BIGvancomic 2020/02/09 02:01

90年代、オタクが歩んだ迫害の歴史とアダルトゲームの歴史。

BIGvancomicです。この記事では私達が「90年代」と言うジャンルを扱う上で避けては通れない歴史について忘備録的に書き留めて置きたいと執筆しています。

かなり重い話題を取り上げますが、「臭いものに蓋」をするのではよくない。
避けては通れない。忘れるべきではない。知識として蓄えておくべきであろう。
と言う個人の思想から執筆いたします。

端的に述べますとこの記事では「殺人事件」について取り上げます。
体調の不良やトラウマを抱える可能性が懸念されます。

以下の文章で取り上げます「殺人事件の名前」で検索される際は全て自己責任で行いますようこの場を持って予め前置きさせて頂きます。







それでは90年代から行われた「オタクの迫害とそれに伴うアダルトゲームの歴史」について執筆いたします。

皆さまは「宮崎勤事件」と言う世間で大々的に取り上げられた殺人事件をご存知でしょうか。

今でこそ「オタク」と言う人種、レッテルと言っても構いません。これが市民権を得始めましたが90年代や0年代中期まではオタクとは「人種差別」の差別用語であり。

「犯罪者予備軍」の「証」として使われていました。

殺人事件以前にもその様な風潮はあったのかもしれませんが、今現在にまで使われる
メディアの常套手段「容疑者の部屋からはアニメやゲームが発見されました」と言う文言
。これが使われる大きな切っ掛けになったのが「宮崎勤事件」であると推測されます。

宮崎勤事件とは「東京・埼玉連続○女誘拐殺人事件」とも呼ばれる女児を狙った連続殺人事件です。

1988年犯行を行った宮崎勤と言う男が埼玉県の4歳の女の子を殺害しました。

後日犯行現場にビデオカメラを持って戻り、死体に性的行為を行いビデオ撮影を行った。

別の事件では埼玉県の7歳の女の子を山林で性的暴行を行った上に絞殺。

別の事件では埼玉県の4歳の女の子を絞殺し山林に遺棄。

その後殺害した子供の親に殺害した遺体をダンボールで自宅前に郵送で届ける。

また別の被害者宅にはアナグラム方を用いて手紙を発送。
解析すると「生き返らせられず、残念」と言う文章が解読できた。

・・・全ての詳細を書くのは精神的にもかなりしんどいモノがある為この辺りに留めます。

以上の様な事を始まりとして以降もエスカレートした内容が続きます。

犯人特定後、犯人の家宅捜索を行ったところ、天井近くまで積み重ねられた大量のポルノ映像やポルノゲーム、ポルノコミックが押収されました。
それは窓を埋め尽くし真っ黒にさせる程だったと聞いています。

この事を受けて「オタク」と言う人種がバッシングされるようになります。
加えて同年「有害図書撲滅運動」が行われました。

これは恐らく「殺人犯が所持していたコンテンツを好む者は犯罪者だ」と言う極端な過激派の行いだったのではないかと思います。
今で言う「サブカルチャーはサイコパスの証明だ」と言う事だったのでしょう。

ここで更に影響を及ぼした先はアダルトゲーム、今で言う「美少女ゲーム」の業界です。
当時のエロゲー業界では「ぼかし」や「修正」と言うのは行うメーカーは少数派だったと聞いています。

中にはスーパーファミコンなどのカセットを上書きして「ス―ファミで何故か起動するゲーム」として販売されていた程無秩序だったそうです。

当時の業界のクリエイターの一部の人はこの実情を憂慮していたそうです。
そしてその憂慮は最悪の形で現実のモノとなります。

有害図書撲滅運動が行われる最中、京都で「沙織事件」が発生します。

「沙織事件」とは「沙織」と言うタイトルのエロゲーが男子中学生により万引きされると言う事件です。

この事件により世間は「多感な時期の中学生を誘惑するような製品を作る人間が悪い」と言う風潮になり、万引きされたゲームのメーカー社長が逮捕され、万引きが行われた電気屋では家宅捜索を行われました。

この事件を受けて「倫理委員会」が設立され「18禁シール」が作られました。
以後「倫理委員会」を経由せずに流通させる事は実質不可能となり、シールの貼り付けが義務となりました。

この後、一般ゲーム市場にも「CERO」と言う判定が行われるようになり、義務となりました。

近代になって「オタク」と言うのは負のレッテルではなく「個性」や「魅力」とされ始めていますが「オタク」と言う個性派が受けてきた「排除行為」や「社会的地位の剥奪」は忘れてはならず、できる限り後世に伝えるべきだと思いこの記事を執筆している次第です。

また弊サークルが「90年代の文化・技術」と言う分野を扱う上で理解していなければいけない点であり、忘れてはいけない点であると思っています。

90年代のセル画や技術と言うのは大変魅力であり、後世にどんな形であれ語り継ぐべき歴史的文化遺産です。
ただその歴史的背景には戦っていたクリエイターと消費者が存在した事を伝えたいと思います。

この記事を書いている代表である私もまた幼少時代より
「好きな物を好きと言った罪」で激しい弾圧、肉体的又は精神的な排除行為を経験してきました。
具体的には述べませんが、その歴史的背景を原因の切っ掛けとそれに伴う影響と言う点を簡素的にまとめさせて頂きました。

認識や記述に誤りがあるかもしれませんが、誤りがあれば根拠となるソースを添えて
コメントでそれとなく教えて頂ければと思います。

これまで綺麗な面をPRして来ましたが、歴史的背景を鑑みれば決して煌びやかで華々しいだけの時代ではなかった。そうした時代に育まれ、守られた技術である事が伝われば幸いです。

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