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2018年 05月の記事 (32)

●広翼の孔雀3●

「朝から不謹慎な・・・今日は午後から出勤なので、ここで朝ご飯をいただきますよ」



そう言ってすっかり身支度を終えた鬼灯は部屋を出てキッチンに向かおうとする。



「半熟の目玉焼きがいいなー」



「文句言うな。白豚」



いつもの憎まれ口をたたいて、鬼灯は部屋を出ようとするが、背後に白澤の気配を感じて振り返った。
そこには相貌を緩めた上半身裸の白澤がいて、その半裸に少々胸がときめいてしまう。
鬼灯が何か言う前に白澤は鬼灯の背に腕を回し。その紅い唇を舐めた。



「んっ・・・」



ぞく、と鬼灯の首筋から背中に官能が走り、鬼灯は困惑した。



(昨日散々交わったというのに、口づけだけでこんなに・・・)



昨日さんざん閨で睦んだものだが、一晩眠り、その余韻がまだ残っているはずはない。白澤から流れてくる、鬼灯を狂わせる神気も過剰ではなく、いつもと変わらない状態だ。
それなのに、なぜ?と鬼灯は妙を感じていたが、これまでの経験では、これが初めてということでもないので特に気にも留めなかった。



「ふふん、料理している嫁を背後から襲うのは男の夢だよねー」



「っ!嫁ではありません!」



そう言って熱を孕んだフライパンを白澤の頭に乗せる。



「あっつうううう!」



そう叫んで頭を抱え、床を転げまわっている間に、鬼灯はさっさと朝食を作り終えた。




「それでは、お邪魔しました」



そう言って鬼灯は、昨夜の色香の残滓など微塵も残さず、厳しい補佐官のたたずまいでカウンターから立ち上がった。



「はいはーい、じゃあ僕はこれからまた約束だからね、次に会えるのは十日後ぐらいかなー」



そう言って白澤はスマホを手にして今日の予定を確認し、そのまま居住スペースへと消えた。



(まったく・・・)



白澤のマメな軽薄さにあきれながら、鬼灯は壁に立てかけてあった金棒を手にする。
ズシっと、いつもではありえない重量感を感じ、そのまま力を込めて持ち上げようとするが、全く上がらない。



(なぜ?どうして・・・)



はっと気づき、鬼灯は部屋に消えた白澤の後を駆けた。
しかし当人はすでに勝手口から姿を消し、部屋は者抜けの殻だった。



「あいつ・・・!」



これはヤツに確実に何かされた。
一体どういうつもりだろうか?いつもの暴力の憂さを晴らすなら今だというのに、白澤は姿を消してしまっている。



(一体どういうつもりだ・・・)



とりあえず、今晩にでも再び訪ねて無理矢理押し入ってやろう。
ヤツが女性と懇意にしている最中であろうと構うものか。



「うっ・・・今日は金棒なしですね・・・」



どうやっても持ち上がらない愛用の金棒を仕方なくそこに置き、鬼灯は手ぶらで天国を去った。
金棒の代わりに、軽めの○問道具をでも借りよう。
そう思いながら、鬼灯は事の重大さにも気づかず閻魔殿へと足を運んだ。


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●広翼の孔雀2●

いつもよりも遅めの起床をし、鬼灯は隣で眠りこける閨の相手を見下ろした。
方耳に耳飾りをつけた細身の青年は、黒髪を乱れさせて枕に顔を押し付けて眠っている。
鬼灯は一つため息をつくと、寝台から一人降り、露天温泉へと向かった。



ため息がおもわず吐き出される心地よい湯につかりながら、鬼灯は白澤と自分の関係を考える。
こうやってまともに閨を共にしだしたのは、いつからだろうか。
これまでは一刹那身体を交わすだけの相手だったのに、いつの間にかしっとりと寝台を濡らしながら、互いに吐息を交わす仲になってしまっている。



鬼灯が恨みある獄卒たちから私刑を受け、その治療に携わってから、白澤は変わった。
ただの興味本位、性のはけ口、処理、程度の扱いだったものが、まるで毎晩閨に導く女性たちのように、身体全体を愛するようになったのだ。



常闇の鬼神である鬼灯の闇の気が、白澤の神気と競り合って、普通の相手では味わえない天上の快楽を得られると知ってから、こうなったのだろうか?
鬼灯が白澤をどう思っているかというと、正直、吝かではない。むしろ、恋慕しているといっても過言ではない。
そんな鬼灯の気持ちを知ってか知らずか、白澤は鬼灯を姫のように抱き、時には手荒く犯し、結局は互いにこの相手としか得られない極上の快楽を貪るのだ。



(ただれた関係ですね・・・)



現世にはセフレ、という関係があり、鬼灯も他人のそういう関係は悪くないと思っているのだが、いかんせん、鬼灯は相手に心が傾きすぎている。



そんな折、白澤の中の神気が狂いを生じて、一時ではあるが鬼灯に激しく言い寄ってきたときがあった。
しかしそこで、私も、などとしおらしいことを言える鬼灯ではなく、忌々しそうに跳ねのけながら、慕っている相手に言い寄られる快感は甘く、少なからず鬼灯は楽しんでいた。
だがそんな時間はすぐに終わりを告げ、白澤は元の女好きに戻り、、鬼灯とは、強い快楽が欲しい時だけ閨を共にする仲に戻った。



