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処刑の記事 (32)

サークルSBD 2013/05/30 23:00

「Gassassin 2」

G-A-S-S-A-S-S-I-N


こうひー 著



「3日後の夜に、吸血鬼審判を執り行う」
教会からの使者は手短にそう告げて去っていった。
吸血鬼――――そんなもの、現実に存在するものかどうか、少なくとも権力欲にとりつかれた司祭どもになど分りはすまい。
だがこの村の村長にとって、それはどうでも良いことであった。
教会から出される報酬は村を、そして彼女らの家を潤してくれる。
「今回はシェリーナになるかのぅ・・・」
つぶやきながら庭に出る。
どの家の畑も、この村の特産品の収穫で大わらわだ。
きっと今年のニンニクも豊作だろうと、村長は思った。

「行っておいでシェリーナ。しっかりね」
「うん・・・行って来ます。お母さん」
母親にだけ挨拶して、シェリーナは迎えのものに連れられ、この村の女たちしか知らない場所へと赴いた。
村の女性だけに伝わる秘儀。
興味本位で探ろうとした男が、次々と神隠しにあう、恐ろしい秘密。

シェリーナは驚いた。村はずれの廃墟の下に、こんな地下室があったなんて・・・。
「来たねシェリーナ。さあ、中へお入り」
促されるままに階段を下りると、たいまつに照らされた薄暗い部屋の中に、村の若い女性たちの中でも面倒見がよく、姉御肌で知られているメリッサがいた。

「・・・ちゃんと食べてきたかい?」
「あ・・・うん」
「じゃあ、この服に着替えて。キャシーとアリア、手伝ってあげて」
見た目よりも重い布の塊を渡されると、案内役であった2人の娘によって着付けが行われる。
妙な服だった。厚ぼったい、薄い黄色の地味な布地ではあったが、腰のくびれからスカートの裾まで、まるで高貴な女性たちが着るような形に膨らんでいた。
腰の所できつく巻かれたコルセットは、この日のために母親がこしらえた料理によって膨らんだ下腹には辛かった。

しかもスカートの裾の周りには、外側に重い金具のようなものがびっしりと縫い付けられていた。
腰から下が妙に風通しが悪い。

「ちょっとキツいだろうけど、我慢するんだよ。じゃ、行こうか」
メリッサが地下室の奥の扉を開くと、長い通路の先にまた扉が見えた。
「シェリーナ、しっかりね」
「がんばって、シェリーナ」
着付けをしてくれたキャシーとアリアの声に背中を押されるようにして、薄暗い通路を進むシェリーナと、その重い裾を持ってやるメリッサ。
「んっ・・・歩きづらい・・・」
「ここでやらないでよ?シェリーナ」
背中からメリッサの声が聞こえると、シェリーナは思わず顔を赤らめた。



「そろそろ、来る頃だな。」
たいまつに照らされた薄暗い部屋には、文官風の男が一人と筋骨隆々の○問吏が二人。
それに部屋の中央には、若い男があぐらをかいた姿勢で座っている。
その胴体と手首は床に生えた金属製の柱に縛り付けられていた。
さらに首はかすかに斜め上を向いた状態に、専用の拘束具で固定されていたので、男は声を出すのも辛そうに見えた。
「お、俺は吸血鬼なんかじゃ・・・ない」
それでも必死に弁解する男を、文官は一瞥した。
「貴様に血を吸われかけたという証言があるのだ。調べぬわけにはいかぬだろう」
冗談じゃない!どうせ博打で金を巻き上げてやった奴らのデッチアゲだ!!
俺だけじゃない、吸血鬼裁判のほとんどが同じようなもんだろうが!!
男は思ったが、なにぶん体勢が苦しくて声を荒げる気がしない。
そんな様子を見て、文官が○問吏に命じた。
「おい、もう少し首を起こしてやれ。息が通らぬでは話にならんからな。
・ ・・ん?来たようだな。扉を開けてやれ」

