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2020年 03月の記事 (7)

おかず味噌 2020/03/05 21:43

お漏らし教師 第十二話「僕にとっての、ゆりな先生」

――ゆりな先生の様子がおかしい…。

 そんな「異変」を認識し始めたのは、一体いつからだろうか?「変化」という意味でならば、初めてゆりな先生と「体を重ねた時」から考えると、彼女はずいぶんと違った「一面」を見せてくれるようになった。
 出会った頃のゆりな先生は、優しく、清楚で穏やかな「大人の女性」だった。担任教師や他の先生、いわゆる「大人たち」と比べると、確かに年齢について言えば、生徒であり「子供」である僕たちに割と近く、自分がその年齢になることを想像することもできた。
 だからこそ話しやすく――養護教諭というのも理由ではあるが――他の大人たちには話せないような悩みや相談を打ち明けることだってできた。
 けれど、十代と二十代の間にある、大人と子供の「境界線」を越えたかどうか、その差は時に途方もなく大きなものに感じられ、その「隔たり」は他の生徒たち同様、僕に先生に対する「憧れ」を抱かせた。
 どんなに親しくしようとも、決して「対等」には扱ってもらえない。何度「セックス」をしようとも、それは彼女にとってほんの「お遊び」で、ほんの一時の「気まぐれ」であって――。
――僕は、ゆりな先生の「恋人」なることはできない。
 そんな分かりきった「現実」は、僕に一抹の寂しさをもたらせるものだった。

 そもそも僕は本当に、ゆりな先生の「彼氏」になりたいと思っていたのだろうか?
 確かに彼女は魅力的な女性だ。「絶世の美女」というわけではないが、それでもそれなりに化粧や身なりに気を遣っていて、時折見せる表情の変化や可愛らしい仕草は、僕の「男の部分」を何だか落ち着かせない気持ちにさせた。
 スタイルも「抜群のプロポーション」とはいかず、どちらかというとやや太り気味で「だらしない体」だったが、抱いていると心地よく得も言われぬ「安心感」があり、何よりその「巨尻」はまさに性欲の対象だった。
 性格については――、

 そこで僕は思考を止めてしまう。思えば、僕は彼女の「性格」について、そのほとんどを知らない。僕が知っているのは「保健室にいるときのゆりな先生」であって、それはあくまで「学校」という限定された環境での「教師と生徒」の関係なのだ。たとえそこに「禁断を越えた関係」があろうとも、それもやはり「ベッドの中で」という限定的状況であることに変わりはなく、だから僕はゆりな先生の「プライベートの姿」というのをほとんど知らない。
「得意料理は何なのか?」とか「家では何をして過ごしているのか?」とか「結婚願望はあるのか?」など、あるいは「恋人はいるのか?」さえ僕は知らない。
 そしてより決定的なのは、僕がこれまでそれを彼女に訊こうともせず、「訊きたい」とさえ思わなかったことだ。
 つまり僕は、そういったゆりな先生のプライベートや性格面に全く興味がなかったのだ。

 僕はあくまで「恋愛感情」などではなく、「性的感傷」でこれまでゆりな先生を抱き、「調教」と称して彼女に「いやらしい事」を強○してきた。自分の欲望を満たすため、一時の快楽を得るため、僕はゆりな先生という存在と「その体」を利用してきたのだ。
 そして、ゆりな先生自身もそうなのかもしれない。初めて「なりゆき」に身を委ねるまでは到底知り得ず、想像さえしていなかったことだが――。
 ベッドでのゆりな先生は「エロかった」。それこそ、いつか親のパソコンでこっそり観た動画の中の「女性」のように。「女教師はこうあるべき」という、男の勝手な欲望と願望の押し付けを体現したように、彼女はいやらしかった。

 服を脱がして秘部に触れただけで、ゆりな先生のその部分が熱く濡れているのがパンティー越しにも分かった――。
 少し弄っただけで、次々と愛液とあえぎ声が漏れて、すぐに「○○くんのおチンチンちょうだい」と懇願してきた――。
 体位を色々と変え、騎乗位では積極的に腰を振った――。
 やがて僕が果てると、愛おしそうに僕のペニスを咥え込み「お掃除フェラ」までしてくれた――。

 そんなゆりな先生の全てが、まさに男の「理想」としての「痴女」だった。
 僕はそんなゆりな先生との「性行為」に夢中になり、けれど理性を保って自制を失わず、「定期的に」保健室に通った。
 他の生徒たちが「古文」「数学」「物理」「日本史」とそれぞれ退屈な授業を受ける中、僕だけはゆりな先生の「保健体育」の特別授業を受けていた。

