投稿記事

おねショタの記事 (10)

おかず味噌 2020/11/24 16:00

ちょっと悪いこと… 第三十一話「弟の視点 ~肛門と芳香~」

(第三十話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/369724

ついに――。僕の「眼前」で「やってしまった」お姉ちゃん。
「大人」としてあるまじき「失敗」、「女性」としてあり得ない「失態」を晒し――。
「後悔」と「羞恥」をその身に受けつつも、為す術もなく、ただただ「立ち尽くす」姿。
「臭い」も「汚れ」もそのままに、明らかな「不快さ」を思わせる「下痢便お漏らし」。

 けれど僕は、自らの「内」から湧き上がる「衝動」に打ち震えていたのだった――。

【 この後の展開が気になる方 】プラン以上限定 支援額:500円

このバックナンバーを購入すると、このプランの2020/11に投稿された限定特典を閲覧できます。 バックナンバーとは?

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/07/16 22:55

ちょっとイケないこと… 第十七話「6と9」

(第十六話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/344422


 純君は再び後方から顔を近づける。だけど今回ばかりは不浄な恥穴の方ではなく、純潔なる秘穴を彼は目指すのだった。

 純君は舐め始める。鼻先を股の間に突っ込んで、彼の舌先が私の割れ目をなぞる。

 全身に走るビリビリとした快楽の電流と同時に、少なからず理性の抵抗を感じる。
だがそれすらも抑圧された性欲という電圧の前では、もはや無抵抗にも等しかった。

 純君は舐め続ける。まるで主人にじゃれつく子犬みたく、舌での愛撫を継続する。

 とてもじゃないけれど、まだ中学生の彼に覚えさせるようなことではないだろう。あまりに時期尚早というか早熟にも程がある。それでも私の焦燥は収まらなかった。己の快楽のために弟を利用するイケない姉。それこそが私の本性であるかのように。

 それにしても。純君と○○さんの「クンニ」には、やはりいくらかの違いがある。純君の舐め方にはただ夢中さを感じ、彼のそれには余裕のようなものが感じられた。弟の未熟さを嗤うつもりはない。むしろ今ばかりは純君の方が適当である気もした。

「童貞ゆえの必死さ」というやつだろうか。私だって人のことは言えないのだけど。純君のがむしゃらさは、処女である私をガチガチに捕えて雁字搦めにするのだった。


――そこ、ちょっと違う。もう少し…。あぁ、そこ!!もっと…。

 私の意思とは相反し、思い通りにならぬ舌使い。届きそうで届かぬ、もどかしさ。

 本当ならばあれこれと指示を出して純君を誘導したいところだが、そうはしない。あくまでも彼に全てを委ねることにする。あるいはこれも教育の一環なのだろうか。自分自身で選択して傾向と対策を会得させることで、弟の成長を見守ることにする。

――そうそう!!そこだよ。お姉ちゃんは、そこが気持ちいいの!!

 私は心中で的中を告げる。口に出さない代わりに、肉体がビクビクと反応を示す。脚がガクガクと震えて、お尻が突き出されることで、さらに敏感な部分に命中する。

「ダメ!お姉ちゃん、イっちゃいそう…!!」

 私は絶頂を予告する。もう間もなく、その感覚が来訪しそうになったところで…。


「えっ…?」

 唐突に彼の愛撫が中断される。同時にせっかく高まった快楽の潮流が引いてゆく。

「どうしたの…?」

 私は怪訝に思いながらも純君に問う。彼の機嫌を損ねる発言でもあったのか、と。

「どうして、止めちゃうの…?」

 不安を感じつつも純君に訊く。彼を幻滅させる何かが現実に引き戻したのか、と。

「さっきの『お返し』だよ」

 悪戯っぽい口調で彼は言う。私がさっき途中で止めたのを根に持っているらしい。

 だけど、あれは純君がイケないのだ。私の厚意による行為を「気持ち良くない」と言い切ったのは彼の方なのだ。

 それでも、やっぱり申し訳なかったとは思う。「おあずけ」にされるというのは、こんなにも辛く苦しいものなのだと私は知った。


「お姉ちゃんのこと、ちゃんとイかせて!!ね?ね?」

 私は恥を捨てて、純君に「おねだり」する。お尻を振りながら、弟に媚びを売る。

「だ~め」

 尚も意地悪そうに純君は言う。

「じゃあ、もう寝よっか?」

 ここぞとばかりに彼は告げる。「おやすみ」と。先刻の挨拶に応答するみたいに。いくら因果応報とはいえ、私は殴打したくなる。だがその感情をぐっと堪えながら。

「お姉ちゃんが悪かったから!!だから、お願い…」

 自己の不履行を詫びた上で、彼に許しを請う。

「もうちょっと、なの…。だから、お姉ちゃんの『オマ○コ』舐めて!!」

 わびさびの情緒もなく、満を持して陳情する。


「じゃあ、僕のも舐めてくれる?」

 そこで純君は交換条件を出す。私はブンブンと頷き、彼の提案を飲むことにした。

 室内を逆戻りして、純君はベッドに仰向けになる。彼の上に私は反対向きで跨る。まるで数字の「6」と「9」のように。だがその比喩はあまりにも陳腐な形容だった。

 純君のズボンを下ろす。脱がす前からすでに彼のそこがはちきれんばかりに固く、大きくなっているのが分かる。ひどく窮屈そうに衣服からの解放を待ちわびている。

 純君のペニスが勢いよく飛び出す。大人になりきれていない皮被りのおちんちん。またしてもそれを口に咥える。まるで愛着のある玩具を口に入れる乳幼児のように。

 純君のアソコの蒸れたような香り。私の唾液の乾いた匂いをわずかに含んでいる。それを自ら舐め取るみたいに、私は呼吸すらも忘れてただただ夢中でしゃぶりつく。

 他ならぬ弟から経験不足を指摘されたことで、一度は自信を喪失し掛けたものの。それでも今ばかりは余計な思考を停止して、趣向を凝らして、試行錯誤を繰り返す。

「お姉ちゃん、すごく気持ちいい…」

 純君は言う。心の底から充足しているみたいに。私は姉としての人権を取り戻す。


――ブチュ!チュロロ…。チュパッ!!

