Triangle広報 2021/08/26 15:43

8月26日は【魔法戦士シンフォニックナイツ】シンフォニックリリーこと百合瀬莉々奈ちゃんの誕生日です!

と、ゆーわけで、今回も斎藤なつき先生がイラストを描き下ろしてくれました!

莉々奈さん、スポーティですね!


そして、野山風一郎先生もお誕生日SSを書き下ろしてくれました!
どぞ、お楽しみください!


 1

「~♪」
 国際教導学園の理事長室で、百合瀬莉々奈は上機嫌な様子で鼻歌を奏でていた。
「……何かご機嫌ですね、莉々奈さん」
 ニコニコしている莉々奈を見ながら、甘樹菜々芭が言う。
「ん? ああ、何でもないのよ、菜々芭ちゃん。うふふ」
「何でもないという感じには見えませんが……」
 莉々奈はどう見ても浮かれており、それも今日だけのことではなかった。
 ここ最近、ずっとこの調子なのだ。
 機嫌がいいだけでなく、肌も艶々として健康そうで、血色もよく見える。
「……まあ、悲しそうだったりしないだけいいことなのでしょうが」
 莉々奈が上機嫌な理由に興味がないわけではなかったが、尋ねてみても先ほどのようにはぐらかされてしまうので、結局わからないままだった。
「プライベートなことかも知れませんし、詮索するのは野暮かも知れませんね」
 そう思い、菜々芭もあまり深く突っ込んで聞いたりはしなかった。

 2

「はあ……」
 研究室に手伝いに来ていた御白晴香の深いため息を聞き、菜々芭はデータが並ぶモニターから視線を外した。
「どうしたのですか? 何か憂いごとでも?」
 菜々芭に問われた晴香は、バツの悪そうな表情で苦笑する。
「いえ……実は、最近霞ちゃんの様子が少し変で……」
「霞さんがですか?」
 黒宇霞は魔法戦士の一人であり、フィーネとコンビを組むエメロードナイツの一人だった。
「はい……最近ずっと予定が合わなくて」
「何か用事でもあるのではないですか?」
「そう思って聞いてみたのですけど、教えてくれなくて……ひょっとしたら、何か霞ちゃんを怒らせるようなことでもしちゃったんじゃないかって……」
「心当たりはあるのですか?」
 菜々芭の言葉に、晴香は首を左右に振る。
「それがわからないんです。だから、余計に気になっちゃって……」
 事情を聞き、菜々芭は腕組みをする。
「霞さんに何か最近変わったことは?」
 菜々芭は霞の周辺情報を集め、何をしているのか仮説を立てようと考える。
 晴香は眉間にしわを寄せて記憶を探りながら答えた。
「そうですね……あ、最近お夕食で霞ちゃんが食べる量が減ったかも知れません」
「食事量の減少……他には?」
「うーん、出かけて戻ってきたら、すぐにシャワーを浴びてるみたいです。何だか、出かけた先ですごく汗をかいてるらしくて」
「発汗……何か体を動かしているということでしょうか」
「それと……誰かと電話しているのをたまたま聞いてしまったのですが……」
 言いかけ、晴香は顔を赤くして言葉を止める。
「晴香さん?」
 菜々芭に促され、晴香はもじもじしながら続きを話した。
「そ、その、電話の相手に、すごく気持ちよかった、とか、またヤリたい、とか……」
「そ、そうですか……」
 よからぬ想像をかき立てる内容に、菜々芭は咳払いを一つして頭を切り替える。
 並べられた情報を統合し、熟考した結果、一つの結論が出た。
「それらの情報から推測するに……えっと、恋人ができたのでは?」
「えええええええええ!?」
 晴香が驚きの声を上げながら仰け反る。
「食事の量が減ったのは、誰かと食事をしているからでしょう。汗をかいているのは、電話の内容から鑑みて、まあ、その、そういうことではないでしょうか」
 菜々芭の分析に、晴香はあからさまに動揺していた。
「か、霞ちゃんに恋人が……はうう……ど、どうすれば……」
「どうすればって……見守るしかないのでは?」
「で、でも、もし悪い男に騙されてたりしたら……!」
 過保護だと苦笑しかけた菜々芭だったが、不意に頭に浮かんだ一つの考えに表情が凍り付いた。
「そ、そういえば……莉々奈さんのあの浮かれ方……あれももしかすると、恋人ができたせいなのでは……!?」
 そんなはずはないと頭の中で何度も否定するが、一度頭にこびりついた疑惑はなかなか剥がれ落ちない。
「ですが、仮に、万が一、莉々奈さんに恋人ができたとして、相手はどのような人物なのでしょうか……純粋で優しい莉々奈さんのことです……悪い男に騙されている可能性もゼロでは……!」
 悪い男――そのキーワードに、菜々芭と晴香は同時にある人物を連想した。
「あ、甘樹先生! まさか、霞ちゃんの悪い恋人って!」
「まさか、莉々奈さんを騙しているのは!」
 二人は視線を交わすと、力強く頷き合った――。

