MARO/グローバルワン 2024/06/02 08:21

銀河英雄戦艦アトランテスノヴァ シャレーダーグローバルワン セラフグローバルワン

夜の訪れと共に・・一人の男が
誠矢達が宿泊する男組のバンガローに
訪ねてきた

「今晩は、御免下さい・・大城総戦闘隊長は
いらっしゃるでしょうか?」
野太く無骨な声とこの喋べり方は軍人か?

小原はその声に聞き覚えがある様な気がした
誠矢が出迎えようと腰を上げるのを止めて
「あっ!俺が見てきます、隊長は待ってて下さい」

そう言って席に座って貰う、狂信者に
命を狙われている人だ用心に越したことは
無いだろう、いざとなれば
今度は自分が身を挺して庇うつもりだ

小原は訪ねてきた声の主の顔を
まずは確かめようと
慎重に玄関の戸を開いた

そして相手の顔を見た小原はその人物の顔に
見覚えがある事に気が付く

「あっオマエは!」

顔に目立つ傷のある強面の大男
{横浜で揉めた際に小原を殴った}
あの宇宙戦艦金剛の将校に間違いなかった

その強面は罰の悪そうな感じで
被っていた帽子を脱ぎ小原正二に
まずは詫びた

「自分は戦艦金剛の乗員で鬼瓦と言います
そ・・その節は大変申し訳有りませんでした
知らない事とはいえ・・小原さんに
あんな失礼な態度と・・」

そこで強面の目に涙が湧き出る
「ぼ・・暴力などを振るい・・謝って済むなど
到底思えませんが・・どうかお許し頂たい」
そう言って深々とお辞儀をする

この前とはまるで別人の様なその態度に
小原は戸惑い逆に頭を上げるように鬼瓦に
頼むほどだった、いったいこの男に
何があったのか?

そしてそこに大城誠矢がやってきた
「お前等玄関先で何をやっている
近所迷惑だ、鬼瓦さっさと上がれ!」

「畏まりました大城師範代!」

誠矢にそう言われると鬼瓦は満面の笑みになり
いそいそと靴を脱いで玄関を上がる

『師範代?何があったんだ?』
事情を知らない小原は怪訝な表情になる

その小原の肩をポンと叩き誠矢は
「お前にも事情を話す・・・こいつはもう
事情を知らない赤の他人じゃ無くなったんだ」

鬼瓦は誠矢にそう言われたのを
心の底から喜び誇らしげに肯定した

「そうなんです小原さん自分も
ハヤテ組の末席に加えさせて頂ました」

「はあ?」

ヤクザじゃ有るまいし・・ハヤテ組って何じゃ!?
小原にしてみれば寝耳に水だが・・

この鬼瓦は誠矢の推挙で防衛軍警察の地獄訓練に
参加しそこで(心身)を鍛え直され、遂には
大城総隊長に認められるまでに育ったのだ

「それでハヤテの秘密を教えられたと?」
鬼瓦は顔を赤くして嘆いた

「知らなかったっンス・・
まさかお荷物だと思っていた
ハヤテに地球が救われていたなんて・・」

「それを防衛軍関係者の殆どが知らずに
自分達こそが地球の護り手だと嘘吐いて、
道化そのもの・・自分はそれを知る事が
出来て幸せっす」鬼瓦はそう言って涙を流す

「だが・・そのせいでお前も
危険な目に合うかも知れないぞ」

鬼瓦は「望む所っす」と誠矢に言った
小原は思う、この男も別に悪い人間じゃない
ただ誤解があり衝突したに過ぎないと・・
何も知らない事も不幸だと感じるのだった。

そして鬼瓦は勝艦長に
大至急伝えたい情報があると誠矢に言うと
「勝艦長は別棟のバンガローにおられる
一緒に来い鬼瓦!」

「はい師範代!」と威勢良く応えた。

____________________

★付箋文★

東京湾沖合に10隻の宇宙戦艦が停泊する
表向きは乗員の休養が理由であるが
本当の目的は全く違い
宇宙戦艦金剛の会議室で秘密裏に
10名の艦長達が緊急の決起集会を開いていた。