 卑猥な音色が室内に響き渡る。私の口と純君の陰茎が淫靡なハーモニーを奏でる。

 真夜中に行われる、不純異性交遊。姉弟によって演じられる、狂騒じみた協奏曲。今もし両親が部屋に入ってきたとしたら、どのような言い逃れも許されないだろう。協調する我が子を見て彼らはどんな顔をするだろう。それについては考えたくない。だけどリスクを○す綱渡りの状況が私自身をさらに昂らせ、より貪欲にさせてゆく。

「ねぇ、早く…。お姉ちゃんのも舐めて」

 自暴自棄になりながら愛撫を請う。自分の指でアソコを開いて、ここだと教える。

 純君の呼吸が荒くなる。私の口淫によるものか、彼自身の興奮によるものなのか、おそらくその両方だろう。

 私の呼吸も荒くなる。吐息が当たることで、愛液が潤滑油の如く次々と溢れ出す。

――ピチュ!チュピチュピ…。ズボッ!!!

 不意に純君は指による愛撫を始める。さらにそれを膣内に挿入してくるのだった。


「あぅ…!!」

 私は思わず甘い声で喘いでしまう。まるで子供のペニスを思わせるような細い指。彼はそれを出し入れしたり、中で動かしてみたりする。一本で十分に解し終えると、続いて二本三本と加えられ、徐々に太さと速さを増してゆく。

「純君、気持ちいいよ…」

 お返しとばかりに私は呟く。さらに言動だけでなく、行動によってもそれを返す。

 ベッドに両手を付き、頭を上下させることで刺激を加える。舌を使い、唇を用いて間断なく快感を与える。激しい動きによって、ベッドがギシギシと軋む音を立てる。

「ねぇ、お姉ちゃん。やっぱり僕…」

 そこで純君は、またしても苦しそうに呟く。

「お姉ちゃんの『中』に入れたい…」

 あろうことか彼は、ペニスによる挿入を要求してくるのだった。


「それだけはダメ…!!」

 断固として私は拒絶する。それだけは絶対に。いかに勢いに身を任せたとしても、すでに幾つもの倫理を失くしたとしても、その一戦だけは越えるわけにはいかない。その防衛線だけが、とっくに異常である姉弟の関係性を唯一正常に留めているのだ。

「ちゃんと最後まで口でしてあげるから」

 その言葉は純君に向けたものでありながらも、私自身に対してのものでもあった。

――私だって…。

 仮に相手が弟でなければ、私自ら懇願していたことだろう。だが肉親である以上、それは出来ないのだ。私が処女であるとか関係なく、たとえ何度目の行為だろうと、いかに経験豊富を求めていたとしても、その経験だけは一生してはならないのだ。

 純君だって分かっているはずだ。だけど分かっていても、ツラいのは理解できる。だからこそ私は出来るだけのことをしてあげたいと思った。口を膣の代わりにして、今度こそ彼を射精に導いてあげたいとそう思った。


「もうちょっと、なんだ。もうちょっとで…」

 それでも純君はまだ足りないと言う。私の「フェラ」だけでは物足りないのだと。

 だがそう言われたところでどうすればいいのか。いかに経験が足りないとしても、今の私に出来るのはこれが精一杯なのだ。

「お姉ちゃん、『エッチなこと』言って…」

 純君は思わぬ要求をしてくる。口淫でイケないのだったら、かくなる上は言葉で。本来、口とは食事のためともう一つ重要な役割がある。それはつまり伝達の機能だ。

 挿入が無理なら想像で。想像だけなら、いくら飛躍したところで構わないだろう。

「お姉ちゃんの『オマ○コ』に、純君の『おちんちん』が入っちゃうよ?」

 ありもしない空想を、あり得るはずもない状況を、さも現実の如く私は実況する。

「ほら?お姉ちゃんの『オマ○コ』、あったかい?」

 口内を膣内に見立てて幻想を生み出す。唾液を愛液であるかのように錯覚させる。彼が姉に求める「エッチなこと」というのは、果たしてこういうことなのだろうか。


「うん…。でも、そうじゃなくて」

 純君は遠慮がちに言う。どうやら違ったらしい。予想外の不正解に私は赤面する。

「お姉ちゃん。『おもらし』した時、どんな感じだったの…?」

 なるほど、そういうことか。やはり彼は姉の羞恥の失敗にこそ興味があるらしい。

「すごく、恥ずかしかったよ…」

 私は答える。出来れば、その事実に関してはそっとしておいて欲しかったけれど。それで純君が満足するならば、と。私は粗相の詳細について正直に語ることにした。

「情けなくて。もう大人なのに…、って」

 彼は沈黙のまま私の告白を聞く。昔読んであげた童謡の結末を待ちわびるように。

「『あっ』って思った時にはもう遅くて…。ショーツの中が急に温かくなって…」

 私は回想する。○○さんと二人だけの秘密を、包み隠すことなく弟に打ち明ける。


「『おしっこ』が、どんどん溢れてきちゃって…。全然止まってくれなくて…」

「そんなに出ちゃったの?」

 そこで初めて純君は口を挟んだ。

「うん…。こんなに溜まってたんだって…」

 便器内でする時はそうでもないのに。床に広がる『尿』はあまりにも大量だった。

「音は?どんな感じ?」

「えっ…?『じょわ~』って感じ?」

 まさか音についてまで描写させられるとは。私はやや照れ臭くも擬音で表現する。

「に、匂いは…?」

「えっ?そりゃ、クサかったよ。ほら、理科の実験の時のアンモニア臭ってやつ?」

 あり得ないほどの羞恥をごまかすように、おどけた口調で私は言う。


「お姉ちゃんの『おしっこ』の匂い…」

 ゆっくりと咀嚼するみたく純君は呟く。そしてついに辛抱堪らなくなったらしく、自分の手で勃起したおちんちんをしごき始める。私の口に当たるのもお構いなしに、むしろ私の口の動きが休止しているからこそ、自分自身で射精に導こうとしている。