 3

 とあるファーストフード店の外で、キールは物陰に隠れるようにしてスマホの操作をしていた。
 と、不意に強大な魔力が近づいてくるのを感じて、慌てて物陰から飛び出る。
「な、何だ!? 何が近づいてきている!?」
 警戒を強めたキールの前に、凄まじい魔力を放つ二人の魔法戦士が姿を見せた。
「見つけましたよ、キール……!」
 いきなり武器を構えた二人の魔法戦士に、キールはギョッとなる。
「シンフォニックシュガーに、エメロードフィーネ……!? な、何故こんな所に!?」
 驚いて身構えたキールに、フィーネがランスを突きつける。
「理由はわかっているはずです、キール!」
 鋭く言われ、キールは目を見開いた後、可笑しそうに笑った。
「ククク……まさかもうバレているとはな。そうだ、俺はフリーWi-Fiを店外から利用して口コミサイトでライバルの通販業者の低評価を書き込んでいるのだ! アジトのネットはダイヤルアップ回線だからな!」
 キールは世界征服資金を稼ぐため、魔法のかけられた商品を通販で売っているのだった。
 開き直って不敵に笑うキールに、シュガーは冷めた視線を送る。
「何を言っているのですか? 私たちは別の件であなたを問いただしに来たのです」
「別の件?」
 何のことなのかと、キールが首を傾げていると、フィーネがキールを睨みながら言う。
「キール、霞ちゃんに何をしたのですか!? 霞ちゃんをたぶらかすなんて、絶対に許しません!」
「え? 霞?」
 心当たりのないキールは、ますます首を傾ける。そんなキールに、シュガーも低い声音で言う。
「莉々奈さんもです。どんな方法を使ったのかはわかりませんが、莉々奈さんに手を出すなんて、万死に値します。この場で決着をつけましょう」
 フィーネとシュガーの魔力が急速に高まり、キールは滑稽なほど慌てる。
「ちょ、ちょっと待て! さっきから何の話をしてるんだ!? 俺は霞にも百合瀬理事長にも何もしてないぞ!?」
「この期に及んで言い逃れですか? ネタは挙がってるんです!」
 いつでも必殺技を放てるように魔力を発動しながら、フィーネは疑惑について説明する。
 それを聞き、キールは首を何度も左右に振った。
「し、知らないよ! 霞にはしばらく会ってないし、百合瀬理事長はこの前ちょっかいかけたら普通にボッコボコにされたわ! ロアで鍛え直してきたんだろ!? 魔力の戻りきってない今の俺じゃどうにもできないって!」
 そう弁解するキールに、シュガーが探るような目を向ける。
「信じられませんね。例え戦力で劣っていても、あらゆる手管で籠絡しようとするのがあなたたちですから」
「本当だって! って言うか、シンフォニックナイツもエリクシルナイツもイクシードナイツもエメロードナイツも揃ってる学園関係者に手なんか出せるか! 自殺行為だろ!」
 確かに、今の国際教導学園には魔法戦士が多く集まっており、地上世界では最強レベルの魔法戦力の拠点となってると言ってもよかった。
 そこの魔法戦士に軽々に手出しなどできるはずはない。
 キールの言っていることには一応筋が通っており、フィーネとシュガーは顔を見合わせる。
「本当にキールじゃないのなら、霞ちゃんたちの相手って……?」
 首を捻る二人を見ながら、キールは不意にあることを思いだした。
「あ、もしかして……」
 そう漏らしたキールに、二人は再び武器を向ける。
「何か心当たりがあるのですか? すべて話してください」
 シュガーの武器であるユースティティアの砲門が開き、キールに狙いを定める。
 キールは慌てて両手を上げた。
「わ、わかった! ちゃんと話すから!」

