しゅれでぃんがー 2021/10/05 02:29

DLsiteとFANZAのアフィリエイトについての考察 中編

 次に、それぞれのプラットフォームについて考えてみよう。




DLsiteのアフィリエイト

 DLsiteのアフィリエイトの最大の特徴は、【アフィリエイト報酬をDLポイント受け取りができる】ことだろう。アフィリエイターにとって、これは本当に大きなメリットである。しかも、DLポイントでもらったら現金の時より大幅にブーストしてもらえるからね。これがどういうことなのか、どれぐらい大きな事なのか。それを知るには、まずアフィリエイターのマネタイズについて説明せねばなるまい。


 同人作品系アフィリエイターは、同人作品のリンクを貼ってアフィリエイトをするわけだけど。質の悪い人は作品を買わずにリンクだけ貼って商品説明も作品ページのサークルさんが用意した説明文をほぼほぼ丸写しし、申し訳程度にコメントつけて、製品ページのサンプル画像をコピーしそれっぽく配置して箸にも棒にも掛からない記事を量産する……かもしれない。

 が、普通のアフィリエイターは、その作品を買って、プレイしたり読んだり聞いたりして記事を書く。そう、まず【作品を買わなくてはならない】。その為のお金を何処からねん出するかというと。一番初めは自腹で買って、収益が発生したらその次からその収益で作品を買う。普通の商売と一緒で、利益をその次の運転資金にし、それによりまた利益を発生させてまた次の運転資金を用意する。そのお金の循環により、活動を続けていくのである。

 ここでDLsiteのメリットが最大限生きてくる。それが何かというと、【最終報酬に50%のボーナスが付く】という点である。正直、この部分は以前までの20%UPの時点でかなり大きかった。なにせ、収益が大きければ大きいほどそのボーナスで確定報酬がごっそり増える。それを使えば、さらにたくさんの作品を買って、より多くの記事が書けるようになる。DLsite自体がアフィリエイターに対しても支援を行ってくれるのだ。

 さらに、【ポイントでの受け取りなら規定金額以下でもポイントを払ってくれる】というのも大きい。だいたいのアフィリエイトサイトというのは、報酬額が一定以上にならないと払ってくれない。DLsiteの場合、現金払いなら3000円以上の報酬が確定しないと払ってくれない。FANZAならなんと5000円だ。サイトによっては、一定期間内に規定金額を越えなかったら消滅するとかもあるらしい。その辺は詳しくないけど……。だが、DLsiteはポイント受け取りにしておけば、3000pt以下でも普通に払ってくれる。もちろん、最終報酬を20%(今は50%)増やしてくれるから、それを使って地道に活動していけば、ゆっくりではあるが活動の幅を広げることができる。

 結論を言うと、【アフィリエイターに対しても支援をする仕組みを用意してくれてる】。だから、長い目で見れば(本人の努力次第で)確実に活動規模を広げていけるのがDLsiteのアフィリエイトの良いところである。




 半面、利率の改定により報酬額の期待値自体がわりと露骨に下がったので、現金化を目的として考えている人にとっては収益が下がったという側面もある。だが、これはDLsite自体の方針を予想すれば仕方ない面もある。DLsiteはアフィリエイト報酬を、基本的にはアフィリエイトのための費用にして欲しいのだ。だからこそポイント受け取り時の最終報酬を50%増やすなどというすさまじい制度を実際に適用したのである。

 これがどういうことかというと。DLsiteもFANZAも、現金をポイントに変換して買い物をするというシステムを取っている。これは、言うなれば専用の銀行券を作ることによって、その銀行券に対して独自のシステム、ルールを適用できるようにしているのだ。

 アフィリエイト報酬をそのまま現金換算で計算していると、最終報酬を20%増やすとかはできない。だって、現金で既に発生している時点でそれはもう動かせない数字だからね。それをどうこうするってことは、法律違反になってしまう。ただ、現金として渡す前の状態。DLポイント……いわゆるDLsite銀行券の状態であれば、自身の設定したルールの中で好きなように数値を変更できるのである。極端なことを言えば、最終報酬に0をかけますなんてこともできる。利用規約に書いてればね。まあ、そんなことをしたら誰もアフィリエイトなんてしなくなるけども。そもそも法律違反かも。

 最終報酬への50%のボーナスというのは、実質的なアフィリエイターへの活動支援である。これの本当の意味はどういうことかというと。私の個人的な見解では……【宣伝、販促活動の民営化】である。ゲームとかの宣伝って、結局のところネットのそういうホームページとか、BugBugとかのエロゲー雑誌とかに取材してもらわないとできないわけで。そういうとこに依頼すると、やっぱり宣伝料とか依頼料とかかかるわけ。サークル側が独自でやることもあるだろうけど、そういう費用はDLsiteも出さないし出せないと思う。DLsite内で新作の宣伝バナーとか一部のサークルの作品は作ってたりするけど。それも、表示されるのはDLsite内だけだからね。DLsiteは、DLsiteの中でだけしか宣伝、販促活動ができないわけ。

 でも、アフィリエイターというのはそういうのを自発的にやって、しかも自分でスペースを確保して報酬を得るわけだから。そいつらにDLsite銀行券を多めに渡しておけば、それを使ってまた勝手に宣伝、販促活動してくれるわけよ。DLsiteの外の空間でね。どんだけたくさんポイントを渡そうが、それがポイントである時点で【現金化は不可能】なんだから。最終的に全ポイントが作品購入に使われる時点でDLsiteにとっては1円も損しないわけ。まあ、サークルへの報酬で出費は出るけど……それもアフィリエイターがそれを上回る金額の作品売って稼いでくれたらペイできるからね。【アフィリエイターがアフィリエイト報酬で自給自足できるようにする】ことで、【DLsite自体の宣伝、販促活動の自給自足】を行っているんだよ。









 またなんか長くなったから、今日はここまでにするね。おやすみ。

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