「お姉ちゃんのここ、ちょっと『おしっこ』の匂いがする…」

 私の股間を嗅ぎながら純君は言う。そんなはずはない。ちゃんと洗ったのだから。あるいはそれすらも彼の想像の産物であり、姉に対して思い描く偶像なのだろうか。

「やめて、嗅がないで!恥ずかしいよ…」

 彼の妄想に付き合ってやることにする。『おしっこ』まみれの股間を嗅がれているという状況を創造する。それは私自身にとっても、とても高揚する想像なのだった。

「だめ!お姉ちゃんの『おもらしマ○コ』舐めちゃだめ!!」

「クサイ」と言いながらも純君は構わず舐め回す。架空の『尿』を舐め取るように。だが与えられる快楽は紛れもなく現実であり、本当に私はやや催してくるのだった。


「そんなに舐めたら、お姉ちゃんまた出ちゃいそうだよ…」

 私は尿意を訴える。その要請により彼の陰茎が射精の態勢を整えたのが分かった。

「いいよ。僕の顔の上で『おもらし』して!!」

 純君は言う。まるで自分の顔面が便器であるかの如く、私の『排尿』を許諾する。

「でも、純君の顔に掛かっちゃう…」

 私は最後の言い訳をした。あくまでも自分の意思ではなく仕方なかったのだ、と。この期に及んでも誰かのせいにする私は、救いようのない卑怯者なのかもしれない。

「いいよ。お姉ちゃんの『おしっこ』、いっぱいかけて!!」

 純君は覚悟を決めたらしい。私は下腹部に力を込める。いくら催してきたとはいえ膀胱の『尿』の貯蔵量は少しばかりで、そうでもしないと出てくれそうになかった。

「実は、僕…」

 そこで純君は。私から何ら追及されていないのに、唐突に自供を始めるのだった。


――続く――

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/07/15 22:14

ちょっとイケないこと… 第十六話「抱擁と放屁」

(第十五話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/344082


 弟の部屋を後にしようと、ドアノブに手を掛けた間際。

 ふと背後に悪寒のようなものを感じた。直後に我が身に危険が迫っているような、今後の姉弟の関係性に大きな禍根を残すような、空前絶後の予感を抱いたのだった。

 私はとっさに振り返ろうとした。だけど手遅れだった。

――ズッボ…ン!!!

 まるで履物を形容したかのような擬音。局地の気温が著しく下降していくような、同時に局部の体温が激しく上昇していくような、奇妙な寒暖差を実感したのだった。

 遅ればせながらも、恐る恐る首だけで後方を振り返る。

 私は穿いていたショーパンを脱がされ、弟の目先に剥き出しの生尻を晒していた。


 一陣の風が、下半身を吹き抜ける。

 だけど室内で吹くそれは荒れ狂う暴風ではなく、愛撫するだけの微風に過ぎない。そして無色透明な気体に、無垢な肢体を包み込んでくれることは期待できなかった。

 徐々に思考が追いつき始める。後手に回りつつも、慌ててお尻を隠そうと試みる。だが両手だけでは心許なく、ならばいっそ頭を隠した方が心なしかマシなのだった。

 股間を晒したまま、私はしばし無言になる。気まずさを遥かに超越した静寂の中。

「お姉ちゃん、それ…」

 先に口を開いたのは、彼の方だった。

「ち、違うの!!これは、その…」

 私は容疑を否認する。なぜ被害者の側に弁解が求められているのかは分からない。それでも何かしらの弁明をすることにした。


「今日、ちょっと暑かったから…」

 たどり着いた言い訳は、苦し紛れの嘘だった。それはそれで問題である気もする。あくまで気候を理由に「穿かない」というならば、その事実は私の日常にも波及する常習的な奇行の告白に他ならない。

――やっぱり、今のナシで!!

 私は前言を撤回したかった。己の習性について、そこに含まれる変態性について、自らの発言を訂正したかった。

 だがそれを否定するということはつまり、今度こそ正直に話さなければならない。なぜ「ノーパン」だったのかという理由を。ショーツを脱ぎ捨てるに至った経緯を。

「お姉ちゃん、やっぱり…」

 私自身が白状するより前に、彼からの追求が始められる。

「『おもらし』しちゃったの?」

 彼の問いに小さく頷く。およそ数センチの首肯は、紛れもない敗北の白旗だった。私は自分の口からではなく首の動きによって、羞恥を打ち明けさせられたのだった。


「どうして?」

 私の秘密を白日の下に晒しても尚、彼は思わぬ結末に困惑しているみたいだった。

「間に合わなかったの…」

 いや、それは事実とは少しばかり異なる。本当はあえてそうしなかったのである。未然に決壊を防げていたはずなのに、自ら救済を拒んだのだ。「あの夜」とは違う。

 だけどもちろん、それについては言わない。あまりにも状況が込み合っているし、それを話すなら○○さんとの異常なる情事に関しても言及しなければならなくなる。上手く話せるとは思えなかったし、その辺の事情については秘匿しておきたかった。

「ずっと、我慢してて…」

 それは本当だ。私は『おしっこ』がしたかった。きちんと脱いでからすべき行為をショーツを穿いたままの状態でしたがったのだ。だけど、それについても言えない。

「どうしても我慢できなくて。それで…」

 その先はまさしく彼の言った通りだった。私は『失禁』をした。大学生にもなって二度も粗相をしてしまったのだ。


 ふと彼の様子を窺う。彼は何かを考え込むみたいに深く俯き、沈黙を貫いている。軽蔑しているのだろうか。あるいは己の予想が的中し、悦に浸っているのだろうか。

「じゃあ、あの日も…?」

 さらに彼の質問は、私の過去の過ちにさえ及ぶ。その確認こそが肝心なのだろう。彼自身が道を踏み外すことになった元凶。悪事に手を染めることになった犯行動機。それが果たして単なる見間違いによるものなのか、厳然たる現実によるものなのか。

 私は頷いた。もはや言い逃れは出来なかった。この期に及んで嘘を重ねたとして、恥の上塗りになることは避けられなかった。

「そうだよ。お姉ちゃんは、あの日も…」

 ついに私は自供する。彼が目撃した私。深夜の洗面台で下着を手洗いしていた私。不可解な行動のその真相を。

「ごめんね。嘘ついて…」

 虚言を吐くという倫理に背く行為を詫びる。だがそれは尊厳に関わる問題であり、あくまで免罪の余地はあるはずだ。私としても背に腹は代えられなかったのである。


「お姉ちゃんは、その…、よく『おもらし』しちゃうの?」

 度重なる疑惑が真実であると分かったところで、さらなる粗相の可能性についても彼は追求してくる。

「そんな、わけ…」

 すかさず私は常習を否定する。

「あの日と今日と、まだ二回だけ…」

 答えた直後に、「まだ」という副詞は不要であったことに気づく。それではまるで今後も繰り返すつもりみたいではないか。

「そうなんだ…」

 彼は素っ気なくそう言った。その反応はどことなく残念そうなものに感じられた。彼は一体、姉に対して何を期待しているのだろう。


「もしかしてお姉ちゃん、学校でいじめられてるの?」

 その発言は私にとって青天の霹靂だった。だけど質問の意味にすぐに思い当たる。

 彼としても、二十歳前の姉がそう何度も粗相するとは考えられなかったのだろう。だからこそ彼は、私の『失禁』の原因に何かしら不穏なものを感じ取ったのだろう。例えばそう誰かに、そう仕向けられたのだとか。

 彼の抱いた懸念はその半分は当たっている。確かに私はトイレを禁止されたことで醜態を晒す憂き目に遭った。あるいは悪意といえる企み。○○さんのせいで私は…。

 だけどそれは決して「いじめ」と呼ばれるような一方的な加害などではなかった。

 一度目の『おもらし』に関していえば、双方合意によるものではなかったけれど。今日に限っていえば、膀胱に尿意を抱えたまま自らの意思で彼の家を訪問したのだ。

「そんなんじゃないよ」

 私は答える。余計な心配を掛けまいと、ひとまず彼の推理を否定してみたものの。代替となるべく説明については何も用意していなかった。


――じゃあ何で、二回も『おもらし』しちゃったの?

