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オナニーの記事 (1)

おかず味噌 2020/02/14 01:22

ちょっとイケないこと… 第二話「後悔と洗濯」

(第一話はこちら)
https://ci-en.dlsite.com/creator/5196/article/207275


――あの日は、最悪な日だった。

 思い出したくもない。バイト帰り、興味本位で立ち寄った彼の家。そこで私は…。
 あえて口に出すのも憚られる。私は、彼の前で『粗相』をしてしまったのだった。

 果たしていつぶりだろう?およそ記憶になんて残っていない。幼少期、私がかつて『オムツ』をしていた頃以来だ。当時のことであれば別に恥ずかしくもない。私にはまだ自我が芽生えておらず、善悪の判断も羞恥の決断も出来なかったのだから。

 だけど私は、大学生にもなって『おもらし』をしてしまった。
 羞恥の判断も出来る年頃に。善悪とかそれ以前に。

――○○さんが悪いんだ!

 彼は私がトイレに行くのを阻止した。そう、私はきちんとトイレに行き、きちんとそこでしようとしたのだ。そしてそれは本来なら間に合うはずだった。それがまさか『穿いたまま』してしまうことになるなんて…。

 あの瞬間のことは忘れようにもない。ショーツの中がじんわりと温かくなる感触。止め処ない水流が決壊と同時に溢れ出し、最初は不快でどうしようもないのだけど、ある境界を越えるとなぜか心地よく思えてくる。イケないことをしているみたいな、これまで味わったことのない感覚。それはとても不思議な体験だった。


 あの日、帰宅した私がまず最初にしたことは濡れた下着を手洗いすることだった。
『おもらしショーツ』をそのまま洗濯機に放り込むわけにもいかず、バッグに入れて持ち帰ったそれを夜中に一人、洗面台で洗った。

 彼のおかげ(?)で制服が濡れなかったのは不幸中の幸いだった。ノーパンのままズボンを穿いて、かろうじて私は自宅に辿り着いたのだった。

 音を立てずにそっと玄関のドアを開けて中に入る。家中の灯りが消えていることを確認して、忍び足で廊下を歩き、一直線に洗面所に向かう。
 家族が皆寝静まっていたのは僥倖だった。いくら身内といえど、こんな無様な姿を晒すわけにはいかない。ましてや、まだ中学生である弟に見咎められるなんて…。

「お姉ちゃん『おもらし』しちゃったの?」なんて訊かれた日には、姉としての私の威厳が崩壊してしまう。

 だけど私はそれより恥ずかしい姿を、家族でもない他人に見られてしまったのだ。
 裸を見せるよりももっと恥ずかしい行為。いや、それとは少し違う羞恥。

 数十分前の出来事を思い出すと、私はまだ『おしっこ』を出し終えていないような奇妙な感覚に襲われた。膀胱はとっくにカラであるはずなのに。全てをショーツ内と彼の家の浴室のタイルにぶちまけてきたはずなのに。まだまだ出し足りないような、もっと出したいような、すっきりしないような感覚だった。


 バッグの中からビニール袋にくるまれたショーツを取り出す。それはびしょ濡れになっている。鼻を近づけて嗅いでみると、強烈なアンモニア臭が鼻腔を刺激した。

 私は改めて、自分が『おもらし』をしたのだと知った。
 どこかでそれは夢じゃないかと、目が覚めてトイレに行けば済む話と思っていた。
 だけどそれは、紛れもない現実だった。

――明日からどんな顔して、○○さんに会えばいいんだろう?