「諸君!」
宇宙戦艦金剛の金剛艦長が声を張り上げる
その傍らには今や彼の参謀役でもある副長が
控えていた

「今や誉れ高き地球防衛軍は
小田司令長官一派の私物と化した
此を放置しておく事は宇宙よりの
侵略者共に対抗する上で余りに不利」

「まず組織内部の巨悪を処断せねば
我等防衛軍に勝利はないのだ!」

「そうだ!そうだ!」
宇宙戦艦金剛の乗員達は金剛艦長の言葉を
艦内放送で聞きながら艦長の言葉を
傾聴している、その中の特に過激な若者達が
艦長の言葉に同調していた

金剛の会議室ではこの会議のことを
知らずに参加した艦長達も集っていた

「このような集まりとは聞いていないぞ」

「金剛艦長はどうしてしまったんだ?」

事情を知らされず偽りの会議に出席させられた
艦長達は困惑の色を隠せない
その艦長達の様子に金剛艦長は咳を一つして
今回の事をまずは詫びた

「失礼・・いきなりこんな話を聞かされ
艦長諸君には寝耳に水だったな・・だがだ」

金剛艦長はこうするしか他に方法が
無かったと胸を張った
「諸君等はあの最新鋭鑑の事をどう思う?」

他の艦長は何を当たり前のことを聞くのかと
訝しんだ「・・何ってそれは」

「神風型宇宙駆逐艦ハヤテですな」

「最新鋭と言っても戦力としては期待できない」

「あと・・あの勝さんが艦長を務めている」

「まあ・・かの大英雄には相応しくない
待遇ではあるがな・・」

その答えこそはまさしく
金剛艦長の求めていた回答である

「その通りだ、だから私も彼に
勝流水の能力を惜しみ小田指令に直訴も
辞さない覚悟だと示した!」

それを聞いて他の艦長達も興味を持つ

「それはそうだな・・
異星人の侵略を受けている
この緊急時に彼を駆逐艦の艦長などで
遊ばせて置くなど愚の骨頂だ」
そういって彼は口を慎んだ

「ああ・・此は別に駆逐艦の艦長職を
決して軽んじている訳ではなく」
金剛艦長もそこはフォーローを入れる

「むろん私も其処の所は誤解されたくない
あくまで適材適所の話をしたいだけだ」
だが結局は言っている意味は同じである

元駆逐艦の艦長だった人物も
この場には居るのだ

「それよりも重大な話がある・・それを勝流水
本人に話しても全く相手にされないと言う
不可解な事実を」

此を聞いた艦長達は俄にザワツいた
確かに不自然に感じたからだ
「それは可笑しい・・この人事は
明らかに不適切なものだ・・
抗議くらい申し出ても罰は当たらなく思うが」

金剛艦長はさらに畳み掛ける
「これは有る筋から聞いた話なのだが・・
勝流水と小田司令は幼なじみであり
旧知の仲として今も交流があるらしいのだ」

艦長達は互いの顔を見やり
「・・知っていたか?」

「まあ・・噂程度には」

「だがそれなら益々・・
不当人事の説明が付かなくなるな」

何かの懲罰かとも思われていたが
等と意見を交わした

そこで頃合いを見計らった所で金剛艦長は
副長に指示を出し後ろの電子ボードに
ハヤテから提示された軍事物資の資料を写し出す

「見ての通りハヤテの補給物資や
武器弾薬の補充量も常軌を逸している」

「その量は実に金剛の3倍強であるのだ!」

艦長連はさすがに動揺した
「此は確かに・・駆逐艦の物量ではないな・・
一度監査に報告するべきだろう」

「監査には既に報告を入れました」
金剛艦長参謀役の副長が話に割り込んで来た

このような出娑ばりは艦長連には好まれない
其れが解っている金剛は副長の失礼を詫び
「確かに監査には報告を入れた・・だが・・
問題なしと言う調査結果を聞かされただけだった」

