかもしれない。

そして競馬、好きなんですよ。ナリタブライアンが特に…まぁ、こんな感じで遺された人たちのその後と共にしおりんの最期ができあがりました…。
非常に、思い入れの強いキャラです。

ぶっちゃけ「は?ふざけんなし」とか言って、歴史改変をセティル当りがするでしょうけれどね!

ジェシカ・フォームンクルス・マイジスター

通称ジェシー。セティルの本の中に存在している。
…はずだったのだが、セティルが本当に自分の世界に作りだしてしまった。アヴェイユの髪の毛とセティルの魔力から作られたホムンクルスである。
物語の最後に登場し、セティルの事をおとうさんというがセティル自体はその存在を忘れていた。
アヴェイユにもお母さんといい「どういうことかな?セティル」といわれ、忘れていたことを思い出す。セティルは周りから非難されまくりである。
宝石を生み出すことができ、そこから様々なホムンクルスを作り出すことができる。が、自身の戦闘能力はあまりない。
自分の事を忘れていたセティルに対してはつっけんどんな態度をとっている。それでもセティルの本の世界には興味があるらしく、本の中を旅したりしているようだ。

本編であるセティルの世界でのキーキャラクターがジェシーと鬼の祖である絶影であるなら、セティルがどうにかしたい地球の世界のキーキャラクタは詩織なのかもしれない。

そんでもって、しおりんもそうなんだけれど、メインキャラは先ほども書いた通り、セティルのお友達の髪の毛とかから作り出されたホムンクルスである。
なので、誰と誰を組み合わせたのか?同性同士ではうまくいかないが、やらないわけではないとか、え、これとこれの組み合わせなの??みたいな裏設定もあったりする。

…死ぬるまでにつくれるかしらーこの世界感。

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