男の後ろで扉が開くと、二人の村娘がゆっくりと通り過ぎた。二人とも結構な美人であることは、薄暗い部屋の中でも見て取れた。
そのうち一人は地味なドレスに身を包んでいたが、その裾は床に触れるたびにカリカリと音を立てていた。
「ふむ、美しい娘だな」
文官が頷くと、シェリーナは恥ずかしそうに俯いた。
文官は縛られた男に向き合ってしゃがみこむと、説明を始めた。
「ではこれより審判を始める。この村の特産品は知っているかね?」
「・・・?確か、ニンニク・・・?」
「そうだ、吸血鬼はニンニクを恐れる。それを含んだ、清らかなる乙女の息吹もまた然り」
「・・・?」
「貴様が吸血鬼ならば、汚らわしいバケモノならば、耐えられずに息絶えるはずだ!」
それだけ言うと文官は立ち上がり、シェリーナに目配せする。
文官が退いた場所に、シェリーナが進み出て、床の男と目を合わす。
「あ、あの・・・その、よ、よろしくお願い・・・します」
顔を赤らめ、しどろもどろになりながら挨拶する村娘を見て、男は何が何だか分らずに目を白黒させていた。

「始めろ」
文官が命じると、2人の○問吏が男の傍にしゃがむ。
シェリーナが不安そうな顔でメリッサを見ると、メリッサは力強く頷き、シェリーナを促す。
シェリーナはおずおずと男に近づくと、ゆっくりと踵を返した。
スカートの金具が、男の目の前にカチャンと音を立てる。見れば金具一つ一つに親指くらいの直径の穴が開いている。
今まで薄暗くて模様だと思っていたが、自分を取り囲むようにして、床にも同じくらいの大きさの穴が開いているのに、男は気づいた。

ふと顔を上げて、男は息を飲んだ。
目の前の村娘のスカートが○問吏たちに高々と持ち上げられ、隠された若い娘のふくよかな尻があらわになっていた。
その体勢のまま、娘は後ろ向きに、男のほうに数歩歩み寄った。娘の尻は丁度、かすかに傾いた男のすぐ前にまで迫った。
「お、おい、何を・・・あっ、うわぁ!?」
突然、周りが暗くなった。
○問吏は持ち上げたスカートの裾を、男の頭から被せるように落としたのだ。
ジャラン、と裾の金具が床に触れる音がした。

「動くな。危ないぞ」
シェリーナの頭上から、○問吏に支えられた重い鉄の輪が下ろされた。
彼女をくぐらせるようにして足元に到達したそれは、スカートの裾の金具を床に押さえつけるように設置された。
さらに輪と金具と床の穴とをネジによって固定され、縛られていた男はシェリーナのスカートの中に密封された。
「では、頼むぞ。夜明け前にはまた来る」
文官は○問吏たちを連れて、シェリーナたちの入ってきたのとは反対側の扉から出て行った。
彼らの足音が遠ざかったのを確認したメリッサは、懐からカラスのくちばしのようなマスクを取り出して装着した。
疫病を調べる医者のようなマスクであったが、くちばしには海綿のほかに、香草の類が仕込んであるそれがモゴモゴと揺れた。
「さ、始めるよ。シェリーナ・・・」
俯いていたシェリーナの肩がビクッと震えた。
「うう・・・ほ、本当にやる・・・の?」
「今更何言ってるのさ!ほら、体の力抜いて、ゆっくりでもいいからさ・・・」
「う・・・うん」
シェリーナは諦めた様子で目を閉じると、意識を下腹へと集中させた。

スカートの中の男は、自分の置かれている状況を考えていた。
(ニンニクを含んだ・・・清らかなる乙女の・・・・・・。
この状況で「息吹」なんてのは、やっぱり・・・アレ・・・だよな?)
暗くて周りの様子は見えないが、男は若い娘の体臭に包まれ、目の前に揺れるふくよかな尻の気配に、いささか興奮気味であった。
(よ、よし。おれは吸血鬼なんかじゃないんだから、ニンニクの屁なんかで死ぬわけ無いんだし、美人の尻なんか拝めたんだから、も、儲けモンだよな)
「は、はは・・」
恐怖心が薄らいで、安堵の声を漏らしたその時だった。

ぷぅ・・・しゅぅ

スカートの中に漏洩音が響いた。
(うへ・・・だ、出しやがった。さすがにクサ・・・!?)