 少し先の未来のことを考えると、気が重くなった。それはもはや絶望とさえいっていいほどに…。

 一応彼には「誰にも言わないでください」と口止めはしたし、まさか後輩の失態を言いふらすような人ではないから大丈夫だと思うが、それでも万一ってことはある。
 それに(それこそまさにあり得ないことだが)彼が『おもらし』の口止めを口実に私の体を要求してきたとしたら。どちらにせよ私は彼に弱みを握られたことになる。

 考えれば考えるほどに、想像すればするほどに、問題は幾つも山積みではあるが。まずは目の前の問題から一つずつ片づけていかなくてはならない。
 とにかく今の私にできることは、家族が目を覚まさぬ内に汚れたショーツを洗い、少しばかり部屋で干した後、何食わぬ顔でそれを洗濯機に突っ込むことだった。


 早速水を出して洗おうとしたとき、ふと思い立って私は作業を中断する。

 思えば(当たり前のことだが)こうして自分の穿いていたショーツを眺める機会はそうそうない。いつもはお風呂に入るときに爪先から脱ぎ捨てて、そのまま洗濯機に投げ込んでいる。汗をかいたときだって、生理のときだってナプキンはしているし、それほど汚れるものでもないだろうからそれで良かった。

 だけど今こうして自分の下着を。本来最も汚れる場所に触れる衣類を観察すると、実に様々な発見があった。

 黒いショーツは『おしっこ』で湿っている。だけど、その濡れ方は洗濯後のように均一ではない。ゴムの付いた上の部分はほとんど濡れておらず、一番濡れているのは当然、股に当たる部分だった。

 クロッチの部分をよく覗き込んでみる。そんな事をしている場合ではないのだが、何か抗えない強大な力にそうさせられているように、自作の『シミ』を注視する。
 ただ『おしっこ』が滲んでいるだけと思っていたそこは、微かに白く汚れていた。

「何だろう?」と思って触れてみると、ヌルヌルと粘り気のあるものが指に付いた。
 細く糸を引くその液体は、私の愛液だった。私はアソコを濡らしていたのだ。

 一体いつから、そんな状態になっていたのかは分からない。あるいは何かの反動で(いわゆる人体の神秘というやつだ)思いがけず溢れてきただけなのかもしれない。もしくは彼の家に誘われたことで、何かを期待する気持ちが私にあったのだろうか?

 そうだ!私がトイレに向かうのを邪魔する際、彼はどさくさに紛れてズボン越しに私の股間を弄ったのだ。あのせいで、あくまで生理現象により濡れてしまったのだ。だとすれば、それは私のせいではない。

 それでも。なぜ下着に愛液が付着しているのか、その理由に心当たりがあった。
 またしても私は思い出す。あの瞬間の感覚を…。


 決壊を迎える直前、限界を越える寸前、ふいに股間が湿る感触を覚えた。
 私は、ついに『チビった』のだと思った。(実際、彼にはそう思われてしまった)だけどその液体は尿とは異なり、私の陰部に温かくまとわりついたのだった。

 まさしくそれは、濡れるという感覚だった。私は『おしっこ』を我慢しながらも『おもらし』の誘惑によって、アソコを濡らしてしまったのだ。

 何ということか。あろうことか私は羞恥によりヴァギナを開かせてしまったのだ。
 それに気づくと、記憶の想起によって、再び股間が熱を帯びるのが分かった。

 私は制服に愛液が付いてしまわないように、股の部分を指でそっとつまむ。だが、時すでに遅し。ズボンを離した瞬間、冷たい感触が確かに伝わってきた。
 そして。制服ズボンを濡らすその液体は今、目の前のショーツのクロッチ部分にも白く染み込んでいるのだった。

 さらに、私の下着の汚れはそれだけに留まらなかった。

 続いてショーツの後方、お尻に触れる部分を凝視してみる。割れ目に当たる部分にカピカピになった茶色い粉のようなものが線状に付着している。そこに鼻を近づけて嗅いでみると、思わずむせてしまいそうなほど強烈な臭いがした。


 それは、紛れもない『うんちの臭い』だった。
 私は、『おしっこ』のみならず『うんち』さえもショーツに付着させていたのだ。

 おそらく、朝トイレに行って排便をした時にきちんと拭けていなかったのだろう。
 私は『大』をした後、大体二、三回は拭くようにしている。ペーパーに付いた便を確かめ「もうこれくらいでいいだろう」と水を流し、トイレを後にする。(ちなみに集合住宅である私の家に、ウォシュレットなんて気の利いたものはない)

