水着デビュー
トワに急遽飛び込んできたギルドのオファーは、水着撮影会のゲストとして出演してほしいという依頼だった。
本来のゲスト出演者がドタキャンで一人欠員が出てしまい、その代わりとして、ということだ。
「む、無理ですよ…こんなの…」
トワは慌ててオファーを請けない旨の返事をする。
水着というだけでも恥ずかしいのに、依頼文の片隅に見えた「ビーチで乱交」という文字が、普通の撮影ではなことを物語っている。
そんなものに出れるはずがない。
だが依頼を持ってきたギルド職員は折れなかった。
女優3人の撮影だが、そのうち一人がよく知られた有名女優で、あくまでもメインは彼女であるということ。残り二人は横で咲くだけのいわば賑やかし担当で、ほとんどカメラには映らないということ。なんなら、やっているフリだけで構わないということである。
再三の譲歩にトワも断りきれなくなり、ついに首を縦に振ってしまった。
*
撮影会場に来ると、他の女優二人は既に準備ができていた。
「あなたがゲストなのね。来てくれてありがとう。素敵な水着ね」
「あ、ありがとう…ございます。」
有名女優というだけあって、隣に立っているだけでも呑み込まれてしまいそうな存在感がある。スタッフへの気配りもしっかりしていて、場馴れしているという感じだった。
しかしこの水着がこんなかたちで役に立つとは思わなかった。セツナが冗談半分で、余った端切れの布で作った水着だったけれど、他の二人を見るとこれで正解だったような気がする。
女優3人に対し、男優は6人。
撮影は午前の部と午後の部があり、それぞれ3人ずつの男優と前半と後半で絡む。男優は精力の回復に時間がかかるので、一度射精したら次に待機している男優と交代するかたちだ。それを午前と午後で2セットやる。3on3ではあるが、特にペアは決めずにその場の流れで入れ替わりながらするらしい。そのあたりは臨機応変に対応するそうだ。
ただ、自分はあくまでも本番なしの擬似でやるということが現場に伝わっているのか、疑問に思い始めてきた。しかしそれを確認する前に、撮影が始まってしまった。まずは男優が女優にそれぞれサンオイルを塗るところから始まるようだ。
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