官能物語 2020/05/06 15:00

息子の告白/20

 もう少し突き続けられたら、確実に絶頂に達したところ、息子の腰が震えて、新たな精液が、膣内に注ぎ込まれたことが分かった。久美子は、快感の波が徐々に引いていくのを認めた。もうちょっとでイケたところで、取り残されて、思わず久美子は恨みの視線をパートナーに向けてしまったけれど、息子はそれどころではないようで、唇を離すと、がくりと体を預けてきた。そうして、

「ごめん、母さん、イッちゃった」

 耳元で申し訳なさそうな口調で言う。久美子は、ハッとして、我に返った。今は、彼女が快楽を貪る時間ではなくて、息子の思いを遂げさせる時間である。

――あ、でも、遂げさせはしたんだよね……。

 さっき童貞は卒業したのだった。だとしたら、今度は、こちらが楽しませてもらってもいいはずだ、とそこまで考えたところで、久美子は、相手はほとんど経験が無い少年なわけであって、そんな彼に高望みをしても仕方ないと思いつつ、でも、現に軽くではあるがイカされたわけだから、もっと本格的な絶頂を味わわせてくれるかもしれないという期待もあった。

「ふうっ……」

 息子が顔を上げた。
 その目には、少し疲れたような色が見える。

「大丈夫?」
「うん、母さんのナカが気持ちよすぎてさ」
「は、恥ずかしいこと言わないでよ」
「恥ずかしいの?」
「恥ずかしいわよ」
「可愛い、母さん」
「その『可愛い』っていうの、やめて」
「どうして?」
「どうしてって……もう何度も言っているでしょ、おばさんだからよ」
「だから、おばさんなんかじゃないって……あ、そうだ、ねえ、母さん。おれ、これから、母さんのこと名前で呼んでもいい?」
「え、な、なんで?」
「だって、おれたち、恋人同士だろ」
「こ、恋人!?」

 久美子は、素っ頓狂な声を上げた。

「じゃなきゃ、セフレなの?」
「『セフレ』って?」
「セックスフレンド。セックスするだけの間柄ってこと」
「高典……これは、はっきりと言っておかないといけないけど、こういうことするのは、今日だけよ」
「えっ!?」

 息子は、心底から驚いた顔をした。
 久美子は逆に驚いた。その顔からすると、この関係がこれからもずっと続くと思っていたようである。

「あなたは、これから、普通に恋をして、結婚するの。わたしのことは今日限りにしてね」
「今日だけ……?」
「そうよ」
「今日だけ……か」
「ええ」

 息子は思いつめたような顔をしている。

「高典?」
「じゃあさ、もう一回シてもいいかな?」

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