野山風一郎書き下ろし、2023抱き枕シンフォニックシュガー専用SSです!では、お楽しみ下さい!
「うう……くっ……」
呻き声を漏らし、私はベッドの上で身をよじる。
全身に巻かれた包帯の下の傷が痛み、顔をしかめてしまう。
心配そうにのぞき込んでくるあなたに、私はどうにか笑顔を作ってみせる。
「大丈夫ですよ……心配しないでください。この程度、何てことはありませんから……」
体中に巻かれた包帯……それはある上魔との戦いが原因だった。
地上世界に出現した上魔を、私はどうにか撃退することに成功した。
だが、上魔はただでは倒されなかったのだ。
「ああっ……んくっ……!」
包帯で隠された片目が、急激に熱を帯びる。
私には今、強力な呪いがかけられている。
上魔がその命を代償に使い、私を呪ったのだ。
この呪いは欲望を際限なく増幅するらしい。放置すれば、私は人としての理性を失い、欲するままに生きるようになってしまう。
力を持った、己の欲のためだけに生きる怪物……まるで魔族のようだ。
「それだけは……そんなことにだけは……なるわけにはいきません……!」
私は呪いに抵抗するため、対抗術式を作り上げた。
そしてその術式を、片目に埋め込んだのだ。
今、私の中で呪いと対抗術式がせめぎ合っている。その負荷によって、私は肉体にダメージを受けていた。
ダメージは全身に及び、物理的な傷が生じるほどだった。包帯はそのためのものだ。
替えの包帯を用意し、汗を拭うためのタオルを手に持っているあなたに、私は微笑みかける。
「ありがとうございます……あなたには助けられてばかりですね……」
あなたは小さく首を横に振り、包帯を取り替えてくれ始めた。
「どうにか呪いを抑え込めていられるのは、あなたのおかげです……本当に感謝してます……」
そう言った私を、逞しい腕が優しく抱きしめてくる。
その温かさに、私の頬が朱に染まって緩む。
「ふふ……あなたがこうして抱きしめてくれるから……私は耐えていられるんです……」
私一人では、きっとこの苦しみに負けていた。
「そばにいてくれた人が、あなたでよかった……」
包帯を巻かれた腕では、抱きしめ返せないのがもどかしい。
だから私は、精一杯の気持ちを言葉に込めた。
と、不意に下腹部が熱を帯びる。
「ああぁっ……!」
大きな声が漏れ、あなたは慌てたような表情をする。
乱れた魔力が全身で暴れ、外へ向かおうとする力で包帯が解けていく。
「はぁっ、ううっ、あああっ……!」
燃えるような熱さとともに、下腹部に淫らな呪紋が浮かび上がった。
淫紋――上魔に刻まれた呪いが形となったものだ。
片目を覆っていた包帯もほどけ、術式が封じられた瞳が晒される。
魔力によって変色し、魔法陣が鈍く光っている瞳を隠すように、私はあなたから顔を背ける。
あなたに怖がられるのが嫌だったから。
だけど、あなたはそんな私の顔を真正面から見つめ、そして再び抱きしめてくれた。
その優しさと温もりに、私の苦痛が少しずつ和らいでいく。
呪いによる欲望には肉欲も含まれる。
私はたまらなくなりあなたの首筋に吸い付く。
「ちゅっ……んっ……お、お願いします……私、もう……」
私は火照った息を吐きながら、あなたの首筋に何度も口づけをし、それでも足らなくなったら、軽く歯を立てた。
そんな私にあなたは言う。
「まるで子猫みたい……ですか? ……にゃお」
猫の鳴きまねをした私を見て、どういうわけかあなたは服を脱ぎ始めた。
「い、今ので興奮しちゃったのですか? も、もう、変な人ですね」
とは言いつつも、私も淫紋のせいで先ほどからずっと発情しっぱなしだ。
……いや、これは淫紋のせいだけじゃない。
この気持ちはきっと……。
「きてください……」
そう囁いた私を、あなたは強く抱きしめてくれたのだった。
(終)
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