投稿記事

キャラクターモデルの記事 (42)

布のノーマルマップのパラメータ

ノーマルマップでしわや布目を表現する

 キャラモデルのパンツをレンダリングして眺めていたら、以前作ったしわ表現がどうにも気になりだして、結局しわのハイポリモデルを修正しました。気がついたら布目としわの強度のバランスまで手をつけだしてしまい、あっという間に数時間経過していました。

 ノーマル作成について、布目のテクスチャ(ノーマルマップ)はネットからDLしたCC0素材を利用させてもらっています。一方パンツのしわは自分でハイポリモデルを用意しベイクして作成しています。あとは二つのノーマルマップを図のように繋いで、強度を調整して出力しています。

ノーマルの強度と出力結果

ノーマルの強度は以下のノードで変更します。

レンダリング結果

強さ1倍


強さ2倍

強さ3倍

強さ4倍

 見た感じ3倍あたりが良さそうです。

布目としわのバランス調整

 布目のノーマルマップとしわのノーマルマップを合成する際の強度配分を調整します。以下のノードで配分を調整できます。

レンダリング結果

布目:しわ=5:5 (全体の強度3倍)


布目:しわ=3:7 (全体の強度3倍)

 布目としわのバランスはしわの方を多く割り振る方が良さそうです。

 またパンツのしわの作り方は気が向いたら改めて記事にします。

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

下着用リグ

下着用リグ

モデルの用途を考える

 今回の話は3Dキャラクターのモデルをゲームでリアルタイムに動かしたり、VRチャットなどでアバターとして利用する際にはあまり関係ない話です。今作っているモデルはプリレンダリングのアダルト動画のために使用するという明確な目的があるので、多少リグの構造が複雑になろうともエロ要素のために必要と思われるギミックは片っ端から盛り込んでいます。

下着を臀部の形にフィットさせ、かつアクティブに動かすためのリグ

 肌に密着した下着の変形は(こだわりはじめると)かなり難しくて、特に股関節と臀部の脂肪の変形を下着に適切に伝えるのは胴体側のボーンだけでは不可能に近いです。仮にシェイプキーを併用したとしても限界がありますし、シュリンクラップモディファイアもあくまで補助でしかありません。そこで下着には胴体とは別にアーマチュアを割り当てて、個別に動かせるようにしました。
(使用例)パンツの食い込みを直しているポーズ


ボーン構成

 パンツのボーンは操作ボーン、メカニカルヘルパー(MHボーン)、変形ボーン3本で1セットになっており、それぞれのセットが繋がる構造になっています。親子関係は操作ボーン>MHボーン>変形ボーンとなっており、操作ボーンを動かすと連動して変形ボーンまでが動くようになります。

操作ボーンとMHボーン

親子関係は操作ボーン(親)>MHボーン(子)。
MHボーンはコンストレイントなどを割り当てるボーンで普段は非表示にしておきます(ボーンレイヤーを分けておくと良い)。

MHボーンと変形ボーン

親子関係はMHボーン(親)>変形ボーン(子)。変形ボーンはMHボーンと大きさ向きを揃え、同じ位置に配置します。
変形のチェックをマークし、ウェイトペイント時以外は非表示にしておきます。

ボーンの配置

 3本1セットのボーンを複数セット用意しMHボーンのテールの位置に繋がるように配置します(ボーンの接続はオフのままで良い)。


ポーズモードでMHボーンに減衰トラックとストレッチのコンストレイントをつけます。

こうすることでMHボーンは両端の操作ボーンを動かして操作することができるようになります。

 このボーンセットを複数用意してぐるっと一周繋げたのがこちらのショーツのリグです。またこのボーン構造は瞼や唇などにも使用することができるので、リグの基本構造の一つとして覚えておいて損はないです。


レンダリング結果

パンツの足ぐり部分にぐるっとボーンを仕込んでおり、尻肉に合わせて微調整が可能ですので、パンツの食い込みの表現やクロッチ部分をずらすことなども可能です。


上図に対して左尻の足ぐりを食い込み気味に、右尻の足ぐりを引っ張り気味に微調整したもの

クロッチの幅を自由に変更


クロッチずらし

胴体貫通の対策 〜シュリンクラップモディファイアの補助的利用〜

 リグを入れたことでショーツのウェストと足ぐり部分の位置はボーンで調整可能になりましたがそれ以外にも面の部分がまだ残っています。面の部分の胴体貫通はウェイト塗りとボーンだけでは抑えきれません。またシェイプキーで対応しようにも限界がありますし、何よりもシェイプキーにはメッシュデータの運用が難しくなるという欠点があります。そこで胴体の貫通対策としてシュリンクラップモディファイアを使います。ゲームエンジンやMMDなどの外部利用はできなくなりますが、冒頭に書いた通りblender内での動画作成を目的としているので、便利なモディファイアはどんどん使っていきます。

フォロワー以上限定無料

おまけ画像を複数用意してあります。

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

テストショット

テストショット

 実際にポーズをとって動かしてみると、リグやスキニングの不具合が色々と炙り出されてきます。こうやってみてみると衣装の貫通がまだ取りきれていないので、真の完成まではもう少しかかりそうです。