 そんな学校性活が半年ほど続いた頃――、ある事件が起きた。

 僕はいつものように、「そろそろ良いだろう」と自分の出席単位を概算的に見積って、保健室に行った。昼休みの終わり、男子生徒たちの馬鹿笑いに満ちた廊下を歩きながら僕は――、
「これから、皆の憧れのゆりな先生を調教しに行ってきま~す!!」
 そんな風に、声高々に宣言してやりたかった。だが、授業中にクラスメイトの前で発言することさえ億劫な僕である。その言葉はいつも通り「心の声」となった。
 それでも「これからゆりな先生といやらしい事をするんだ」と考えるだけで、僕は同級生たちに対して優越感を抱くことができた。
 普段はエラそうにクラスを仕切るスクールカースト上位の「イケメン」たちに、当たり前の秩序さえ守れない「ヤンキー」共にさえ、僕は威張って歩くことができた。
――男子生徒の中には、まだ『童貞』である者も少なくはないはずだ。
 ひょっとしたら、自分は「モテる」と自負している「リア充もどき」も実は女性経験はまだなのかもしれず、それを悟られまいと必死で隠しているのかもしれない。
 そう考えると何だか笑えてきた。その点、僕はといえば――、
「とっくにゆりな先生と初体験を済ましてま~す!!」
 その声も心の奥に仕舞い込む。
「しかもそれから何度も、何度も、ゆりな先生とヤッちゃってるんです!!」
 僕は皆の「驚くべき事実」を告白してやりたいと思った。「ゆりな先生、ゆりな先生」と日頃から言っている連中に、「ゆりな先生は、○○に弱いんだよ」とか「イクときは、いつもこうなんだよ」などと言ってやりたかった。
「おっと、いけない」
 僕は元々出してない声をつぐんで見せる。
「ここから先は言ってはいけないんだった」
 さも国家の重要機密を握っているスパイのように、僕は誰にも打ち明けられない「真実」に葛藤する。

 そんな自己演技をしながら――それでも「病人」としての様子は装いつつ、軽やかな足取りで僕は保健室へとたどり着き、そのドアを開いた。
 そこには、ゆりな先生と「三人の女子生徒」がいた。
 悪名高い、彼女たちの名前は知っていた。「奈央」「美紀」「加奈」、クラスは違えど僕と同学年であり、いわゆる「スクールカースト上位」とも言えず「ヤンキー」や「ギャル」とも呼べない、中途半端な存在である。
 いつも三人一緒に行動し、単体での姿を見かけたことがない。リーダー格である「奈央」を中心としたグループで、三人共が決して「カワイイ」や「美人」に決して当てはまるわけではないのにも関わらず、さも「イケてます」とアピールしている「イタイ」方たちである。
 彼女たちはゆりな先生と楽しそうに談笑していて、入ってきた僕には目もくれなかった。(ただ単に、気づいていなかったのかもしれない)
 唯一、ゆりな先生だけが僕の来訪に気づき一瞬会話を中断したが、カモフラージュのためかもう少しばかり会話を続けたあと、ようやく僕に声を掛けてきた。
――彼女たちも、まさかこんな僕がゆりな先生の「セフレ」だとは知るまい。
 彼女たちは、自分たちの「お茶会」が中断されたことを怪訝に思いつつ、その原因となった僕の方を見た。僕は目線を外し、その圧力に耐えた。

 ゆりな先生はそんな僕に優しく、自分の欲求不満を自覚したかのように甘い声で僕に訊ねつつ、やがて教師としての「本分」を盾にして、女子生徒たちを保健室から押し出した。彼女たちの恨むような、妬むような、僕に向けられた視線は忘れることができない。

 そして、いよいよ「調教の段階」に及ぶにあたって――、ゆりな先生はとんでもない「醜態」を披露してくれた。

 僕は最初、ゆりな先生の「パンティーの汚れ具合」を指摘した。加虐的に、それによってゆりな先生が「恥ずかしがる」ことをわかって、言葉攻めをした。だけどそれと共に、ゆりな先生のパンティーが「汚れている理由」に興味が湧かなかったわけでもない。
――ゆりな先生がこんなにパンティーを汚しているなんて…。
 大人なのに。いや、物心ついた子供でさえ、これほどまでに下着を汚したりはしない。しかもそれが大人ならでは、女性ならではの「シミ」であるならまだしも(僕が現れたことで「体」が反応してしまったのだとしたら仕方ない)、ゆりな先生のパンティーを汚していたのは「うんち」だった。
 ゆりな先生はパンティーにばっちりと、くっきりと「うんすじ」を付けていた。尻の割れ目に食い込んだTバックのラインのその内側、そこに別の「茶色い」ラインを描いていた。
 ただ洗濯しただけでは取れないような、頑固な汚れ。乾いてカピカピになったものと、付着いてからまだあまり時間が経っていないのか、未だ濡れてヌチャヌチャとしたものが共存している。
 好奇心に駆られた僕は、ゆりな先生の作った「うんすじ」に指で触ってみた。当然のように「茶色い物体」が指に付着する。その指を自分の鼻に近づけ、臭いを嗅いでみる。