 その先の彼からの問いは容易に想定される。他者による危害でないとするならば、一連の不始末の理由は私自身の個人的な事情になってしまう。

 日常的に尿道が緩いのか。あるいは特殊な性癖によるものか。そのどちらにせよ、羞恥な事実であることに違いなかった。

「――て、あげる」

 私の否定を肯定と誤解したらしく、彼は下を向いたまま消え入りそうな声で言う。彼の言葉が上手く聞き取れなかった。

「僕が、お姉ちゃんを守ってあげる!」

 今度こそ、はっきりとそう聞こえた。彼の発声は、決意と勇気に満ち満ちていた。

「もうお姉ちゃんが、外で恥ずかしい思いをしなくて済むように…」

――僕が、ちゃんと守ってあげる!!

 彼はそう言って私の上半身へと両手を回し、背中越しに抱き締めてきたのだった。


「えっ!?いや、その…」

 狼狽する私。なぜこんな展開になったのか、と。こんなつもりじゃなかった、と。弟による想定外の抱擁に動揺する。

――違うの。そんなんじゃなくて、お姉ちゃんはその…。

 今さら、本当のことなんて言えない。『おもらし』という行為自体に高揚を抱き、興奮を感じると共に私の中で好色が芽生え始めているなんて言えるはずもなかった。

 彼の体は小刻みに震えていた。あたかも己の不安な気持ちを吐き出すかのように。不安定な関係を繋ぎ止めようとするように。姉のことを引き留めようとするように。ぎこちないながらも精一杯に抱き締めていた。

「ありがとう、純君。でも、ちょっとだけ痛い…」

 私は苦笑気味にそう言った。すると彼はようやく抱擁を解いてくれた。そして…。


「僕が、お姉ちゃんを『慰めて』あげる!」

 立場を逆転したように言って、彼は再びその場にしゃがみ込む。その動作だけで、彼がこれから何をしようとしているのかを悟った。だけど不思議と抵抗はなかった。

――ムギュ…。

 純君は私のお尻にしがみつく。ショーツを穿いていない、「ノーパン」の生尻に。

――チュ…。

 純君は私のお尻にキスをする。柔らかく冷たい唇の感触。少しだけくすぐったい。

――ンチュ。ムチュ。ブチュ。

 純君は何度も何度も口づける。お尻の頬っぺたにそっと唇を這わせるかのように。やがて彼の口唇が温かく濡れる。

――ベロン。ペロペロ…。

 純君は舌を出して舐め始める。恥ずかしいような、照れ臭いような、そんな感覚。そうして彼が当然の如く、お尻の割れ目にも舌を這わせようとしてきたところで…。


「ダメ…。そんなとこ、汚いよ…」

 私は言う。不浄の恥穴を両手で覆い隠すことで、恥辱の継続に対する拒絶を示す。

「平気だよ」

 純君は言う。一体何が平気なのかも不明なまま、私の腕を掴んで優しく振り解く。

 尻肉を押し広げて、隠されていた尻穴に彼の舌先が触れる。電撃のような刺激に、ついつい卑猥な悲鳴が込み上げそうになるのを必死で堪えた。

 純君は丹念に肛門と付近を舐め回す。汚染されているかもしれない、その部分を。

――たぶん、大丈夫。

『うんち』は付いてないはずだ。それは数時間前の彼との情事からも明らかだった。それにしても、まさか一日に二度も男性にお尻の穴を舐められることになろうとは。しかもその内一人は弟という、異常な状況。正常な姉弟の関係性からは程遠い行為。


 純君から与えられる快感に身を委ねている。彼は私の腰をがっしりと掴んだまま、一心不乱に私の肛門を舐め続けている。まるでそれが彼の大好物であるかのように。

 必然的に私の肉体にある変化が訪れる。敏感な部分を舌で刺激されたことにより、またしても催してしまう。

「純君。ちょっと、ストップ…!!」

 彼の頭を手で押しのけようとする。その抵抗に、追体験のような既視感を覚えた。

――これじゃ、○○さんの時と…。

 羞恥の再来。私の大腸が秘めたる欲求を解放しようとしている。

――ダメ!!それ以上したら…。

 既知の危機を悟ったものの、やっぱり手遅れだった。次の瞬間。


――ブホォォォ!!!

 豪快な轟音を立てて、高圧力の温風が生み出される。肛門の咆哮。汚らしい擬音。

 またしても、やってしまった。今度は純君の目の前で『おなら』をしてしまった。お尻を刺激されたことへの反撃。条件反射的に、私の習性となりつつある『放屁』。

 私のすぐ後方にいた彼は『モロ屁』を浴びてしまう。きっととんでもない臭気に、意識さえも持っていかれそうになっていることだろう。予期せぬ驚天動地の攻撃に、理解すらも追いついていないことだろう。

「本当にごめん!!お姉ちゃん、その…」

 私はどう謝罪していいのかも分からなかった。純君は私を慰めてくれると言った。それが勘違いによるものだったとしても、その気持ちだけは本気であるらしかった。ただ少し方法を間違っている気もしたが、それでも甘んじて受け入れようと思った。

 だがそんな彼の厚意に対して私がした仕打ちは、あまりにあんまりなものだった。


「お姉ちゃんでも、やっぱり『おなら』はクサいんだね」

 純君は言った。アクシデントではなく、あくまでもハプニング。まるでちょっとしたサプライズであるかのように。

――やめて!!そんなこと言わないで…。

 弟に『おなら』を嗅がれて、凄く恥ずかしかった。その上感想を述べられるなど、顔から火が出そうだった。

 それでも。私は恥辱にまみれながらも、なぜか真逆の正の感情を抱き始めていた。それは加虐心ともいうべき、征服感にも似たものだった。


「純君、お姉ちゃんの『おなら』もっと嗅ぎたい?」

 私の口から予想外の言葉が飛び出す。

「えっ?うん…」

 純君は戸惑いながらも、そう答える。

「じゃあ、もう『一発』いくよ?」

 私は発射を警告する。お腹に力を込める。純君は再び顔を近づける。そして…。


――プスゥ~、ブピ!!!

 二度目の『放屁』。間延びした音と共に放たれた二撃目。今度は私自らの意思で、弟の顔面めがけて解き放つ。

――ゲホ、ゲホ…!!

