しゅれでぃんがー 2020/02/19 00:20

【主人公】は誰なのか 追記の追記

 小説とは【他者の人生を追体験する娯楽】である。ゆえに、主人公は読み手ではない。物語一つ一つにその物語を回す主人公がいて、一緒に物語を生きる仲間やその他登場人物がいる。物語の中に、読者……すなわち、【自分】が入る余地はない。できることは、ただ読むことだけ。ゆえに、小説という媒体では、特に記号化の分野が発達した。と、わたしは分析している。

 異世界転生が流行れば異世界転生を皆が書き、薬剤師が行ったりプロレスラーが行ったり。清掃業者が行ったり。自衛隊が行ったり。最初は少年少女が行くものだった異世界に、大人の社会人が転生し始める。やることもハーレム作ったり魔王倒すだけだったのが、成り上がったり冒険しなかったり産業革命したり。一つの事柄を掘り下げて掘り下げて、様々なパターンを生み出した。純文学はそうじゃないかもしれないが、大衆小説だとその傾向が顕著である。みんなが同じものを違う視点で書き、コンテンツを発展させていく。

 その分枯渇も早い。異世界ブランドはあと五年保たないとわたしは睨んでいるが。どうだろうね。


 それに比べて、ゲームの中にはプレイヤー……【自分】が入る余地がある。だって、操作してるのが自分なんだから。これで喋らなかったらゲームの主人公を自分だと錯覚することだってあるだろう。それが、小説では真似できない、ゲーム特有の没入感というやつではないだろうか。

 ゲームもまた、独自の文化を発展させている。

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