 思わずむせ返りそうなほどの、強烈な臭い。パンティーの中で熟成された「うんち」の臭いは、本能的な嫌悪を覚えさせた。
 普段は良い匂いのするゆりな先生の体から、こんな刺激臭を発する「物体」が生み出されるなんて――。当たり前といえば、当たり前なのだが。
 誰だって排泄はする。狂信的なアイドルファンじゃあるまいし、まさか「ゆりな先生はうんちなんてしない」と思い込んでいたわけではない。
 けれど、アイドルのその姿を目撃することがないように、本来隠されていて当たり前であるその行為を、生み出された「物体」を確認する機会なんて、そうそう訪れるものではない。
 それなのに、ゆりな先生は「排泄姿」こそ見せてはいないが、むしろそれより恥ずかしい失敗であり失態による「結果」を僕に見せてしまっている。それがとても不思議なことのように思えた。

 そして、ゆりな先生の「失態」はそれだけに留まらなかった。
 僕がいよいよ行為に及ぼうと、ベッドにゆりな先生を連れていこうとしていたところ、ゆりな先生は恥ずかしそうに、ある「お願い」をしてきた。
「ちょっとお手洗い行ってきて良いかな?」
 ゆりな先生は尿意を催したらしい。下腹部を抑えながら、申し訳なさそうに言う彼女の姿に、僕は少しばかり加虐心を刺激された。
「行かせると思いますか?」
 意地悪く、僕は彼女の申し出を拒否する。
「その…今日はお腹の調子が悪くって」
 ゆりな先生は困ったような顔をしている。そして、彼女が催していたのは尿意ではなく、「便意」だということを知った。
 数分前の光景が頭をよぎる。ゆりな先生のパンティー、そこに付着した「うんすじ」と目の前で苦しむ彼女の姿とが重なり合う。そこでさらに加虐心を増幅された。

 最初はほんの意地悪のつもりだった。ただ、ゆりな先生を困らせてやろうと、もう少しだけ苦しめてやろうと、そんな軽はずみな気持ちだった。本当に限界なら僕の拒否を振り切ってでも自らトイレに駆け込むだろうし、僕が許可しないからといって行けないわけじゃあるまい。
 だから僕は、まさかこの後「あんな事」になるなんて思いもせず、想像なんてするはずもなく、ゆりな先生にフェラチオをさせた。その行為自体は初めてものではなかった。これまで何度も、むしろ毎回彼女は自ら進んで嬉しそうに、僕のペニスを咥えてくれた。
 それでも今回ばかりは事情が違っているらしく、いつもは焦らすようにまずペロペロとペニスに舌を這わせてから、それから満を持して口に含んでくれる彼女は、早速僕のペニスを咥え、最初から全力で搾り取りに掛かった。
 僕が「射精」をトイレへの「切符」に指定したのだから仕方ないことだが、そんなゆりな先生の哀れで、どこか愛おしささえ感じさせる必死な姿に、僕はいつも以上に早く達してしまいそうだった。
 このままでは僕のほうが「お漏らし」してしまう。若さゆえに「回復」は早いとはいえ、せっかく数日間溜め込んだ精液なのだ。どうせなら一発目は、ゆりな先生の中に発射したい。

 僕はゆりな先生のトイレを許可することにした。
 彼女は本当に限界が近かったのだろう。緩慢な動作で立ちあがり、急ぎたいけど慌てるわけにはいかないという絶妙な葛藤の中で、保健室の出口へと向かった。
 その様子を見て、僕の中に「悪戯心」が再び芽生えた。
 僕はゆりな先生の背中を軽く押した。
「もう~!やめてよ」といつも通りの可愛らしい反応が返ってくるのを期待した。けれど彼女の反応は、僕の思いもよらぬ下品なものだった。
 ゆりな先生は「おなら」をしたのだ。
 もちろん、これまでゆりな先生の「おなら」を聞いたことなどなかった。挿入の際、膣に空気が入ってしまって音が出る、いわゆる「マン屁」なら何度かあるが、それでさえ彼女はとても恥ずかしそうにしていた。
 だが、今彼女がしたのはヴァギナからもたらされる疑似的なそれではなく、アナルから放たれた「本物」だった。そして、当然そこには「臭い」が含まれている。
「微かな硫黄臭」というのが典型的なおならのそれだが、ゆりな先生の放ったおならはより直接的な香りがして、「本体」がもうすぐそこまで迫っていることを表していた。