 純君は激しくむせた。それでも彼は咳払いをした後、大きく息を吸い込んでから。

「お姉ちゃんの『おなら』食べちゃった」

 さも愉快そうに言う。最近、私の界隈ではその行為が流行りつつあるのだろうか。まるで流行語がぴたりと状況にハマったみたく、純君もまた彼と同じことを言った。私自身の羞恥の塊を「食べちゃった」と。

「もう!純君のヘンタイ!!」

 私は純君を罵倒する。だけどその言葉は本音でありながらも、本心ではなかった。ネガティブな言動とは裏腹に、ポジティブな感情が沸き上がってくるのが分かった。


「ねぇ、純君」

 姉にあるまじき、甘ったるい声で彼を誘う。

「お姉ちゃんの『ここ』も舐めて」

 脚を広げて、アソコを突き出す。ついに純潔の穴さえも純君に差し出してしまう。

「いいの…?」

 彼は訊いてくる。無理もないだろう、これまで頑なに棚上げしてきた場所なのだ。

 それでも。彼に「おあずけ」したことで、私の方が「おあずけ」を喰らっていた。まさしく「策士策に溺れる」というやつだ。

 私自身もう限界だった。火照りを鎮めないことには、今宵は眠れそうになかった。理性のタガがまた一つ、カチッと音を立てて外れるのが分かった。

――舐めてもらうだけ、それだけ…。

 言い訳しつつ、また一歩、譲歩する。あくまで挿入さえしなければ構わない、と。もはや私の倫理と論理は綻び、とっくに崩壊を始めていた。


――続く――

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/07/14 21:36

ちょっとイケないこと… 第十五話「厚意と行為」

(第十四話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/343506


 天井を突くように、天高く飛翔する龍が如く、真っ直ぐに屹立した棒。その麓にはやはりそれも弟の成長を立証するものなのだろうか、生えかけの陰毛が茂っている。

 私は、純君のペニスに愛おしさを覚えた。

 未成熟であるにも拘らず、それでも精一杯に背伸びしようとする一生懸命な姿に。ある種の共感さえも抱いた。それは私の「陥没乳首」にも共通するところがあった。

 だけど彼の勃起は私の乳首とは違い、外から力を加えずとも勝手に隆起している。

 あくまで興味本位で、純君のアソコを覆う余分な包皮を指で軽く引っ張ってみた。皮内で擦れる度に刺激が与えられるらしく、彼は目を閉じたまま、私にされるがままその攻撃に甘んじている。まるで弄ぶように、私はしばらくママゴト遊びを続けた。

「痛っ!!」

 突然、彼は短く叫声を上げる。少々、調子に乗り過ぎてしまったらしい。

「あっ、ごめん…」

 己の好奇心旺盛を詫びる。不勉強なせいか、イマイチどう扱うべきか分からない。それでも今や勤勉となりつつある私は、今一度だけ純君に最終確認をするのだった。


「今日だけ、だよ?」

 彼を諭す。そうすることで、自らにも言い聞かせるみたいに。言い訳するように。純君はこくりと頷いた。

「いい?今日のことは、誰にも言っちゃダメだからね?」

 釘を刺す。口止めを施し、口約束を交わす。純君はまたしても頷いた。

「わかった。じゃあ、お姉ちゃんが『してあげる』」

 可を示す。そんな卑猥な言葉が自分の口から発せられたこと自体、意外だった。

 ゆっくり上下運動を開始する。さきほど彼が衝動に駆られてそうしていたように、今度は私の主導により弟を受動的な快楽へと誘導する。

 皮がずれたことで、可愛らしい彼の先っちょが亀の如く、ひょっこりと顔を出す。鮮やかなピンク色をした亀頭。すでにズボンもトランクスも脱ぎ去ったというのに、これまで日光を浴びることのなかったそこがようやく日の目を見る。

 棒を掴んだまま指を伸ばし先端に触れる。その瞬間、純君の体がびくんと跳ねた。痛かったのだろうか。だが彼は何も言わず、私にさらなる要求をしてくるのだった。


「ねえ、口でして」

 純君は言う。どこでそんな台詞を覚えてきたのだろう。弟の早熟さが心配になる。いつか恋人にも平気で同じことを頼むのではないか、と。

「だめ」

 純君からの申し出を一度は断った。だけどその「断り」からも垣間見えるように、やがてすぐに理から外れてしまうのだった。

「お願い!お姉ちゃん…」

 今日だけだから、と純君は言う。私が一方的に交わしただけの約束を逆手に取る。彼と視線が交錯する。悲痛が込められたようなその表情に、あえなく私は陥落した。

「しょうがないな…」

 一体何に対する譲歩なのかも不明なまま、彼の「一生のお願い」を聞いてあげる。純君の股間に一心に顔を近づけ、一瞬ばかり焦らしたのち、そこから一気に頬張る。


 口の中が純君のアソコで満たされる。

 いや、満たすには程遠い。陰茎を丸ごと含んで尚、口内には幾分かの余裕がある。やはり○○さんのモノとは違う。彼のは咥えるだけで精一杯だった。

 純君のペニスは複雑な味がした。全ての絵具を混ぜ合わせた色が黒になるように、あらゆる味覚が混ざり合った結果がその苦みだった。

――何の味だろう?

 合体を期待して滲み出した液体。挿入に先走ることで迸った汁なのかもしれない。あるいは包皮の内側に残った『おしっこ』だろうか。だとしたら私の『おしっこ』もこんな味がするのだろうか。

 匂いについても、イカしたものではなかった。青臭さの奥底にある「イカ臭さ」。嗅覚がイカレてしまいそうなほどの異臭。それは紛れもなく「恥垢」によるものだ。

 彼はきちんと洗えていないのだろう。そんな状態のまま女性に咥えさせるなんて、それこそマナー違反もいいところだ。仮にもそれが愛すべき弟のものでなかったら、私はすぐさま嘔吐していたことだろう。


 だけど姉である私はそんな弟の不始末さえも受け入れる。ヌルヌルとした舌触り。込み上げる臭気と苦味。吐き気を催すような不快さえも余すところなく受け止める。

 不衛生なペニスの周囲にこびりついた、熟成されたチーズのような濃厚な味わい。彼の不浄なアソコを私がきれいにしてあげている。舌先で「チンカス」を舐め取り、同時に快楽を与え続けている。