艦長連の一人は
「監査が調査して問題が出なかったと言うことは
ハヤテに問題はないと言う事では?」

「確かに・・だがそれだと物資が何処に
消えたかが問題になる!」

「此は何処かに保管するだけでも相当な
場所が必要になる筈だ」

「それを発見出来ないのだから監査も
問題無しという結論に成ったんだろう」

艦長達の意見は概ね監査が問題なしと
言うならそれを尊重すると言う流れだ・・

金剛艦長は予想の流れに此処で一石を投じる
「それはそうと・・私は諸君等にどうしても
聞いて貰いたい事があるのだ・・」

勿体ぶった言い様に少々じれて
言いたい事があるなら早く言えと催促されて
「それではと・・」おもむろに火星の件を
金剛艦長は持ち出した

「火星か・・」

艦長達も火星が陥落したのは知っていた
だが・・その時・・司令本部が
自分達に火星の援軍に向かうように
指示を出さなかった事も知っている

金剛艦長は拳を握りしめ声を震わせた
「多くの人々が住む火星コロニー
彼等民間人の多大な労力と100年の
時間を有して・・やっと叶えた人類第二の故郷」

金剛の艦長は力説する

「それを異星人などに侵略されて
どれほど彼等が無念であった事か
その屈辱と悲しみは筆舌に尽くし難い!」

この言葉に目を閉じ悔しさに
涙ぐむ艦長も居た・・侵略者に対する
怒りが沸々と沸いてくる

それと同時に・・司令部に対する
焦れったさも感じていた

「火星市民が無事に避難できたことが
大きく報道され過ぎ・・問題に成らなかった
事実がある」金剛艦長の言葉に熱が籠もる

「敵の襲来時に火星に送った援軍が
たった一隻の艦艇であった事が
火星市民の証言で明らかになった」

「確か我々への司令部の説明は
地球の防備を固める為に防衛艦隊は
全艦地球防衛任務に当たるように
と言う指示だった筈だな・・」

「なのに一隻だけを火星に?」

「其れに一体何の意味がある?」

「その一隻とはどの戦艦が?」

最後の質問に答えるように
金剛艦長はおもむろにその名を出す

「その艦とは・・神風型宇宙駆逐艦ハヤテだ」

それを聞いた艦長達の最初の第一声が
 
「馬鹿な!」 だった

「駆逐艦一隻だけ送って何に成るというのだ!?」

「意味がない!敵は大艦隊なんだぞ!」

それが戦艦乗りなら当たり前の意見だろう
例えどれほどの強い戦艦でも
只の一隻で艦隊を相手に勝てる可能性は
限りなく0に近い

まして新鋭艦とはいえハヤテは駆逐艦
・・話にもならないのだ!

「司令部はどうかしている、ハヤテ一隻を
送って何に成るというのか!?」

金剛艦長はここぞとばかりに攻勢に出た
だがそれを聞いて違う疑問を抱いた艦長もいる
宇宙巡洋艦雷光の陣代艦長である

『いや・・待てよ・・敵ガルスグレーサーは
どうしてハヤテを見逃したのだ?
駆逐艦一隻など艦隊ならそれこそ一捻りだろうに』

『第一・・火星市民の脱出を
許した訳が分からない・・』

『此は何かあるな・・』

そのように雷光の陣代艦長が思考していると
{総司令部}より緊急の召集命令が掛かる

<太陽系防衛隊艦隊全艦に告ぐ!
明後日{火星奪還作戦}を発令>

<繰り返す!明日明後日
火星奪還作戦を発令!>

「!?」 艦長連は無論のこと
金剛艦長も、この放送に絶句した

「火星奪還作戦!?」

「地球の防備を捨てて火星を?
それを総司令部が決定したというのか!?」

「おい!どう言うことだ副長!絶対に
それはないと言っていたではないか!?」
金剛艦長は今や参謀でもある副長を問いただす

「いえ・・こんな筈は・・
確かに根回しは・・出来て・・」

金剛艦長は怒り心頭である
弱腰の司令部が頼りにならないのを理由に
小田司令の失脚と言う目論見が・・・
此では話が違う!

