しゅれでぃんがー 2020/06/13 20:21

お家を直そう:「畳をフローリングに貼り換えよう」の巻


 いよいよ自室に手を入れる時が来た。が、まずはその経緯を記さねばなるまい。元々畳部屋だったのだが、昔、パソコンを導入した際に机と椅子を部屋に配置した。その時の椅子は木製の四つ足椅子だったのだが、その椅子の脚が畳に食い込むわ食い込むわ。あっという間に畳が破れ、藁が延々と生まれ出でるゴミ発生源となった。

 畳部屋自体は一つでいいよな、と前々から思っていたので。これを機会に、フローリングへと貼り替えることにした。今座ってる椅子も、というか畳と椅子がそもそも合わないものね。

 畳をめくるのは道具が無くてもできるが、自分は持っているのでバールでほい。一枚めくればあとは早い。畳の処分は畳屋さんに言えば、一枚千円で引き取ってくれるらしいので。お金ができた時にでも処分しよう。

 家具がある部分はまだめくれないので、まずは部屋の左半分から施工を始める。

 使うのはこの防音フローリング材。マンションでフローリングを貼る場合、防音にしないと下の階から苦情が来る。足音が響きまくるからである。しかし、防音素材付きだと値段が二千円ほど上がるのでなかなか値が張る。致し方なし。

 休みの日だったので、店まで徒歩で台車を運んでいき、店内に台車を持ち込ませてもらって、そのまま台車に三ケース積んで徒歩で帰ってきた。二時間かかった。とても疲れた。

 一ケースで二畳分貼れるので、三ケース買ってきた。でも材料としてはギリギリなので、間違えたらアウトである。

 フローリング材というのは、だいたいがN字型になっている。それぞれの辺に雄さねと雌さねがついていて、それを合体させることで固定する。ちなみに、水道の配管工事の時のアダプター(配管同士を繋げるための材料のこと)も、雄アダプターと雌アダプターがある。つっこむかつっこまれるかという違いである。断じて邪なネーミングではない。ほんとだよ。

 部屋の端っこはN字型だと貼りにくいので、下の部分を切り飛ばして貼る。今思えば、そのまま置いて開いた部分に切った材料を入れてもよかったかな、とも思う。でも、たぶんそんなに正確には切れなかっただろうから、選択は間違いではなかっただろう。

 それと、今回はねだボンドを使わず、というかボンドを使わない。フローリングというのは、雄さねと雌さねがぎっちり食い込んでいればそうそう外れることは無い。はっきり言えば、ボンドなんかつけなくても取れないのである。でも、仕事ではボンドを塗る。それはなぜかというと。万が一、億が一。剥がれたら補修に行かなければならないからだ。だが、自分の家なら剥がれればすぐ自分で直せる。ゆえに、糊をつける手間は省く。

 左端に雄さね側を当てるので、カッターを入れてさねを飛ばす。簡単に飛ばせる。でも、これも雌さねをそのままあてがえばよかったかも……。地べたで作業すると体に負担がかかるので、作業台として家に転がってた変な台を使う。

 畳が入っていた分、部屋自体の高さが下がっているので。部屋の端の骨組みがでっぱってしまっている。こういう時は、フローリングを上と横で合わせて鉛筆で印を入れ、その印に沿ってノコギリを入れる。そうすれば綺麗に貼れる。

 別の手段としては、このでっぱり自体をフローリングの長さ分切り飛ばしてそのまま貼るという手もある。だが、それをするためにはマルチツールという電動工具が必要だ。それで切り込みを入れて、ノミで飛ばすのである。フローリングを切らなくていい分、仕上がりはそっちの方が綺麗。

 一つ貼ったら次々に貼る。端っこ以外なら早い。雄さねと雌さねをがっちり連結するため、当て木して金槌で打つ。直接叩くとフローリングが痛むので、必ず当て木を当てること。

 逆側の端に到達。最後の仕上げは、最後の一列以外なら簡単。きっちりスケールで計って切ればいい。貼る前に連結してから貼れば紛れも起こらない。雄さねは5mmなので、計った距離に雌さねに食い込む雄さね分の5mmを足すのを忘れないように。

