息子の告白/24
ぺちんという小気味よい音が響く。
――やめなさい。
と口に出して言いたいのだけれど、膣内にうずめられた肉棒の圧倒的な迫力が、久美子に言葉を出すことを許さない。それに、恐ろしいことに、叩かれたところがじんわりと熱くなって、それが体の奥をさらに熱くするような気さえした。叩かれて感じるなんてことあるはずが無いと思いたいのだが、事実は認めざるを得ない。
高典は、母親の尻たぶを、何度もぺちぺちと叩いた。まるで、楽器でも奏でているような調子である。もちろん、思い切り張っているわけではない。なでる延長にあるような、軽いはたき方である。そうやって軽く叩かれるたびに、久美子の体に性感が走り、体の奥が切なくうずいた。こうして、挿入されて軽くぺちぺち叩かれているだけでも十分に気持ちいいが、もっと強い刺激が欲しくなってくる。そう、たくましい肉棒で、思い切り責め立てられたいという欲求が、久美子の頭に去来していた。
「母さん……?」
息子が、不審げな声を出した。何の反応も示さない母親をいぶかしんだのだろう。
「怒っているの、母さん?」
息子は、つながった状態のまま、状態を倒すようにして、久美子の顔に自分の顔を近づけた。そのちょっとした動きで、肉棒が膣内をこすり、
――ああっ……。
久美子は切なさを増した。
「母さん……?」
「お、怒ってないわ……」
久美子は、顔を振り向けて、声を絞り出すようにした。
「怒ってない?」
「え、ええ……」
「ウソだよ、怒ってるじゃないか」
久美子は、首を横に振った。肉棒が膣壁と膣奥に与えてくる圧力が、断続的な快感を、久美子に与えてくる。その心地よいのだけど、じれったい感覚を、はやく鎮めてもらいたいのだが、そんなことをこちらから言うことなどできない。
「母さんが嫌なら、やめるよ……」
こちらの意図を全く理解していない息子は、そんなことを言い出して、あろうことか、肉棒を引き抜き始めた。久美子はとっさに、
「嫌っ! やめないでっ!」
と叫んでしまった。えっ、という顔をした高典は、肉棒を少し引き抜きかけた状態で腰を止めて、
「続けていいの?」
と訊かずもがなのことを訊いてきた。久美子は、こくりとうなずいた。そうして、あまりの恥ずかしさに、彼から目をそむけて、顔を俯かせた。
「……じゃあ、動くよ」
息子は、あまり納得が行っていないような声を出したが、言葉通り、動き始めた。途端に、まるで嵐のような激しい快感に、久美子は襲われた。