腹心の部下であり知恵袋となった
参謀役の副長を苛立ちに満ちた目で睨む金剛艦長
副長は顔を黒い影で半分覆われながら

「情報と違う・・何かの手違いか?」
等とブツブツと呟いている

「何はともあれこうしてはいられなくなった
本日の話は此処までとしていただこう」

艦長達は慌ただしい様子で引き上げ始める
そっれを見て慌てて止めに入る金剛艦長

「待って下くれ!まだ話は・・・」

その言葉に耳を貸す者は居ない
ゾロゾロと会議室を後にして出ていく

宇宙巡洋艦雷光の陣代艦長が
壁に背を預け腕を組みながら
なにやら呟いている副長と
うなだれる金剛艦長を一瞥し
二人を残して最後に出て行った。

_____________________

この作戦は火星が敵に襲われた日から
綿密に立てられた作戦だった
火星コロニーは人類の夢・・第二の故郷

あの時は
敵にとっては手に入らなくても惜しくはない
場所であり火星市民の命も戦闘になれば
どうなっていたか解らない
地球側が圧倒的に不利な状況だった

火星コロニーを破壊されず市民の命も
救う事・・それが最重要だったのである
そう小田司令は太陽系防衛宇宙艦隊の
艦長達に布告した

「成る程な得心がいった
・・全ては火星市民の生命財産を
守るために取った行動だったわけだ」

常識的に考えて特査が入って問題なしと言う
結果が出ればもうそれで疑う余地はない
小田司令はやはり潔白だ、それでも火星の件
に関しては疑問が多かった

宇宙巡洋艦雷光の陣代艦長は
小田司令の慧眼に感服した、それで
ハヤテを火星に送ったのか・・
駆逐艦一隻ならメッセンジャーとして
敵を刺激しないだろうし・・

敵も出来れば無傷でコロニー施設を
手にしたかったと考えれば辻褄が合う
陣代艦長はこれで火星コロニーを
無傷で取り戻せば結果的には
防衛の積任は果たせると考える

市民が帰れる故郷を無傷で取り戻す・・
それが一番重要な防衛目標なのだ。

__________________



次回
火星奪還作戦に続く

to be continued.━━━━━━━━━━━━━━━━━━★付箋文★
8:18 2024/06/02

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シャレーダーD02 シャレーダーD02


ターゲット04

シャレーダーセカンドNO.32アフリカ奪還作戦I シャレーダーセカンドNO.32アフリカ奪還作戦I


シャレーダーセカンドNO.40 シャレーダーセカンドNO.40

シャレーダーセカンドNO.39 シャレーダーセカンドNO.39

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シャレーダーセカンドNO.36 シャレーダーセカンドNO.36


シャレーダーセカンドNO.35 シャレーダーセカンドNO.35

シャレーダーセカンドNO.34 シャレーダーセカンドNO.34

シャレーダーセカンドNO.34

これは大阪に生き残る
200人の運命を賭けた
絶望と希望の脱出劇

それは悪霊と化した妹とする
恐怖の鬼ごっこ
その恐怖の時間を
逃げまわる婦警隊副隊長
泉真紀子、だがこれは
巨乳隊長が考えた作戦だった
その間に 一番の大物
アーモンに罠を仕掛ける
隊長と侍ディーヴァガイ
そして木星は最悪の戦場と
化してしまうのだった。
シャレーダーセカンドNO.33 シャレーダーセカンドNO.33

シャレーダーD01 シャレーダーD01 シャレーダーD01 シャレーダーディストラクション      フェーズ01 シャレーダーディストラクション      フェーズ01

人造悪魔ダークネスに
よって世界は激変した!
そんな最中
大阪に取り残された女達が
最後の希望として頼ったのが
最強最悪の武闘派警官の二人
今、最も危険な獣達が
檻から解き放たれる!

婦警隊の副隊長を務める
泉真紀子 彼女はかって
その俊足を活かして
引っ手繰り屋をしていた
彼女を更生させたのは
婦警隊長 亘理洋子

泉は洋子に変わって囮役を買って出た
恐るべきダークネスの大目玉ボス
サイクロプスの追撃の末
囚われの身となり、触手責めにより
洗脳快楽○問を受けるのだったーーー

と言う訳で突然始まった
シャレーダーディストラクション
全40話と言う長編のため
残り数話の所で長らく止まっていましたが
やっと全話のペン入れも終わり
此から再スタート致します・・・
エロ無しは一般でも発表しますが
18禁モードが読めるのは
ダウンロードサイト
だけ ですので宜しくネ!ダス





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