 4

 百合瀬財閥が管理している郊外の広い土地。
 人目につかないその場所で、エメロードミスティは標的に向かって激しい攻撃を繰り出していた。
「はぁっ、はぁっ、こ、今度こそ!」
 ミスティは連続で矢を放つが、凄まじいスピードで動く相手にすべて回避されてしまう。
「くっ……!」
 次の矢を弓につがえようとしたところで、相手は一気に加速し、一瞬でミスティの懐に潜り込むと喉元に刃を突きつけた。
「はい、また私の勝ち」
 そう言って微笑を浮かべたのは、スイートナイツの一人、スイートパッションであった。
「うう……か、完敗です……」
 ミスティはがっくりと項垂れ、敗北を認める。
 二人が武器を納めたところで、莉々奈が近寄ってきた。
「二人とも、そろそろ休憩にしましょう。香那葉さんがお茶とケーキを用意してくれてますよ」
 莉々奈の言葉にパッションは変身を解いて宮守麻由希の姿に戻ると、嬉しそうな顔を見せた。
「今日はどんなケーキかな? いつも美味しいから楽しみぃ♪」
 三人は連れ立って敷地内にある簡素な建物の中に入っていった。
「あ、戻ってきたのですね。丁度お茶が入ったところですよ」
 建物の中では、スイートナイツの一人、スイートキッスである柚木香那葉が、テーブルの上にカップを並べていた。
 麻由希が席につき、変身を解いた霞も椅子に座る。
 二人の前に、香那葉は白いお皿に載ったケーキを置いた。
「今日はチョコレートケーキです」
 切り分けられた黒に近い茶色のケーキに、麻由希は目を輝かせる。
「わあ、すごく美味しそう! いただきます!」
 麻由希は早速フォークを使ってチョコレートケーキを口に運ぶ。
 舌の上に広がるほどよい甘さに、麻由希の頬が自然と緩む。ほんのわずかに混じるほのかな苦みが甘さを引き立てており、表面をコーティングしていたチョコレートが口の中でパキパキと音を立てて割れる。幸せな食感が口の中一杯に広がり、麻由希は思わずため息をついた。
「ああ……美味しい……このために生きてるって感じ!」
「うふふ、大袈裟ですね」
 言いながらも、パティシエである香那葉は自作のケーキを褒められて嬉しそうだった。
 一方、霞の方は、目の前のケーキに手を出すことができず、困った顔で自分の背後を気にしていた。
 というのも、席につくなり莉々奈が霞の髪を手入れし始めたからだった。
「うーん、ちょっと傷んでるかも。私のあげたシャンプー使ってますか?」
 霞の髪を櫛でときながら、莉々奈が言う。
「は、はい、使わせていただいております」
 緊張しているのか、霞の口調はやや固いものだった。
「霞ちゃんの髪質に合わなかったのかな? じゃあ、練習が終わったら一緒に買い物に行きましょう!」
「そ、そんな、大丈夫ですよ! 髪なんて石鹸で洗えば……」
 そう返した霞に、莉々奈がちょっと怒った顔をする。
「そんなのダメですよ。女の子なんですから、髪は大事にしないと」
「で、ですが、理事長にはただでさえお世話になってますし……」
 霞の言葉に、莉々奈は頬を膨らませる。
「もう、理事長じゃなくて、お姉ちゃんと呼んでくださいって言ってるじゃないですか」
「お、お姉ちゃんだなんて、そんな……」
 莉々奈の要望に、霞は困り果ててしまっていた。
 霞が魔法戦士となった際、不自由なく活動できるようにするため、莉々奈が後見人になっていた。
 政府機関に所属していた霞を、百合瀬財閥という巨大なバックで守るためである。
「後見人と言えば、家族みたいなもの。つまり、霞ちゃんと私は姉妹なのです!」
 という主張のもと、莉々奈は霞をすっかり妹扱いしており、ロアから戻って以来頻繁にスキンシップを図っているのだった。
 家族の縁が薄い霞にとっては、困惑する毎日であった。
 霞の髪を手入れする莉々奈に、麻由希は目を細める。
「端から見ると完全にシスコンですよ、莉々奈さん」
 からかうように言う麻由希に、莉々奈は微笑を返した。
「だって、ずっと妹が欲しかったんですから。お姉ちゃんっぽいことができて、とっても嬉しいんです」
 莉々奈が心底嬉しそうにお世話をしてくるので、霞も断るにも断れなかった。
 ケーキを食べ終わった麻由希が、莉々奈と霞を見ながら含みのある口調で言う。
「そんなに二人でベタベタしてたら、ヤキモチ妬いちゃう人もいるんじゃないですか?」
 その言葉に莉々奈と霞はきょとんとなる。
 麻由希はやれやれと苦笑すると、ドアの方に向かって声をかけた。
「立ち聞きなんてしてないで、入ってきたら?」
 室内にいる者たちの注目が入口のドアに集まる。
 そして、ドアがゆっくりと開き、バツの悪そうな顔の菜々芭と晴香が姿を見せた。
「菜々芭ちゃん? どうしてここに?」
「え? 晴香さん?」
 驚く莉々奈と霞に、香那葉は忍び笑いを漏らした。
「説明してあげたらどうですか? ここで何をしてるのか」

