しゅれでぃんがー 2023/08/13 21:50

【ジュークボックス】『ブラスフェマス2』が8月25日に発売する

※ブラスフェマス1のネタバレあり。
















 待ちに待った『ブラスフェマス2』がまもなく発売される。事前予約特典で10%引きで買えるから、忘れないうちに買っておこう。


 今回も主人公が続投らしいので嬉しい。続き物は主人公が続投することによるメリットが大きいよね。一作目で主人公に対するユーザーたちの好感度上げが終わってるから。二作目は主人公の背景やら好きになってもらう努力なんかを別のリソースに回せるわけで。より他の物語とかゲーム性とかに力を入れられるのではないだろうか。





 ブラスフェマスの主人公とその結末は、スペインとかそういう地域の神に対する文化みたいなのが分からないとちょっと理解できないと思う。俺は大学で所属した研究室(ランダムで振り分けられただけだけど)の教授がそっち系の文化学者みたいな人だったから。ゼミの単位の時にそういう映画を何本か見たんだよね。

 マヌエルとかいう少年がなんかよく分からんけど死んで、周りの大人たちが泣きながらも喜んでる映画。あれはどうやら、神に選ばれて神の御許に召されたからこの少年の死はとても栄誉なこと、ということでそういう描写になるらしい。悲しいのは本当だけど、それで神を批判するのは不敬なことだから喜んで感謝するしかないんだよね。神に。それがラテンの神の文化なんだとか。神が与えた試練はどれだけ苦しくても神がくれた試練なんだから乗り越えないとダメ。喜ばないとダメ。疑っちゃダメ。だって、神がやることは常に正しい。人間は黙ってそれを感謝して受け入れないといけない。そういう文化がブラスフェマスの下地にあるんだよね。


 だから、作中のキャラたちはみんな「奇跡」を試練として受け入れてる。祈りを忘れない。ゆえに、主人公である悔悟者は懺悔の剣で奇跡と神を両断していくから異端なんだよね。


 主人公は神の奇跡により「不死」に縛られている。それにより神と戦うことができているのが皮肉であり、不死をもたらした神は戦うべき神とはまた違う神なのかもしれないとも読み取れる。三首のやつじゃなくてね、磔の聖者ね。奇跡の出どころが違うかも。分からんけど。

 で、その旅路は黄泉への旅路であり、その巡礼は死出の道なんだよね。だって、世界から奇跡を払ったら、奇跡により生き返った自分は死ぬわけだから。「不死」を失った悔悟者は、物言わぬ死者に戻るわけ。それがじつに切なくていいよね。





 あのゲームは神々から人間の尊厳を取り返す物語であり、奇跡によって奇跡を斬る者が主人公のゲームだった。そして最後も都合よくはいかず、人々を解放した英雄はひっそりと息を引き取る。棺の中に横たえられ、その蓋が閉じられるわけ。そこでようやく、永久の安息を取り戻す。棺の中で眠ることが、悔悟者の人としての尊厳の復活を表している……と、勝手に思ってるんだけどね。どうだろ。

 その旅路で出会った者たちは彼のことを覚えていてくれた。だから、最後の瞬間。棺の周りで祈ってくれる人たちがわずかでもいたというのがこれ以上もない救いなんだよね。美しいシーンだった。






 シリーズ物の二作目はこけるのが定説。商業でも同人でもだいたいがそう。面白くないのが多い。はたしてブラスフェマスはどうなるか。楽しみだ……!

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