Triangle広報 2023/12/02 19:24

野山風一郎書き下ろし、2023抱き枕シンフォニックシュガー専用SSです!では、お楽しみ下さい!


「うう……くっ……」
 呻き声を漏らし、私はベッドの上で身をよじる。
 全身に巻かれた包帯の下の傷が痛み、顔をしかめてしまう。
 心配そうにのぞき込んでくるあなたに、私はどうにか笑顔を作ってみせる。
「大丈夫ですよ……心配しないでください。この程度、何てことはありませんから……」
 体中に巻かれた包帯……それはある上魔との戦いが原因だった。
 地上世界に出現した上魔を、私はどうにか撃退することに成功した。
 だが、上魔はただでは倒されなかったのだ。
「ああっ……んくっ……!」
 包帯で隠された片目が、急激に熱を帯びる。
 私には今、強力な呪いがかけられている。
 上魔がその命を代償に使い、私を呪ったのだ。
 この呪いは欲望を際限なく増幅するらしい。放置すれば、私は人としての理性を失い、欲するままに生きるようになってしまう。
 力を持った、己の欲のためだけに生きる怪物……まるで魔族のようだ。
「それだけは……そんなことにだけは……なるわけにはいきません……!」
 私は呪いに抵抗するため、対抗術式を作り上げた。
 そしてその術式を、片目に埋め込んだのだ。

 今、私の中で呪いと対抗術式がせめぎ合っている。その負荷によって、私は肉体にダメージを受けていた。
 ダメージは全身に及び、物理的な傷が生じるほどだった。包帯はそのためのものだ。
 替えの包帯を用意し、汗を拭うためのタオルを手に持っているあなたに、私は微笑みかける。
「ありがとうございます……あなたには助けられてばかりですね……」
 あなたは小さく首を横に振り、包帯を取り替えてくれ始めた。
「どうにか呪いを抑え込めていられるのは、あなたのおかげです……本当に感謝してます……」
 そう言った私を、逞しい腕が優しく抱きしめてくる。
 その温かさに、私の頬が朱に染まって緩む。
「ふふ……あなたがこうして抱きしめてくれるから……私は耐えていられるんです……」
 私一人では、きっとこの苦しみに負けていた。
「そばにいてくれた人が、あなたでよかった……」
 包帯を巻かれた腕では、抱きしめ返せないのがもどかしい。
 だから私は、精一杯の気持ちを言葉に込めた。
 と、不意に下腹部が熱を帯びる。
「ああぁっ……!」
 大きな声が漏れ、あなたは慌てたような表情をする。
 乱れた魔力が全身で暴れ、外へ向かおうとする力で包帯が解けていく。

「はぁっ、ううっ、あああっ……!」
 燃えるような熱さとともに、下腹部に淫らな呪紋が浮かび上がった。

 淫紋――上魔に刻まれた呪いが形となったものだ。
 片目を覆っていた包帯もほどけ、術式が封じられた瞳が晒される。
 魔力によって変色し、魔法陣が鈍く光っている瞳を隠すように、私はあなたから顔を背ける。
 あなたに怖がられるのが嫌だったから。
 だけど、あなたはそんな私の顔を真正面から見つめ、そして再び抱きしめてくれた。
 その優しさと温もりに、私の苦痛が少しずつ和らいでいく。
 呪いによる欲望には肉欲も含まれる。
 私はたまらなくなりあなたの首筋に吸い付く。
「ちゅっ……んっ……お、お願いします……私、もう……」
 私は火照った息を吐きながら、あなたの首筋に何度も口づけをし、それでも足らなくなったら、軽く歯を立てた。
 そんな私にあなたは言う。
「まるで子猫みたい……ですか? ……にゃお」
 猫の鳴きまねをした私を見て、どういうわけかあなたは服を脱ぎ始めた。
「い、今ので興奮しちゃったのですか? も、もう、変な人ですね」
 とは言いつつも、私も淫紋のせいで先ほどからずっと発情しっぱなしだ。
 ……いや、これは淫紋のせいだけじゃない。
 この気持ちはきっと……。
「きてください……」
 そう囁いた私を、あなたは強く抱きしめてくれたのだった。
                            (終)

いかがでしたか?
是非、2023Triangleヒロイン抱き枕【シンフォニックシュガー】を抱きしめながら、お楽しみ下さいね~!

お申し込みはリンク先の【抱き枕バナー】をクリックで表示されるページの
【お申し込みはこちらから!】をクリック!
http://www.route2.co.jp/Triangle/index.html
締切は12/3日曜23:59まで!3枚以上ご注文原画家の斎藤なつき&JAMBREAD両先生直筆サインの複製イラスト色紙もゲット!お申し込み忘れにご注意を!

月別アーカイブ

限定特典から探す

記事を検索