夏の敵

大臣は、あの黒くてサササ、ヒクヒクと動くアイツがめっちゃ嫌いだ。

嫌いと言うか、怖いというか、もう悲鳴を上げるので精いっぱいなのだ。

それが、今夜は二連続で出た・・・・

一度目は洗い物をしようとシンクに迫ったところでまな板の裏に隠れている妖しい影に気づき

ある程度心の準備ができていたし、距離もあったからゴキジェットプロで

両親を呼びながら遠ざけることができた。(始末は両親に任せる)

ふー、退治できた(したのはおとん)やれやれ・・・

と、今度は猫伯爵の水を替えようとして、残った水を玄関の植木鉢に注いでいたら、

目の前の棚に出現なされやがりました。

「いやあぁぁぁあぁぁぁあああああ!!」

さすが近距離ということもあって、余裕もなく、猫水を体中にひっかぶって廊下をビシャビシャにし

再び両親に助けを乞いました。

「退治したよ~」

と言ってくれましたが、一回目と違って信用ならんのです!

玄関口にはいろんな段ボールが積みあがっていてゴチャゴチャしているので、隙間に入られたら

わからんのだ。

それに二回目のヘルプ・・・。両親も寝間を邪魔されてだんだん呆れてきてるムード。

頼む・・・植木鉢は階段の下なんだ・・・!

大臣の家は二階にトイレがないから、

最悪ベランダでしなければならない!

部屋の入り口には、噴きつけておくだけで侵入してこないスプレーを吹いて結界を作り

部屋で尿意が来ないことを祈って眠りにつくしかない。

うわああああああああ!

嫌だ、夏は嫌いじゃないがヤツは大嫌いだ!!!!!!

テラフォーーマーーーーズーーーーーーーーー!!!!

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