 座位の姿勢のまま「気をつけ」するみたいに私の口の動きに身を委ねていた彼は、そこで自らの意思をもってさらなる触手を伸ばすのだった。

 彼の手が私の髪に触れる。かつて弟にそうしていたように。なでなでするように。だけど純君の手はそれだけに留まらなかった。

 彼の手が私の背をなぞる。ゆっくりと弧を描くように。姉のことを褒めるように。そして純君の手がついに私の腰の辺りに迫ったところで。

「ふぁめふぁよ(ダメだよ)」

 声で彼を抑止するも。お口に咥えたままだったので、ヘンな言葉になってしまう。


 歪曲された響きのみならず、この期に及んで拒否する滑稽さは重々承知している。

 私が触れたり舐めたりする分には良くて、どうして彼が触れるのはダメなのかと。だけどこれは私にしか分からない、微妙なラインなのだ。

 私から快楽を与えるのは許可するけれど、彼から与えられるのは如何なものかと。それはもはや双方向の愛撫となり、直接的な性行為としての意味合いを帯びてくる。それはイケないことなのだ。

 あくまで一方的にという条件付きで、さらに今夜だけという期限付きでなければ。それは私が自らに課した制限であり、決して譲ることのできない防衛線でもあった。

 確固たる態度が功を奏したのか、彼は伸ばした手を引っ込めた。与えられる刺激、それのみに集中するつもりらしい。だがそれだって多くの一線を越えたものなのだ。

「お姉ちゃん、気持ちいいよ…」

 彼は呟く。それは率直な感想でありながらも、続く懇願への伏線にも感じられた。


「ねえ、お姉ちゃんが今穿いてる『パンツ』見せて」

 案の定、彼は次なるサービスを要求してくる。

「ダメだよ」

 さきほどの反省もあって股間から一旦口を離し、口淫を中断してから私は言う。

「どうして?」

 彼は不満そうに訊き返す。ここまでしてくれておいて、どうしてダメなのかと。

「ダメなものはダメ!」

 当たり前だ。そんなことできるはずがない。これ以上彼に褒美を与えることなど、しかもそれが「姉の下着」によるものなど、絶対ダメに決まっている。

 もし仮に私が今ここでショーツを見せたりすれば、きっと彼は抜け出せなくなる。「姉に対する劣情」という名の呪縛から、永久に解き放たれることができなくなる。

 彼は今後も私のショーツを出来合いのおかずにし続け、それだけでは飽き足らず、またしても私の秘密を知ろうと企むかもしれない。


 それに。私は思い出す。私が現状抱えている秘密を。すっかり忘却していた記憶を。アソコがスースーする感触を取り戻す。私が今現在「穿いていない」という事実を。

 そうだ。私は「ノーパン」なのだ。

 どうしてそうなってしまったのかについては、今さら説明する必要もないだろう。私は粗相によりショーツを脱がなければならない苦境に追い込まれてしまったのだ。

 奇しくも、あの夜と同じ状況。彼が目撃し、彼の性癖を歪めてしまったその元凶。あるいは今の私は、あの夜と地続きの延長線上にいるのかもしれない。

 そもそも、こんな状態のまま弟の部屋を訪ねてきたこと自体が間違いだったのだ。真面目な姉が今「ノーパン」であろうことなど、まさか純君は知る由もないだろう。だからこそ本来そこに穿いているべきものを彼は「見せて」と言ってきたのだろう。

 だが生憎そうすることはできない。もちろん最初からそのつもりは無いのだけど、どうしたって見せてあげることはできない。

 彼が息を呑んで凝視した先に、私の下着はないのだ。そこにあるのは――。


 私の「オマ〇コ」。(〇の位置はこれで合っているのだろうか)


 紛れもない、姉の陰部である。まだ一人だけにしか見せたことのない、私の秘部。それを二人目に、あろうことか弟の眼前に晒すことになる。

 純君はそれを見て、何を思うだろう。彼だってまだ一度もその経験はないはずだ。彼にとっての初見、それがまさか姉の股間になるなんて予感すらしていないだろう。

 自分が穿いていないことを意識したせいか、ふいに私のアソコが熱を帯び始める。

 純君のペニスに触れたせいかもしれない。触れるだけではなく、咥えもしたのだ。いくら弟のものとはいえ、それはれっきとした男性の部分。脳機能が誤作動を起し、体が勝手に反応してしまったのかもしれない。

 ショーツを穿いていたなら、クロッチ部分に盛大なシミが出来ていたことだろう。『おしっこ』とは違う液体。より粘着性を帯びながらも、同じくらいに羞恥な痕跡。『おもらし』と見紛うほどの量が。

 幸い、ショーパンの厚い生地のおかげで外部から内情を窺い知ることはできない。だけどもし触れられでもしたなら、濡れたヴァギナは確実に音を上げることだろう。甘美に満ちた淫靡な悲鳴は、彼に余計な期待を抱かせる要因にもなりかねない。


「お願い!今日だけでいいから」

 尚も純君は食い下がる。相変わらず「今日だけ」という定型句ばかりを繰り返す。それで私の方が引き下がるとでも思い込んでいるのだろうか。だとしたら甘すぎる。いや、そんな風に彼を甘やかしたのは私なのかもしれない。

 だけど、こればっかりはいくら頼まれようともダメだ。そこに譲歩の余地はない。「一度見せてくれたら、それで終わり」と彼は言うかもしれない。だけど見せたら、それで全てが終わってしまうのだ。

「あと、もう少し…。もうちょっとなんだよ…」

 決死の懇願に、私の決心が一瞬揺らぎそうになる。もしちゃんと穿いていたなら、それを見せてもいいというくらいに。だけどそれが出来ないのだ。

 純君に対して申し訳ない気持ちでいっぱいになりながら。せめてもの償いとして、彼のペニスに集中する。出来るだけのことをしてあげたい、と行為に本気を出す。

 あくまで純君のために出来る限りのことをする。そんな私の覚悟さえ知らずに…。


「なんか…お姉ちゃんの、あんまり気持ち良くない…」

 あろうことか、彼はそんな感想を口走った。

――何様のつもりなのか!

 私は怒りを覚えた。そりゃ確かに私が経験不足であることは間違いないだろうが。それだってもう少し言い様があるだろう。

 私の行為は否定された。好意による厚意さえも真っ向から全否定されたのだった。私の「フェラチオ」が下手くそだから、そんなんじゃイケないのだと純君は言った。その指摘には、私が処女であるという私的な事実さえも含まれているように感じた。

