【雑記】『ゲゲゲの鬼太郎 ゲゲゲの謎』見に行った
※ここまではネタバレ無し
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今日はもう遅いので、ネタバレ感想は明日書く。
今年はあまり映画を見に行っていないが、この前見た『グリッドマンユニバース』があまりにも自分に合わなかったので。なんとかして、今年の一番良かった映画の印象を更新したいという気持ちがあった。なので、ふとX(世間的にもうTwitterの名称を使わない流れになってるのでそろそろ合わせておくことにする)で評判を見かけ、なんとも興味を惹かれる『ゲゲゲの鬼太郎 ゲゲゲの謎』を見に行ってみた。
当然ながら、映画はZCさんと見に行く。もう十年近くの習慣だ。映画を一緒に見に行って、見終わった後に茶店で話ができる友だちはとてもありがたい。気になってる映画にポールプリンセスとかいう『キングオブプリズム』シリーズ(いや、プリティーリズムなんだろうけど)の系譜らしき映画も公開されたから今度見に行こう、と約束した。俺はキンプリの新作をいつまでも待っている。
ゲゲゲの謎は一言で言えば、「参加してるシナリオライターは全員すごい」と手放しに称賛できる出来栄えだった。過不足なく……とはいかないまでも、限界ぎりぎりまで必要な伏線を入れ切っている。上映時間や予算的にもう無理、これ以上は入らない。観賞しているとそんな声が画面から聞こえてきそうなほど緻密に組まれた物語。開始してすぐの不穏な雰囲気、不気味さが立ち込める山奥の村。大混乱からの水木の背景差し込みから鬼太郎父登場――そこからはもう怒涛の展開。
テンポは急というわけではないのだ。でも、とにかく超速。次から次へと必要な情報を濁流の如く流していく。間延びする瞬間、退屈な場面が一切無い。上映中1分1秒まで息が詰まると思ったのは生まれて初めてかもしれない。画面から目が離せない。見逃せない。水木の背景が、村の背景が。鬼太郎父の背景が。順番に、テンポよく、必要な場面で必要な情報が。適切なタイミングで。適切な長さで。適切な雰囲気で語られる。あまりにも見事――見事という表現すら足りない、俺の貧困な語彙ではこの映画の完成度を言い表せない。それがとてももどかしい。
中盤から後半、いや序盤から全部が全部適切。現代でもう妖怪物は無理だ。テクノロジーが発展しすぎている。だが、主役たちの生きる時代は昭和の戦後。だからできる、妖怪物が。因習村物としてもコテコテのテンプレートな仕組み。物語の流れも本当によくある山奥の閉鎖的な村の展開。開幕の10分も見ていればオチまで読めてしまう。だが、それが陳腐ではない。王道は面白いから王道なのだ。この作品は一切の奇をてらう部分が無い。徹頭徹尾王道を貫いている。だからこそ、美しい。だからこそ、目が離せない。片時も息を付けないほどに、惹きこまれてしまう完成度がある。シナリオライターたちの力量があまりにも圧倒的だ……俺などでは褒めるのがおこがましくて後ろめたくなってしまう気がする。
ここまでの物を作られたら、これをゲゲゲシリーズの正統な一部と言われても何も言い返せない。認めるしかない。だって、素晴らしすぎるほどに面白かったんだから。
今年はグリッドマンとシン仮面ライダー。そしてサンドランドを見に行った。サンドランドの感想は……書いたっけ? あとでちょちょっと書いておくか。