 5

 人数分のお茶が用意されたテーブルについて、莉々奈と霞は菜々芭と晴香に事情を説明していた。
「要するに、霞さんの特訓のため、麻由希さんがトレーナー役をしていたと」
 菜々芭の言葉に、莉々奈は頷く。
「霞ちゃんに接近戦の課題を克服したいって相談されたから、接近戦のエキスパートである麻由希さんにお願いしたの。ここなら広いし人目にもつかないから、丁度いいと思って」
 麻由希と一緒に、香那葉も特訓の相手として付き合っていたのだった。
 もっとも、香那葉は専らエネルギー補給のための甘いお菓子を提供する係になっていたが。
 霞が何をやっているのか判明し、晴香は安堵の息を吐いた。
「よかったぁ……もし悪い男の人に騙されていたら、どうしようかと思ってました……」
「わ、悪い男って……そんなことありませんよ」
 霞はとんでもないと首を左右に振った。
「でも、特訓してるなら私も誘ってくれればよかったのに」
 晴香が言うと、霞は恥ずかしそうに視線を外した。
「その、晴香さんはエリクシルナイツとの訓練の他にも、甘樹先生のお手伝いもしてますし……」
 言い訳がましく言葉を募る霞を見て、麻由希がニヤニヤ笑いながら言った。
「霞ちゃんは特訓して強くなって、晴香ちゃんをしっかり守れるようになりたかったのよね」
「ま、麻由希さん!?」
 慌てる霞に、麻由希は悪戯っぽい笑みを向ける。
「隠さなくてもいいじゃない。誰かを守るために強くなろうとするのは、とても真っ当で、とても立派なことなんだから」
 麻由希の言葉を聞き、晴香は少し驚いたような顔になった。
「霞ちゃん、そうなの?」
 問われ、霞は視線をあちこちに泳がせた後、顔を真っ赤にして頷いた。
「その……私は戦闘スタイル的に、援護タイプですから、前衛に立つ晴香さんを、ちゃんと守れるようになりたいと思って……」
 霞の武器は弓矢である。接近戦に持ち込まれると、不利なのは否めない。戦場でそのような状態になってしまうと、晴香に負担がかかってしまう。それでは後衛として本末転倒であるため、接近戦への対処を特訓していたのだった。
 それを聞き、晴香は身を乗り出して霞の手を握った。
「は、晴香さん?」
 驚く霞に晴香は言う。
「何言ってるの。霞ちゃんはいつも私を守ってくれてる。本当に感謝してるんですよ。私こそ、霞ちゃんに負担をかけないよう、頑張らなきゃいけなくて……」
「そ、そんな、晴香さんは充分頑張ってますよ!」
「霞ちゃんだって頑張ってる!」
「晴香さんの方が!」
 仲睦まじい言い合いが始まり、他の魔法戦士たちはほっこりと笑みをこぼした。
「そう言えば、菜々芭ちゃんたちはどうしてここがわかったの?」