「げばっはぁ!?ぶへっ!ぶげっへぇ~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!」
シェリーナの尻から放たれた臭気は、男の呼吸を乱すほどのものであった。
「うぇー!!うげぁー!!臭ぇー!くせぇえー!!」
男は全身を震わせて暴れ、ギシギシと拘束が食い込んでもお構いなしに悶え狂った。

「ひ、ひぃ・・・」
シェリーナは自らの放屁でもたらした、男の狂いように恐怖を覚えた。
「メ、メリッサ!私・・・」
「しっかりおしよ!シェリーナ!!吸血鬼を成敗してやるんだ!!」
「うう・・・」
「さぁ、もう一発!!」

ぷうううっ ぶふぅ~~~~~~~~~~っ ぷぅっ

「うっはぁぁがぁはっ!!はっあ!あはっは!!」
男はなおも悶えていた。
もはやスカートの中には、さきほどまでの若い娘の甘い体臭は残ってはおらず、男の顔へと吹き付けられたシェリーナの強烈なガスだけが篭っていた。
男の顔を撫で回すようにして蹂躙したオナラは、特殊に加工された厚ぼったい生地に遮断され、2度3度と男を責め立てた。

ぶぶすぅ ぷううぅ~~~~~~~ぅ ぶぅーっ

「おごぇ!があぁ!!」
鼻から口から、乱れた呼吸をさらに掻き乱し、やんごとなき乙女のスカートの中で、男の意識は猛烈なガス嵐の中でもみくちゃにされた。

「はぁ・・・ふぅぅ・・・」
シェリーナは顔を紅潮させながら放屁を続けた。
(一時はどうなるかと思ったけど・・・なんとかなりそうね)
そんなシェリーナを見ながら、メリッサは安堵していた。
シェリーナは半ば恍惚としながら、自らのスカートに閉じ込めた男に向かって放屁をしている。
村に伝わる「血」がそうさせるのだろうか。メリッサは思った。

その時、恍惚の余り一瞬シェリーナの意識が薄らぎ、カクッと膝が折れた。
ハッとなって体勢を立て直すと、自らの尻が男の顔に沈む感触を感じてあわてて姿勢を正す。
彼女は我に返った。放屁が止まった。
「どうしたの?シェリーナ」
先ほどまで恍惚に染まっていたシェリーナの表情は、激しい羞恥の紅潮へと替わっていた。
「メリッサぁ・・・私・・・私、恥ずかしい・・・」
消え入りそうな声で目に涙を浮かべていた。
(まったく、この娘は・・・)
メリッサはシェリーナの傍まで来ると、マスクを外した。
シェリーナのオナラの臭気は、スカートの中に閉じ込められているため、ほとんど匂わなかった。
それでも強烈なのにはかわりは無いが、メリッサもかつては「吸血鬼審判」に携わったことのある、この村の娘である。耐性は備わっていた。
「いい?シェリーナ。この審判は私たちの村の乙女が代々受け継いできた神聖なものなの。
恥じるべき事など、どこにもないのよ」
「でも・・・恥ずかしいもん、男の人の顔にオナラなんて・・・・
それに、この人だってきっと吸血鬼なんかじゃないもん!!」
「シェリーナ・・・」
シェリーナの言い分も分かる。だが、審判を途中で終わらせるわけにはいかない。

「シェリーナ。もういいよ」
「・・・メリッサ?」
「もういい、この男は生き延びたんだ。無罪放免ってことになるよね」
「本当?本当にもういいの!?メリッサ!」
「あたしたちは村に帰る。この男も街に戻る。そしてみんなに言いふらすんだ」
「・・・・・・えっ?」

「『俺はニンニクの村の女の屁を浴びても生きてたんだぞー』ってね」

「ぁ・・・・」
「バレるね。あたしたちや、アンタの体質のこと」
シェリーナの顔が青くなった。
私の・・・私のオナラのことが・・・みんなに・・・知られちゃう!?
「ぃ・・・ぃゃぁぁ・・・」
「村の男どもにも知れ渡るよね・・・なんつったっけ、アンタの好きな、あの」