 たまに肛門付近にショーツがひっつくような感触もあったが、汗だろうと気にしてなかった。それがまさか、こんなにも『ウンカス』をこびりつけていたなんて…。

『おもらし』の後始末をする際、彼に下着の裏地を見られなくて本当に良かった。
 パッと見ではよく分からないだろうが。凝視されれば確実に私の『ウンスジ』が、ショーツに刻み付けられた痕跡がバレてしまうところだった。

 それに。お尻を触られなくて良かった。仮に割れ目をなぞられたなら、彼の指に『うんち』を付けてしまう可能性だってあった。ましてやお尻を嗅がれでもしたら、『うんちクサさ』を彼に知られてしまう恐れだってあった。


 ふと我に返る。イケない、いつまでも悠長に観察を続けている場合ではない。
 家族は皆寝静まっているとはいえ。いつトイレのために、あるいは小腹を空かせて起きてくるか分かったものじゃない。急がなければ…。

 蛇口を開けて水を出す。ジャーと小気味の良い音。命令を与えられ、感情もなく、水を流す装置。そこに後悔や羞恥があるはずもなく、調整された勢いで溢れ出す。
 漏れ出したわけではなく、垂れ流してしまったわけでもない。私のそれとは違う。だからこそ、堂々としている。

 黒ショーツを水に浸す。やがて、きれいな水によって『おしっこ』は押し出され、押し流されてゆく。ジャブジャブと手で揉んで洗いながら、ショーツから滴る液体を眺めていると、それは何だか『おもらし』しているみたいだった。

 既視感を覚えつつ、体験を再現し客観視しているような奇妙な感覚に襲われる。
 私はこんな風に『おもらし』をしたんだ、と再びアソコがじんじんと疼いてくる。それと共に、わずかに尿意を催してきた。私は尿道に力を込めてみる。

――このまま、しちゃおうかな…。

 どうにも理性が緩みかけている。けれど片付けが余計に大変になることを考えて、私はその衝動を堪えるのだった。

――よしっ、もういいだろう。

 水を止め、ショーツを固く絞る。確認のために今一度、匂いを嗅いでみる。
『おしっこ臭』はすっかり消えていた。洗剤の香りこそしないものの、それはもはや濡れた洗濯物とほとんど変わらない。私は洗面所の明かりを消した。


 ひと仕事終えて部屋に戻る。濡れたショーツを乾かすためテーブルの上に広げる。制服を脱いでベッドに横になる。ブラは付けているが下は穿いていないため下半身は丸出しになっている。
 だがここは数少ない私のプライベート空間であり、深夜に家族が入ってくることもないだろうから構わないだろう。

 これからシャワーを浴びて寝るか、朝になってからシャワーを浴びるかを考える。
 今日は大学帰りにそのままバイトに行った。その疲れもある。それに汚れた下着を洗ったことで、まるで自分自身も清められたかのような錯覚もあった。

 手を頭の後ろに組んで脚を伸ばす。目線を下方に向けると、生え揃った自分の毛が見えた。浴室以外でこうして自分の陰毛を眺めるのは、何だかヘンな感じがした。
 シャワーを浴びているときのそれは濡れてしなしなになっているが、今のそれは(やや湿り気を帯びながらも)乾いていて、ふんわりとボリュームを保っている。

 陰毛に手を伸ばす。柔らかくも髪の毛とは少し違った感触。それを撫で付けつつ、私は夢想に耽る。

――いつか、この場所に触れてくれる男性がいるのだろうか?

 不安にも似た焦燥を抱いている。根拠不明な情報ではあるけれど、若者の初体験の年齢は年々下がってきているらしい。大学生にもなって処女、というのは恥ずかしいことなのだろうか?