基本フォーム








フォロワー以上限定無料

強化フォームと変身前(服無し絆創膏)Ver.があります

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

3Dモデルの陰毛の造形方法

3Dモデルの陰毛処理について

テクスチャに描くかパーティクルで生やすか

 うちのキャラクターの3Dモデルにはほぼ全てに陰毛が生えています。その実現方法ですが、一般的にはテクスチャとして直接体に描く方法と、パーティクルを使ってメッシュデータとして生やす方法があります。

 パーティクルを使う方法は実際に毛を生やすわけですからとにかくリアルな表現ができるのがメリットです。一方で思ったように設定するにはある程度パラメータの試行錯誤が必要なことと、単純にデータ量が増えることがデメリットです。テクスチャで表現する方法(特に胴体のモデルに直接陰毛を描き込む場合)は、パーティクルに比べ工数とデータ量が圧倒的に少ないのがメリットです。逆に立体的な表現には向きません。

 どちらの方法を取るかについてはキャラクターデザインとも関係してくるので一概には言えませんが、アニメ風のキャラデザインの場合は髪の毛をブロックのようなメッシュで表現することが多いので、陰毛もそれに合わせてテクスチャで表現する方が向いていると考えます。

陰毛用のメッシュデータを作りそれにテクスチャを描き込む

 胴体に直接テクスチャで陰毛を書き込む場合、立体的な表現ができない点以外にも陰毛の量を変えたい時にいちいちテクスチャを入れ替えなければならないのも大きなデメリットになります。そこでおすすめするのが、ボディのメッシュから陰毛部分を別メッシュとして複製&分離してそのメッシュに陰毛を描き込む方法です。複数のメッシュデータを用意してそれぞれに陰毛の量を変えたテクスチャを描いておけば、メッシュオブジェクトを交換するだけで陰毛の量を変えることができます。


 テクスチャ画像を作る際は、アルファチャンネル(透明度)ありのPNGデータで画像を準備し、画像データのアルファをBSDFノードのアルファに繋げます。


 さらに、陰毛のメッシュデータを立体的に作ることで、陰毛を立体的に見せることも可能になります。




 陰毛用のメッシュオブジェクトを胴体のメッシュオブジェクトと組み合わせる方法には、一つ大事な注意点があります。それは二つのオブジェクトの面が完全に重なっているとレンダリング時に不具合が出ることです。そこで面が重ならないよう胴体のメッシュから陰毛用メッシュを若干浮かせることで対処します。しかし、もしサブサーフェスモディファイアを使用している場合は、頂点の位置の関係上、等距離でメッシュを浮かせることが難しくなります。その場合はシュリンクラップモディファイアを使ってください。

実際の不具合例

■陰毛メッシュを単純にボディのメッシュから等距離で1mm離したケース
 →陰毛メッシュの縁が胴体メッシュにめり込んでおり、面が交差している。

■シュリンクラップモディファイアを使用した場合
 →メッシュ間距離が0.2mmと上の例よりも少ないにも関わらず、胴体との面交差がない。

陰毛を立体表現にするか二次元表現にするか

 私はパンツを履かせるときなどは平面的な表現にし、オールヌードの時は立体的なメッシュにして陰毛オブジェクトを使い分けています。

ギャラリー

■平面的な処理




■立体的な処理




■尻毛



■パンツとの組み合わせ





この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

ドリクラ玲香モデルをMMDにする

DCC玲香モデルをMMDにする


 blenderでのドリクラ玲香モデルの制作は一応の完成にまで漕ぎ着けました。次は.blendフォーマットのこのモデルをMMDフォーマットに書き出す作業です。MMD化について色々と調べてみると話はそう単純ではないようで、現段階のデータから手直しが必要となりそうです。

とりあえずアーマチュアは一つにすべし

 先日の記事でリグを階層化して汎用性を確保する、といった記事を書きましたが、そもそもMMDにするにあたってはこの考え方は良くないようです。少なくともアーマチュアは一つにしないと書き出しがうまくいきません。よって、まずは複数に分けたアーマチュアを統合する必要が出てきました。統合するだけならばそれほど手間はかかりませんが、重複するボーンや不要になるボーンを整理するとなるとそれなりの工数がかかりそうです。MMDモデラーが衣装違いでデータを分けているのはそのためだったんだなと今になって知りました。MMDではボーン名称なども日本語化する必要がありますし、MMDコンバート用データは一旦別バージョンとして分け、今後はアーマチュアの統合やボーン名称の変更などの作業を行っていきます。

世に発表する際のフォーマットについて

 自分は基本的にはblender内で完結させるつもりで諸々の作業をしてきましたので致し方ない部分があるのですが、もしも最初から目的(Unityで使うか、MMDにするかなど)が決まっているようならば、当然ですが最初から目的に合わせた設計をする方が今回のように二度手間にならなくて良いと思います。

ギャラリー

 MMD化の作業はおいおい進めていくとして(もしかしたらMMD化に必要な工程に関しては記事にするかもしれません)、とりあえず現状データをblenderでレンダリングした画像がこちらです。





フォロワー以上限定無料

画像特典として魔改造制服バージョンの画像を載せています

無料

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2 3 4 5 6 7

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索