 ゆりな先生は肛門では雄弁に語りつつも、口では何も言わなかった。ただ、尻を抑えその場に立ちすくんでいる。僕はとても悪いことをしてしまった気分になった。
 そろそろ、本当にゆりな先生を解放してあげよう。僕はこれ以上邪魔はするまい、と心に誓った。
 だが、ようやく何とか出口までたどり着いた彼女の後ろ姿を見て、僕の中である「葛藤」が生まれた。よくアニメなんかで「天使」と「悪魔」がささやく、例のアレだ。
 僕の中の天使は言う。
「ゆりな先生が可哀そうでしょ?もう邪魔はしないであげてください」
 と。
 僕の中の悪魔は言う。
「もっと、ゆりな先生を苦しめてやろうぜ?」
 と。
 僕の心の声は訊ねる。
「いいのか?このままだとゆりな先生は、トイレに行ってしまうぞ?」
 こんな機会は二度と訪れないかもしれない。ゆりな先生の「うんすじパンティー」が再び脳裏をよぎる。彼女のアナルから「うんち」が排泄される、そんな想像が浮かぶ。
「そうです。○○くんのために言っているのです」
 僕の中の、僕にだけ優しい天使が言う。ゆりな先生のトイレを阻止せよ、と命令する。
 僕は駆けだした。ゆりな先生の背中に追いつき、しゃがみこんだ。
 ゆりな先生は、ドアに手を掛けたところだった。それによって守りの薄くなった尻に顔をうずめる。

 彼女は必死で抵抗した。その体は小刻みに震えていた。もう本当に限界なのだろう。不可抗力、緊急回避的に彼女は「おなら」を放った。その臭気を顔に浴びつつも、僕の固い決意は揺るがなかった。そして――、

 ゆりな先生はついに決壊した。

 下品な音と共に、ゆりな先生の尻が膨らむ。その様子を僕は間近の「特等席」で見ていた。面積の少ないTバックでは到底収まらず、ゆりな先生の「うんち」はパンティーからはみ出し、床にボトリと落ちた。
 ついに僕は、これまで決して目にすることのなかったゆりな先生の一面を目撃した。ゆりな先生の体から生み出された「うんち」は、予想以上に巨大で想像以上に臭かった。

 僕はゆりな先生の尻を拭いてやり、後片付けを済ませ、それからいつも通り彼女を抱いた。そのセックスはこれまでのどんなセックスよりも、僕に興奮をもたらせた。僕はゆりな先生の柔らかい体を抱き寄せながら、ついさっき彼女が出したもの、その光景に思いを馳せていた。

 僕とゆりな先生との関係が変わり始めたのは、あるいは僕が自分の「特殊な性癖」を自覚し始めたのは、思えばその時がきっかけだったのかもしれない。
 授業中、休み時間、家に帰ってから、ふとした瞬間に浮かぶのはいつもゆりな先生の「お漏らし姿」だった。ゆりな先生の出した「汚物」、それ自体とそれを排泄してしまった彼女自身に僕はたまらない興奮を覚え、何度か抜いた。

 そして、どうやらゆりな先生にも「その気(け)」があったらしい。僕たちの関係はいつの間にか、生徒と教師という立場を越えた単なる「セックスパートナー」ではなく、人に理解されない「性癖」を共有できる数少ない「特別な関係」になった。
 僕がそれをはっきりと自覚し、お互いに確認し合えたのは、保健室での次の逢瀬の時だった。僕たちは後処理のことさえ考えず、自分たちの欲望を解放し合った。
 そんな「体験」を経て、僕は次にゆりな先生をどんな恥ずかしい目に合わせるか、排泄ありきで色々と夢想するようになった。

 たとえば、ゆりな先生に顔の上に跨ってもらって、その場で排泄してもらうのはどうだろう?さすがに抵抗があったが、湧き出るアドレナリンが超流動を起こしてくれるはずだ。けれど、それだとむしろ僕の方が「調教」されていることにならないだろうか?
 ゆりな先生に「オムツ」を履かせるというのも良い。大人であるはずの彼女に、幼児の格好をしてもらって、そのまま排便ないしは排尿させるのだ。うん、これならまさに「調教」にふさわしい、僕は次の逢瀬までに「オムツ」を用意しなくては――。
 そんな風に、僕の中で次々とアイデアが浮かんでくる。それを実行する期待と興奮による「シミュレーション」で、僕はまた何度か抜いた。

 それなのに。
 堪らない羞恥に耐え薬局で「幼児用オムツ」を買い、なんとかバレないように学校鞄にそれを忍ばせ、期待に胸を膨らませつつ、欲望に股間を膨らませつつ、保健室を訪れた僕は、ゆりな先生は冷たくあしらったのだ。
 まるで、僕らの逢瀬に割り込んできた生徒を追い返したときみたく(その時僕は「そうまでして僕とセックスがしたいのか」と優越感を覚えた)、教師という絶対的立場を取って、さも僕との行為に興味なんてないというように、ただの教師と生徒との関係だとでも言うように、僕に教室に戻って授業を受けるよう強○した。そんなことは初めてだった。