(このままでもいいんですが・・・)



何千年と温め続けていた密かな思いだ。恋ごころ、と言えるほど発達したものではないにしろ、鬼灯にとって、ただ身体の関係だけを続けるのが、だんだん辛くなってきている。
それに、最近の白澤が自分を抱く時の表情を思うと、いたたまれなくなってくる。



(私のことを、好きでもないくせに・・・)



それなのに、白澤の愛撫は甘く、鬼灯を蕩かせるのに十分な技巧で白皙の身体を愛でる。
その時の白澤の表情が優しくて、鬼灯は何故か、何かが首元にせりあがってくる感覚を覚えながら、露天風呂を後にした。



「あ、起きたのー?おはよ」



「はい、おはようございます」



白澤がようやく目覚めたとき、鬼灯はすでに黒い着流しに腕を通し、、腰帯を巻き付けているところだった。
そんな鬼灯の様子を眺めながら、白澤は鬼灯を指さして言う。



「ああ・・・やっぱり、跡は残らないんだね・・・」



「?なんのことですか」



そう聞き返した直後、鬼灯は昨晩、白澤が執拗に首筋に吸い付いて、朱のしるしを残そうと躍起になっていたことを思い出し、完全に鎮火していた官能が頭をもたげそうになるのを必死にこらえた。


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調子出てきたー

小説書き始めました。

ようやくエンジンがかかってきましたよー・・・。

西洋~褥編、最後に更新したの4月3日って・・・

休みすぎ♪

その分がんばって一気に書いています。

それとブログでも連載小説始めました。

タイトルが中二病っぽいですが、まあ意味はあるんです・・・。

後々、ちょっと変えるかもしれませんが・・・。

最近

「身体に触って」とか「それだけでいいんです」とか

会話言葉ばっかりのタイトルばっかりなので、久々にタイトルらしいのを、

と思ってこうなりました。

でも

「調子出てきた~!!小説書けるぜ!ヒュー!!」

と調子こいたら、確実に後日熱を出すので

・・・たぶん熱が出るでしょう・・・。

(すでにのどちんこが痛い)

気候も安定しないですし、寒いなら寒い!暑いなら暑い!!

とどっちかにしてほしいですね。

まあボツボツがんばっていきますので、長い目で見てやってください。

ハンターハンター芸人、半分しかみれなかった・・・

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●広翼の孔雀1●

「鬼灯様・・・」



いつも仕事の話しかしない現場監督の獄卒が、麗しい青年鬼に力強く迫る。



「や、やめてください、来ないでください・・・」



そう言って金棒を振り上げようとするが、いつもの鬼神の力が全く発揮できず、持ち上げることもできない。
鬼灯が焦っている一方で現場監督の獄卒は鬼灯へ一気に近づき、その鬼にしては細い体を強く抱きすくめた。



「あぁぁっ・・・!」



鬼灯の背中が弓なりに反り返り、顔を苦痛にも似た表情に変え、頭のてっぺんから足のつま先までをブルブルと痙攣させた。



「やっぱり、噂は本当だったんですね・・・」



獄卒がそう言ってニヤつき、鬼灯の白い耳を舐める。
その感覚に再び体を痙攣させながら、鬼灯は桃の息を吐きながら問うた。



「う、噂、とはっ・・・?」



「全部終わったら、教えて差し上げますよ・・・さあ、みんなが帰ってくるまで、時間はあります・・・俺と愉しんでください」



「い、嫌です、んんっ!んっ!あぁ・・・っ」



両足の間に足を食い込まされ、一気に膨れ上がった体の快楽に、鬼灯は戸惑いながらも必死にこの状況を打開する策をめぐらせる。
しかし明晰な鬼灯の頭脳も、獄卒のいやらしい手つきで惑わされ、何も考えられなくされてしまう。



「はあ、はあ、あぁぁ・・・っ」



「すげえエロい・・・そんな声、どこから出してるんですか?鬼灯様・・・」



嘘みてえだ、と付け足し、獄卒は鬼灯の着流しの隙間に手を差し入れ、白い素肌へ直接触れてくる。



(嫌なのに、嫌なのに・・・!)



どうしてこうなってしまったのだろう?
変化があったのは一週間前。鬼灯の身体から鬼神の力が失われ、代わりに誰の手で愛撫されても感じてしまうようになってしまったのだ。


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小説進みました

なんか急にやる気になって、

「西洋~褥編」

書いて590Pいきました。

まだ終わっていません・・・

600P超えるわこれ・・・確実に超えるわ・・・

それと同時に、ブログで連載小説をまた書きたくなりました。

エロいやつ!

でも、今日は無理だ・・・!

無理なんだ!!

久々に指を酷使して痛いし、

ずっと同じ姿勢で長時間いたから、

左の膝が痛い!!!

(どんな態勢?)

というわけで、明日から連載小説はじまるかもしれません。

はじまらないかもしれません。

まあと言うわけでアグレッシヴよろしく。

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