 莉々奈が菜々芭に問う。
「ああ、キールから聞き出したんです。どうやら魔法戦士たちの動向をチェックしているらしくて。まだ支配者への道を諦めていないのでしょうか」
 菜々芭はやれやれとため息をつく。
「あ、キールと言えば、この前郵送で誕生日プレゼントが贈られてきたの」
 莉々奈が言うと、菜々芭は剣呑な目をした。
「キールからのプレゼント……? またろくでもないものじゃ……」
「小さなキーホルダーで、縁結びのお守りだって。調べてみたけど、怪しい細工もしてなかったから、本当に誕生日プレゼントとして送ってきたみたい」
「何考えてるんでしょうね。そうやって油断させる作戦でしょうか」
「この調子で改心してくれたらいいんだけど」
「それにしても莉々奈さんに縁結びのお守りとか……念のために破棄しておきましょう。実は巧妙に呪いとか仕込んでいるかも知れません」
 菜々芭が少しトゲのある口調で言うと、莉々奈は微笑をこぼした。
「でも、ちゃんと効果はあったみたいよ。こうして魔法戦士同士の縁をちゃんと結んでくれてるんだから」
 ポジティブに考える莉々奈に、菜々芭はやれやれと苦笑しつつ、眩しそうに彼女を見つめた。
「あ、そう言えば、どうして霞さんの特訓のこと、私にも秘密にしていたのですか?」
 菜々芭はふと頭に浮かんだ疑問を莉々奈に投げかける。
 すると、莉々奈はギクリとした顔になった。
「え、えっと、それは……」
 言い淀む莉々奈を、菜々芭は怪訝な目で見る。
 そして、あることに気づいた。
「莉々奈さん、まさか……」
 菜々芭は席を立つと、莉々奈の横腹を両手で触る。
「きゃん!?」
 可愛らしい悲鳴を上げる莉々奈を、菜々芭はジト目で見上げた。
「最近血色がいいと思っていたら……莉々奈さん、少し太りましたね?」
 莉々奈はギクリとした表情で、視線を明後日の方向に逃がす。
「あ、あうう……そ、その、ちょ、ちょっとだけ……」
 確かに見た目にはわからない程度であるが、実際に触ってみると、脇腹のつかみ心地に以前にはなかった柔らかな手応えがあった。
 菜々芭は香那葉に向かって言う。
「香那葉さん、莉々奈さんの体重が戻るまで、甘い物は禁止でお願いします」
「ああああああ! そう言われるのが怖かったから、秘密にしてたのにぃ!」
 莉々奈は泣いてすがったが、菜々芭の厳しい監視の下、当面の間香那葉のお菓子にありつけなかったのだった。

 一方その頃、キールは。
「あああああああ! 口コミサイトアク禁にされてる! お、おのれ、魔法戦士! 許さんぞ!」

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