 僕は最初、それも何かしらの「プレイ」の一環なのだと思った。僕が考えてきたように、ゆりな先生自身も自ら考え、それを実行しているのだと。
 だが、彼女の言葉には何かしら、僕にそれ以上踏み込ませないという響きが含まれていた。彼女のプレイに乗っかりつつも「調教する者」と「調教される者」としての立場を分からせるべき言葉に対しても、彼女は無反応でただ「良いから早く教室に戻りなさい」と、僕に有無を言わせぬ態度を取った。
 僕はゆりな先生の本心が読めなかった。本当に僕との逢瀬を拒絶しているのか、それとも何かしら僕の誘いに乗れない「理由」があるのか。

 まず考えたのは、その日ゆりな先生が「女の子の日」であったという可能性だ。だがそれでもこれまでのゆりな先生なら、挿入はできない代わりに手と口といやらしい言葉とで、僕を射精に導いてくれたはずだ。そして、ベッドで寝落ちする僕に「ごめんね○○くん、次こそはいっぱい私の中に出してね」と優しく声を掛けてくれたはずだ。
 次に考えたのは、ゆりな先生が僕を嫌いになったという可能性だ。その可能性がないとは言い切れない。けれど、この前に会った時は何ら変わりはなかった。むしろ、激しく変態的なプレイに彼女自身もノリノリで、僕らの関係性はより強まった気さえする。けれど、もしかしたら本当はああいったプレイに抵抗を覚え、それによって僕に対して拒絶と軽蔑を覚えたのかもしれない。この可能性については、とりあえず保留としておく。
 そして最後に考えたのは、ゆりな先生に僕とは違う「パートナー」が見つかったという可能性だ。彼女は大人の女性であり、それこそ子供の僕では知り得ない彼女の交友関係、たとえば「合コン」なんかで、次なるパートナーに巡り合ったのかもしれない。僕みたいな暫定的、期間限定的な相手ではなく、真に心を許し分かり合えるそんな相手が見つかったのかもしれない。確かに「性癖」という面では、僕とゆりな先生の相性はばっちりだろう。けれど彼女だって大人であり、将来の永続的な「伴侶」を求めていないはずはない。少し早いかもしれないが、そろそろ「結婚」というものについて、ゆりな先生が考えていてもおかしくはない。だから単なる「遊び」であり、一時的な「気まぐれ」である僕を切ったのだ。それこそが、最も考えられる現実的な可能性だった。

 廊下ですれ違う時も、ゆりな先生は僕に他の生徒に向けるものと違った視線を送ってくれることはなく、むしろ僕を避けるように振舞った。気まずそうに、足早に僕の前から過ぎ去っていった。
――いったい僕が何をしたというのだ。
 そんなゆりな先生の態度に、僕は段々と怒りにも似た不満を感じ始めていた。
――誰がお前を調教したと思っているんだ!
 僕は「調教者」として出るとこに出て行き、顔も知らない架空の相手に向かって、これまでのゆりな先生の失態と痴態とその変態性を暴露してやりたかった。だが、相手は当然「大人」だろうし、臆病で非力な僕に太刀打ちなどできるはずもなかった。

 そんな不満と苛立ちを感じていた僕に、それにさえ気づかない様子でのうのうと過ごしていたゆりな先生に、再びある変化が訪れた――。
 ゆりな先生と廊下で出くわす。僕は気まずさを感じつつ、それをやり過ごそうとする。チラと窺ったゆりな先生の表情にもやはり、気まずさのようなものは表れていた。僕は彼女を無視することにする。顔を伏せたまま無言で、その場を足早に通り過ぎようとした。当然彼女もそうするだろうと思っていたところ、なんと彼女は僕の前で立ちどまり、
「○○くん、こんにちわ」
 と、僕の名前を呼び、僕に向けて挨拶をしてきた。僕は戸惑いながらも、体に染みついた挨拶を返した。
 その声音はいつもの――これまでのゆりな先生から僕に向けられたもので、僕を一生徒としてではなく、「パートナー」として対等に扱ってくれるものだった。
 それでも、僕は一抹の不安を拭えなかった。もしかすると、あくまで「教師と生徒」として彼女は一生徒である僕に説教するべく立ちどまったのかもしれなかった。僕は疑惑と畏怖、不満と微かな期待を込めて、ゆりな先生の顔を仰ぎ見た。
 ゆりな先生は微笑んでいた。まるで僕のこれまでの疑惑と不満を帳消しにするみたいに、僕に向けて優しく微笑んでいた。その表情には、確かな「いやらしさ」さえ感じる。
「また保健室に来てね、待ってるから」
 と言っているように。僕は彼女の表情からそれを悟った。
 だが次の瞬間、ゆりな先生は苦しそうな顔を浮かべた。何かに葛藤しているような、あるいは全てを達観しているような、そんな表情だった。
 気のせいとも思えるような、微かな「音」が聴こえた。だが、その正体が何であるのか、騒がしい昼休みの廊下では突き止めようもなかった。
 そして次の瞬間、ゆりな先生はその場でしゃがみ込んだ。僕は咄嗟に、彼女の体を支える。久しぶりに触れたゆりな先生の体は柔らかく、確かな熱を帯びていた。
「大丈夫ですか?水野先生!」
 僕は本来生徒がそうするべく、上の名前で教師の名を呼んだ。
 彼女は「立ち眩みがしただけ」と答えた。だが、彼女が貧血気味などとは聞いたことがなかった。