 私は泣きそうになる。中学生の弟すら射精させてあげられない己の不甲斐なさに。

 まるで憑き物が落ちたみたいに、たちまち私は落ち着いた心持ちになるのだった。彼のアソコから口を離す。それ以上、その行為を続けることに無為さを感じた。

 床に散らばった衣類を拾って、彼に履かせる。彼のペニスを元通りに仕舞い込む。彼は意味不明のまま一瞬だけ抵抗を試みたけれど、最終的には姉である私に従った。

 弟にズボンと下着を履かせるという行為に、私は在りし日の姉弟の面影を重ねた。だけどそれは遥か遠くの記憶にも感じられた。


 私は腰を上げた。彼に背を向けて、大股で出口へと向かう。

「えっ?どうしたの…?」

 彼は戸惑いながら訊いてきた。私は答えなかった。

「もう、終わりなの…?」

 彼は不服そうに言った。その通りだ。私の超法規的措置はここで打ち止めなのだ。

「そんな…」

 彼は残念そうに呟いた。哀しそうな、淋しそうな声音が背中越しに伝わってくる。それでも私は振り返るつもりはなかった。

 全ては自業自得なのだ。彼があんなことを言わなければ。欲張りさえしなければ。彼は無事に果てることが出来たかもしれないのに。それを拒んだのは彼の方なのだ。

 昔、彼に読んであげていた童謡。その劇中に登場する多くの強欲者と同様の末路。彼は一体そこから何を学んだのだろう。

 あるいはこれで良かったのかもしれない。私は寸でのところで踏み止まれたのだ。すでに幾つもの一線は越えていたけれど、それでもまだ私は戻ることができたのだ。

 彼を置き去りにして、ドアノブに手を掛ける。あと一歩、これで本当にお仕舞い。ようやく私は非日常から日常へと還ることができる。

「おやすみ」

 この夜を終わらせる締めの一言を添える。彼を見ずに。彼の姿を視界に捉えずに。

 だからこそ私は気づくことが出来ないでいた。彼が現状どんな心境でいるのかを。いかなる衝動に襲われていたのかも。何をしようとしているのかさえ知らなかった。


――!!!???


 ふいに、お尻がスースーするのを感じた。下着を穿いていないからではなかった。本当に「何も穿いていない」みたいだった。

 私はショーパンを脱がされ、純君の眼前に「ノーパン」の下半身を晒していた。


――続く――

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

おかず味噌 2020/07/13 02:36

ちょっとイケないこと… 第十四話「大人と子供」

(第十三話はこちらから↓)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/335892


 純君のアソコは膨張していた。パジャマのそこだけテントを張っているみたいに、はっきりと雌雄を主張していた。

 彼の紛れもない欲情の象徴に私は動揺する。頬を紅潮させたまま硬直してしまう。ついこの間まで小学生だと思っていた弟の目覚ましい成長の兆候を直視したことで、未熟な姉である不肖の私は目の前の現実を上手く受け止めることが出来ないでいた。

 あるいは何かの見間違いかと。ズボンに皺が寄ることで偶々そう見えただけだと。あえて見当違いな検討をすることで、あくまでも正答から遠ざかろうと試みる。

 だけど現に彼は自問について言及し、元気におちんちんをギンギンにさせていた。さも準備万端であるというように。禁忌たる近親間における相姦を懇願するように。

 悪寒にも似た予感を抱きながらも視線は自然と股間を視姦する。丘陵の強調というあからさまな現象にあてられて、脳漿に浮かんだのはありきたりな感情だけだった。

――純君も、大人になったんだね。

 思わず場違いな感傷に浸ってしまう。間抜けな感想。そこに感慨を抱くこと自体がそもそも間違いであるというのにも拘らず、ついつい埒外なお節介を焼いてしまう。


 肉体自体の堂々たる態度とは対照的に、彼自身は自信無さげにおどおどしている。そしてもう一度、彼は私に訊いてきた。

「僕、おかしいのかな…?」

 と。病むべき闇を抱えたままの彼の疾しい悩みを。

――そんなことないよ!

 すぐにでも払拭してあげたかった。それは男性に備わっている生命機能であって、生殖本能によるものに過ぎないのだと。

 だけど問題は、その発情が果たして何によってもたらされたものであるかだった。

 仮に女子の下着への執着なのだとしたら、あくまで正常な反応なのかもしれない。だけど彼が欲望をむき出しにしているのは、他ならぬ「姉の下着」に対してなのだ。それはあまりにも異常である気がする。明らかに常識を外れて、常軌を逸している。

「お姉ちゃんのことを考えると、ここが硬くなっちゃうんだ…」

 すかさず彼は告白する。私に対する劣情なのだと、そう自供する。


 姉としてはやはり忠告すべきなのだろう。その現象ではなく、その対象について。断固として私は警告を発すべきなのだろう。

「ねえ、僕『ビョーキ』なのかな?」

 弱気な声で問う彼に対して。「そんなことも知らないの?」と訊き返したくなる。あるいは知っている上で、あえてとぼけているのかもしれない。

「病気なんかじゃ…(ないと思うよ)」

 私は否定を保留する。断定を避けることで、それ以上の追求を逃れようと考える。

「でも、すごく苦しいんだ…」

 彼は悩みをより具体的な苦しみとして表わす。それこそ私の知ったことではない。そういうことは私にではなく、仲の良い友人や未来の恋人にでも打ち明けるべきだ。(それはそれで少し淋しい気もしたが)

「なんか、すごく落ち着かなくて…」

 まるで焦燥に駆られたかのように。そこで彼は暴走を始めた。


 純君はあろうことか、ズボンの上から自分の股間を弄り出したのだった。

 彼の小さな手が陰部をまさぐる。浮き上がった陰影越しに陰茎を掴んで手淫する。

――自らの、自らによる、自らのための行い。

 性の知識もままならぬ癖に、どうすれば気持ちよくなれるかは心得ているらしい。だとしてもそれは私が居なくなってから、部屋で一人になってからするべきことだ。

「もう、やめなさい!!」

 私は強い口調で制止を要求する。彼は萎縮したように静止した。

「そんなことしないで。お願いだから…」

 一転して気弱な声音で私は言う。これ以上、純君のそんな姿を見たくはなかった。このままでは彼のことを本当に軽蔑してしまいそうだった。

「どうして?」

 私の願望に対し彼は理由を問い、返答を待つことなく右手による運動を開始する。あたかもその動きが、最も効果的に刺激を与えられることを熟知しているみたいに。


 私は彼の元に近づく。ドタドタと怒情を歩調に込め、彼が座るベッドに詰め寄る。そして、捻り上げるように彼の利き腕を掴んだ。

 彼のか細い腕の感触が伝わってくる。未だ異性にも及ばない非力さが感じ取れる。

「やめなさい」

 もう一度、今度は抑えた調子で言う。正面から彼を見据えて、目を逸らさずに。

「純君」

 彼の名を呼ぶ。ゆっくりと確かめるみたいに。じっくりと言い聞かせるみたいに。それ以上、何も言わずとも伝わることを願って。

 だけど彼は私の手を振り払った。強引にも、暴力的ながら。それはもはや強靭な、確実な男性の力であった。

 私は困惑する。彼が、弟が、純君が、姉の言うことを聞き入れてくれない状況に。

 彼は再び股間に手を伸ばす。行為を再開するためではなく、予想外の行動に出た。


 純君はパジャマのズボンを脱いだ。さらにパンツまでも同時に下ろしたのだった。

「ポロン」と可愛らしい擬音で彼のそれが飛び出す。これまで影だけは浮かびつつも隠されていた物体がついに正体を現す。

 それは純君の「おちんちん」だった。

 ふと既視感に襲われる。私の人生においてあまり目にしたことのない男性のそこ。だけど純君のならば何度も見たことがあった。

 彼が幼少の頃、よく一緒にお風呂に入っていた。その時に見た、弟のおちんちん。

 私はそれを見て、もちろん何の感慨も抱くことはなかった。あくまで飾りとして、弟の股の間にぶら下がったそれ。せいぜい私の人差指くらいのサイズしかない一物。幼いのに一丁前に性別を識別する記号に愛おしさを覚えた。


