映画「ファーザー」
映画「ファーザー」
娘と81歳の老人の物語だったので感動のノンフィクションだろうと思っていたらジャンルとしてはサイコホラーな作品でした。
他に類を見ない珍しい作品です。
この映画は日の光が多く、幽霊や殺人鬼などの異常者も出て来ません。
81歳の老人が主役で老人の視点から展開されていくだけです。
そんな映画が面白いとは思えないんですが見ていて頭が痛くなる作品なんですよね。
タイムループ作品は数ありますが、それが実はループしていなくて認知症の記憶の混濁だという凄いものを見せられている作品です。
ホラーなのに日の光がわざと多めに映っているのも悪意を感じます。
説明し辛いんですが例えば、
ルービックキューブの"青"の面を完成させたと思ったら白い面だった。
白い面じゃないんだと説明したら本当は何も完成していなかった。
そもそもルービックキューブなんて持っていなかった。
そんな日常的なことの中の恐怖を逆にホラーとして描いていない所も芸術的ですらある。
最初は憎たらしい老人が最終的には哀れな年寄りになってしまう死の恐怖。
ある意味タイムループなのにノンフィクションでもある素晴らしい作品でした。
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