しゅれでぃんがー 2021/07/25 16:19

ポケユナ論3

ゲームサイクル

 ポケユナでは、良い行動に対して経験値とポイントが発生するようになっている。その中で大きな二つの行動は、「野良ポケモンをKOすること」と「ゴールを決めること」である。この二つの行動をしなければ、どれだけ相手チームのプレイヤーをKOしても、最終的には勝てない。ついつい楽しくてとか、味方が戦ってるからとずるずる戦い続けてしまいがちだが、それをしていては、試合に勝てない。

 野生ポケモンにはそれぞれ経験値とポイントが割り振られている。倒すごとにポイントを入手し、入手したポイントは相手のゴールにシュートすることで経験値と、そして追加でHPが回復する。ゴールの経験値はおそらく1ポイント=規定数値だと思う。回数じゃない。入れたポイントに応じて経験値が貰えるんじゃないだろうか。

 この仕様の意味は明白だ。「ただ個人が上手いだけの人が、敵チームを一人で全滅させて勝つゲームじゃないぞ」、ということ。公式である任天堂自体が、個人プレーでの勝利を不可能なゲーム性に仕上げてきたのだ。これは素晴らしく、そしてすごい事である。このゲームはただ上手い人間がひたすら勝ち続けるゲームではないのだ。


 どういうことかというと。戦闘ばかりしている人はシュートのためのポイントがなかなか貯められない。一人が一度に保持できるスコア量も決まっている。だから、一人だけがどれだけ戦ってシュートを決めても、一人のスコアなんてたかが知れているのだ。とうことは、一人で戦ってシュートを決めているだけでは、戦闘に勝っても得られるメリットが経験値面以外であまり無い。どうしたって、周りの味方もシュートできる状況をつくったり、サンダーが取れるように味方を集める必要があるのだ。最終的にサンダーが取られてしまったら、勝負は一気にもつれる。だからこそ両チームサンダー争奪戦では必死になる。サンダーは一人だけの力じゃなかなか取れないからね。

 任天堂は勝利するために必要な行動に明確なメリットをつけ、戦闘だけで試合が決まるようなゲーム性を排除した。これは、LOLも、そしてwlwも解決できなかった問題点なのだ。そこを任天堂は「スコア制」することで乗り越えた。ミニオンやポーンみたいな常時狩り続けなければいけないユニットを置かず、野良ポケモンという仕組みでゲーム制を陣地防衛からフレキシブルな押し引きに組み替えた。これは本当にすごいんだ。MOBAで対戦ゲームって、みんな無意識に制作側ってミニオンみたいな勝手に直進して敵陣地に突撃する仕組み作っちゃうからね。もう発想の転換というか革命よ。これは。


 戦うだけじゃなくて、戦ったうえでポイントをシュートしてはじめて勝利条件となるスコアに変換される。シュートするまではどれだけポイントを持っていても、リザルトでは無意味。ここに巧みさがあるね。

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