官能物語 2020/09/26 14:00

母の浮気/84

 すると、母は、

「あっ、ちょっと待って、良太……」

 と、合体を解くのを止めてきた。さっきのことを思い出した良太は、ティッシュを取ったけれど、

「もうちょっと、こうしていて」

 そういうわけではなかったらしい。母は、息子をまた抱き締めるようにすると、足も軽く腰にからめるようにしてきた。

「ああ、気持ちいい……」

 行為が終わったあとだというのに、気持ちよくなれるのは、男性とは違った女性の特徴なのか、あるいは、精神的なものか、あるいは、単に息子を抱き枕として扱っているだけなのか分からないけれど、分からない思いを抱いているうちに、良太も気持ちよさを感じてきた。

 母の体の柔らかさと甘い匂いに包まれていると、心からリラックスできて、同時に、今まさに排出したはずのエネルギーがまた、じわじわと溜まってくるのを感じた。本当に、底なしに何度でもできるのではないかと、良太には思われた。その気持ちが高まりすぎる前に、

「はあ、じゃあ……今夜はこれでおしまいにしましょう、良太」

 と母が言って、腕と足を放した。良太は、その言葉に素直に従って、ティッシュを二人の結合部に当てるようにしながら、身を離した。すえた匂いが鼻をつく。体を離すと、大分、体力を使っていたということに、良太は気がついた。結構な疲労感である。交わっているときにはまったく感じていなかったのが、不思議だった。

「母さん、今日はここで寝たら?」

 良太は、自然な気持ちで、母を誘った。このまま、別々の部屋で寝るなんていうことは、考えられない。

「そうね……でも、良太のベッドじゃ、ちょっと狭いわね」

 母は、考えながら言った。確かに、正常位で交わるためであれば十分なベッドも、二人が並んで寝るのには、少し窮屈だった。

 身を起こした母は、思案げな顔をして、

「そうだ。じゃあ、和室にお布団を敷いて、一緒に寝ましょうか」

 と言ってきた。夫婦の寝室に行くのが簡単かもしれないが、さすがに母としても、そこに、夫以外の人間を招くのは抵抗があるのだろう。そう思って、特別扱いされている父に対して嫉妬の気持ちを抱いた良太だったが、

「寝室でもいいけど、何かあって、お父さんにバレるとマズいからね」

 そういうことでもなかったらしい。ホッとした気持ちになった良太は、

「お布団敷く前に、もう一度、一緒に、シャワー浴びようか?」

 という母の提案を、一も二もなく受け入れた。
 全裸の母は、そのまま、立ち上がると、息子に向かって手を差し伸べた。
 良太は、母の手を取って、立ち上がった。

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