シェリーナの放屁が終わっても、スカートの中では立ち込める濃厚な屁臭の中、男が意識を朦朧とさせていた。
(もう・・もう吸血鬼でいい。早く楽に・・・してくれ・・・)
強烈きわまる悪臭の中で、朦朧とする意識の中で、それでも徐々に闇に慣れた男の目は白い球体らしきものを捕らえていた。
(あ・・・ニンニク・・・?でっけぇニンニク・・・・)
男の目には、巨大なニンニクがゆっくりと降ってくるのが見えていた。
やがて男の顔は、巨大ニンニクに埋もれた。
(この・・・ニンニ・・・ク・・・柔ら・・・けぇ・・・?)
柔らかい塊が、蠢動した。

すぅ・・・すぅぅ・・・すぅ~~~~~~~~~~~~~・・・・・・・・・・・・・・

生暖かい空気の塊が男の鼻腔に押し込まれた。
「・・・・んっ!?かっ・・・・!?!?」
男はオナラを直に注ぎ込まれて、全身に痙攣が走るのが分かった。
それほどまでに、シェリーナの、この村の女性のオナラは強烈だった。

すぅぅ~~~~~~~~~~ぷぅっすぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

濃くなってゆくオナラのニオイ。
もはやスカートの中は、シェリーナの凶悪なオナラガスのみが席巻する断罪の間と化していた。
「・・・・・っがぁ!・・・・っがはぁ!!」
男は白目を向き、歯をむき出しにして、必死に首を振って地獄の責め苦から逃れようとした。
それはまるで、吸血鬼が苦しみぬいているかのようであった。

薄暗い部屋に、男の暴れる音がギシギシと鳴る。
シェリーナは涙目になりながらも、それでも放屁を止めなかった。
秘密を漏らすわけにはいかない・・・・
生かして帰す訳にはいかない・・・・
・・・・・逃がさない!!
シェリーナの目が見開かれ、冷酷な光を湛えた。
「ごめん・・・なさい」

ぶぶぅ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!

スカートの布地を震わせるほどの爆音が響いた。
もはやスカートの中から、拘束具の軋む音は聞こえなくなっていた。

「よく頑張ったわね、シェリーナ」
「メリッサ・・・私・・・人を・・・」
「いいのよシェリーナ。アンタは吸血鬼を成敗した。ただそれだけなんだから」
「・・・・・・・・・うん!」
「さぁ、まだ時間はあるよ。ソイツが化けて出ないよう、しっかりトドメを刺しておあげ」
「うん!」

シェリーナは後ろを振り向いて小さくつぶやいた。
「・・・ごめんなさい」
口元に、かすかに笑みが浮かんでいた。

シェリーナは満ち足りた表情で目を閉じると、胸の前で手を組み、ゆっくりと、下腹に力を込めていった。




END

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サークルSBD 2013/05/02 23:00

「神獣の森」

こうひー 著



「ぐあっ・・・!つ、強い・・・!!」
速く、そして力強い鞭の一撃に、兵士の剣はあえなく地面に転がった。


隣国の監視のために、王都より国境付近へ派遣された兵団があった。
その兵団に一兵卒として組み込まれた男は、ふとしたことから隊よりはぐれ彷徨っていた。
剣技の訓練は一通り受けていたが、山歩きは素人同然の町育ちである。
いつしか男は、人の気配のカケラもない森の奥深くへと迷い込んでいった。
そこが地元の人間が「神獣の森」と呼び恐れ近づかない領域であることなど、知る由もない・・・。

やがて少し開けた場所へ出ると、男を待ち構えていたかのように武装した人影が待ち受けていた。
鈍く光る歩兵鎧を纏い、鞭を構えて立ちはだかる姿に、男はとっさに身構えた。
相手は自分の身長をはるかに凌ぐ大柄な体格をしていたが、丸みを帯びた体つきは女性のものであった。
奇妙なことに、鎧の下には獣の皮が全身くまなく覆い、さらには獣を思わせる風貌の面を被っていた。
(スカンクの毛皮だと?――土地の蛮族か?いや、違う!これは――)
被り物などで無く、武装した獣人――スカンク女であるとしか、判断のしようが無かった。
(コイツは一体!?)

