官能物語 2021/09/08 17:00

美少女との生活/31

 食べ終わったあとは、ショッピングツアーになった。美咲が、服や小物、アクセサリーを見たいと言ったのである。しかし、彼女はただ見ているだけで買おうとはしなかった。

「今日は見るだけです。欲しいなあと思って、その気持ちが1週間続くようだったら買うっていうシステムにしているんです」
「衝動買いは無いってことだな」
「はい。衝動買いして結局使わなかったら、買ってもしょうがないですもんね。見ているだけになるんだったら、部屋にあっても、お店にあっても同じです」
「その考え方には一つだけ問題があるな」
「何ですか?」
「おれが美咲ちゃんに何かサプライズプレゼントしたいと思ったときに、どうすればいいか分からなくなる」
「その心配はご無用です」
「どうして?」
「貴久さんからいただいたものは、何でもありがたく使わせていただきます!」
「本当に?」
「はい!」
「でも、おれがめちゃくちゃ趣味の悪いアクセサリーを買ってきたらどうする? 身につけてくれる?」
「モチロンです」
「そうか、ならよかった」
「そうだ、参考までにわたしがどんな感じのものが好きなのか、お教えしましょうか。別に何でも、いただいたものなら、身につけますけどね」
「…………」
「疑ってますね?」
「そんなことはないよ。でも、ドクロのペンダントとかはつけてくれないだろ?」
「何で、ドクロのペンダントなんて買うんですか?」
「物のたとえだよ」
「貴久さんって、これまでプレゼントのセンスいいって、女性に言われたことありますか?」
「うーん……そうだなあ……」
「あ、やっぱりいいです。過去の女性関係、聞きたくないです」

 楽しい午後を過ごすと、夕食が待っており、さすがに昼も夜も外食というのは、

「もったいないです。お部屋で食べましょう!」

 ということになって、それなら、ということで、貴久が作ることにした。今日は彼女に雑用をさせるわけにはいかない。この先、後々までもこの時のことを言われないとは限らないのだ。

「パスタはどう? 昼が洋食だったから、ご飯ものの方がいい?」
「いいえ、パスタで大丈夫です。パスタ大好きです」
「嫌いなものはあるの?」
「そうですね……強いて言えば、父ですかね」
「そんなにか?」
「そんなにではないです。まあ、そこそこです」
 
 貴久は、親友を憐れみたいとは思いつつも、今夜はそんな余裕は無いのだということを再認識した。

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