 もしかすると、ゆりな先生は「重大な秘密」を僕に隠しているのかもしれない。そんな新たな「可能性」がよぎる。たとえば彼女の体は「重篤な病」に侵されていて、だから僕をあえて拒絶したのだ、と。
 だとしたら僕は――。これまで抱いていた勝手な想像や可能性、それに対する不満や怒りが消え去っていくのを感じた。ゆりな先生の抱える「問題」があるのなら、それを「二人」で解決していこうと。あるいは僕にできることなど何もないかもしれない。それでも、ずっと側にいて支えてあげるくらいのことはできる。
 僕は決意した。その後に彼女が僕の厚意を無下にするような言葉を吐いたのも、あるいは自分の「弱さ」を隠すためのものであったのかもしれない。
 僕は「生徒」としての自分の行動を謝罪しながらも、「男」としての覚悟を決めていた。

 去り行くゆりな先生の後ろ姿は、それだけだと「健康」そのものに見えた。そして、男のサガなのか、こんな時でもついゆりな先生の「尻」を見てしまう。
 ゆりな先生の尻は、いつも以上に大きく膨らんで見えた――。



 続く――。

 次回、最終話(近日公開)。ゆりな先生の「最大の羞恥」が見れます。
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おかず味噌 2020/03/04 23:14

ちょっとイケないこと… 第五話「放屁と羞恥」

(第四話はこちらから)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/217778


――どうしよう。『おなら』出ちゃいそう…。

 私の思いとは裏腹に、思いがけず高まる腹圧に、腹立たしささえ感じる。

 人生において何度か訪れる転機。根気よく待ち続け、ようやく待ち侘びたこの時。今夜、私は処女を喪失する。彼に抱かれて、大人の女性となるべく一歩を踏み出す。それなのに…。

「ちょっと、止めてください!恥ずかしいですよ…」

 言葉で周知すると同時に、私は手で彼の頭を押し退けようと試みる。あくまでも「お尻を舐められる」という行為自体に羞恥を覚えるというように。
 建前もあったが、恥ずかしいというのは本音だった。こういう状況になった以上、ある程度の事態は覚悟していたつもりだったのだが…。

『おしっこまみれ』の股間を嗅がれたり舐められたりすることは、私の人生において前例のない経験でありつつも、前戯としてはまだ少し理解できる部分がある。
 だけど、まさかお尻の穴を舐められるなんて。想定も想像も全くしていなかった。

――そもそも、お尻って舐めるものなの!?

 本来、最も汚い部分であるはずなのに。私はまだシャワーも浴びていないのに。
 彼はそんな私の一部を執拗に、必要以上の執着をもって丹念に舐め続けている。

 彼の舌が縦横無尽に私の中を這い回り、何度も出たり入ったりする。その度に私は得体の知れない快感と不快感の間を行ったり来たりするのだった。


「あっ…!」

 つい煩悶の声を漏らしてしまう。出す専門の肛門を詰問されることで、そこで私にある疑問が生まれるのだった。

――そんなに私のお尻の穴って、美味しいのかな?

 そんなはずはない。何たって『うんち』が出る穴なのだ。今日は一度もしていないとはいえ、それだって決してキレイだとは限らない。

 私は見た。自分の下着を洗っている時に、そこに刻み付けられた『ウンスジ』を。
 ショーツを汚していたということは、触れていた部分。元凶ともいえるその部分が汚れていたことはもはや間違いない。

 今日はなんとか下着を汚さず(『おしっこ』についてはともかく)に済んでいる。だけど内側までは分からない。もしかすると自分でも気づかない内に、すぐそこまで『ブツ』が迫ってきているかもしれない。

 このまま舐め続けられたら、彼の舌に『大便』を付けてしまう。
 もし仮にそんなことになれば、大変なことになってしまう。

 精神的な忌避を感じながらも、今の私はより具体的で切迫した危機に瀕していた。


――ヤバい!!本当に出そう…。

 いよいよ、お尻の穴が言うことを聞かなくなってきた。彼の唾液にふやかされて、拡がった私のそこは痺れたように感覚を失いつつある。括約筋に力を込めようにも、力の入れ方が分からない。腰をくねらせ、拳を握り締め、かろうじて放出に耐える。

 彼の目に、今の私の姿はどのように映っているのだろう。
 服を着たまま四つん這いになり、剥き出しのお尻を突き出し、割れ目を拡げられ、その奥さえ露わになっている。

 きっと私の肛門は、だらしなく口を開けたままになっているのだろう。
 菊門のみならず、その深淵さえも彼に覗かれてしまっているのだろう。

 思えば、行為に及ぶ前に「電気を消してください」と言うのを忘れていた。女の子として当然の恥じらいであり、最低限の権利の行使。明るい場所で裸体を晒すのは、女の子ならば誰だって恥ずかしいものだ。きっと私だけじゃなく、それなりに経験のある女子であっても。(ビッチならば、あるいは気にならないのかもしれないが…)