 だけど今目の前にあるそれは、その頃のものとは明らかに異なっている。

 まず大きさが違う。変貌した彼のアソコは今や私の三本指にも迫ろうとしている。そして形状。それは単に飾りとしてではなく、れっきとした男性器の形をしている。

 純君のそれはすでに「大人のおちんちん」だった。

 いや「チンコ」というべきだろう。その醜悪な物体は愛らしい響きで呼ぶことさえもはや憚られた。より正式に言ったところの「ペニス」である。

「お姉ちゃん…」

 彼は私を呼ぶ。アソコを握り締めたまま、まるで呼称すらも滋養に変えるかの如く私を見つめたまま行為を続ける。

 私が見ていることを知ってか知らずか、彼は丸出しになったペニスに手を添える。片手で隠し切れないそれを両手で覆い、やがてしごき始めた。

 直接手で触れることがよほどの快感なのだろう。「あぁ…」とか「うぅ…」など、彼は声にならない吐息を漏らす。私はそれを見守ることしかできなかった。


――もういっそ、このまま最後まですればいい。

 私は諦め交じりに呆れながらもそう思った。

 精を尽くして盛大に精液を解き放ったのなら、きっと彼も沈静化することだろう。一時の威勢に身を委ねて、束の間の達成と引き換えに、直後の自省に苛まれたとして決して私のせいではない。

 出したいなら出せばいい。気の向くまま、気の済むまで。心のまま、心ゆくまで。

「お姉ちゃん…」

 それでも彼は私を呼んだ。淋しげな顔で、すがりつくような目で、媚びるみたいに情けない声を上げた。

 私はそれに応えるつもりはなかった。もうとっくに姉としての領分を過ぎている。彼を弟として見ることが今後一切できないかもしれない。

「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん…」

 彼はきつく目を閉じたまま、うわ言のように繰り返す。果たしてその瞼の裏側ではどんな想像が繰り広げられているのだろう。私は知りたくもなかった。だけど…。

「お姉ちゃん…大好き!!」

 そこで追い詰められたように。彼は私に対する想いを打ち明けたのだった。

 どうしてだろう?あんなに嫌悪し掛けていたというのに。彼からそう言われると、甘露に満ちた私はつい反応してしまう。火の消えた暖炉に薪がくべられるかの如く、冷え切った心の温度が上昇してしまう。そうして私はいつの間にか彼のことを許し、いつでも彼の言いなりになってしまう。

 そうだ、純君には私しかいないのだ。誰にも言えない秘密を話すことが出来るのは姉である私を置いて他にいないのだろう。

 思春期に訪れる肉体の変化。それに伴う感情の機微。それは個人的なものであり、大いに個人差のあるものでありながら、どうしたって同年代の者達と比べてしまう。自分は早すぎるのか、あるいは遅すぎるのか、どちらにせよ異質だと感じてしまう。私にもある経験だった。というより私自身、現在進行形で抱えている悩みであった。


 その時の私はおかしかったのかもしれない。後になって振り返ると、そう思う。

 今夜はあまりに多くのことが起きた。彼の家でしたこと。家に帰って知ったこと。それらの出来事が重なり合うことで、私は少なからず冷静さを欠いていたのだろう。

 私は純君のペニスにこっそりと触れた。私の手が彼のペニスをがっしりと掴んだ。私の指が彼のペニスをすっぽりと包んだ。

 そうすることが紛れもない過ちだったことは今さら言うまでもない。だけどそれは今も私の間近にあり続け、さも私の手が差し伸べられるのを待っているようだった。間違いを○すことが、あたかも正しいことであるかのような誤解を抱いてしまった。

 純君のペニスは不思議な感触をしていた。まるで鉄みたくカチカチになったそれ。血流が集中することで剛強を増したそれは、だが少しばかりの柔弱を内包していた。

 硬いようで柔らかい。柔らかいようでやっぱり硬い。矛盾するようなその感触は、それこそが彼自身の不安定な居場所を表わしているみたいだった。

 大人と子供の境界線。そのモラトリアムな立ち位置で迷い、彷徨い続ける彼の心。時に「もう子供じゃない」と宣い、時に「まだ大人じゃない」と駄々をこねるように都合よく両者を行き来できる存在。それこそが彼の現在の所在なのだろう。


 私は純君のペニスを観察した。こうして見ると、彼のそれは頼りなさげに思えた。成人男性のそれと比較してみる。だけど私の知るそれは数時間前の記憶のみだった。

 私が今のところ知り得る、唯一の一本。それはまさしく○○さんのものであった。彼のそれと純君のそれとは、大きく違っている。

 まず凶暴さが足りない。彼の肉棒には女性を○すという傍若無人ぶりが窺われた。純君の珍宝にそれはない。ただただ呆然と自己の欲望を満たそうとするのみだった。

 実際、長さも太さも彼のとはあまりに異なる。彼のモノに触れ、彼のモノを咥え、彼のモノを挿入されたからこそ分かる。彼のそれは私の性器を征服するのには充分、あるいは余りあるほどのものだった。(彼が射精したのは私の非正規の穴だったが)

 それに形だって違う。私はさきほど純君のを「大人のおちんちん」と形容したが、そう呼ぶにはいささか無理があった。彼のそれは「子供のおちんちん」なのだった。

 純君は「剥けて」いなかった。

 いや、それを言うのはちょっぴり可哀想かもしれない。彼は未だ成長途上なのだ。今後少しずつ変化していくのだろう。だけど彼のそれは、現時点では不完全だった。

 未成熟の子供チンポ。皮被りの包茎ペニス。それが純君の性器の現在の姿だった。


――続く――

この記事が良かったらチップを贈って支援しましょう!

チップを贈るにはユーザー登録が必要です。チップについてはこちら

« 1 2

月別アーカイブ

記事を検索