相手をゆっくりと観察できたのはそこまでだった。
スカンクの女戦士は男に迫ると、鞭で地面を打ち鳴らしつつ言った。
「何人も、この森を抜けることは適わない」と。
女にしてはやや低めの、冷徹な意思を感じさせる声だった。

目の前のスカンク女が言語を操る事は分かったが、その全身に張り詰める殺気は会話でこの場を切り抜けることが不可能であることを
男に確信させていた。
男が剣を抜くのと、スカンク女の鞭が唸りを上げるのは同時だった。

スカンク女はその巨体に見合わぬ俊敏さで、軽快に立ち回っては鞭を振るってゆく。
男の剣撃はまるで当たらず、女の速く鋭い蛇のような攻撃に、次第に体力を奪われていった。
決着が着くのにそう時間はかからなかった。

「あぐっ!」
やがて男自身が地面に転がる事になった。
体力は使い果たし、息切れを起こしていた。
鞭の当たった箇所は、表面はおろか内部の筋肉までも叩きのめされたかのようであった。
男の戦意は喪失していた。

気がつけば、スカンク女は男の体を跨ぐようにして見下ろしていた。
「うぅ・・・た、頼む、助けてくれ・・・!」
得体の知れない獣人相手に通じるものか分からなかったが、男は本能的に命乞いを試みた。
「・・・・・・・・・・・・」
スカンク女は何も言わず、男に背中を向けた。
女の豊満な下半身が張り出して、男に影を落とす。
(た・・・助かったのか・・・?)
男が安堵しかけたその時、巨大な影が覆いかぶさってきた。

「う・・・お・・・!?」
男の目前に迫った、巨大な尻。
白黒の毛皮に覆われた、大きく、かつ密度の高い肉塊。
圧倒的な双球の陰に、紫がかった肛門が顔を覗かせている。

(――そうか、こいつ俺に屁を・・・)
肉弾戦で叩きのめしただけでは飽き足らず、スカンクらしく放屁を浴びせて、敗北を知らしめようというのだろう。
男はそう判断した。
最も、スカンクのそれは厳密には屁では無く毒液のようなものだと、どこかで聞いたような気がしたが、目の前にいるものはただのスカンクではない。
屁か毒液か知らないが、果たしてどちらを繰り出してくるものか・・・。

だが、今の男にとってはどうでも良かった。
屁でも何でも嗅がされて、それで命が助かるのなら上等。
「分かったよ・・・俺の負けだ、さっさとやれよ」
覚悟を決めて、男は促した。
男の視線が、肩越しにそれを見下ろしていたスカンク女の、冷たく鋭い視線と一瞬絡み合う。
だがすぐにスカンク女がより深く腰を屈めたため、男の視界は巨大な尻が占めるのみとなった。

ボフゥッ!!

スカンク女の肛門は一瞬のうちに拡張し、男の鼻先にガスの塊を吐き出した。
思わず顔をしかめて息を止めるが、そのまま凌ぎ切るには気体の量はあまりに大きく、男を包み込んでいた。
恐る恐る、息を吸い込む男。だが次の瞬間・・・

「ひ ぐっ! んぎゃああああああああああああああああああ~~~~~~~~~~~!!」

強烈な、あまりに強烈な悪臭。
濃厚すぎる、屁臭。
男はたまらず絶叫し、鼻を押さえてのた打ち回る。

ブブッ!ブボボォッ!!