 忘れるとこの写真みたいな隙間の空き方をするぞ……。がっくり。これは後でコークボンドを入れて埋めよう。

 これで一列完成。真ん中はさねを飛ばさなくていいのでもっと早い。

 貼れなくなってきたので家具をどかす。貼ったフローリングの上へ移動させると楽でいい。本当はフローリングの上を養生しなければならないのだが、自分の家だしその辺は気にしない。

 どんどん貼る。真ん中部分は本当に早いので、別段書くべきことも無い。ただ、ノコギリを入れる時は雄さね側と雌さね側を間違わないように確認するといい。上下を間違うとその時点でアウトである。まあ、最後の一列で一応使えるので、間違えても捨てずに置いておく。

 あと、上下の端っこは切り終えた材料を再利用できるので、上手く使って材料を節約する。

 いよいよ最後の一列。だが、この最後の一列が一番難しい。この部分だけで二時間はかかるかもしれない。それは言いすぎか。だが、それぐらいの気持ちで取り組まないと心折れる。

 隙間の大きさは二枚分と70mm。と、いうことは。三枚目は全部70mm計ってノコギリで落とさなければならない。これが本当に大変。電動丸ノコギリがあれば楽なんだけど、持ってないからね……危ないし。高いし。

 汗だくになりながら切りまくる。最後の一枚の列は、材料を分解して一枚にし、70mm落として上手いことやらないといけない。

 切る時は切る部分だけ防音材をカッターで切りこみ入れて剥がすと良い。そうしないとノコギリに絡まるので、どんどん刃も悪くなるし、切りにくい。

 最後の列は斜めにフローリングを差し込み、雄さねと雌さねを合体させたら上から当て木して叩いて入れる。大きすぎるのを無理やり叩くと割れてしまうので、入れにくかったらカッターで削る。

 きちんと切ってるなら、後方からスライドさせて力ずくで押し込む。途中で止まっても当て木して叩いて入れる。ただ、無理やりすぎると当て木した部分ですらへしゃげてしまうので注意。でもきつければきついほど剥がれにくくなるので悩ましいところである。

 やっと終わった……片付けの前にちょっと休憩しつつ、切った木くずを箒で掃き掃除。ちなみにこの箒もちょっとお値段が張る。でも、これぐらい目の細かい箒でないと細かい埃や木くずが取れないので、買った方がいい道具である。

 完成! これで椅子と机を置いても違和感がないし、床が傷むことも無い。日付をまたぐと心が折れそうだったので、粘りに粘って仕上げた甲斐があった。作業時間は午後四時から午後十時。じつに六時間の激闘であった。


 だがまだ終わりではない。今度仕事に行った時、フローリングの隙間を埋めるためにコークボンドという詰め物をもらうか買わないといけない。それに、畳をフローリングにすると、だいたい敷居分出入り口に段差ができる。これがすごく危ない。足の親指でも当てようものならめちゃくちゃ痛いし、転ぶ可能性もある。若かろうが年老いていようが関係ない。危ない物は危ないのである。

 この段差をなくさねばならない。なのでまたコーナンプロを探索。そして発見。

 スロープである。敷居の高さは30mmなので、このサイズを購入。二千五百円。けっこう高いが仕方なし。

 木工ボンドを塗って、両面テープの片面を剥がして設置。

 うん、いい感じ。これで足の指を打って痛い痛い状態になることは無いだろう。これは、施工の種類としてはバリアフリーに属する施工である。手すりをつけたり、スロープをつけたり。こういうのは、安いけど大事なものなのである。





 これで家の中でやるべきことはお終い。長きに渡ったこの企画も、ひと段落となる。次回は浴槽が届いたらお届けしよう。


今日使った道具と材料

防音直貼りダイレクトフロア ネイキッドライト
防音直貼りダイレクトフロア オーガニックブラウン
 コンクリートに直接貼れるので簡単。色の種類があるので、買う時はきちんと確認して間違えないように。戸建てでも防音にこしたことは無いと思うね。

ナチュラルスロープ
 危ない段差に。買う時はきちんと段差の長さを計ってから買ってね。

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