 だけど、今夜の私に限っては少々事情が違っていた。すでに最大の羞恥なる解放に身を焦がした後なのだ。そして、さらなる絶望に火を灯されつつある。


――もう、限界…。

 逼迫したガスの放出の予感を悟って、私は最期の抵抗を試みる。腕に力を込めて、彼の顔と舌を穴から引き剥がそうとする。だけどそこは男性の力であり、ただでさえ気の抜けた私の微力である。ちっとも、びくともしない。

「本当に嫌なんです!!」

 私は語気を強めた。「イヤ」という言葉を用いる。決して好ましい選択ではない。
 女の子はこういった状況において(『おなら』を我慢するという意味ではなく、「エッチ」という場面において)、あまり積極的になるべきではない。かといって、完全に拒絶をするというのもまた違う。

 もちろん本当に嫌ならはっきりと断るべきだが、そうではない場合。むしろ自らもそれを望んでいる場合においては。
 女の子には「え~」とか「ちょっと…」とか恥じらいを見せつつも、けれど徐々にそれを受け入れていってしまうという絶妙な演技が求められる。

 過剰に好戦的だと痴女と思われ、相手を引かせてしまうかもしれないし。
 逆に消極的過ぎると、それもまた行為を止めさせてしまうかもしれない。

 だからこそ、あくまで八百長じみた「出来レース」を演出しなければならない。
 その点、男性の方は楽だ。相手の反応を窺いつつも、一直線に突っ走ればいいだけなのだから。


 それでも私はつい拒絶とも受け取られかねない反応を見せてしまう。それによって今夜はもうその機会を失ってしまう可能性だってある。
 そうなればまた次回、いつ来るかも分からない一期一会を待たなければならない。

 でも違うのだ。私はただ「お尻を舐める」という行為をやめて欲しいのであって。その理由も決してそれ自体が嫌なのではなく、あくまで自らの身に迫る危機的状況を回避するため、緊急避難的にそれを求めているのだ。

 だが幸か不幸か。彼はそんな私の拒絶によって行為を中断することはなく、むしろこれまで以上に貪欲に肉欲を貪り続けるのだった。

 アソコがじんわりと、いや激しく濡れているのが分かる。腰を浮かせているため、もしかしたら股間から愛液が滴りシーツに垂れているかもしれない。けれど、それを確認する余裕さえ私には与えられなかった。本当なら、そっちを舐めて欲しいのに。そしたら私は、何の拒絶もせずにそれを受け入れることができるのに。

 それでも彼は、あくまで望まない穴を刺激し続けることで私に羞恥を与えてくる。己の身にも危険が迫っているとも知らずに…。

「何か、出ちゃいそうなんです…!!」

 警鐘を鳴らしつつ、括約筋に精一杯の力を込める。無駄だと分かっていながらも、なんとか開き切ったその部分を閉じようとする。そして…。

――ブボッ!!

 ついにやってしまう。『放屁』してしまう。豪快な音を立て彼の顔に『おなら』を噴き掛けてしまう。熱い空気の塊がたやすく、穴を突き抜けていくのが分かった。

――ゲホゲホッ…!!

 私の思わぬ反撃に彼は堪らずむせる。言わんこっちゃない。警告したはずなのに、まさに自業自得だ。

 それにしても。彼の嗚咽にも似た咳払いは暫く止まない。

――そんなに、私の『おなら』クサかったのかな…?

 私は途端に申し訳ない気持ちになる。同時に、今日食べたものを脳内で思い返す。
 いや、それほどキツい臭いの原因となるものは食べていないはずなのだが…。

 それでも『おなら』が臭いものであることに違いはない。しかも本来なら衣越しに空中に放たれるべきそれを、彼は直で嗅がされたのだから。
 今や彼の呼吸器は大気とは異なる、私の腸内で醸成された気体に満たされている。新たに息を吸い込もうとも、暫くは周囲に充満した毒ガスから逃れられない。


――終わった…。

 淡い期待と儚い希望が消失したことを知る。処女喪失の機会であったはずなのに。今夜こそはと思っていたのに。これで友人たち、もしくは顔も知らない同世代たちに追いつけると思ったのに。これでまた振り出しだ。

 いくら彼でも顔に『おなら』を噴き掛けるような女(スカンクじゃあるまいし)とこの先一夜を共にしようなどとは思わないだろう。
 そして。きっと彼は同性の友人たちの前で、今夜の失敗談を披露することだろう。

――バイトの後輩と良い感じになってヤろうとしたら、そいつどうしたと思う?