「んがっ!あがああああああああ~~~~~~!!」

2発目のガスが放たれ、男を包み込む悪臭がさらに濃度を増す。

「がひぃっ!っがひぃぃ!!
くせぇ!くせひぇええぇ!!」

錯乱した甲虫のように、ジタバタと暴れる男。
とうに覚悟など吹き飛び、残りの体力を振り絞って、ほうほうの体でスカンク女の尻の前から逃げ去ろうとする。

「・・・・・・・・・」
スカンク女は、そのままの体勢で、鞭を持った腕を振るう。
鞭の先が、ひゅん、と音を立てて、まるで生き物のように男の足首に絡みついた。
足をとられて突っ伏した男は、伏したままずる、ずると後方に引きずられていく。

「ぐへっ!?・・・あぁ・・・ひぃぃ・・・!!」

引き戻された先で男が振り向いて仰向けになると、またも巨大な尻が目前にそびえ立ち、そして咆哮する。

ボボブゥゥッッ!!

「んぎゃ~~~~~~ああああ~~~~~~~~~!!」

再度、屁臭に包まれ、引き攣り絶叫する男。
目に涙を浮かべ、口の端に泡が飛んでいる。
そんな男に、無慈悲な言葉が投げかけられる。

「何人も、この森から出ることは適わない・・・」

スカンク女が、暴れる男をものともせずに厳かに言い放つと、その冷たい声に男は心の底から凍てつく思いがした。
「むはぁっ!た、たす・・・」
男が再び命乞いをしようとしたその時、

ぷぅっ しゅうぅ~~~~~~~~~~~~~~~っ

「おぐゅっ!?・・・あが・・・かはっ」

静かに、だがひときわ濃厚に放たれた、おぞましい臭気。
まともに吸い込んだ男はビクンビクンと痙攣し、仰向けのまま崩れ落ち、力なく手足を投げ出した。
この期に及んでも男は気を失うこともできず、息を乱して悶えていた。

スカンク女は、苦しみ悶える男の上半身に尻を降ろしていった。
その尻は、男が両腕を広げても抱えきれないほど巨大なものであった。
投げ出された男の腕は、それぞれスカンク女の左右の尻の肉に埋もれ、動かせなくなった。

そして男の顔は、深い尻割れの中へと沈んでいった。



「んぐうぅぅ~~~~!?」
腰を下ろしたスカンク女の豊満な尻の下で、男は何が起こったのかもわからずに呻いていた。
弱った体でどんなに暴れても、毛皮に覆われた巨大な肉塊の下から抜け出すことは不可能であった。
むしろ暴れることによって、男の顔が巨尻の谷間の奥底へと咥え込まれてさえいた。
「んぐぅ~っ!・・・ごふっ!げふっ!」
獣の体臭のようであり、女の肌のそれにも感じられる、野生的な臭いが濃くなり、男はむせ返っていた。
再三にわたって放たれた屁臭の残り香が、男の力を弱めていた。


不意に、男を圧迫していた重みが消えた。
スカンク女がかすかに腰を浮かし、男の顔の上から、腰のほうへと移っていた。
そして再び、ゆっくりと腰を沈めると、ゆっくりと前後左右に揺さぶりだした。
「うぅ・・・?」
重量感のある、柔らかい巨尻が揺れるたび、男の股間に快感が走った。
「う・・・ふあぁ・・・!!」

スカンク女の腰はさらに動きを強めながら、男の下半身のみならず上半身のほうへと侵食していく。
豊満な巨尻が揺れるたび、男の体も共に揺さぶられた。
スカンク女の腰が行き来するたび、男の意識も共に夢と現の間を行き来した。
やがて蠢き踊る巨尻は、その舞台を再び男の顔の上へと戻していった。

滑らかな体毛の肌触り、柔らかな肉の重み 獣と女の臭いが、男の顔を包み込む。
それらの快感と、かすかな屁臭の残り香が男の意識をあいまいにさせる。
巨尻の下で、男は無防備に呼吸する――。

