リグの階層化について

リグの階層化について

 現在制作中のドリクラ玲香3Dモデルですが、衣装(制服、下着)のモデリングが終わり、リグの作成に取り掛かっています。一般的には(キャラクターモデル制作の入門書や動画を見る限りでは)、体のリグをそのまま用いて衣装を動かします。また髪の毛を動かすボーンは体のアーマチュアの延長として設計するのが基本のようです。

ベースモデルとしての汎用性を確保するために髪の毛のボーンを本体と分ける

 ただし、この構造はそのキャラクターモデルが衣装が一着のみで、髪型も変えないことが前提です。作成しているキャラクターモデルが複数の髪型パターンを持っている場合は、髪型に合わせて複数のボーンのセット(アーマチュア)に分ける方が良さそうです。また、髪の毛のアーマチュアを本体と別にすることは、作成した3Dモデルをベースにして別キャラクターのモデルを作成する場合にも都合が良いでしょう。

衣装のアーマチュアについて

 衣装のアーマチュアについても同様のことが言えます。ドリクラ玲香モデルの場合は、例えばエプロンやタイなど、体の動きとは別に動かしたい箇所が幾つか存在します。動画ならば物理演算で動かしますが、静止画の場合は好きな位置に止めるためにあえてボーンを仕込みます。そういった衣装専用のボーンを体のアーマチュアに含めてしまうと、別の衣装に切り替えたい時に無駄なボーンが発生してしまいます。

別々のアーマチュアを連動させる

 胴体、髪の毛、衣装、下着とアーマチュアを分けて作り、それぞれメッシュとペアレント化します。メッシュとアーマチュアの関係性はアーマチュアが一つの時と同じです。

 次に複数あるアーマチュアを関連づけ、連動するように設定します。複数のアーマチュアを関連づける方法は二つほどあります。一つはトランスフォームコピーコンストレイントを使う方法解説動画)で、もう一つは別アーマチュア内のボーン同士を親子関係にする方法解説動画)です。

 本体のアーマチュアを操作起点として、衣装や髪のアーマチュアは胴体のボーンの影響下で動かしますが(一部の専用ボーンは個別で動かせるようにします)、今回はトランスフォームコピーコンストレイントを使い、各所のボーンの動きを直接他アーマチュアのボーンにコピーして連動させる方法を取りました。

複数のアーマチュアに分けることのメリット&デメリット

 アーマチュアをグループに応じて分けることのメリットはベースモデルとしての汎用性が確保できること、一方でデメリットはモーション作成時に複数のアーマチュアを選択せねばならず、若干操作が面倒になること。またアーマチュア同士を連動して動かすための仕組み(ペアレント化もしくは変形コピーコンストレイント)を実装せねばならないため設計時に若干の手間がかかること、もデメリットになります。このメリットとデメリットの影響度合いは実際に運用してみないとなんとも言えません。ドリクラ玲香モデルと(今後作る予定の派生モデル)で、このアーマチュア構成を試してみて、使いづらいようならば、また次の汎用モデルからは一つにまとめます。

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