 己の過失など決して語ることなく、あくまで自分は被害者であるかのように装い、私という加害者を口汚く罵ることだろう。

「スカンク女」と。

「おもらし系女子」という字名を得てから間もなく「スカンク系女子」という悪名を襲名した私に、これからどんな顔をして表を歩けというのか。
 処女という重い足枷を嵌めたまま、次々と怒涛の勢いで汚名を獲得していく私に、どうやってその錠を外してくれる男性を見つけろというのか。

 こうなったらもういっそ、なんて思ったわけではない。
 むしろこれ以上の罪を抑止するべく再犯を防止するつもりでいた。だがそれでも、会心の一撃を放った私の肛門はそう簡単には改心してくれなかった。

――ブチッ!プゥ~~。

 意思とは裏腹に、二発目が放たれてしまう。緩んだ穴がまるで呼吸するみたいに。
 息をするように犯行を重ねる非道の重罪犯から、さらなる追撃がもたらせられる。

 初撃に比べてガスの残量が少なかったためか、威力はやや物足りないものだった。
 だけど勢いが弱まった代わりに。彼の唾液によって湿らされた私の肛門から出た『おなら』は水気を含んだ下品な音となり、いじらしくも長い余韻を残すのだった。

 豪快な一発目よりもある意味で恥ずかしい二発目に、穴があったら入りたい衝動に襲われる。だけど、そこに穴はなく。穴というならば、ぽっかりと口を開けたままの私のアナルがあるだけだった。

 思わず泣き出してしまいそうな羞恥に耐え、溢れ出しそうになる涙を必死で堪え、脱いだ下着とショーパン(そこにも私の前科が刻まれている)を手元に引き寄せて、それを履いて敗走しようと試みる。だが彼は、私の逃走を許してはくれなかった。

 ようやく嗚咽混じりの咳が止んだ彼は、私の腰をがっしりと掴んだ。

 突然の拘束に私は戸惑う。私にこれ以上、どんな屈辱を与えるというのだろうか。
「武士の情け」というものを彼は心得ていないらしい。あくまでどこまでも徹底的にトドメを刺すつもりなのだろう。


 私の腰を掴んで再び「四つん這い」にさせた後、彼の手はやがて臀部へと移動し、受刑者を痛めつけるみたいに激しく揉んだ。だけどその刑罰は義務的執行によるものではなく、そこには明確な意思があるのだった。

 彼は私のお尻をただ乱暴に揉むのではなく、尻肉がひっくり返るように押し広げ、割れ目を剥き出しにする。

 弛緩し切った穴を視姦されることで、未知の性感を刺激されつつ。
 そこで彼は、私の静観を突き崩すように…。

「結衣の『おなら』食べちゃった」

 悪戯を茶目っ気まじりに告白する子供みたく彼は言う。だが、その言動はまさしく常軌を逸していた。

――そんな言葉、私は知らない…!!

 今までの人生においても、この先の人生においても、恐らく聞くことのない言葉。(経験を重ねればそれほど不思議なことではないのか?いや、そんなはずはない)

 まさか「おならを食べる」なんて行為が、そんな比喩が一般的であるはずがない。
 私が世間知らずなのかもしれないが。それでもそんな常識が存在し得ないことは、これまで雑誌やテレビなんかで見聞きした情報からも明らかだ。

 だが彼は言った。「おならを食べちゃった」と。あくまで不可抗力でありつつも、さも自らも望んでそれを咀嚼したのだというように。


 予期せぬ発言により硬直状態の私に、彼は次なる一手を与えてくる。

――ヌポッ…!!

 憎むべき罪人である私の肛門に、彼はあろうことか指を差し入れてきたのだった。

「ひっ!!」

 思わず、ヘンな声が出てしまう。舌とは比べものにならない異物感。

「い、痛いです…!!」

 痛みを忌避しながらも、だが私の懸念はむしろ別のところにあるのだった。

 彼があれだけ舐め続けたということは、穴の周囲は汚れていなかったのだろう。
 今日『大便』をしていないことに私は安堵する。だけど穴の中までは分からない。

 一日出していないということは『宿便』が溜め込まれている可能性だってあり。
 彼にほじられることで『うんち』が掻き出されてしまうかもしれないのだ。


 腸内を指で掻き回される。そこに快感はなく、ただ不快感のみが私を支配する。

 私はどうしていいかも分からずに、ただ彼の意思と指に身を委ねるしかなかった。
 すっかり敏感になったお尻の穴。不快感の中にある微かな快感の糸を手繰り寄せ、それを享受することでしか私は私という存在を自覚することが出来なくなっていた。

 存分に「違う穴」を愛撫し、ほぐしたところで彼は言う。

「もう、挿入れていい?」

 私は戸惑いを隠せぬまま、未だ非現実の中を彷徨いながらもコクリと頷く。

「電気消してください」

 今更ながら消え入りそうな声で、私はかろうじて乙女としての矜持を保つ。
 それがすでに失われたものであったとしても、やっぱり建前は大事なのだ。


――続く――

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