ぷす ぷすぅぅ

「うぇ・・・ひぎゃうぅ!!」

快感に我を忘れていた男の意識が、強烈な屁臭の直撃により覚醒を強いられる。
悶える男に構わず、スカンク女は巨尻を揺さぶり続ける。

ぶすっ ぶすすす ぶすっ

ぐりっ ぐりっ

スカンク女は巨尻を揺さぶって男の顔面を蹂躙するのみならず、凶悪な放屁を添えて、男に天国と地獄を同時に味わわせた。

ぷすすす ぷすぅう
ぐりっ ぐりっ

「へぎゃ!・・・ふぎゃあぁ!!」

尻がぷすぷすと吐息を放ちつつ揺れるたび、男の狂乱の表情が見え隠れした。
そして苦悶とも嬌声ともつかぬ声を上げて、ガスの噴出音と共演するのであった。



「へひ・・・へひひ・・・」
やがてスカンク女が尻を上げると、笑ったような顔で、だらしの無い声を漏らす、
もはや正気を保っていない男の姿があった。
スカンク女はそれを一瞥すると、再び尻を男の顔の上に戻す。
深く座り、ゆっくりと男の顔を、自らの巨尻の深淵に沈めていった。

スカンク女は、男に最後の言葉を告げた。

「・・・眠れ。」



ブブブオオオオオオオオッ!!ブッブブブッシュ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!

「!!!ンぁ~~~~~~~~~―――ァァァ~~~~~~~~~~~!!――――」

巨尻に埋もれて、ただでさえくぐもった男の断末魔の叫びは、これまでにない膨大な放屁ガスの爆裂音に掻き消されてしまった。

やがてガスは立ち込める黄色の靄となり、哀れな犠牲者とその上に君臨する女帝の姿を包み隠していった。

靄が完全にそれらを包み隠す寸前、男の断末魔を押し殺すかのように、ぐっと力み、さらに尻を押し沈めるスカンク女の巨体と、

ブブシュウウッ!!

という噴出音に合わせて、全身をビクンッ と引き攣らせる男の姿があった。





靄が晴れたとき、スカンク女の巨体は既に姿を消していた。
後に残されたのは、彼女が座っていた周辺の枯れ死んだ草むらと、
その中央に転がった、全身黄色く変色し、笑ったような狂乱の表情を貼り付けて事切れた男の骸のみであった。



END

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サークルSBD 2013/01/06 00:00

年末年始お蔵出し 「捕縛」

今回の"お蔵出し"はこれでラストです。

絵のほうですが、枠線が超適当ながらコマの流れが一応、通常のまんが風に読めるようになっております。
2ページめ上段でスカン子さんの手下がいつの間にかガスマスクを装着してたりなんかして、何だか我ながら妙な味が出てる気がします。
当時はノートにこんなことばっかし描いてました。
焼き捨ててしまったものも多いのですが、今にしてみればもったいないことしたなーと思います。
でも過ぎた事をくよくよ考えても仕方がないので、明日に向かって新たにまた書くべしっ描くべしっ作るべしっ

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サークルSBD 2013/01/03 00:00

年末年始お蔵出し 「鉄格子の檻」

※1月4日 画像追加。お友達が英語版を作ってくれました。

やられてる側が集団というネタは比較的珍しいような気がします。
イヌやオオカミは群れで行動するのが常ですから、らしくて良いかな~と・・・。
スカンクの例の武器は、現実には容量的におよそ6連発程度が限界らしいですが、メルカの場合は一発一発の量を極小出しに絞ることで噴射回数を増やしているのだと思って下さい。
一撃の濃度は薄まるものの、常に新鮮なガスを嗅がされ続けるわけです。
強烈な臭いがいつまで経っても強烈なまま一向に薄まらずに持続するので、どんなに相手がタフでも目を回すのは時間の問題でしょう。
またスカンクのアレはもともとがフェロモン由来なので、実際に交尾の際にパートナーに向かって使用される事もあるそうで、そんなことがスゥの性癖の元ネタとなっています。


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サークルSBD 2012/12/31 00:00

年末年始お蔵出し 「ノーエスケープ」

大晦日。
いよいよ今年も終わりですね。
今日こそは年越しそば食べよっと・・・

絵のほうですが、上段のスカンク娘さんは下段のもろケモなスカンクをさらに擬人化したものとお考え頂いても結構です。
狭い密室内では、彼女の銃口から逃れる術はありません。
お尻の銃が屁を噴くとき、また新たな犠牲者が・・・

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