「そんなことはない」と言う人だっているだろう。個人差があるものだし、焦る必要なんてない、と。だけど当事者にとってみれば、平均的という指標こそが重要なのであって、それが悪魔のように囁き、私を急かせるのだ。

「遅れている」と…。


 私の処女膜は未だきつく閉じられている。守りたくもないのに、固く守られてきたその部分が、まだ顔も知らない誰かによってこじ開けられる瞬間を想像する。

――やっぱり、痛いのかな…?

 少しだけ怖くなる。だがそれも、自分が周囲から取り残される怖さに比べれば全然平気なものに思える。

 いつの間にか私の指は陰毛を弄るのを止めて、さらにその奥にあてがわれていた。
 男性を迎え入れる場所。『おしっこ』の出る場所。その周辺をなぞってみる。

 きつく閉じられているはずのその部分は、微かな湿り気と温かみを帯びている。
 そして指の動きに合わせて、次々と液体は溢れ出してくる。

 時に乱暴に、時に優しく、アソコを自分の指で愛撫する。己の意思の赴くままに、私の指は気持ちいい場所を熟知している。

 次第に息が上がり、動悸が激しくなってくる。イケないことと思いつつも私の指はもう止まらない。
 膣内を出し入れし、クリトリスを転がす。そのスピードは徐々に速くなる。

――もう、イキそう…。

 私は両脚に力を込めて絶頂が訪れるのを待つ。やがて私の指はペニスへと変化し、その持ち主を想像する。それは自然と彼の姿になった。

「もう、イちゃいそうです…」

 小声で私は呟く。「いいよ」と優しげな彼の声がそれに応える。

――『おもらし』しちゃった結衣に、お仕置きしてください!!

 後から思い返すと、赤面してしまいそうな台詞を脳内で叫ぶ。
「俺も、もうイキそう」情けないような、彼の声が聞こえる。イク時は一緒がいい。そして…。


 ビクンと体が跳ねる。膣が収縮し、私の指(ペニス)をきつく咥え込む。そして、熱い精液が私の中に発射される。「ドピュ!ドピュ!」と。だがその感触は想像上のものでしかなかった。

 ふいに私は尿意を感じた。トイレに行くほどではないものの、そこに力を込める。

「私、また『おもらし』しちゃいそうです!」

 声を抑えつつも、けれど理性を失った私の宣言は予想以上に大きく響いた。

――ジョロ…。

 私の『放尿』は頼りない放物線を描き、そのままベッドへと染み込んでゆく。

――気持ちいい…。

『おしっこ』するのがこんなに気持ちいいだなんて、初めての感覚だった。これまでオナニーの経験は何度かあるけれど『おもらしオナニー』をしたのは初めてだった。

――こっちも、弄っちゃおうかな…。

 やや腰を浮かせて、伸ばした指はアソコを通り越し、その先のアナルに触れる。
 普段弄ることのないそちら側。そこが、そういうことをするための穴でないことは知っている。(あるいは上級者はこっちも使うらしいが…)

 紛れもない排泄専用の穴。ショーツのお尻部分に羞恥を刻み付けた、その元凶。
 ぷっくりとした出口を指で弄ぶ。本来、出す専門の方。

 あまり深く入り過ぎてしまわないよう気をつけながらも、第二関節まですっぽりと飲み込まれる。指にまとわりつくヌルッとした感触は腸液だろうか、それとも…。

――また、出ちゃいそう!!

 溢れ出す衝動を予感する。

――チョロ…。

 またしても私は『おもらし』をしてしまう。肛門を犯しつつ、別の出口から液体を迸らせてしまう。
 間違っていることなのに。イケないことなのに。それなのに『アナルオナニー』を止めることはできず、未知なる快感に私は酔いしれるのだった。

 すっかり放心した状態のまま、自ら描いた放物線の残像を脳裏に焼き付ける。
 私が『おしっこ』の染み込んだシーツの後始末に頭を悩ませたのは、それからもう少し経ってからのことだ。


――続く――

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