母の浮気/96
その瞬間、ぎゅううっと、ただでさえ締め付けてくる膣肉が、さらに強力になるのを、良太は感じて腰を震わせた。自分もまるでイッたような気持ちよさを得たけれど、出てはいないようだった。
母は顔を俯かせるようにしていた。その顔が見られたらいいのにと良太は思った。イッたときの母の顔はいやらしくも美しく、一層興奮することだろう。一度抜いて正常位になろうかとも思ったけれど、せっかくバックで入ったのだから、それもそれで惜しいと思って、どちらにしようか迷っていると、母の尻がふりふりと振られた。どうやら回復したようである。良太は、熟母の尻たぶをパシッと張ってやった。
「あんっ」
母が、少し非難するような甘えたような、どちらともつかない声を上げた。
「気持ちよかった? 母さん」
良太が訊くと、「うん……」と、母は小さな声で答えた。良太はまだイッていない。こちらがイカなくて、女だけをイカせることの楽しさを知った良太は、できるだけそのようにしたいと思ったけれど、おそらくは、今回に関しては、もう昨夜から散々し続けたせいであって、特別な状態なのだということを認めざるを得なかった。
良太は何とはなしに、母のアナルに親指を添えた。
「あっ、ちょ、ちょっと、良太……」
母が焦った声を上げる。
良太は、先ほど疑問に思ったことを、さっそく訊いてみることにした。
「母さんってさ、ここでシたことあるの?」
「えっ……?」
「お尻だよ。アナルセックス」
良太が尋ねると、母は無言になった。
ーーマジか……。
沈黙は肯定を意味する。したことがあるのだと断じた良太は、母の相手の男に対して嫉妬心を抱いた。母のこのアナルを犯したのはいったいどこのどいつなのだろうか。普通は、父を疑うところだけれど、母の場合は、相手はたくさんいる。
ぴしっ、と良太は、母の尻たぶをまた張った。
「む、昔、一度だけよ」
母は、答えを急かされたのだと思ったのだろう、慌てて、そう答えた。
昔、一度だけ。それはどうだろうか。一度してみたら、二度も三度もしたくなるのではなかろうか。それとも、そんなに気持ちよくなかったのだろうか。いずれにしても、したことがあるわけで、良太は胸の不快感を打ち消すために、腰を動かし始めた。
「あっ、あっ、良太……イッたばかりなのに……あっ、あああっ!」
母の喘ぎ声が、さきほどよりも、切迫しているようである。イッて間もないときに女にさらに快感を与えると彼女はどういう心持ちになるのか、もちろん、良太には知るべくもなかった。